劣等感の克服 【れっとうかん】 (inferiority complex)
劣等感を克服する方法は、劣等感を感じている体型、容姿、能力などを向上させることが有効と考えられている。健全な劣等感つまり向上心の裏返しの劣等感である場合は有効であろう。つまり劣等感を成長の原動力と捉え、成長により劣等感を解消するわけである。
一方、劣等感が「自分の存在そのものに対する劣等感」である場合、体型、容姿、能力などをつけても解消しない。このように劣等感が自己肯定感(自分のダメな部分も受け入れる心の力)の欠如である場合、他者の評価基準に合わせて努力しても劣等感が解消しない場合がある。
このような劣等感は恋愛において「こんな自分」対「素敵な相手」というとらえ方につながりやすい。劣等感から自分を亡くして相手に尽くしたり、相手を失う不安に耐えられず束縛する行動につながりやすい。
「自分の存在そのものに対する劣等感」は、幼少時に親から「感情や欲求」つまり自分のニーズを認められず、受け入れられなかったことに根っこがある場合が多い。その結果自分の感情を抑え込んだり欲求を汚いものと見なしたりして生き辛さを抱えることになる。
このタイプの劣等感を抱えている場合、感情や欲求が大切なものであると捉え直すことが必要である。カウンセラーに感情や欲求を話し、肯定してもらうことが劣等感克服のきっかけになったり、自由な感情や欲求を肯定している友人、先生などに受け入れられることが劣等感の解消に役立ったりする。
劣等感を解消する心理療法の技法としては、インナーチャイルドヒーリングが有効である。