夫の望むことをするな、夫のためになることをせよ

 

名経営者、松下幸之助の言葉に、
 
「客の好むものを売るな、客のためになるものを売れ」
 
という名言があります。
 
 
それとは、少し趣旨が異なりますが、その名言になぞらえて言うならば、
 
「夫の望むことをするな、夫のためになることをせよ」
 
とでも言えましょうか。
 
 
夫婦関係における、高度な対応をひとことで言うと、そういうことになります。
 
 
原則はシンプルです。
夫が人間的により豊かに成長するためのことをすべし。
 
しかし、実践は難しい。
 
たとえば、浮気がやまない夫に対して、妻という立場から、どう働きかけるべきか。
 
もちろん、夫の望むことをするな、なのです。夫が表面的には、その問題を不問に付してほしいと考えていたとしても、それが本当に夫のためになるのかどうか、それを考えよ、ということです。
やはり一定の厳しさは必要だと思います。
 
しかし逆に、妻の立場から、夫に厳しく罰を与えたり、きつく言ったりすることが、果たして夫の成長の役に立つのか?これもまた、熟慮すべきことです。
 
あるいは、妻という立場から厳しく言いにくいからといって、第三者を巻き込んで、妻側の味方多数 対 夫ひとり、という構図にすることが、夫の成長にとってプラスになるのか?
 
(人は、責められた状態では大抵反発しますし、変わろうなどと思わないものですから!)
 
 
原則はシンプルですが、実践は非常に難しい。
教科書的な解答は、ないんじゃないかと、私は考えています。
 
必死で知恵を絞って、あらゆる心理学の知識を総動員し、あらゆる経験を総動員し、頼れる味方は全て頼って、そうやって、なんとか、まあやってみようかと思える解決策が出てくる。
 
そのぐらいの感覚で構えておくべきだと考えています。
逆に言うと、そこまで考え抜かずに、安易な手段を使うと、ドツボにはまる可能性が高いよ、ということです。
 
そして、相手の望みに反したことをしようというときには、やはり、人間の成長について、よくよく知っておかなければなりません。人が成長するというのは、どういうことなのか。ガミガミ言われたら成長するのか?それとも愛に触れたときに成長するのか?愛とは何か?そういうことを、よくよく突き詰めて考えていないと、「夫の成長のために、私はこの行動をとる」と、自信を持って言えないと思います。
 
それだけ、他人に対して影響力を発揮しようという場合には、責任も伴うし、しっかり考え抜くという努力も必要なのです。
 
まずは、呪文のように唱えながら、
本当の意味で、夫のためになることって、どういうことなのか、考えてみてはいかがでしょうか。
 
「夫の望むことをするな、夫のためになることをせよ」


 

「夫の望むことをするな、夫のためになることをせよ」への8件のフィードバック

  1. 主人の浮気なんですが、主人は認めていません。
    今までも、隙あらば浮気をしていました。
    いわゆる浮気性なんですかね?
    でも、私と付き合う前までは、浮気なんてありえない人で、きちんと別れてから次の人と付き合うって感じでした。
    私と付き合いが長くなってきたら出会い系をやりはじめ、バレてはやめて、またしばらくしたらやりはじめてを繰り返し、それでもなんだかんだ結婚しました。
    結婚してからは、風俗やキャバクラなどで連絡先交換して親密になったり…。
    主人の浮気の原因は新鮮さやドキドキ感が欲しくてだと思います。
    だけど元々真面目なので、浮気じゃなく本気になりそうで怖いです。
    キャバクラに行く事事態は付き合いや接待などで仕方ないと理解してますが、
    連絡先交換して親密になるのはイヤです。
    キャバクラ、風俗は私と結婚するまで行った事がなく、
    大人になって覚えた遊びにハマって、楽しくて仕方ないという感じです。
    大人になってハマるとなかなかやめれないと聞くので辛いです。
    今は携帯をロックしてるので、証拠がない為認めません。
    話しをしようとすると、浮気なんてしてないの一点張りで話しになりません。
    だからと言って、放置してさらに親密になられても嫌です。
    認めてない事をどのように伝えたらやめてくれるのでしょうか?
    私がどれだけ訴えても、主人自身が浮気はダメな
    事だって、気付かないと根本的解決にはならないと思ってます。
    主人に気付かせるいい方法はないでしょうか?

  2. 本当に・・・そう思います。
     
    夫の望みもまた、「成長しないですむこと」だと思います。
    私に、胎児と妊婦のような、一方的な完全受容の関係を望んでいます。
     
    こういうわがままは、子供が寝る前にお菓子を食べたがるみたいな物ですよね・・。
    相手がいい大人で、何でも分かっているような顔をしているぶん、分かりにくいですが・・。
     
    「目の前のニンジン」をぶらさげたり、
    アメと鞭を使い分ける猛獣使いのように振る舞う事が、大事なんでしょうね。
    結婚前は、わたしと結婚する事が、「目の前のニンジン」でしたが・・。
     
    わたしも試行錯誤しましたが、うちの旦那は、
    子供時代の心の問題いじょうに、発達障害(アスペルガー)の傾向が強いと思うに至りました。
    生半可な考えで言っているわけではありません。
     
    アスペルガーと割り切って、成長しない夫を放っておくことで、いくらかは楽になれると思います。それもそれで、もちろん辛いですが。
    結婚前など、早い段階でもし分かっていたら、夫の悪気のない残酷さに、こんなに傷つき苦しむこともなかったろうとも思います。悪気のある残酷さよりも、わけが分からず辛かったです。
    疲れ果て、さらに孤軍奮闘するより離婚した方がいいような気もしています。せめて診断が受けられたらいいですが、該当するレベルかはわかりません。
     
    お金を与えて放任していたので、親も気づきにくかったのだと思います。
    子供のころ、話しかけに無反応なので、聴力検査を受けさせられ、異常なかったのでそれきりだったそうです。
     
    発達障害の方は、かえってコミュニケーション能力が高い人を好まれるようなので、旦那さんの成長をサポートするほど、コミュニケーション能力の差が大きい場合は、奥さんが無駄に燃え尽きないためにも、そういう方向の知識も入れておいた方がいいんじゃないかと、自分の経験から思います。

  3. こんにちは。
     
    いつも、興味深く読ませて頂いています。
     
    あづま先生の、言葉は重く、何度も心に反芻しなければ、表面だけなぞっても
    本当の意味で、心に入って来ません。
    その分、真理を射てるからでしょう。
     
    「夫の」というところを、「自分の」に置き換えてもいいでしょうか?
     
    例えば、自分の目先の「怒り」や「悔しさ」「寂しさ」を埋めるために、行動するのではなく、
    長い目で見て「自分」にとって、ためになっているのか?
    「自分」にとって成長につながるのか?
    「自分」にとって幸せに向かっているのか?・・・等
     
    まだまだ、思うだけで、完璧にはいかず、情けないですが、
     
    トライしてみます。

  4. Helpさん
     
    コメントありがとうございました。
    ここを読まれるかどうか分かりませんが、他の読者さんのためにも、回答を書いておこうと思います。
     
    「なぜ、バレなくても浮気をしないことが大事なのか。」
    この問いに、自分なりの明確な答えを持てないと、夫に苦言を言うことは出来ないでしょう。
     
    残念ながら、Helpさんのコメントを見る限り、ご主人さんは、不平不満文句の多い、感情的なHelpさんの意見を聞くのはうんざり、となるのではないかと予想します。
    これでは、相手に動いてもらうことは出来ません。
     
    浮気問題を解決するときには、たとえ問題を相手が作ったと思える場合でも、最高に有効な解決策を考え、実践できるぐらいに、自分が感情的に落ち着いていなければなりません。
     
    感情的に落ち着いた状態で、相手に、苦情(=自分都合の言い分)ではなく、苦言(=相手の立場に立ったアドバイス)を言う必要があります。
     
     
    ここからは、少し発展した話になりますが、
    ここを読まれた他の女性の方にも読んでほしくて書いておきます。
     
    人はどう生きるべきか、尊敬に値する行動とはどういうものか、自分と他人との距離感はどうとるべきか、相手の問題にどこまで踏み込むのが人間として適切なのか、自分の感情を相手に吐き出すのは、どの程度までOKなのか、依存とは何か、などなど。
     
    人生を生きる上で、普遍的に大切にすべきことを、独りよがりでなく、女性特有の思考に偏ることもなく(もちろん男性特有の思考に偏ることもなく)、自分の中にしっかり持つこと。
     
    これはとても大事なことだと考えています。
     
    私のところに寄せられる相談の事例から思うことは、
     
    こうした、人生において大切なこと、道徳観、正義感などが欠如すると、男性は問題行動を起こすことが多く、女性は問題行動を起こす男性に気づかず結婚してしまうことが多いようです。
     
    最近は、親は「優しく」あるのがいいとの勘違いから、道徳観や正義感をきちんと教える厳しさを放棄して、真剣に関わらない親が増えているように思います。
     
    でも、それではいけないのだと、私は思います。
    人はどう生きるべきか、という大事なことを、しっかり心に持つことこそが、問題行動の多い男性に早期に気づくために大切なことだと考えています。

  5. エミさん
     
    コメントありがとうございます。
    (レスがものすごく遅くなりました…言い訳ですがあちこちの記事にコメントがつくもので、全部気づききれないことがあります)
     
    発達障害に関しては、確かに、気づかないと、延々巻き込まれてしまう可能性がありますね。
    これまで私は、幼少期の愛情不足からくる問題(例:アダルトチルドレン)などを中心に解決方法の探求を行ってきました。
     
    恋愛において問題が起きるケースで、精神科でも病名がつかないぐらいの心理的な問題の場合、経験上9割方が幼少期の愛情不足の問題ですので。
     
    しかし、確かにおっしゃるように、パートナーが発達障害を持っている可能性が考えられるケースは、対応のための正しい知識が欠かせませんね。
    確かにこれまでは、全くノーマークでした。
     
    私一人のパワーでどこまで出来るか分かりませんが、今後はそういうケースへの対応方法なども、視野に入れていけるといいな、と思います。
    (別のセラピストに担当してもらうかもしれませんが)
     
    貴重なご意見ありがとうございました。

  6. shiawaseさん
     
    コメントありがとうございます。
     
    >「夫の」というところを、「自分の」に置き換えてもいいでしょうか?
    いやまさに、その通りだと思いますよ。
     
    エゴとハイヤーマインド
    小我と大我
    など、自分の狭い視点やその視点から生まれる感情に振り回されるあり方と、
    広い視野と、その視野から生まれる考え方に基づくあり方と、
     
    対比がありますよね。
     
    自分の「成長」につながっているか?
    「長い目で見て」自分のためになっているか?
    自他を対等に、大切に扱っているか?
    この三つの視点は、特に大事なことかな、と私は考えています。
     
    そして、相手のためになることが、真に理解できるためには、まず、自分が実践することだと思います。
     
    話を深める、とてもいい視点からのコメントを頂きました。
    ありがとうございましたm(_^_)m

  7. コメントありがとうございました。
    なぜ、浮気はいけないか?の問いに私は相手を裏切って悲しませたくないからという気持ちがあります。
    浮気をする方は軽い気持ちかもしれないですが、された方は、目の前が真っ暗になる程辛い気持ちになる事を私は知っているので、大切な相手にそんな事をしようとも思いません。
    人としてどうあるべきか?はなんとなく分かるのですが、相手との関わり方が私は上手く出来なくて、浮気してる事が分かると、つい責めてしまいます。
    夫婦がどこまで、干渉していいか?が分かっていても、浮気が心配で干渉し過ぎてしまいます。
    でも、干渉しなくても浮気をするし、干渉しても鬱陶しいと思われて浮気をするし、どうしたらいいか分かりません。
    浮気されると、不安になってしまうのですが、それでは感情的になってしまうのでいけないですよね?
    でも、不安になるという気持ちは勝手に出てきて、なくそうと思ってもなくなりません。
    感情をどうしたらコントロール出来るのでしょうか?

  8. Helpさん
     
    コメントありがとうございます。
     
    ・・・残念ながら、その論理では、相手は嫌がるんじゃないかな。
     
    そうそう、大前提ですが、ご主人さんは浮気症なんだと思いますよ。だから、別れるという道も十分に立派な道だと思います。もし一緒にやっていこうとするなら、通常の夫婦以上に、慎重で精神的にどっしりと構えた対応が必要だと思います。
     
     
    それで、なぜ、その論理ではダメかというと、
    結局「私がイヤだから」という私側の理屈にしかなっていないからです。
     
    うまく行っている関係においては、私が辛い、となれば、相手は思いやりの心を持って行動を変えてくれます。
     
    でも、うまく行っていない関係になってくると、私が辛い、に対して、「オレはもっと辛い」「そんなの関係ない」という論理で跳ね返されてしまいます。
     
     
    ご主人さんの側の利害に立った視点で、浮気はなぜいけないかが言えないと、伝わらないと思います。
     
     
    それから、感情のコントロールについてですが、
    子供の頃から親に無条件に受け入れられたり、スキンシップをもらったり、親から「ありがとう」と言われたり、成長したことを喜んでもらったり、良いことをほめられたりと、
     
    プラスの働きかけ、承認をたっぷりもらった人は、感情が安定します。
    これも程度問題で、虐待を受けたほどではなくても、親からの承認は少なかった、ということは、よくあることです。
     
    心の奥底に、ちゃんと承認をたっぷり受け取っていれば、人の心は安定するのです。
     
    一人で取り組むと、表面的な取り組みになりがちなので、以下のことだけで完璧な対策だと思わずに、始めの一歩ぐらいの感覚で捉えてほしいのですが、
     
    他人からほめられたこと、受け入れられたこと、存在を認められたこと…
    そういう、自分を承認されたことをつけるノートを作って下さい。
    毎日、自分が受け入れてもらえたことを、書いて、味わって、感謝して受け取ります。
     
    それを、コツコツと重ねて下さい。
     
     
    なお、恋愛セラピーでは、幼少期の承認不足を、大人になってから効果的に補うワークを取り入れていますので、そういった専門的な方法の方が解決は早いです。
     
     
    Helpさんが、心の奥底に承認をしっかりためて、満ちた状態になること、それこそが、根本的な対策のような気がします。
     
    あとは、どれだけ本気で、根本的な対策に取り組み続けるかです。
     
     
    ちなみに補足ですが、ご主人さんのことを手放して別れを選ぶ場合も、取り組み方は全く一緒です。意外に思うかもしれませんが、自分の中に承認が満ちてくると、自分らしい道を選ぶことができるのです。
     
     
    応援しています。

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