★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 747号 2017.1.17
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
いよいよ今年から、大人の心理学コミュニティー
【ココアミ!】を始めます。
毎月の講座と、会員の交流(たぶん、話の合う人が多いはず)
そんな、学びと仲間作りの場になればと願っています。
ココアミ!
https://www.556health.com/sp/cocoami/
無料期間中の動画も本気で語ったものです!
体験だけでもぜひぜひ!
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針などは、
実際に行われたセッションや、あづまの考えを元にし、
リアリティーを大切にして制作しております。
逆に悩みの内容などのディテールは全て入れ替えて
創作し、プライバシーに配慮しております。
作品ですので、ある程度の誇張・脚色がございます。
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
【登場人物】
(現在の人物)
ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
なつを ドクターの助手
まいくん 今回のクライアント 鎖骨にほくろの女性しか愛せない
みきさん まいくんの奥さま
今回までのあらすじ
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、まいくんの、
初めての性的興奮の体験が原因と探り当て、それを癒してしまった。
その後、女に感じる性的な興奮と、妻に感じる安心感を、
統合するワークを行い、解決した。
まいくんの奥さまが相談に見えたのだが・・・問題点を指摘する
のではなく、ドクターは奥さまの愛を確認し、感動のセッション
となった。
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
第六幕
ゆり子はノートを閉じた。
(私は、みきさんのように「この人」と思い続けられるのだろうか。)
ゆり子は思った。自分はみきさんのように、浮気されても相手のことを
思い続けるなんてできないような気がした。
はぁ。ため息が漏れた。ゆり子は考えていた。私は本当に、主人のことを
愛しているのだろうか。それとも、私にとって利用価値があるから
一緒にいたいと思っていただけなのだろうか、と。
ここでゆり子はハッと我に返った。以前なら、このまま自分は本当に
愛しているだろうか、ちゃんとできているだろうか、本当に頑張って
いるだろうか、と自分を責めたり、自分を追い込むような考えが
ぐるぐるめぐって、どんどん暗くなることがあったが、このノート
「恋愛ドクターの遺産」を読むようになって、とくに前回ノートを
読んだ後に見た夢の中で「ゆるしのワーク」が起きたからなのか、
最近はこうして自分を責めるモードから我に返るのが早くなった。
ほんと、不思議な小説だなぁ。ゆり子は思った。未だに読まれている
古典的小説というと夏目漱石の「こころ」と太宰治の「人間失格」が
双璧だそうだ。でも、あのような典型的な文学を読むとゆり子は
苦しくなった。無理やり自分の内面の「汚いところ」と向き合わされて
いる気がするからだ。文学は「肩の荷を背負わされる小説」、
恋愛ドクターの遺産は、「荷物を下ろさせてくれる小説」
そんな気がした。
自分を責めすぎても暗くなるだけで、あまりプラスにならないな、
そう思い直したゆり子は、今度は、自分が今の夫を選んだ理由に
ついて考えをめぐらせていた。
(私はどうして、幸雄さんを選んだのだろう?)
そんな風に考えていて、心に浮かんできたのは、ゆり子もノートの
中のみきさんと同じように、年齢は中学校の頃だったが、学校で
いじめられたことだった。誰にも言えず、しばらく毎日耐えていた。
それに、いじめというのは、真綿で首を絞めるように、じわじわと
始まり、気づいたときにはずいぶんダメージを受けているものなのだ。
当時、親に相談して、担任も動いてくれて、それで問題は解決に
向かったのだが、我慢した期間と、解決まで少し時間がかかったのと
で、結局半年ぐらいは、ゆり子はいじめに苦しんだ計算になる。
(私、誰かに守ってほしかったんだ)ゆり子はふと気づいた。
そうだ、自分は誰かに守ってほしかった。幸雄さんとの出会いは、
大学時代のサークル活動で、だったが、ゆり子が周りのメンバーから、
誤解に基づく中傷を受けそうになっていたときに、
「証拠もないことで彼女を責めて、お前ら、後で間違いと分かった
とき、ちゃんと今言ったことの責任を取るんだろうな?オレは誰が
何を言ったか、今全部記憶したぞ。」と言って守ってくれた。
そして実際「後で間違いと分かった」のだった。
その一件があって、ゆり子は幸雄さんに心惹かれるようになったのだった。
そのことを思い出したら、両目に熱い涙があふれた。そうだ、
私は幸雄さんの強さに惹かれたんだ。守ってくれたから、
本当に感謝していたんだ。
ただ、そのことは事実だが、共感力のない夫のおかげで結婚生活が
苦しかったのもまた、事実だった。戦う場面ではとても頼りになる
けれど、平和な世界の中では、いい話相手になってはくれないのだ。
「やり直した方がいいのかなぁ。でも、続けていく自信、全然ないなぁ。」
ゆり子はつぶやいた。
(第二話 終わり。第三話へとつづく)
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
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