恋愛ドクターの遺産(4)−2

こばやんが、初回のセッションで話した内容を要約するとこういうことだ。
妻から離婚を言い渡された。妻曰く、自分は妻の話を聞いていないそうだ。ただ、自分としては聞いているし、必要なアドバイスもしてきたつもりなので、そう言われるのは心外だ。しかしそれを伝えたところ「だからあなたは分かってない」と言われて、ますます妻の気持ちは離れているようだった。
自分としては、家族を守るために一生懸命だったし、妻の話も聞いていたし、できるだけ頑張っていたつもりだった(し、今もそうしている)。
ただ、気になるのは、仕事が本当に忙しくて、家でもささくれだった気持ちでいたことが、結構多かったし、それが5年ぐらいずっと続いていたのは事実だ。

先生も、こばやんの子供時代のことを聞いた。こばやんは実家が商売をやっていて両親共に店に出ていて忙しかったこと、学校から帰ってきても誰もいないことがあって寂しかったことなどを話していた。

子供時代に寂しかったのだから、愛情飢餓があって、現在の夫婦関係の問題が起きている。なつをは、そういうことをドクターから教わったし、心理学の本にもそう書いてある。夫婦関係は、自分が親子関係で未解決になっている問題を再現する舞台になると。先日のMさんのセッションではドクターは自信満々に「あなたと奥さまの間に起きる問題は、実はあなたとお母様の間の、未解決の心理的な問題なのです。あなたの場合は、子供時代の『愛情飢餓』を未だに引きずっていることが大きく影響しているようですね。」と言っていた。
今回も似ているケースだからなつをは「愛情飢餓」だと言ったのに、ドクターからいきなり頭ごなしにダメ出しをされて、内心頭にきていた。

(自分が教えた話なのに・・・自分が言うのは良くて、私が言うのは許さない、ということなの・・・?手柄を独占したいってこと? 尊敬できる先生かと思ったけど意外に器が小さいのかも・・・ただ、最後に言われた「クライアントから意識がそれている」というのは当たっているだけにぐうの音も出なかった・・・)

(2016/12/06追記:メルマガと数字を合わせるため連載の番号を変更しました)

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