私のところには色々な悩みで相談に来る方がいらっしゃいますが、心の問題をずっと放置して、感情が固く固まってしまってから相談にいらっしゃる方や、恋愛が問題だらけになって、もう別れるしかないかも、という段階になってから相談にいらっしゃる方を見ると、
「もっと早い段階で相談に来ればよかったのに」
そう思うこともしばしばです。
最近思うのですが、恋愛の初期には心のエネルギーがすごくたくさんあり、少しぐらいの過去のトラウマがあっても癒すパワーがあるのです。その時期に、心理セラピーを受けたらすごい効果が出るのになぁ、といつも思います。
恋愛初期には、すごくときめきがあり、期待があり、世界が一気に明るくなるような感覚があります。ところが少し経つと相手の嫌な面が見えてきたり、自分のダメなところが意識させられたりしてものすごくイライラしたり、不快な気持ちになったりします。あるいは、「どうして私の寂しさを分かってくれないの!」みたいに、相手にそんな義務はないのに、勝手に期待する気持ちが湧き上がってきます。
実は、相手に期待する気持ちが強いのは、依存なのです。十分に心が自立していないということなのです(あなたが悪いという意味ではありません)。そこに気づいてください。
大人同士の関係では、自分の幸せや自分の欲求を満たすのは、自分の責任です。相手に押しつけるのは自分勝手な行動なのです。相手に頼んではいけないという意味ではありません。相手にお願いし、やってくれたら感謝する、やってくれなくても、相手には断る権利があるわけだからふて腐れたりしない。これが大人としての頼み方なのです。
それがうまくできないのは、心の中に「満たされなかった想い」があるからです。多くの場合、親からもらえなかった愛情を恋人に押しつけるようです。
・お父さんがいつも仕事で忙しく、「寂しい。一緒にいてほしい。」が言えなかった。
・お母さんが教育ママで厳しく、「優しく受け入れてほしい。」が言えなかった。
・お母さんが身を粉にして働いていて、「楽しいことしよう」が言えなかった。
・お父さんが苦行のように仕事をしていて、「楽しいことしよう」が言えなかった。
(親をイメージして、「言いたかったけど言えなかったこと」を思い出してみましょう)
恋愛初期にネガティブな感情が出てくると、私たちはつい「相手が悪い」「自分が悪い」と攻撃してしまいます。しかし、恋愛をして感情が開くときには過去に抑え込んでいたネガティブな感情がどどど?っと出てくるものなのです。
少し脱線しますが、二人が親密になって初めてのセックスの後に急に取り乱したり説教したりする男性の話を聞いたことありませんか?これは、男性はセックスによって感情が開くので、それまでため込んでいたネガティブな感情すなわち、怒り・寂しさ・不安・悲しみ・罪悪感・無力感などがどどど?っと出てくるのです。あくまで出てきたのは過去の感情なのですが、今まで抑え込むことで感情をコントロールしてきた本人にとっては、慌てふためく事態です。
とにかく、恋愛初期には感情が揺れ動き、過去に蓄積したネガティブなものがどわーっと出るのだということを知っていれば、あわてずに済みます。反省することがあるとすれば、今までネガティブな感情を抑え込んできたことです。この機会に感じきってしまいましょう。
一番いい方法は、今交際している相手に対して感じている感情を、過去にも感じたことがなかったかどうか心を探ることです。過去の交際相手に対しても感じたかもしれないし、いつも感じているのであれば根っこは子供時代にあると思われます。
泣けるなら、十分に涙を流すのがいいし、怒りが出てきたら、その怒りは自分の感情であることを十分に分かった上で、怒りを感じてください。怒りは被害の感情です。どんな被害を自分が受けたのか、そして本当はどうあってほしかったのか、自分をよく見つめてください。寂しい気持ちだったら、自分で自分を抱きしめてあげる気持ちを持つといいかもしれません(実際に自分の体を抱きしめてみるのもいいでしょう)。
まとめると、恋愛初期のエネルギーはすごく強くて、その時に過去にため込んできたネガティブな感情を吐き出すチャンスがやってくる。でも本人にとっては今まで抑え込んでコントロールできた感情が急に暴れ始めたように思えて慌てるかもしれない。癒しの一過程だと分かっていれば慌てずに済む。ということです。
ネガティブな感情が強い場合、恋愛セラピーを受けてみるのもいい心がけです。二人の関係が破滅に向かってからじゃなくて、これからの希望がたっぷりあり、心のエネルギーもたっぷりある恋愛初期に、心にため込んだネガティブな感情を感じきって吐き出してしまう。
すると、穏やかな愛情が続く恋愛がしやすくなります。
はじめてこちらのコラムを読ませていただきました。
いろいろ気づきのきっかけになることばかりです。
ありがとうございます。
現在、恋愛初期にさしかかろうとしていますが、
ひとりは妻子持ちの男性、もうひとりは年下の誠実な男性です。
正直、ふたりの間で揺れています。
どちらともおつきあいするなんて器用なことはできません。
浮気・不倫関係のコラムから読み進め、
年下の男性とおつきあいしてみようと思いはじめましたが、
いろんなコラムを読んでいくうちに、
どちらの男性とおつきあいするにしても
幸せになれるかどうかは自分の心がけ次第なのではないかと
考えるようになりました。
たとえ相手が浮気性なひとであっても、
こちらの心がけ次第で私にとっては誠実な男性に変わることもありますよね?
また誠実なひとであっても、自分の未来の可能性を狭めてしまう場合もあります。
ひと口に、不倫はダメだ、誠実な人はいい
と言えなくなってしまいました。
だからといって妻子ある男性とおつきあいしようというわけではありません。
結局は、自分がどう生きたいか、相手のことを本気で思いやれるか、
そして、自分の生き方と相手の生き方(目に見えるさまざまな条件も含めて)を尊重しあえて、
ひとつのところへ向かえるかが大事なのかなと思いました。
自分自身、目標を決めてひとつひとつ実現させてきたこともあり、
相手にも一度きりの人生を可能性に向かってチャレンジしてほしいと思います。
自分の幸せとは何なのか、本当にむずかしい問題です。
わたしの考え方は、まちがっているのでしょうか?
アドバイスいただけるとうれしいです。
Nさん
コメントありがとうございます。
ここは公開された場所ですから、プライベートな内容に踏み込むことはできませんので、一般論でしか答えられないことをご了解下さい。
アドバイスと言っても、話があちこちに飛んでいて、
どこにアドバイスすればいいのかよく分かりませんでした。
日々自分の幸せについてよく考えることが大事です。
どんなときに嬉しいのか?
どんなときに楽しいのか?
他人の目ではなく、あなたの心にしたがって生きる
ことが幸せに向かう道です。
ネガティブな感情を我慢するクセがあったりすると、
心が鈍くなってしまいますので、
しっかりとネガティブな感情を吐き出して、
どんな時に幸せを感じるのか、よく知ってください。
もう一度ご自分の書いた文章をよく読んでください。
方向が定まっていないことがよく分かるでしょ?
色々なことが書いてあって、どの部分について合っているか間違っているか知りたいのかすら分かりませんでした。
辛口に答えるなら、あっている、間違っている以前の段階です。
ご自分の心としっかり対話することが必要ですよ。
失礼しました。
コメント、ありがとうございました。
Nさんへ。
この好きなひとにあてたラブソングみたいですね^^いい意味でね^^
Nさんへ
辛口で申し訳ありませんが、「自分と相手が幸せならばそれでいい」と
自分勝手な捕らえ方に偏っているようで、(違っていたらすみません)コメントさせて頂きます。
不倫はダメだと思います。基本的に。
倫理的に、誰かを不幸にしてまで得る幸せのみを考えていたら、
本当に大切なものを見失ってしまう気がします。
自分を大切にできる人は、相手や相手を取り巻く環境までも大切にできる人ではないでしょうか?
いいことも悪い事も、めぐり巡っていつかは自分にふりかかってくるものです。
今、自分はどうすべきなのか道を間違われませんようにと祈っています。
さちさん
コメントありがとうございます。
不倫をしてしまう人も、不倫はいけないと分かっているものなのです。それ以上に、苦しい心があるのです。
課題は、その心を癒すこと。
風邪で言えばウイルスを消すことです。
不倫(風邪で言えば症状つまり熱や鼻水)だけ止めても解決はしないのです。
祈るときには、その心の痛みが癒えますように、そう祈って頂きたいと思います。
はじめまして。いつもコラムを参考にさせていただいてます。
現在の彼とは付き合い始めて3ヶ月ほど経ちましたが、最近どうしても感情のコントロールができません。。。
コラムにあった通り、過去の恋愛でも同じことがあり、その時は寂しさと怒りの感情を抑えられずに、結局半年ほどでフラれてしまいました。
相手のことを本気で好きになればなるほど、自分でも予測しない場面で、急に怒りや寂しさがこみ上げ、相手を攻めたり、気持ちを確かめたりしてしまいます。
相手のことを本当に好きになれば、自分より相手を思いやって、より楽しく付き合えるはずだと思うのですが、マイナスの感情ばかりぶつけてしまうのは、やはり自己中心的で、本当は相手のことを好きではないのでしょうか?
正直、父親のような人とは結婚したくないし、父親のことをうざいと思ってしまいます。
母親はいつも父親の悪口ばかり言いますが、いまだに離婚はしていませんので、そんな母親のようになりたいくないと思っています。
私は両親のような結婚はしたくないという思いが強く、男性に対して理想が高くなっているように思います。
でも、幸せな結婚はしたいのです。
プラス思考のときは、自分でも恋愛が楽しくとても幸せな日々が続きます。
それなのにどうして、何が心に引っかかって、急にマイナス思考になるのか、自分でも分かりません。
自分が嫌いになるばかりで、いつもいつも不安と自己嫌悪の毎日です。
男性の心理や、言って良い事悪い事は、頭では分かっていますが、心が感情をコントロールできなくなってしまいます。
こんな私にどうかアドバイスをいただけないでしょうか?
ちょこさん(及び、同じような感覚を感じている読者の方)へ
コメントありがとうございます。
父親に対して怒りや憎しみを感じていると、それを彼氏に向けてしまいます。
これは、ちょこさんだけでなく、誰でも持っている「感情の仕組み」です。感情はぜんぶつながっているのです。溜め込んでいて、未解決の感情があると、それがあらゆる人やものに向きます。
彼に対して怒ったとすると彼の存在や言動は単なる「きっかけ」。パブロフの犬でいう「ベル」なのです。怒り(の感情の素)は子供時代に溜め込んでいて、心の中にあったものです。
ちょこさんの「予測しない場面で」怒りや寂しさが湧いてくるという症状は、まさに典型的な「子供時代の感情が出てきている」状態だと思います。
大もとの感情をしっかり癒すことが根本的な解決策です。
感情は、苦しいかもしれませんがしっかり感じきること、これが解決のための大原則です。
セラピーなど、寄り添ってくれる人(セラピスト)がいる方が、癒しが楽に進みます。一人でやる場合は、ちょっとしんどいかな。ネガティブな感情をずっと感じていると自己嫌悪になったりしやすいですからね。否定せずに気持ちを聞いてくれる友達がいるなら、協力してもらうことがいいかもしれません(要するに、友だちにセラピスト役になってもらうということ)。
で、ここからあとは、ちゃんと感情を吐き出し終わってからでないとできない作業ですが、半年先を見越して書くだけ書いておきます。
感情を吐き出したあと、父親を「許す」という作業が必要になると思います。この「許す」という言葉、一般的にみんなが使っているのと少し違う意味なので、説明が難しいのですが、
「もう、父親には影響されない」という状態になることです。「父親みたいな人は嫌」というのは「影響されている」ということです。
この状態に向かうためのポイントは、「相手の苦しみを理解する」ことです。お父様も、おそらく育ってきた環境の影響を受けているはず。そこを思いやってあげられると、「無罪放免」という意味の「許す」ではなく、「理解」して、「もう怒るのはやめよう」という意味の「許す」ことができるのではないでしょうか。
繰り返しますが、この作業がうまくできるには、まず感情をしっかり吐き出すことが必要です。
セラピストとしての経験上、数ヶ月かけて嫌な感情を吐き出し尽くす必要があった人もいます。ここを適当に終わらせると、次に進めません。
でも、ちゃんと感情の整理を終わらせると、今までの自分は何だったのかと思うほど、機嫌よくて、心の軽い自分になれます。当然、恋愛や人間関係も、努力しなくてもうまくいくようになります。
ちょこさんが、しっかり心の癒しを終え、幸せな恋愛ができる心を手に入れられますよう、お祈りしております。
あづまさん
アドバイスありがとうございます。
アドバイスを読んだだけで、涙があふれてきて、涙と一緒に少し感情が吐き出せたような気がします。
残りの感情は、友達にセラピストになって話を聞いてもらうえるよう、さっそくお願いしてみました。
そして、「父親を許す」ことですよね。
過去の父親との関係に関するコラムを、もう一度じっくり読み返してみました。
心から「父親を許す」ことができるように頑張ってみます。
そして、自分の力で幸せになりたいと思います。