NLP(神経言語プログラミング):罪悪感を癒し、自分の能力に気づく

 

C子さん(女性)

罪悪感を癒し、自分の能力に気づく?C子さんの事例
 
 
【1回目】
 
C子さんは、スレンダーで明るく、快活なイメージの方でした。
彼氏が出来ず悩んでいるとのこと。理由として本人が挙げたのが、
 
小学校の頃、少し知能が遅れていた感じのMちゃんのお世話をする係を先生から任命されて、
それが嫌だったとのこと。
 
朝起きたときなどに、Mちゃんの姿がいまだに出てくるという話でした。確かに大人になってか
らも、いつもある映像が出てくるとしたらそこに何か未解決の問題があるんです。
 
あづま:(以下あ)目の前にMちゃんをイメージしてください。
C子さん:(以下C)はい。
 
あ:Mちゃんを見ていると、どんな気持ちがしますか?
C:なんか、嫌な気持ちです。
 
私は「嫌な気持ち」そのものに問題があるのか(本当は親に対して感じている気持ちが「投影」
されているケースなど)、それとも、Mちゃんとの出来事が根っこにあって、Mちゃんに意識が向
いているのか、ちょっと知りたいと思いました。そこで・・・
 
あ:目の前にMちゃんをイメージしながら、出てくる気持ちを感じていてください。その気持ちは
  体のどの辺にありますか?
 
C:胸のあたりです。
 
あ:では、Mちゃんと胸にある感じの両方を意識してください。
 
(1分ぐらい経過)
 
あ:今意識は胸にある感じと、Mちゃんとどっちに行ってますか?
 
C:Mちゃんです。
 
つまり彼女は、感情そのものよりもMちゃんを強く意識していたということになります。感情その
ものならフォーカシングという方法、相手に意識が行っている場合ポジションチェンジ(ゲシュタル
ト療法)に誘導するのが自然です。
 
そこで・・・
 
あ:今Mちゃんに対して感じている気持ちはどんなものですか?
 
C:嫌な感じです。
 
あ:では、それをMちゃんに伝えてみてください。私は、あなたを見ていて、嫌な感じがするって。
 
C:Mちゃんを見ていると、嫌な感じがします。
 
あ:今度はどうですか?
 
C:Mちゃんも私を嫌っているような気がします。
 
あ:そうですか。では今度は、心だけ抜け出して、Mちゃんの中に入ったとイメージしてください。
  Mちゃんになって、目の前にC子さんがいるとイメージします。
 
C(Mちゃんになった気持ち。以下M):はい。
 
あ:Mちゃん、目の前にC子さんがいます。C子さんは、Mちゃんに嫌われていると感じていたみ
  たいですよ。Mちゃんは、どう思っていたの?
 
M:(好きではないけど)色々面倒を見てくれたので、嬉しかった。
 
(中略)
 
あ:では、元に戻ってください。C子さん、Mちゃんに対する気持ちはどうですか?
 
C:あ!なんかすごく軽くなりました!ありがとうございました。
 
 
ちょっと解説すると、自分が相手のことを嫌だと思っていると、相手も自分を嫌っているように感じ
るものなんです。これを「投影」と言います。
 
チェンジしてみると、あれ?それって思いこみだったのかな?なんて思うことがあります。
 
このワークは、私も一人ではなかなかうまくできません。セラピストの誘導があった方がうまくで
きると思います。
 
 
 
【2回目】
 
2回目の相談は、Mちゃんが登場しなくなったという良い報告から始まりました。今回は、どうも
自分が「○○しなければならない」という考えに捕らわれてしまうところがポイントだということが、
話を聞いているうちに伝わってきました。
 
彼女は先生のような、指導する仕事をしている関係上、どうしても日頃から指示・命令調の言い
方が多くなっていました。
 
自分が他人に言う言葉は、自分が一番始めに聞いているのです。
 
そこで、少しリラックスしてもらうために「チャクラの瞑想」という催眠のワークをしてから、話をして
いきました。
 
成長期には頑張ることも大事だけれど、大人になったら力を抜いて幸せを受け取る感性が大事な
んだって話をしました。
 
自分の言葉で自分を縛ってしまうのは、先生がよく陥りがちな罠だってことも。成長期の生徒と
大人の自分は分けて考えなきゃ。
 
指導するときに、命令だけするんじゃなくて、きちんと行動することが将来の「幸せ」につながるん
だってことを言葉や気持ちで伝えること。それが自分に幸せを許可することにつながるってこと。
 
 
【3回目】
 
3回目の相談は、既に解決したはずのMちゃんが再度登場するというショッキングな話から始ま
りました。
 
あ:またMちゃん出ちゃった?戻っちゃった?
 
C:はい。何か楽しいことをしようとすると、Mちゃんが浮かんで、罪悪感のような気持ちが出てきて・・・
 
あ:あれ?それって、戻ってないですよね?
  確か最初の相談では、Mちゃんに対しては「嫌な気持ち」を感じてましたね?
 
C:あれ?そうですね?
 
あ:良く覚えているでしょ?
 
C:(笑)良く覚えてますね。
 
あ:私は話の細かい内容は忘れてしまうんですが、どんな感情を感じていたかは大事な部分なん
  で、結構覚えているんです。
 
あ:あのね、感情って折り重なっていて、根っこにあるのが罪悪感だとするでしょ?罪悪感をしょっ
  て生きるのは辛いので、それを怒りとか相手が悪いという気持ちで覆い隠すんです。前々回
  それがはがれたので、下から罪悪感が出てきたのかも。
  だとしたら、戻ったんじゃなくて、変化が進んでいるんです。
 
あ:じゃあ、ちょっとMちゃんを思い浮かべてください。
  Mちゃんにはどうなってほしいですか?一緒にいたい?それとも、お別れしたい?
 
C:お別れしたいです。
 
あ:では、お別れのワークをしましょう(今思いついたやつ)。
 
  Mちゃんを思い浮かべてください。
  そして、向こうを向いてもらってください。
 
  今から、Mちゃんとお別れするワークをします。
 
  Mちゃんの足元から地平線まで、一本の道が続いています。
 
  その道の向こうには、Mちゃんの幸せの世界があります。
 
  空の色を、幸せの色で塗ってください。
 
C:夕焼けのようなオレンジ色です。
 
あ:では、今からMちゃんが、Mちゃんなりの幸せの道を歩んでい
  きます。一歩一歩その道を進むにつれて、背中が小さくなって
  いきます。
 
  「Mちゃん、幸せになってね。」
 
  そう、心の中で言ってあげてください。
 
  一歩、一歩、Mちゃんが幸せの道を踏みしめるたびに、その姿
  が、小さく小さくなっていきます。
 
  Mちゃん、私は私の幸せの道を行きます。あなたはあなたの幸
  せの道を行ってください。
 
  一歩、一歩、Mちゃんが幸せの道を踏みしめるたびに、その姿
  が、小さく小さくなっていきます。
 
  見えなくなるまで見送ってください。
 
 
C:はい。
 
あ:どうですか?
 
C:なんか、すごいすっきりしました!
 
 
ちょっと解説ですが、罪悪感があるとき、私たちは自分を含めて誰かを幸せにできなかったという
やり残しの気持ちを持っているものです。そこで、イメージの中で相手の幸せを祈るワークをする
ことに意味があるのです。
 
同じように、身近な人が亡くなると、私たちはもっと何かしてあげられたのではないかと罪悪感を
感じることが多いのです。その際には故人のあの世での幸せを祈ってあげるのです。冥福を祈る
というのはとても理にかなった言葉です(脱線しました)。
 
 
私はC子さんはもう(明るい笑顔も出るようになっているし)、セラピーは必要ないだろうと思ってい
ました。経験上、ここまで来たらいつの間にか彼氏ができて、みたいなことが多いんです。
 
ところが、C子さんは再度訪れたのです。
 
 
【4回目】
 
あ:こんにちは。C子さんはもうセラピーは必要ないかと思ってましたけど・・・あの状態なら、彼氏
  とかできてもおかしくないって思ってたんですけどね・・・
 
C:はい。・・・実は、彼氏ができたんですけど(*^^*)
 
あ:あ!おめでとうございます♪(やっぱりナ!!)
 
あ:それを報告に来たんですね?おめでとうございます♪
 
C:え、はい。ありがとうございます(*^^*)
 
あ:でも、相談に来たってことは、何か気になることがあるんですね?どうしました?
 
 
C子さんは、彼との関係の中で、自分のダメな部分を意識したり、彼の態度で気になったりしたこと
を色々話しはじめました。
 
あ:そうそう。大事なことをひとつ言っておきますね。実は、恋愛で幸せになると、これまで抱えてき
  たネガティブな感情が癒しを求めて「どわ??っ」と出てくるんです。
 
  だから、自分とか、今の彼とかに対して色々感じているように思うけれど、これまでネガティブな
  思いを我慢してきたツケが今出てきているだけです。しばらくやり過ごせば落ち着きます。
 
C:え!?そうなんですか?
 
あ:そうなんです。
 
ちょっと解説ですが、恋愛初期にはこうしてそれまでため込んできたネガティブな感情がどどど?っ
と出てくることがあります。具体的には、急に相手の嫌な部分が見えてきたり、自分の至らない
部分が気になって不安になったりするのですが、感情を我慢してきた分だけこのネガティブな感情
の波が大きくなります。我慢せずに感じきってしまうと、憑き物が落ちたように楽になりますので、
彼女のようにこの段階でセラピーを受けるのはとても積極的でよい心がけだと言えます。逆にその
重い感情を相手にぶつける習慣がある人は反省してほしいと思います。それでは、せっかく始まっ
た恋がみんな死んでしまいます。
 
この回のセッションは、私にとって忘れられないものになりました。
 
このあと彼女は、彼に上手に気持ちを伝えられないという悩みを打ち明けてきました。彼女自身、
どう表現したらいいか分からなかったようなのです。
 
 
私は、ひとつの事実に気づいていました。
 
彼女はVAK※でいうとK(体感覚)が突出していることに。3回もセラピーをやったのに、恋愛の話
とか、両親の話とか、ほとんどしてないんです。ワーク、とくに瞑想とかフォーカシングみたいな身体
を使うワークが得意でした。趣味としても、ダンスとかヨガ(だったかな)、そして料理が好き。
 
身体で表現するのが得意だったんです。
逆に、言葉で説明するのはあまり得意じゃありませんでした。
 
知らないうちに、私も彼女の能力に導かれていつものパターンでなく、身体を使う瞑想系のワーク
中心になっていました。
 
※VAK
 人には得意な学習のチャンネルがあり、
 V:Visual(視覚)
 A:Auditory(聴覚)
 K:Kinesthetics(体感覚)
 に、大きくは分けられるのです。
 
 
あ:C子さんは、フォーカシングとか瞑想とか、身体を使ったワークがとてもお上手ですね。あとダン
  スをされているとか。とにかく、身体の感覚が突出して優れているんだと思います。
 
  このタイプの人は、本を読んで勉強するのが苦手だったりして、学校の成績で言うと劣等感を
  持ちやすいんですけど、大事なことは、他人にはないユニークな表現能力を持っていることに気
  づくことなんです。
 
  たぶんね、他の人は、C子さんみたいにダンスとか、料理とか身体でものを表現するのって、
  全然できないと思うんですよ。
 
  それって、スゴイ能力なんですよ!!
 
C:え!?そうなんですか(笑)
 
 
そこで、変なワークを考えついてしまいました。イヒヒ。
 
 
あ:彼の前でのC子さんの気持ちを身体の動きで表現すると、どん
  な感じですか?(我ながら、変な質問)
 
C:(少し考えて)こんな感じです。
 
あ:「気を付け」ですか。そりゃ、堅苦しい感じですね。
  では、どうなりたいですか?
 
C:(からだをぐにゃぐにゃ動かして)こうなりたいです。
 
あ:あはははは。
 
C:あはははは。
 
あ:なるほど、とにかく気持ちは良く伝わってきました。リラックスして自然体でいたいってことですね。
 
C:・・・そうです。
 
 
このあと、彼がどんな感じなのか。そして、その彼にどうなってほしいのかについても、身体で表現
してもらい、楽しく二人で笑いました。
 
自分の中にあった気持ちを、言葉だとうまく表現できないけれど、身体で表現すると、本当にうまく
表現できることが分かりました。C子さん自身も、表現したことで改めて自分の気持ちに気づいたよ
うでした。
 
そこでさらに、こう付け加えました。
 
 
あ:彼に、今みたいにして伝えてみてはどうですか?
  ふつう、相手にこうしてほしいって要求すると険悪になったりするけれど、踊りながら伝える今の
  やりかただと、絶対険悪になりようがないですよね?
 
  彼も笑うかもしれないけど、言いたいことは絶対伝わるし。
 
C:(恥ずかしそうに)はい、やってみます(笑)
 

 
 
彼女は、ココヘルのファンだったこともあり、とても積極的で熱心にとり組んでくれました。
誰でも必ず、両親との関係とか、育ち方とかそういった部分で身についた心のクセが関係して
問題が起こるものですが、あまり掘り返さずにセッションを進めました。
 
大事なことは解決に向けた自分なりの方法を見つけること。
そして、自分の中の素敵な部分をひとつでもいいから発見することです。
 
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※事例は個別のケースです。効果が出るようセラピストとして最大限努力していますが、
 効果には個人差がありますことをご理解下さい。