魔性の女とハマる男の心理と題して、男を虜にし手玉に取る女性とそれにはまってしまう男性の心理について論じてみたいと思います。
女性向け雑誌の恋愛特集などを見ると、「小悪魔」や「魔性の女」という言葉がよく登場します。自分も「魔性の女」になるのは少し抵抗がある女性でも、その心を少しだけもらって、恋愛を優位に進めたいという願望があるということでしょう。
男性を上手に誘惑して、その気にさせてあげるのは特に30代以降、単なる「溜まったから出す」式の性欲が減退してくる頃にはとても大切なことで、男性のためにもなっています。「性欲がなくなってきたからセックスしなくてOK」という考え方は、「食欲がなくなってきたから食べなくてOK」というのと同じでちょっと心配な状態です。セックスはしなくてもすぐに死んだりしませんが、統計的事実として死亡率は上がりますし、人生全体のやる気も減退します。ですから、誘惑したり、いつも女を忘れないという心がけそのものには私も大賛成です。小悪魔や魔性の女のエッセンスがそうやって二人の愛を長続きさせ、人生を豊かにするために上手に使われることを願ってやみません。
ところが、もしかして誤解があるのではないかと思うことが結構あります。その手の記事を読んでいると、とにかく方向性が「自立」一辺倒なのです。「依存」の状態は、一人では生きていけないから、嫌なことも我慢して男に尽くす、みたいな様子ですね。そこから「自立」に向け一歩前に出たことは評価できます。一人の男に振り回されない力をつけよう。自分一人でも大丈夫という安心感を持とう。これは大事なことです。それがないと、恋愛に依存してしまい、振り回されてしまいますから。
但し、「自立」は最終目的地ではありません。
魔性の女とか、小悪魔とかもてはやされる女性が、結局恋愛が長続きしないのはどうしてか考えたことがありますか?男を手玉に取れるということで、女性から憧れられて、本まで書いている方もいらっしゃいますが・・・
それは、自分の全てを相手に与えていないためだと、私は考えています。
魅力や恋愛のテクニックを、相手をコントロールするために使うということは、自分は冷静でいなければなりません。自分は恋に落ちられないのです。自分は完全には心を開かず、相手だけ本気で惚れさせること、これが魔性の女、小悪魔の真実です。
確かに、恋愛感情が続くうちはこれでコントロールしていけるかもしれません。恋愛感情は最長3年で冷めるといわれていますから、3年ぐらいは何とかなるかもしれません。そのあとは、安定したカップルになっていくためには恋愛感情から愛情に変化する必要があります。
この愛情は「相互依存」の状態でこそ、一番感じられるものだと思います。
あなたも私も、一人でも生きられる。
でも、もしもあなたと私が一緒に生きるとしたら、
温かくて安心な、素敵な愛を与えあえる。
それはとても幸せなことです。
こういう感覚が「相互依存」というものです。
なかなか難しい概念なので、私なりに精一杯説明してみました。
私たちは、安心して相手に愛情を与えるためには、相手から好かれているという実感が必要です。
魔性の女に欠けているもの、それは男性が彼女に愛情を与えるための安心感です。
男性の側は、魔性の女に愛情を注いでも、いつか去られてしまう不安をずっと抱えています。
それは、魔性の女が本当の意味で心を開いていないからです。
平たく言うと、「相手を本気で好きになっていないから」です。
それでもね、依存症的な男性(愛に飢えている男性)は、引っかかるかもしれません。
本当にいい男は、安心して愛情を注げる女性を探しますから、去っていきます。
相手を支配するために誘惑したり、思わせぶりなそぶりをしつつ適度に突き放したり、そんな自立とコントロールのための策を練るよりも、相手と一緒に幸せになるために、自分も心を開いて相手のことを本気で好きになる。その上で、互いの幸せのために上手に誘惑してあげる、そんな相互依存的な(共に豊かになる)いい女を目指してみませんか?
なお、このコラムは、長続きする愛情が良いものだという観点に基づいて書かれています。それ以外の価値観を否定するものではありませんが、これまでの経験から、私は長続きする愛情が一番だと感じていますので、このようなコラムになりました。
パートナーシップに関する心理学を学んでいる方々の多くも、成書を読む限り同じ考えをされているようです。
また、このコラムは「モテる男の心理(心の問題/回避依存症)」の男女逆のパターンです。あわせて読むと、理解が深まるのではないでしょうか。なお、心理的に振り回される側のことを恋愛依存症といいます。
参考:心理学用語集「魔性の女」
>自分は恋に落ちられないのです。
これは本当でしょうね。
でも、
>魔性の女に欠けているもの、それは男性が彼女に愛情を与えるための安心感です。
というのは違います。それは「逆」なんですね。
心を開くだけの信頼感を男性から得られない。
なぜなら、こういうタイプの女性は最初から「恋」ではなく「愛」を求めているからです。これは男性には不可能に近いことを要求していることになります。男性は父親ではないのですから。そういう悲しい性質をもって生まれついた、あるいは育った人がいるということです。こういう女性に必要なのは心の中の「父親」なのかもしれません。
河合準雄を読んでみてください。
匿名の方へ
コメントありがとうございます。
私はあなたの意見に反対ではありませんが、どうやら誤解があり、論点がずれているようです。
そして、そのおかげで、より議論が深まりそうです。
「父親のような愛を求めている」
これは、まったくおっしゃるとおりだと思います。
ちょっと、このコラムの内容をチャートにして整理したいと思います。
魔性の女がやってしまいがちな行動を整理すると、こうです。
「父親のような愛が欲しい」
↑そのために
「絶対に離れていかない男性が必要」
↑そのために
「恋愛のテクニックや魅力で引きつけられる男性をつかまえる」
でも結局、これは逆効果ですね。
そうやってつかまえても、相手から無償の愛はもらえないことが多いですから。
解決策としては、こういう方向が大事です。
「ある程度、自分を癒し、男性をコントロールしなくてもすむぐらいには成長する」
↓
「その上で、男性に安心感を与えられる行動を取る(魔性の女をやらない)」
↓
「男性は、安心して、彼女に愛情を注げる」
(この場合、父親的な愛情も一部注げるものです)
↓
「女性の側も、愛を感じて満たされる」
コラムに一部分かりにくい点がありましたね。おかげで整理できました。ありがとうございます。
はじめまして!目指しているわけでもないのに”魔性の女”と呼ばれ続けている27才女です。
なぜ魔性と言われるか全く自覚していませんでしたが、
まさに「父親的な愛」を求めてきたし、今でも求めていることが大きな理由なんだなって気付きました。
父親的無償の愛は無理に近い要求だと思って
相手に求め過ぎないことがいいのかな。。。と
あづまさんのコメントを見て勉強になりました
相手に安心感を与える恋愛をしたことって今までなかったかも!これを機にそこんとこ気を付けてみます
父親的な愛情を求める。というのは,当たっていると思います。ちなみに私は,以前知人の男性に魔性の女といわれてました。悪魔とも。好きにはなっても,それ以上の感情は持たない。持てない。でも、自分は相手に,永遠や父親のような深い愛情を求める。そおいえば,先日さよならした人の最後の言葉は,「僕のこと 好きじゃなかったでしょ」 だったけ。いゃ?それなりには好きだったんだけどね。でも正直,一瞬固まりました。(笑)だって,結構痛いとこついていたから。しかしハグは絶品だったな。あの胸はよかったぁ☆そう,父のような言い知れない安心感となつかしさと。でもじゃぁ,愛していたのかといわれると,それはNO!一緒にいたいと思ったし,信頼して身をゆだねることはあったも,でも愛はなかった。「これまで女性には,尽くされたことはあっても,尽くしたことはない」と言う人に,ありえないくらいに尽くされたけど,自分から何かしてあげたことってなかったと思う。私の場合は,かなりひどい女だったと思います。でもそれなりに痛みも感じていますから,その他周囲の皆様お許しください,って感じですね。あぁ,それからちなみに私は,幼少期父親に愛されず,父親の愛を知らずに育ちました。
マリリンさん
コメントありがとうございます。
本当のところは、なかなか理解してもらえないんですよね。
解決したくて書いているのかどうか、図りかねましたので、何を返答しようか迷いましたが、ここを読んでいる他の方のためにも、解決のヒントを書こうと思います。
父親からの愛情が足りないと、それが恋愛に大きな影響を及ぼすことは、経験上分かっています。足りないものは補うことが大事です。
実の父親に今さら「甘えさせてくれ」と言うのは無理があると思いますので、恋愛に至らない、淡い関係の中で男性からの親切を心から受け取って喜びましょう。
もうひとつは、男女を問わず、相手から言ってもらった「ありがとう」を心から受け取ることです。
幼少期にもらえなかった愛情でも、大人になってからの人間関係、恋愛関係の中で補うことが出来ます。
地味で地道な取り組みですが、道はあるのだということをお伝えしたくて書きました。応援しています。
んー魔性の女性は相手に本性を見抜かれないから魔性なんじゃないですか?
相手も俺にいちずだと思っているからプレゼントしたり愛情を注ぐわけで
男性にこの女に振り回されてると気付かれ去られるのは魔性でもなんでもなく軽いだけの
女だと思います。
ななさん
コメントありがとうございます。
なるほど…確かにそうですね。
本物の魔性の女は、魔性だと思わせないからこそ、本物だと。
このコラムは、みんなの噂で「魔性の女」と言われるような女性について書きました。
ななさんの定義によるとそれは本当の魔性の女ではなく…
なんと表現しましょうか。
“魔性の女”と、引用符付きにしておくぐらいが、ちょうどいい表現かもしれませんね。