私は職業柄「彼の気持ちが分かりません」という相談や質問を受けることが多いです。
きっと、彼の気持ちが分からなくて苦しいのでしょうね。
この質問は大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつめは、恋愛が始まっていないケース。気になる彼がいるんだけど、彼の気持ちが分かりません、というパターンです。ふたつめは、二人の関係が悪化して、どう接していいのか分からないというパターンです。
実は、「相手の気持ちが分からない」と感じるとき、本当は「自分の気持ちが分からない」あるいは、「自分の気持ちを表現していない」のです。
ひとつめの、恋愛が始まっていないケースの意図は、まあ大概「彼が私に気があることが確実ならアタックしてみたいけど、そうでないなら、ピエロになるのは嫌だからやめておく」というものです。表向きの質問は「彼の気持ちが分かりません」ですが・・・
このケースは要するに、ノックしていないからドアが開かない、ということです。
もしも目の前に外人ぽい人がいたとして、この人が日本語を話せるかどうか知りたかったらどうしますか?一番よいのは、『こんにちは』と話しかけてみることですね。自分が日本語を話してみることで、相手も話せれば日本語で返してくれるのです。
恋愛も同じです。自分が相手に「好きだという気持ち」を向けることで、相手もこちらに気持ちを向けてきてくれます。人間関係は合わせ鏡のようなものですから、こちらが好意を表現すれば相手も表現してくれます。こちらの気持ちは隠したままで、相手の気持ちだけ知ろうという考えは、損をしないように見えて、実は一番損をします。
もしその彼が、こちらから「好き」という気持ちを向ければ、「好き」を返してくれる人だったとしても、自分の気持ちを隠していたらチャンスを逃してしまいますから。
いきなり告白するという意味ではありません。「好きだ」ということをまず伝えればいいのです。精神的に成熟した大人同士の関係では、異性から「好きだ」と言われても「ありがとう。でもつき合っている人がいるからごめんなさい。ほんとうにありがとう。」ぐらいのことは言えるものです。それも抵抗があるなら相手が誇りを持っていたりこだわりを持っているところをよく観察してほめること。そうやって「あなたのことをいつも見ていますよ」という気持ちを伝えていくのです。
厳しいようですが、傷つかないことを選択してしまうと幸せになれないんです。
確かに、育った環境を聞いてみると、自分の気持ちを表現することが安全でない環境だったり、同情すべき状況もあります。恋愛がうまく行っている人に比べると乗り越えなければいけない課題が重かったりすることも多いのです。それは百も承知ですが、そこを本人が乗り越えていこうと思わなければ、ずっと同じところにとどまったまま、彼氏もできず、ただ年月だけが過ぎていくことになってしまいます。私は心から応援していますが、行動を起こすのは本人にしかできません。他人の人生を肩替わりすることはできないのです。
勇気を出して「自分の気持ちを表現する」ことが解決策になります。
相手の気持ちばかり知ろうとするのではなく、自分が心を開くことが突破口を作るのです。
さて、ふたつめの、恋愛が泥沼になっていて相手の気持ちが分からなくなっている、というケースも、やはり自分の気持ちと向き合うことが大切です。
彼が私に好きだとか優しい言葉とかをかけてくれなくなって、彼の気持ちが分かりません、みたいな質問を受けたとき、私は大抵「ちょっと厳しいかな」と思いながらも「彼はいっぱいいっぱいでつらいんですよきっと」と言います。その瞬間にはあまり納得しない方もいらっしゃいます。
相手を理解するときに必要なのは「共感の質問」です。
一度100%相手の立場に立ってみて、「この人は何が辛いのだろう?」「この人はどんな気持ちを感じているのだろう?」と感じてみるのです。愛情のある言動ができなくなっている人は大抵「愛情切れ」を起こしていて、救いを求めているのです。
恋愛がもつれて、「彼の気持ちが分からない」と感じたとき、愛を持って彼を理解しようとすれば、「苦しいのだな」と思えますが、「私が引き出して利用できる愛情はまだ残ってるかな」という依存心で彼を見たら、目が曇りますから、分からなくて当然だと思います。
彼の気持ちが分からないとため息をつく方もきっと辛いのだと思います。それでもあえて厳しいことを書いているのは、自分の問題だと気づかない限り、解決の道はないからです。
自分の価値が、彼の気持ち次第になってしまっているところに問題があります。
彼が自分のことを好きでいてくれたら、自分も自分を好きでいられるけれど、彼に嫌われてしまったら、こんな自分のことを自分で好きになるなんて無理。
自分の価値を自分で信じることができる気持ちのことを「自己肯定感」とか「自己評価」といいます。これが低いと、自分を好きでいられるかどうかが、相手次第になってしまいます。
きっと、「他人の評価に関係なく自分は自分を好きでいられる」という感覚がまだ分からないのでしょう。
でも、そういう感覚があるのだと言うこと、そしてそれが欠けていることが根本原因だということを知るところが解決の第一歩です。
自分の価値は自分の価値として、しっかり持っていれば、目の前の相手が「他人を愛せないほど辛い状態にある」ということを読み取るのは簡単です。だって、見るからに辛そうなわけだから。
「彼は今私を愛することができない」=「彼は辛い」
それだけです。
自分の価値が、彼が愛してくれるかどうかに依存していると、
「彼は今私を愛することができない」=「私には価値がない」
というように、判断がねじ曲がってしまいます。
これでは、彼のありのままの状態を理解することができません。
ここまでは、「依存」の罠にはまっていて恋愛がうまく行っていないパターンについて書きました。
ここからは、「自立」の罠にはまって恋愛がうまく行かないパターンについて書きます。
恋愛や結婚生活がうまく行かない心の持ち方に「損した」「ババ引いた」というものがあります。相手の嫌なところを見たり、問題が起きたときに、「損した」「ヘンな相手を選んでしまった」「ババ引いたかも」と思う心のことです。
依存の罠を抜け出して、自分の価値は自分で認めるのだと悟ると「自立」することができます。しかし本当に成長していない段階では、本当はまだ依存的な部分が残っているのです。本当は彼が愛してくれないと自信が持てないのです。でもそれを無理に我慢して抑え込んでいるわけです。
すると今度は、ケチになるのです。「私だってこんなに我慢しているのだから、あなたも我慢しなさい」というような気持ちが出てきます。あるいは「私は私のことをするから、あなたは勝手にあなたのことをしなさい」という感じです。
その先に進むには、問題が起きても、その解決に全力を尽くす、という心構えを持つことが大事です。少しぐらいの問題では動じない心を育てることが大事なのです。これを「コミットメント」と言ったりします(腹をくくる、という意味です)。「愛されないなら、私も愛さない」とか、「私だけ一生懸命になって、捨てられたらピエロになったみたいで情けなくて恥ずかしい」などの気持ちを乗り越えて、「相手の気持ちに関係なく、愛情の出し惜しみはしない」と決めることが必要なのです。人間関係は合わせ鏡。出し惜しみしない人には、(多少の紆余曲折はあるけれど)出し惜しみしない愛情が返ってくるのです。
これは、どんなことがあっても別れるな、という意味とは違います。「損した!」と相手のせいにする前に、問題解決に向けて全力を尽くしましょうと言っているのです。そして、全力を尽くしても解決できないほど重い問題であった場合(相手がメンタルな問題を持っていたりすると、そういうこともあります)、相手を責めたりせず「私は精一杯やりました。でも、今の私にはこれ以上どうしようもありません。ごめんなさい。」そう言って別れを選べばよいのです。やれるだけやって別れたのなら、学びもありますし、つらく悲しい中にもスッキリした気持ちがあるものです。少なくとも誰かを責める気持ちはないはずです。
「彼の気持ちが分からない」
こういう言葉が頭に浮かんできたあなたへ。
「傷つきたくない」という気持ちばかり強かったり、
「私が利用できる愛情はまだ残っているかな?」という気持ちだったりしませんか?
むしろ自分を省みる、いい機会だと思ってみてはいかがでしょう。
>自分を好きでいられるかどうかが、相手次第
頑張って社会活動をして、
たくさんの人から賛同を得たりほめていただいて、
新聞に掲載されても、
少しも自分のことを好きになれません。
ただ、社会活動は、自分の浄化のためでもありますので、
人に喜んでいただける限り、これからもずっと続けます。
自分のことを愛せない人間は、人を愛せませんので、
私の活動は、本当は心のこもらない表面的なものに過ぎないのでしょう。
それでも、何も行動しないよりはましだと思っています。
無料レポートにあづま先生が書いておられるように、胸の中にある何かに、
「よく頑張ったね。」と言ってやりましたら、悲しくなりました。
あづま 様
こちらにたどりついてから
メルマガバックナンバーを読ませていただいてます。
少しでも自分を状況を変えられたらと思い参考にしています。
結果はまだ出ておりませんが。
「相手の気持ちに関係なく、愛情の出し惜しみはしない」と決めることが必要なのです。人間関係は合わせ鏡。出し惜しみしない人には、(多少の紆余曲折はあるけれど)出し惜しみしない愛情が返ってくるのです。」
私もそう思ってたのですが。
ただ男性は、自分が愛されている。この女は離れていかないと思うと、都合のよい女にされてしまう。まさに今自分がそうです。
うれしい、幸せ、ありがとう、大好き、感謝してるを伝えすぎたのかなと今は思ってます。
愛情は女性と違って男性にはあまり出しすぎても良くないのかなと・・。
どんなに心理学を知っても、男性にどう接したらいいのかわからなくなってきました。
まきさん
コメントありがとうございます。
まきさんが本当に欲しいものを彼がくれたときに、心からの「ありがとう」を返せばよいのです。
本心を偽った「ありがとう」は、長い目で見ると彼に間違ったメッセージを送ることになります。
まきさんが彼から本当にもらいたいものは何でしょう?
形のないものも含めて、よくよく自問してみてくださいね。
こんにちは。高2のさやと申します。
私には今、付き合って一ヶ月の彼がいます。
この記事を読んで、少し心が楽になりました。
というのも、彼の私に対する態度の変化があからさまだったからです。
付き合いたてのころは、自分でも結構仲良しカップルだと思っていたのですが
付き合って半月ほどたってからお互い忙しくなり、(テストや試合などで)
メールもせず、会話もせずに、二週間ほどがたってしまいました。
そして、久々にメールした時、彼の態度が急変していたのです。
私は彼のことがとても好きなので
「前は好きと言ってくれたのに。」「前はもっと優しかったのに。」etc…
と考えすぎていました。
彼にも彼の事情があるんですよね?
よく考えれば、自分の気持ちばかり優先していた気がします。
この記事を見て本当によかったです。
もうダメだ、というところまで、全力を尽くしたいと思います。
ありがとうございました。
さやさん
コメントありがとうございます。
高校生ですか・・・私は高校の頃、こんなことを考えるほど成熟していませんでした・・・反省。
ここまでちゃんと考えるなんて、すごいですね。
彼もまだ、これから女性の気持ちなど、色々学ぶ必要がある段階ですし、人生を生き抜く力(学力や知識も含めて)を身につける必要がある段階です。
お互いが成長できることが、まずは大切だと思います。
そうやって冷静になれたわけですから、今後、お互いが成長できるよう、うまく応援し合えるといいですね。
では!
こんにちは。リエといいます。
私も今気持がわからない男性がいて、思わずコラムを読んでしまいました。
2か月くらい前に彼の積極的なアプローチで連絡を取り合うようになって、そのうち私の家で一緒に飲んで一緒に眠るという関係になりました(肉体関係はありません)。
自分の生活リズムに乗る人で居心地がいいな、と思ってだんだん好きになっていました。
ですが、次第に私が関係に答えを求めるようになってしまい、キスをされたので、付き合うの?と聞いたらごまかされて、連絡が取れなくなってしまいました。
連絡もいつも突然だったし、もしかして都合のよい扱いを受けていた!?という被害妄想と、せっかく好きになった人だから大切にしたいという気持の板挟みでとてもつらいです。
結局、コミュニケーションをとってみないとわからないと思い、好きだから付き合いたい、曖昧に引っ張られるのはつらいから言葉で教えて欲しい、と連絡してみましたが、返事がありません。
大人同士なので、互いに気持を正直に話せれば、私も気持の整理がつく、と思っていたのにショックです。
私は「恋愛依存」で不安になって早急に答えを欲しすぎて相手を追い詰めてしまったのでしょうか?でも、大人の男なら正直に今の自分の気持を答えられるはず、という思いもあります。
今後の自分の恋愛のためにも相手に気持を教えてほしいのですが、、、