幸せに向かっているはずの結婚式の準備。でも、なんだか憂うつ。彼も忙しくて結婚式の準備に非協力的。私、マリッジブルーかも…。そんな風に感じる女性は多いはず。
恋愛に関する脳科学の研究によれば、女性は恋愛に際して「記憶」に関わる部位が活性化するのだそうです。これは、人間の赤ん坊がとにかく母親のつきっきりの世話がなければ生きられないほど、他の動物と比べれば未熟な状態で生まれてくることと深く関係があるようです。
現在のように福祉の仕組みもない、大自然の中での生活では、母親が赤ん坊につきっきりになるということは、父親がその間、家族を守ってくれなければ生き延びられないということを意味しています。子孫を残すために、女性は、セックスだけしてあとはさようなら、というタイプの男性を避け、家族を守ってくれる誠実な男性を選ぶように脳が発達したのです。
多くの女性が「あの時○○をしてくれなかった」という恨みをずっと抱えてしまいがちなのは、過去に何をしてもらったかをチェックする能力を発達させることで、結果的に家族を守ってくれる男性を選べるように進化してきたことと関係ありそうです。
もちろん、相手が何をしてくれたかを記憶する能力は元々、相手選びの時に十分に発揮すべき能力です。一旦安定した関係になったときは、「恋愛の時は両目で、結婚したら片目を閉じて相手を見る」と言われるように、過度に相手の行動をチェックしてしまうと、かえって関係を壊してしまいます。
さて、男性にアドバイスするとしたら・・・
女性は上述したように、男性から「何をしてもらったか」をよく記憶しています。そういう脳を持っているのです。特に、自分が大変なときにサポートしてもらえたかどうかに対して、とても敏感です。
一番恨みに思われるのはもちろん、妊娠・出産・子育てに関してサポートがもらえないことですが、結婚式の準備なども、実は日常の生活に加えて非常に労力の必要なイベントです。
ここで、彼女に任せっきりにしてしまうと、「ひとりぼっちにされた」「サポートしてもらえなかった」など、ひょっとするともっと悪く捉えられて「結婚に積極的じゃないのかしら?」などと思われてしまいます。
男性に対するアドバイスとしては、とにかく彼女をひとりにしないこと。常にそばにいてサポートする姿勢を取ることが大事です。仕事が忙しくても、出来る限りのことをしましょう。
彼女のマリッジブルーの原因の一端も、もしかしたら結婚式の準備を任せっきりにしてしまっている男性の側にあるかもしれませんから。
さて、一方、女性にアドバイスするとしたら・・・
上述したように、女性は意識しないでいると、「あれをしてもらえなかった」「これをしてもらえなかった」というように、被害者意識になり易い脳を持っています。これは元々、子孫を残すために、誠実に世話をしてくれる男性を選ぶために進化、発達した能力ではありますが、現代社会では、赤ん坊が生き延びられないということは、そうめったにあるものではありません。
ちょっと仕事が忙しくて、結婚式の準備が彼女任せになったときに、過剰にネガティブな反応が返ってくると、今度は彼の方が「こんな怖い女性と結婚生活していけるんだろうか?」と不安になってしまいます。
男性は、女性のネガティブな感情表現が、女性が思っている以上に苦手です。
これは、根拠はないので推測ですが、男性もセックスして精子を提供するだけではなく、子育てに協力したり、女性の恋愛感情が開くまで色々サポートして尽くしたりと、貴重な時間とエネルギーを費やすように人類は進化していますから、相手選びの目も磨いているのではないかと考えています。子供は、叱られる前にまず、母親に包まれるように愛されることが必要ですから、子供に対して怒りを向ける怖い女性ではなく、ダメなときも優しく包む包容力のある女性を、自分の妻として選ぼうとするのではないでしょうか。それを考えると、安心してくると男性が甘えん坊になって、子供っぽくなるのも、実は優しくつつむことの出来る女性を選ぶため、という子孫を残す上での重要な意味があるのかもしれません。女性は、男性が仕掛けてくるこの試験に合格する必要があるわけです。
さて、説明が長くなりましたが、男性は女性のネガティブな感情表現が苦手で、特に怒りをぶつけられることは、大きなマイナスポイントと感じます。
ですので、女性にアドバイスするとしたら、ネガティブな感情表現ではなく、何かをしてくれたら喜び、感謝する、というポジティブな感情表現で粘り強く動機付けすることを強くお勧めします。まずは、自分が結婚式の準備を楽しむことでしょう。そして、「こんなに楽しいことなんだから、一緒にやろうよ!」「あなたと一緒に準備したら、もっと楽しいのになぁ・・・」と、あくまでポジティブに誘いましょう。
また、男性は、結婚前になると「家族を養うために、仕事をしっかりしなきゃ」などと感じるものですから、そのプレッシャー、責任を女性の側が分かってあげていないと、「経済的なことは一人で背負わなければ」と感じて、ますます仕事に向かってしまいます。
よく頑張ってるね。(多少の経済的な浮き沈みがあっても)あなたを信じてます。だから、「俺が一人で稼がなきゃ」というプレッシャーは感じなくて大丈夫だよ。という気持ちを向けることが出来れば、彼も安心して彼女のことを第一に考えられるでしょう。
マリッジブルーだからと悲観したり、相手のせいにしたりせず、これをきっかけに、お互いもっと幸せになれる関係を作ろうと、前向きに捉えてみてほしいと思います。