親は、いつまでも親であってはいけない

 

このホームページは、恋愛の悩みを抱えていたり、結婚生活の悩みを抱えている方に向けたメッセージなので、自分の育った環境を確認する意味で、この記事を活用してほしいと思います。
 
私たちが大人になってから遭遇する悩みや問題は、子供時代に未解決だった問題であることが多いのです。
 
親に対して言いたいことが言えないまま大人になると、結婚相手に対して同じような苦しみを味わうこともあるし、嫁姑問題というのも、実の母親との間で未解決の問題があると、それが姑との問題として現れる(心理学的には「転移」)と言われています。
 
こうした、子供時代の未解決の問題の中で、頻度は少ないものの、解決が極めて難しく、本人も周囲の人もカウンセラーもなかなか気づきにくい、厄介なパターンがあります。
 
それが、親が完璧すぎる、という問題です。
 
このパターンになる親は、別に「自己犠牲」しながら完璧な親を演じているわけではありません。とても能力があって、自分ができることだからと、理想的な親をやっています。
 
家族のために頑張って家事をして、仕事も持っていて、それでいて、いつも笑顔で、近所の人たちからは慕われていて・・・非の打ち所がない、なんていう親を見て育っていると、いつの間にか、子供も、自分もそうしなければいけないと思うようになります。
 
子供も、見習って同じようにできれば、それで問題はないのかもしれませんが、同じ生き方が向いていない子の場合、ここで悩み、苦しむことになります。「自分はそんな風にできない」と。
 
思春期の第二次反抗期のあたりにさしかかったら、親もある程度親であることをやめて、自分の不完全さやアホなところなどを見せて、「こんな風に欠点がいっぱいあっても生きていていいんだよ」という等身大の人間を見せることが必要なのではないかと思います。
 
 
さて、この記事は、いま親をやっている方に向けて書いたのではなく、そんな「完璧な親」の元で育って、無意識に「自分もそうならなければならない」という気持ちを抱えてしまった方に向けて書いています。
 
逆説的ですが、人を育てるときには、完璧であることはむしろ欠点なのです。
欠点があるからこそ、人は安心してその人を信用できるのです。
 
少し、気持ちを楽に、ゆるい感覚を持ちながら生きていきましょう。
すると、恋愛や結婚、そしてその先にある子育ても、楽しいものになりますよ。