先日、勝間和代さんがNHK教育の番組で、仕事の仕方に関するインタビューに答えていました。
その中で、話は少子化のことになり・・・
共働きの妻が言われてムカツク旦那の言葉。
「(家事を)手伝おうか?」だそうです。
二人で分担しているのだから、手伝うのではなく「分担する」のだと。
また、草食系男子と言われる、男女平等が浸透した男子たちが、少子化解決の切り札になるという話がありました。曰く、これからの社会では、女性も働くが、男性の理解があることは大前提。
仕事人間ではなく、家事も平等分担するのが当たり前だと思っている彼らこそ、これからの社会に必要な男性の姿だと。
勝間さんはそこで、男性は意識が変化しているが、女性の方がまだ追いついていないと語られていました。
草食系男子の常識では、男女平等なので、自分から女性にプロポーズするという意識も薄く、女性をデートに誘ってもワリカンが当たり前。勝間さんは、このような男性とうまくやっていくことを、女性側が身につけなければいけないという話をされていました。
これを、男女の恋愛感情という面から考察してみたいと思います。
まず、男性は「俺は役に立っているのか?」と自問する生き物です。男女平等は結構なことですが、自分の活躍の場がないと、男らしい気持ちも湧いてこないのです。
女性から「あなたすごいわね」「さっすが」「助かるわ?」と言われるからこそ、自分の立ち位置がハッキリして「よし、俺はこれで頑張るぞ」と言えるものなんですね。
女性側の評価の価値観が、もしも、仕事だけで、かつ、その価値観にそって、女性の方が「勝って」しまうと、男性は凹んでしまいます。わかりやすくいうと、仕事の能力に執着する、できる女性は男性から敬遠されると言うことです。
一方、女性は男性から色々尽くしてもらうと、それを潜在意識で記憶していて「この人は誠実な人だ」と判定するように脳ができています。ですので、男性が女性にプレゼントをしたりデートの計画を立てたり、食事をごちそうするという世界共通のデートのルールがあるのです。
このあたりの恋愛感情に関する部分は、人間の本能的な部分ですから、社会が変わったからといって急に変化することはできません。これを前提として、男女がどう努力すればよいのか考えてみたいと思います。
一旦まとめると、以下の条件の下で、幸福な男女関係が作れるのか、という問いです。
・男性は自分が役に立ち、女性から感謝されることで男らしくなる。
・女性は男性から大切にされることで恋愛感情が開く。
・男女平等社会では、草食系男子が仕事面・経済面で「役に立っている」と感じにくい。
(それでも絶対に「俺は役に立っている」と感じたい、旧タイプの男性は必死でハードワークするタイプが多いですので、ここでは、それを望んでいない、草食系男子に限って話を進めていきます。)
勝間さんは「女性の意識が進むことが大事」とおっしゃっていましたが、私も同感の部分があります。ただ、テレビの中では女性の意識をどう変革したらよいのかまでは語られていなかったのが残念でした。ですので、ここに意見を書いてみます。
結論から書きます。
・女性は、自分らしく生きること。やらされ仕事をしてはいけない。
・女性は、高い感謝力をもつこと。
・女性は、草食系男子を「どういう面で必要とするのか」を言葉にして表明すること。
・女性は、高い自己肯定力、他者肯定力を持つこと。
では、解説していきます。
・女性は、自分らしく生きること。やらされ仕事をしてはいけない。
「仕事」を「しなければならない」という意識ではなく、仕事が、自分の「やりたいこと」「生き甲斐」である必要があります。同時に、貴重な時間資源を使うわけですから、それに見合った報酬を得て、家族を豊かにする必要もあります。どんな仕事をするのか、本当に知恵を絞る必要がある時代になったのです。
・女性は、高い感謝力をもつこと。
その生き甲斐のために家事を分担してくれる夫に「あなたのおかげで私はこんなに好きな仕事をしています。ありがとう♪」と感謝することが大事です。
・女性は、草食系男子を「どういう面で必要とするのか」を言葉にして表明すること。
もはや「経済力」を、草食系男子を必要とする理由にはできませんし、彼も自分がどう役に立って良いのか分かりませんから、女性は、どういう面で彼を必要とするのか、それを明確に表明する必要があります。たとえば「一日の終わりに、同じ時間を共有できて、その日のできごとを語り合えることが、私にとってとても必要。」など。
・女性は、高い自己肯定力、他者肯定力を持つこと。
男性は、草食系であるかどうかにかかわらず、意外と精神的に脆いもの。自分の方が仕事ができるからと言って、それをネタに相手を見下すような発言が彼女から少しでも出ると、「おれはコイツより格下だ。役に立てない・・・」という気持ちが自動反応的に出てきてしまいます。
女性自身が「仕事のできない人間を嫌っている」みたいな否定的な感情を持っていると、本人は意識的には、相手を見下していないつもりでも、それが恋愛関係に大きく響きます。あるいは、そこまでいかなくても、「彼は格下なので、私の言うことを聞いて当たり前」みたいな意識があると、時間が経つにつれて、つまらない恋愛になってゆきます。
彼の良いところを見つけ、そこを評価し、尊敬できる高い他者肯定力が求められます。仕事ができる彼の方が、社会から肯定される機会が多いので、彼女からの肯定は比較的必要ありませんが、社会から肯定される機会が少ない彼ほど、彼女からの肯定が必要なのです。
相手の長所を発見する力を高めるためには、根っこの部分で自己肯定ができる心の体力がないといけません。つまり、交流分析で言う「私もOK、あなたもOK」の状態である必要があるのです。
では、同じことは男女を逆にしても成り立つことでしょうか。
私は、男女を逆にはできないと考えています。
ある程度は、男女ともにここに書いた要素を持っている必要はあると思います。しかし、研究によると、妻のメンタル力がない夫婦と、夫のメンタル力がない夫婦では、妻のメンタル力がない夫婦の方が簡単に破綻するようです。
私はよく、「男の心の細腕」と表現しているのですが、女性に比べて感情のコントロールなどの能力は、男性の方が平均的に低いのです。女性に無理な力仕事をさせないことが、社会の常識であるのと同じように、男性に無理なメンタル力仕事をさせないことを社会の常識にしていきたいと、私は考えています。お互いに、自分の良いところを発揮し合うことで幸せになりますし、相手が弱いところを、無理やりやらせるのではなく、補い合うことでよい関係が築けるものですから。
ここまで書いたことを、易しい言葉で表現し直してみると、こうです。
女性は自分の感覚を大切に。そして、好きな仕事を楽しんで、それをさせてくれている草食系の旦那さんに「ありがとう」と言おう。旦那さんの欠点を指摘するのではなく、良い点を見て、心から尊敬しよう。もちろん、そうなるためには、「自分が好き」であることが大前提。
すると、旦那さんが味方になってくれて、好きなことができるようになる。
そういう意味になります。