相手の痛みに共感する

 

人は誰でも、触られたら痛い心の部分を持っています。
 
そのような部分は、日頃、隠して生活している人がほとんどです。しかし、結婚生活など、親密な関係の中では痛い部分が表に出てくることがあります。
 
たとえば、
本当は頭が悪い自分が嫌いで、必死で勉強して成績がよくなるように頑張ってきた人。成績がよくなったのだし、その後の人生でもうまく行っていれば、もうその点について劣等感を持つ必要はないのですが、でも、根深く「自分はダメだ」と思っていることは、よくあります。
 
結婚生活の中で、自分の考えの浅さにがっくり来て落ち込み、「はぁ?俺ってやっぱり頭悪いよな?」なんてぼやくことがあったとします。
 
その時に、妻が「まあ、あんたは生まれつきなんだからしょうがないよ。」なんて言ったら、内心深く傷つきます。夫はもう、この妻の言うことは、本音で言えば聞きたくないでしょう。
 
一方、その時に、妻が「そっか。今日は辛かったね。私は○○クンが頭悪いとは思わないけどな?」なんて、相手の痛みに共感しつつ、上手に持ち上げることができれば、救われた気持ちになるでしょう。
 
 
相手にお願いしたり、相手を動機づけて動かしてゆく前に、相手の痛みに共感することができなければ、相手も素直になれないし、こちらのために動こうとも思わないわけです。
 
まずは、相手の痛みに共感する。
 
人を動かすときの、大前提、大原則です。