正しい「愛着」と「恋愛依存症」の違い

 

恋愛をしていると、誰でも、「この人と離れたくない」という気持ちになるものです。
 
それが「依存」なのか、正しい状態なのか、判別することはなかなか難しいですね。実際、少しも「依存」の要素のない恋愛は、この世に存在しないと私も思っています。
 
そうなると、ますます難しいですね。
この恋愛は正しい方に進んでいるのか、それとも、ただの「恋愛依存」で、未来がないのか。
 
 
ひとつのヒントは、恋愛をしているときに感じる感情の種類です。
それも、幸せな気持ちではなくて、苦しい気持ち、ネガティブな感情の方に目を向けます。
 
「恋愛を始めてから、苦しい気持ちを感じることが増えたら、要注意」
 
というのが、私の持論です。
 
 
少し説明していきます。
 
私は、元々理系でしたので、ものごとを非常に単純化して見るくせがあり、恋愛に限らず、人間の活動を「癒される方向」「依存症に向かう方向」というふうに、シンプルに見ています。
 
癒される方向に向かうというのは、どういう活動か。
・楽しいことをする
・リラックスする
・ネガティブな感情を吐き出す←ココ重要!
→その結果、感情が自由になり、自分らしくなっていく
 
依存症に向かう方向というのは、どういうことか。
・がまんする
・緊張する
・一瞬の快感、刺激を求める
・一瞬の快感、刺激、幸せのあと、苦しみが待っている
・ネガティブな感情にフタをする
→その結果、一瞬楽しいとき以外は、とても暗くなっていく
 
 
このように見ていくと、物事が非常にシンプルに、クリアに見えてきます。
ギャンブル・・・
  一瞬の快感を求めているが、負けたときの悔しさにはフタをしがちなので、
  依存症に向かいやすい行動
依存的な恋愛・・・
  会っているときは優しいが、それ以外は冷たい彼とつき合ったり、
  優しいときと暴力的なときの両極端を持っている彼とつき合うと、
  落差が大きく、苦しみが蓄積していくので、依存症に向かいやすい
過食
  食べたときは一瞬の安心があるけれど、食べ過ぎは血糖値の乱高下を
  招きやすく、血糖値がガクンと降下すると体は「飢餓状態」になる。
  するとまた過食を招きやすくなり・・・
  (背景には、孤独への不安など、メンタル面の原因がある場合が多い)
 
 
また、依存症に陥りやすい性格的な特徴もあります。
一番ハッキリ言えることは、ネガティブな感情をちゃんと感じて、表現することができない、ということです。「いつも前向きでなくてはいけない」「暗い私は見せられない」など、他人基準で自分の感情を評価し、フタをする傾向にある、ということです。
 
人は、ポジティブな面だけで生きていくことはできません。ネガティブな感情も表に出していくことが必要なのです。それができないと、次第に苦しさが蓄積していき、限界を超えたところでうつ病のように、心のブレーカーが落ちてしまったり、
 
あるいは、限界に近づいてくると、この苦しさから逃れたいと、刺激を求めて、男性であればギャンブル・アルコール・セックス・危険行為(危険運転や無謀な登山など)にはまりやすくなり、女性であれば過食・買い物・恋愛、あるいは場合によっては自傷などに依存しやすくなります。
 
悪いことに、ネガティブな感情が蓄積していくと、感情が鈍くなっていきます。鋭くしておくと辛いから、潜在意識が感情を鈍くしてしまうんですね。感情の鈍麻といいます。こうなってくると、楽しいことやリラックスして安心しているという「穏やかな幸せ」が分からなくなってしまいます。生きている感じが分からない、そんな感じです。
 
この状態のときには、非常に依存症に陥る危険性が高いのです。
 
 
幸せな恋愛は、今まで抱えていたネガティブな感情があっても、二人でいる幸せを感じているうちに、次第にそれを吐き出すことができて(できれば相手に受け止めてもらって)、癒されていく恋愛です。
 
苦しさは次第に消えてゆき、安心感、穏やかで温かい愛情が残っていきます。
感情豊かになり、より敏感で感動体質になっていきます。
 
 
一方、依存症的な恋愛は、会っているときは安心・幸せかもしれないけれど、抱えているネガティブな感情は減っていかないし、むしろ増えることもある。彼といることで気持ちが自由になっていくのではなく、彼がいないと生きていけないという気持ちがむしろ強くなってしまう恋愛です。
 
苦しさが次第に増えてゆき、安心感、穏やかで温かい愛情が感じにくくなっていきます。
あるいは、感情が次第に鈍くなっていく感じがするかもしれません。
 
 
 
あなたは、今恋愛をしていますか?
しているならきっと、その彼のことを「好き」と思っているのだと思います。
 
でも、ちょっと一度考えてみてください。
その恋愛は、
苦しさが次第に消えてゆき、安心感、穏やかで温かい愛情が残っていく恋愛ですか?
それとも、
苦しさが次第に増えてゆき、安心感、穏やかで温かい愛情が感じにくくなる恋愛ですか?
 
 
前者なら、そのままお進み下さい。
後者なら、ご自分の心と向き合う機会をとってみてください。


 

「正しい「愛着」と「恋愛依存症」の違い」への2件のフィードバック

  1. 最後の問い、まさしく私は後者です。
    良くないことは頭で充分理解しているのにそこから抜け出すことができない。
    だから余計に苦しいです。
    別れるのは簡単です。別れたいと告げればいい。行動さえすればいい。
    でもそうではなく、未来を持って別れた方がいいときちんと頭だけではなく心がそう感じて別れを決意するにはどうしたらいいのですか?

  2. helpさん
     
    コメントありがとうございます。
    別のところにもコメントされていましたよね?
     
    そこにも同じような回答を書いたのですが、あなたは、自分の感情にフタをしてネガティブを閉じ込めていく傾向にありませんか?
    捨てられるのが怖いと思ったら、自分の言いたいことは言えなくなって飲み込んでしまう。
     
    すると、ネガティブな感情、怒り・不安・罪悪感・などなどが潜在意識の中にいっぱいになります。恋愛も、潜在意識の中のネガティブな感情が心を支配するようになり、意思の力でコントロールすることができなくなります。
     
    これはまさに、神経症的恋愛と私が呼んでいる状態です。
     
    セラピーを受けた方がいいと思いますけど。
    一人で取り組んでも、しんどさがずっと続いてしまうんじゃないかな。
     
    彼の代わりに、自然・動物・音楽(芸術)・神さまなどから、承認を得て、自分を保てるエネルギー源があるのなら、それに頼りつつ、彼と距離を離すことを試みてもよいと思います。
     
    でも、文面からしか判断できないですが、なんとなく、一人で取り組むのは難しそうな気がするけどなぁ。
     
    あとは、本気出して、自分を変えると決めるかどうかですよ!
    喝!

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