彼女が大切にしているものを、大切にする1

 

恋人同士や、夫婦間で険悪になるパターンのひとつが、それまで自分が「常識」としてきたことがお互いに食い違い、それをめぐって言い争いになることです。
 
小さなところでは、お風呂場の前に置いておく床マットの扱い。びしょびしょになって、床にカビが生えるので、何らかの対策をするわけですが、終わったあとにマットを干して、床を拭くという方式のうちもあるでしょうし、マットがびちょびちょにならないように、浴室内で体を拭いてから出る習慣のうちもあるでしょう。
 
もっと小さなところでは、一人暮らしの男性は、脱いだものを放っておいても、洗濯するときに集めればいいので、あまり気にしないんですね。でも結婚して奥さんが洗濯するようになると、洗濯カゴにちゃんと入れておいてもらわないと、手間が増えるから腹が立つんですね。
 
また、トイレの便座を上げておかないで、という主張を女性から聞くことはあると思いますが、まあ、そんなことを言う女性も、フタはちゃんと閉めていなかったりして、単に自分の立場から主張しているだけだったりします。
 
大きなところでは、親戚との付き合い方がさっぱりしている都市部の家族と、親戚一同の行事がとても大事な田舎の方の家族では、「常識」が違っていることがあります。
 
但し・・・
たとえ、相手のやり方の方が不合理に見えても、相手の方式を否定するとケンカになります。
 
 
生活習慣の違いの場合、お互いに合意できるところをまず合意することをお勧めします。
たとえば、風呂マットの話なら、「床にカビが生えないように対策する必要性」については合意することができるはずですね。そして方法については、相手にキツク言うのではなく、どんな方法がベストか一緒に考えてゆけばよいのです。
 
大人だけの家族なら、個々人が気をつける方式、つまり浴室内で体を拭く方式が合理的でしょうし、元気いっぱいの子どもたちが何人もいる家だと、結局マットがびしょ濡れになるでしょうから、濡れたあと、後始末をする方式の方が合理的ですね。
 
常に正しい方式というものはないので、目的について合意して、方法については臨機応変に考えてゆけばよいのです。
 
その時に、彼女がやってきた方式を、頭ごなしに否定しないこと。
それが、大事なことです。
 
彼女が守ってきたことを、大切に扱ってください。
 
人は、否定されなければ、次第に、結局それだよね、という合理的な道を選んでゆくものですから。
 
彼女が大切にしているものを、大切にする2 に続きます。