怒りのコントロール(2)

 

怒りのコントロールからの続きです。
 
自分で怒りを感じることができるようになる、ということをもう少し詳しく説明します。
 
怒りには色々な段階、色々な強度があるということをまず理解してください。
 
たとえば、コンビニで長蛇の列ができていて、イライラする、というレベル。
職場で先輩から嫌味を言われて、なんだかムカムカする、というレベル。
 
自分の大切な人に危害を加えられて、心の底から怒りが湧いてくるというレベル。
 
 
物事の程度に応じて、小さな怒りから、激怒までさまざまな怒りがあります。
怒りを感じることができるようになる、というのは、この、小さな段階の怒りを敏感に感じられるようになる、ということです。
 
日頃不満に思うことや、人から見下されて傷ついたことなどが怒りとなって蓄積していきますが、この段階でちゃんと気づくことが大事です。ずっと飲み込んでしまい、自分では怒っていることが良く分からずにいて、そして、限界を超えたときに、恐ろしい怒りが一気に湧いてくる。
 
怒りのパターンが、理性でコントロールできるレベルの小さな怒りから徐々に出てくるパターンなら、早めに対策すればいいので、比較的問題のないパターンです。
しかし、始めのうちは心の内で怒っていることに自分でもなかなか気づくことができなくて、ある時いきなりドカーンと爆発することが多いとしたら、「怒りを感じていない」「怒りを感じる感度が鈍い」問題を抱えているのかもしれません。
 
冷静に対処できる程度の小さな怒りに、早めに気づく。
これができることが、怒りをちゃんと感じているということです。
 
 
さて、では、小さな怒りに気づけるようになったとしたら、次はどうしたらよいでしょうか。
 
次は、実は、怒り以外の感情に気づけるようになる、というのが課題になります。
というのも、純粋な怒りというのはほとんどないのです。怒りのほとんどは二次的な感情です。元々は、相手に何かを期待していて(コンビニで時間通りにレジ打ちしてくれるということも、ひとつの期待です)、それが裏切られたときに「がっかり」して、がっかりが一定以上になると、怒りに化けます。
また、相手からの愛情を求める「寂しさ」が限界を超えると「なんで私と一緒にいてくれないの!」と怒りが湧いてきますし、ちょっと極端な話ですが、相手から殴りかかられたときなど、身を守るために「何すんだよ!」と怒りが湧いてきます。これは「怖い」感情が怒りに化けたものです。
 
このように、愛情を求めていたのに得られなくて「寂しかった」「がっかりした」という気持ちや、傷ついた気持ち、あるいは攻撃されたりして「怖い」という気持ちが、怒りの裏にはあります。
むしろ、怒りの裏にある、これらの気持ちを自分でちゃんと見つめることが、怒りのコントロールにつながります。
 
彼氏に放っておかれるとすぐに怒りが出てしまう女性の話を聞いていると、寂しいという感情が鈍くなっていることがあります。寂しさをあまり感じないので、相手との距離の遠い恋愛をしてしまって、でも、心の底ではちゃんと寂しさを感じていて、その寂しさが限界を超えると、怒りに化けて出てくるのです。
 
このような場合、表面に出てきている怒りに対処していてもきりがありません。ちゃんと、寂しさを早め早めに感じられるようになることが大事なのです。
 
怒りが鈍くなっているときに「キッパリ日記」をつけるように、怒りばかり出るときには今度は、怒りの下にある感情を日記につけるとよいでしょう。「がっかり日記」などと名づけてみてはどうでしょうか。「がっかり」「寂しい」「苦しい」「悲しい」「傷ついた」「怖い」など、怒り以外のネガティブな感情について、よくよく自分と向き合って書いてみるのです。
 
次は、このように感情を抑え込んでしまう原因についてです。
怒りのコントロール(3) ?怒りのコントロールが難しい人に続きます。


 

「怒りのコントロール(2)」への2件のフィードバック

  1. 今、日記はつけていないけどすごく怒りんぼになっていて、
    その下の気持ちに気付けて来ました。
     
    はやく(3)が読みたいなと思います^^

  2. miyukiさん
     
    コメントありがとうございます。
    怒りの下の気持ちに気づけるようになってくると、すごく楽になりますよね。
    応援しています。

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