【ココヘル127】私のセラピーの理想は『空気投げ』

 

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◆ 女と男の「心のヘルス」?癒しの心理学 127号 2006.9.12
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 こんにちは。あづまです。
 
 こう見えても、私は柔道黒帯なんです。
 メルマガでは初めて書きました。
 意外でした?
 
 
◆幻の技「空気投げ」
 
 柔道の技に、空気投げと言われる技があります。
 オリンピックのときに野村選手が出していました。
 普通の運動神経ではたぶん出せません。
 
 柔道の話はいいのですが、この技、組んだら背負ったりしないし、
 足もかけないけれど、相手を投げてしまうというすごい技です。
 
 なぜそんなことが出来るかというと、相手が出てきたタイミング
 に合わせてちょっと自分も力を加えるのです。本当は瞬間的に
 相手の体を崩すのですが、そういう話をしたいのではありません。
 
 そう、相手の力を利用して投げる技の最高峰。
 何もしていないのに相手の体が宙を舞うので空気投げと言われて
 います。正式には隅落としという名前があります。
 
 
 柔道では幻の技みたいな空気投げですが、
 心理療法の究極は、私は「空気投げ」だと思っています。
 
 
 ようやく本題に入ってきました。
 
◆不倫ばかりの自分を変えたい
 
 たとえば、不倫をしていて、とても苦しい。
 でも、同じような不倫を繰り返してしまっている。
 どうにかしたい、けど、自分がわからない。
 
 私がそんな相談を受けたとします。
 
 人によって色々な原因が想定できますが、たとえば母親から
 良妻賢母になるのが女の幸せ、みたいに教育されたとしましょう。
 でも、その母親自身がはた目にみてあまり幸せそうじゃなかった。
 
 だから、人生に対して重苦しい感覚を持ちながら、結婚を避けて
 避けて、親の言うとおりの人生から逃げて逃げて、不倫で苦しんで
 いたとしましょう。
 
 
◆セラピストの腕の見せ所
 
 どう、空気投げを決めるか。
 これがセラピストの腕の見せ所です。
 
 「不倫は人の道に外れている」だとか、
 「不倫をしていたら幸せになれない」とか、
 「相手の奥さんのことを思いやれ」とか、
 
 そんな説教をしては、空気投げとはいえません。
 力で無理やり相手をねじ曲げようとしています。
 
 無理です。
 
 どう、空気投げを決めるか。
 これがセラピストの腕の見せ所です。
 
 
◆私なら、こうします。
 
 友達に白い目で見られようとも、
 自分自身が辛かろうとも、
 相手の奥さんに対する罪悪感があろうとも、
 
 不倫を貫いている、その強い力をまず認めてあげます。
 「それだけ貫けるのは、大したものです。」
 
 そして、その力こそ、最大の能力(心理学的には『リソース』)
 であると考えます。
 
 
◆ちょっと説明です
 
 きっと、
 
 意識は、親の(ちょっと偏った)良妻賢母教育により、
 「親の言うとおりに生きるのが幸せ」と思いこみ、
 無意識は、
 「親の言うとおりに生きるのは、なんか不幸そう」と感じている。
 
 そのような原因があるはずなのです。
 だから、結婚につながる交際をことごとく断り、
 安全なところで恋愛するために不倫ばかり繰り返していた。
 
 だとすると、最大の力は
 「親に言われた(が納得できない)ことを断固後回しにする」
 能力です。
 
 表層意識では、親を立てているので、自分の好きな結婚のスタイ
 ルを貫くことが出来ていませんが、それをする潜在能力があると
 考えます。
 
 
◆はい、では、ここから空気投げです。
 
 「不倫していることが分かって一番悲しむのは誰ですか?」
 「お母さんです。」
 
 「では、目の前にお母さんをイメージしてみてください。
  そして、お母さんに不倫していることを伝えてください。
 「お母さん、悲しい顔をしています。」
 
 「お母さんは、何か言っていますか?」
 「『不倫なんてやめなさい!』と強い調子で言っています」
 
 「何か、言い返したいことはありますか?」
 「お母さんは、結婚しなさいって言うけど、お母さん自身が幸せ
  そうじゃないんだもん!結婚生活って辛いものでしょ!」
 
 
 「今度は、魂だけ抜けてお母さんの体に入っていってください。
  お母さん、娘さんの幸せのために何かアドバイスするとしたら
  どんなことを言いますか?」
 「私は自分が我慢して結婚生活を維持することしかできなかった
  けど、あなたは自分の思い通りの結婚生活をしてほしい。」
 
 
 「では、自分の体に戻って・・・
  どんな結婚生活なら自由で素敵だと思う?」
 「結婚していても、仕事もしていて、男友達とも時には飲んだり。
  家庭に閉じこもるんじゃなくて、旅行とかも行きたい。」
 「それはいいですね♪」
 
 
 そしてこのあと、親の人生と自分の人生は別であること。
 親の感情と自分の感情も別のものであることを説明し・・・
 
 「あなたは、お母さんに何と言われようとも、言いなりにならな
  い強い力を持っていますね。その力を、お母さんに反抗するた
  めに使うのではなく、自分の心の望むものを手に入れるために
  使えばもっと幸せになれますよ」
 
 ここでは、不倫していたことをポジティブに捉え直しています。
 そしてどんな結婚生活をしたいかは、流れの中で既に自分の言葉
 で話してもらいました。
 
 ※パートナーの不倫で苦しんでいる方には、ちょっと心が痛む話
 だったかもしれません。心理療法は普遍的な事実や正しさを扱う
 のではなく、個人の心の中を扱うものですので、立場によって見
 方が変わるのだと言うことをご理解いただけると幸いです。
 
 
◆私の心理療法の先生、矢野先生から聞いた話も、空気投げです。
 
 「死にたいんです」
 「死んだら、天国で何をしたいですか?」
→そして、そのやりたいことをちょっとでもいいから現世で試して
 おきましょうよ、と誘導するわけです。
 
 
 はっと気づくと、自分の言葉が自分を導いている。
 自分の言葉、自分の考えが、一番気持ちいいのです。
 人に無理やり課題をやらされても、回復しません。
 
 自分の気持ち、自分の感情が受け入れてもらえて、しかも気づく
 と自分の力で投げられてしまっている。あれれ?でもそっか、こ
 の方向で良かったんだ。
 自分は既に問題を解決する能力(リソース)を持っていた!
 
 そう気づくことが、空気投げされるということです。
 一番気持ちいい、セラピーの形のひとつです。
 
 気持ちよく投げられてみたいという方、今月のセラピーを募集し
 ます。説明ページをよく読んだ上で、メールにてお申し込みくだ
 さい。
 基本的には先着順です。
 
 
 
 
◆まとめ
 
 私のセラピーの理想は「空気投げ」
 
 無理に説教をしたりはしません。意味ないですから。
 
 あなたの持っている力(リソース)を発見します。
 
 そして、その力を利用して問題を解決します。
 
 あなたは、既に問題を解決する力を持っているのです。
 
 
◆あなたは、どう思いますか?
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 (@を半角にしてください)
 
◆編集後記
 
 今日はナシです。
 結婚とはのコーナーが長くなったので(笑)
 
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(結婚とは)
 
 このコーナーはあづまが気付いた結婚とはなにか?を気まぐれに
 配信するコーナーです。自分が思い描いていた幻想通りにはいか
 ないのが現実の生活。でもそれがいいじゃないの。
 そんな肩の力が抜けるためのメッセージです。
 
 「結婚とは、いたわり合いである?涙の誕生日」
 
 9/10は、妻の誕生日でした。
 もちろん、下準備はバッチリ。お花とケーキとカードと、そして
 とくいのエビチリを作ってお祝いをしようとしていました。
 
 ところが・・・当日私はお腹が痛くて、とてもエビチリなんて食
 べられません。お粥しか無理です。
 
 せっかくのお祝いなのに・・・なんかとても悲しくなりました。
 
 「幸恵ちゃんの誕生日なのにお粥じゃお祝いできない(涙)」
 「お粥だってちゃんとしたご飯なんじゃけ、お祝いできるよ。」
 
 ちょっと涙が出てしまいました。
 優しい気持ちの奥さんを持ってよかったとしみじみ思いました。
 
 
 ふっふっふ。
 しかし、逆転はこれからだったのです。
 
 実はメインの誕生日プレゼントは、世界に一冊しかない絵本。
 ストーリーに実名がちゃんと入っているんですよ。
 内容がとてもよくて、これまでの人生を振り返って、たくさんの
 楽しいことがあったね、お父さんお母さんを始めとして好きな人
 に囲まれてよかったね、というような内容の本でした。
 
 幸恵ちゃん、気持ちが子供に戻っちゃったのかな。
 ちっちゃな子供みたいな顔になって、泣いちゃいました。
 
 とにかく、感動的な誕生日のお祝いになりました。
 
 
 ご飯は食べられたのかって?
 ちゃんと、エビチリは作りましたよ。
 私はお粥を食べました。ちょっと豪華に中華スープを入れて中華
 粥にしました。エビチリもちょっとだけ食べました。まあとにか
 く一緒にいて楽しむことができたのでOKです!
 
 お互いをいたわる優しい気持ちがあれば、問題が起きても、
 「雨降って地固まる」となるのだと実感しました。
 
 
(今日のアファメーション)
 
 「問題が起きても、解決すればよい」
 
 こうでなくてはいけない、という固定的な基準を持ってしまうと
 問題は「減点の対象」になってしまいます。
 
 誕生日に体調が悪かった、出産の時に旦那さんが仕事が忙しかっ
 た。ほかにもお金がないなどの問題は常に起きるものです。
 
 今を生きる気持ちで生活し、問題が起きたら解決するのが自分の
 役割だと思っていれば、何ともありません。
 
 問題が起きれば、学ぶことも多いのです。