結婚できない理由が、「結婚イメージ」による場合。親の不仲を「結婚生活の典型例」だと感じてしまっている/親は仲良かったが、母親が一方的に我慢していた/親の期待する結婚像と、自分の本心が異なっている/理想の結婚生活をイメージしているが、現実的でない/とても辛い経験がある場合
あなたは「結婚」したいですか?
「結婚願望」がある?ない?
「結婚」に対してネガティブイメージを持っている?
・・・結婚。
実は、同じ言葉で想像するものが、ひとりひとり相当違っています。
そして、どれだけ現実的に、かつ、自分の理想を正確に表現した結婚イメージを持てるかが、結婚できるかどうかに大きな影響を与えます。
いくつか、結婚に至らないパターンを例示したいと思います。
1.親の不仲を「結婚生活の典型例」だと感じてしまっている
ひとつめは、親が不仲で、よくケンカしていたり、あるいは、もっと厄介なのは、両親からそれぞれ相手に対する愚痴や不満をずっと聞かされて育ったような場合です。
子供は冷静に客観的に人間関係の課題を見つめる目をまだ持っていませんから、子供が親をどう見るかというのは、大抵反対側の親の見方を取り入れているものです。つまり、仮にあなたが「父親が嫌い」と思っているとすると、あなたの母親が夫(あなたの父親)を嫌っていて、しょっちゅう愚痴を言っていたことが原因、というようなケースが典型例です。
しかも、子供はたったひとつの出来事を「一事が万事」的に、つまり「世の中はみんなそうなのだ」と受け止めます。
だから、自分が男性や女性に対して嫌な感じ、不信感、嫌悪感などを持っていると感じる場合は、親の夫婦関係から受け継いだものではないかということを、まず疑ってみた方がいいわけです。
特に、父親に対するマイナスイメージというのは、日本の家庭では、父親が仕事で存在感が薄いことが多いですから、自分で本当に父親の姿を見て感じたものではなく、母親が父親に対する愚痴を言っていたなど、母親の心のフィルター(色めがね)を通して父親のイメージをみていたことで作られた可能性も結構高いのです。要するに、家にいる機会が多い方の親の物の見方に影響されるということです。
いずれにしても、両親が不仲だった場合は、子供は無意識に結婚生活というのはこういうものだという認識というか、そうなっても仕方ないというあきらめというか、どこか、不仲な状態を受け入れてしまう心を持ってしまいがちです。
心の底に染みついたこのイメージを、ポジティブなものに変えていく必要があります。
→ 恋愛セラピー
2.親は仲良かったが、母親が一方的に我慢していた
ふたつめは、親は表面的には仲が良かった、というケースです。
このパターンに当てはまるかどうかは「私は母親(父親)みたいな生き方をしたいだろうか?」と自問してみるとよく分かります。
私と母は別の人格を持った、別の人間だから、まあ概ね母みたいな生き方をしてもいけれど、こことそことあそこは違っていて、私はこういう風に生きたい。そんなふうに「見習いたいところ」「変えたいところ」を冷静に挙げられるのであれば、問題はないと思います。
しかし、母親と真逆の生き方をしたいと感じていたり、母親のように生きることを想像するのも嫌で仕方がないというのであれば、心の中に未解決の問題があると考えた方が良いでしょう。
子育てや介護の負荷が、日本の社会構造上、妻に降りかかるケースが多く、妻が一方的に自己犠牲して家族の和を何とか取り持って成り立ってきた家庭というのも、少なくないわけです。
それを、母親自身が、まあそこそこ受け入れて、楽しく生きていたのであれば、それほど大きな問題ではないのですが、波風は立っていなかったが、母親は愚痴っぽくて、子供が愚痴聞き係をしていたようなケースでは、やはり子供は、結婚生活に希望を持てなくなります。
このパターンに当てはまる場合も、心の底に染みついた結婚生活のイメージを、ポジティブなものに変えていく必要があります。
→ 恋愛セラピー
3.親の期待する結婚像と、自分の本心が異なっている
みっつめは、親が何かを期待して、結婚の形を娘に色々吹き込んでいるけれど、当の娘は、それが本当は嫌だと感じているケースです。
跡取りがいないので、娘に婿をとってほしいと考えているケースもこれに含まれます。
少子化で子供自体が少ないので、日本全体でみれば、継ぐことの出来ない家がたくさん出てくるはずなのです。そもそも、次男をもらおうにも、各家庭に子供がふたりいると仮定して、確率論的に計算すると、男性の4人に3人は長男になってしまいます。ざっくり計算して、こだわらない場合の4倍相手選びがむずかしくなるわけです。
ほかにも、「安定している職業がいいから公務員がいい」「うちと同じ宗派で」など、条件をつける場合、あるいは、どんな人を連れてきても難癖をつける親というのもいます。
生活のために結婚していた時代は、「ちゃんとした人」=(仕事をして、ギャンブルをせず、真面目な人、みたいなこと)であればOK。だから見合いで「ちゃんとした人」を選べば良かった。サラリーマンなども終身雇用でしたから、それでよかったんですね。
でも、今は、幸せのために結婚する時代になっています。「ちゃんとしているけれど、つまらない人」と結婚したら、奴隷のような人生になると感じてしまうでしょう。
ライフスタイルや価値観も多様化していますので、結婚後も仕事を続けたい女性であれば、仕事で出世しそうな人よりも、家族との時間を大事にしてくれる人を選んだ方が幸せかもしれません。
ライフスタイルとは要するに、お金の使い方、時間の使い方のことです。これが合っていないとストレスが多くなります。
また、お互いに相手の心の痛みを理解し合い、地雷は踏まない努力が必要ですが、こういった面にも相性があるのです。ものを言わないおとなしい夫にイライラする妻もいれば、あれこれ口うるさい夫にイライラする妻もいるわけです。こういった、キャラの相性は、結婚生活を長続きさせる上では、「ちゃんとした人」を選ぶよりも、むしろ重要です。
ここが、親と娘で感覚が異なっている部分です。
この場合は、親離れすることが必要です。
つまり、「お父さん、お母さんはそう言うけれど、実際に結婚生活するのは私。だから、私の責任で相手を選びます。」そう言い切る強さを持つことが必要だ、ということです。
母親が愚痴っぽくて、見ていると「罪悪感」を感じてしまうようなケースもあります。すると親の意向を無視できなくなるわけです。それは親が心理学的には「受動攻撃」と呼ばれる、子供に罪悪感を感じさせて支配する戦略をとっていたからです。
このように、無意識に親の支配を受けてしまっている場合、心理療法などを活用して、しっかり親離れする必要があります。 → 恋愛セラピー
いずれにしても、親の意向ではなく、自分の意思で相手選びをし、自分の望む結婚の形を目指すことが大切になります。
4.理想の結婚生活をイメージしているが、現実的でない
よっつめは、理想の結婚生活を一生懸命イメージしているけれど、どうしてもその通りの人に出会えなかったり、恋愛の段階でうまく行かなくなってしまうことが多いようなケースです。
この場合、理想の結婚生活のイメージが、「現実的でないかも」と考えてみる必要があると思います。
たとえば、相手に対するイメージで、仕事ができて、趣味の世界も持っていて、私を寂しがらせないように、いつも一緒にいてくれて、家庭内のことも、子供の世話もしてくれて、よく勉強していて世界情勢や経済のことも知っている人。
なんていう風にイメージしたとしますね。
でも、人は1日24時間しか持っていません。それはどんなに能力があっても同じこと。しかも、能力があって、社会から期待されている人は忙しく、家庭を大切にする心は持っていても、どうしても外に出ている時間は多くなる傾向があります。
仕事にも、趣味にも、学びにも、私を寂しがらせない時間にも、家事にも、子育てにも、時間を使って、1日48時間必要な、非現実的な期待をしていたりすると、当然そういう相手はいないわけです。
実際には、この、よっつめのパターンは、自覚していない場合が多いと思います。
つまり、友達から「理想のタイプは?」と聞かれて「やさしい人ならいい」と答えるケースです。
意識的には、自分は高望みしていないと思っています。けれど、よくよく本心を探ってみると、出るわ出るわ、相手に対する期待が本当はいっぱい出てくる(けどそんなわがままな自分を認めたくないからフタをしている)という場合が多いです。
自覚症状的には、「言葉で答えている理想のタイプ」には当てはまるけれど「生理的にイヤ」「なんとなくダメ」「この人はありえない」みたいに、「なんか分からないけどイヤ」という人が多い、という形で現れます。
もしも「この人はイヤ」「この人はありえない」と思うのであれば、そこに、あなたの「結婚相手に対する条件」がまだあるわけです。少なくとも、潜在意識レベルでは。
それを「人間として当たり前」とあなたが考えているものも含めて一旦全部リストアップすることが、客観的に自分を見つめるために役立ちます。
心の底では相手に色々条件をつけていながら、表面的には「私は高望みしていない」という意識を持っていると、結果として「良い結婚相手が現れず、結婚できない」という結果を得てしまいます。
この先の人生を豊かに生きたいなら、勇気を出して自分の本心を見つめることをお勧めします。
5.とても辛い経験がある場合
いつつめのケースは、過去に家族の誰かが亡くなったとか、親が離婚したあと、生活が大変だったとか、子供時代に家が貧乏で生活が苦しかったとか、感情を押し込めて生きなければ乗り切れないような、辛い経験をしている場合です。
この場合は、とにかく、当時の辛かった感情をちゃんと吐きだして、悲しんで、終了させることが大切です。辛さにも色々ありますが、ただただ悲しかったのであれば、時間が解決してくれることが多いと思います。
但し、感情のフタをしてしまい、長年解決できない(つまりこの記事の主旨で言えば結婚できない)状況になるケースというのは、単に悲しみが癒えていないだけではありません。
多くの場合、悲しみを感じる前に、思い通りにならなかった生活への怒りや無念さが心の奥にわだかまっています。あるいは、親が辛そうにしていたことで、自分が罪悪感を感じていたというケースもあると思います。
最終的には、怒りにフタをしたか、あるいは、罪悪感にフタをしたことが決定的な感情のフタになっていることが多いようです。
自覚症状としては、人生のどこかの段階から感情が鈍くなっているように感じていたら、このケースです。あるいは、他人からいじめられることが多い、説明できない嫌悪感を感じることがある、医者から「ストレスですね」と言われる体の症状があるが、普通のストレス解消法では一向に治らない、など、
「感情の詰まりが起こす症状」を持っていて、なおかつ結婚できない場合、このケースに当てはまると考えてほぼ間違いありません。
このケースでは、結婚そのものに対するイメージ云々よりも、人生に対するイメージを明るくすることが、まず大切です。そのためには、過去の辛い体験を乗りこえることが大切です。
なお、乗りこえるというのは単に「落ち着く」のとは違います。(辛い体験を「乗りこえる」とはどういうこと? 参照)
“「結婚」とは??人によって千差万別の結婚イメージ” の続きを読む