恋愛依存症 克服 解消 症状
恋愛依存症・・・「友達に『その彼やめときなよ』と言われる」「別れたのに執着している」「都合のいい扱いをされているが、別れられない」「だめんず遍歴をしている」「イライラしたりストレスが溜まると、大して好きでもない男とセックスしてしまう」ひとつでも当てはまるなら、恋愛依存症の可能性があります。
恋愛依存症の克服には、
・「恋愛依存症を克服する」という明確な自覚
・克服に協力的な仲間や友人、知人のネットワーク
(逆に、共依存関係は、できるだけ早く断ち切る必要がある)
・専門家の協力
が必要です。
恋愛依存症のメカニズムは、専門家の立場から見れば比較的シンプルです。但し、多くの心理的な問題と同様、感じ方そのものに色眼鏡がかかっているし、潜在意識を変える必要があるので、本人が文字情報を読んだだけで、自力(=意志の力)で解決するのは難しいと思います。
恋愛依存症の症状が生まれる仕組みは、こうです。
他の依存症と同様、愛情飢餓など、心の中にある「足りないもの」「満たされないもの」が元々ある場合が多いのです。寂しいし、一人だと不安だし、誰かを求めます。
そのときに、寂しいから誰かに近くにいてほしいという「近づいてほしい」という欲求と、子供時代に愛情の少ない環境で育ったことによる、「近づいてこない人に惹かれる」という恋愛パターンとが葛藤を起こします。
誰かに近づいてほしいと求める一方、どこか冷たく、本当に自分のことを愛してくれない人を好きになってしまうわけです。見事に、子供時代の愛情飢餓の状態を、大人の自分の周りに再現しています。
潜在意識の中にある、子供時代の激しい寂しさや孤独への恐怖心と、同じく潜在意識の中にある、子供時代と同じような「愛情の足りない環境」を求めてしまう無意識の傾向。
この両方を修正することなしには、恋愛依存症の克服は成功しません。
恋愛依存症の解消に向けた具体的な方法論ですが、
まず、彼とつき合っているときに感じる感情が、子供時代に解決できていない感情の再現だと考えて、その感情を頼りに、似たような感情を感じた過去の体験を探ります。体験そのものに退行できない場合は、その感情の元になった、子供時代の家族関係をイメージします。
そして、そのシーンと共に心に刻まれている感情を、まず解放していきます。一番最初にとり組むべきなのは「罪悪感」を外すことです。ここで言う「罪悪感」とは「無意識的罪悪感」のことで、日頃罪の意識にさいなまれているわけではないけれど、重要な決断の瞬間には「こんなに罪深い私は、幸せになってはいけない」「こんなにダメな私は、多くを求めてはいけない」「こんなにひどい私は、ひどい目にあってもそれが似合っている」というような形で表に出てきては、幸せにならない方の選択肢を選んでしまうという行動パターンを通じて、人生を裏側から縛ってしまうものです。
罪悪感と同時に、「私はここにいてはいけない」「私は常に頑張っていなければならない」「私は女でいてはいけない」「私は喜びを感じてはいけない」など、自分を否定する思いこみを持っていることが多いので、それを外していきます。
愛情飢餓が深く、罪悪感によるメンタルブロックを外すだけでは不足の場合、アダルトチルドレン(AC)である可能性も高いですから、インナーチャイルドの癒しのワークなどを繰り返し、心に愛情という栄養を与えていきます。セラピストが一連のワークや過去の体験談をしっかりと否定せずに受け止めることも、プラスに働きます。
私の場合、こうした潜在意識を扱う心理療法と共に、行動療法も取り入れていきます。
よく活用する方法は、ノートに日々の自分の感情の移り変わりをメモしてもらうことです。多くの場合、怒りの感情を上手に扱えていないものです。怒りが出てきたらすぐに呑み込むクセを持っていたり、そのクセが習慣化した結果、怒りがどこかに行ってしまったような状態になってしまったり。
こうした、そもそも感じるべき感情を呑み込むという心の習慣は依存症を生みやすいため、まず、感じるべき感情をきちんと感じる習慣を作っていくのです。
始めのうちは、今まで抑え込んできた感情がようやく出口を見つけて出てきますから、ネガティブな感情が泥水のようにどんどん出てきて、時には混乱します。ですので、セラピストと一緒に進めていくことが安全です。
こうして、罪悪感と自己否定の思いこみを外し、感情にフタをする習慣を、感じるべき感情はその場で感じる習慣に変えていきます。
ここまでの取り組みに、何ヶ月もかかる場合もあります。
それでも、問題を解決せずにその後の人生を歩み続けることに比べれば、本人にとってのメリットは大きいと言えます。
行動療法の部分はともかく、潜在意識に直接アプローチしていく心理療法の部分は自己流で行うことは難しいと思います。ぜひ、専門家を頼ってほしいと、私は考えています。