女性の側から、男女関係を良くする取り組みをする際に、よく覚えておいた方がよい男性の性質があります。それは、男性は女性からの非言語のメッセージに、無自覚に反応するということです。
夫婦関係の相談を受けているときによくあるケースを題材に説明したいと思います。
当事者は行き詰まっていると感じているものなので、男女の心理の専門家として、解決の糸口がどこかにないか、私も一生懸命探します。そんな中で、最近よくあるパターンがあります。
それは、夫婦関係の相談のはずなのに、解決の糸口として私が見つけたものは「妻の仕事を充実させる」というもの。勘違いしないでほしいのですが、どんなケースでも妻の仕事が充実すれば夫婦仲が良くなるわけではありません。
そうではなくて、この方針をとるケースは、妻がかつて仕事をしているときに活き活きしていて、でも、結婚して、子育てなどを担当するために、自分の夢をあきらめて、じめじめした感じで生きているようなケースです。現実問題を優先して、夢とか気持ちの部分を後回しにして生きてきたツケが夫婦関係に出た場合です。
妻が自分の夢をあきらめて、希望を失って生きている。
→暗い感じになる。
→夫が妻に何かしてあげても、妻は素直に喜べない。
→次第に、夫も、妻に何かしてあげるのが嫌になってくる。
→妻は、夫がだんだん冷たくなってくることに耐えられなくなる。
→そして・・・限界を迎えた日に・・・
爆発して、離婚話になったり、夫がいつの間にか喜び上手の女性と浮気していたり、そういった夫婦関係の決定的な危機として問題が表面化するわけです。
こういった相談の中で、問題の根本が、「妻が自分らしく生きていないこと」であると判断した場合は、とにかく「楽しく生きる」ことを課題とします。それに注力してもらうわけです。
男性は、相手の感情にあまり気づかず、鈍いと思っている人が多いようですが、そんなことはありません。確かに、相手の感情を「意識的に理解する」ことは女性の方が得意です。男性の場合、確かに「相手の感情に気づかない」のです。
しかし、本人は気づいていないけれど、潜在意識レベルではちゃんと受け取っていて、相手の感情に反応して行動しています。
例えばこんな感じで。
妻が不機嫌
→夫は無自覚だが、なんとなく妻と距離をとってしまう(自分でもなぜなのか説明できない)。
こんなのもあります。
妻が不機嫌
→夫は妻が不機嫌の時に限って辛らつな言葉を投げかける(もちろん無自覚)。
妻があまり喜ばない(色々不満が溜まっているので)
→夫は妻に対して喜ばせる行動をするのを次第にやらなくなる(もちろん無自覚)。
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この、最後のパターンは、妻の訴え「男は釣った魚にはエサをやらない」の原因の一端にもなっています。喜び上手な女性は、いつまでも尽くしてもらえるのに対して、喜びを表現しない女性には、男性は次第に何もしなくなってしまうのです(もちろん無自覚に)。
男女の行動パターンを観察してきて思うことは、男性は思いのほか女性の「感情」などの「非言語メッセージ」に敏感に反応するものだということ。男性の勘は鋭いのです。
但し、敏感に反応していることを自覚できません。そう、女性と比べて、男性は感じ取ったものを意識化することが苦手です。その点では女性より鈍いと言ってもいいでしょう。
喜び上手、感謝上手で、
嫌なことがあったときに、涙を流すことはあっても、相手も自分も責めず、
ここ一番というときには、怒りをぶつけるのではなく、毅然とした態度が取れて、
相手の幸せも、自分の幸せも大切にしている。
そんな心のあり方を持っている女性を、男性はずっとそばに置いておきたいと思うものです。但し、それを言語化することは苦手です。なぜこの女性が好きなのか、なぜこの女性といると安心するのか、それは本人も分からないのです。
もしあなた(女性)が、男性といつもうまく行かないと感じているのでしたら、自分が持っている「感情」や、自分が発している「表情」「声の調子」「服のテイスト」「反応する話題・反応しない話題」「人生に対する姿勢」のような、非言語メッセージの部分が男性に好かれていない可能性があると、一度考えてみた方がよいと思います。
恋愛セラピーは、こうした非言語の部分、潜在意識の部分を変えるサポートをするものです。
私は心底、こうした非言語のメッセージこそ大切だと考えています。
毎回内容が濃くて、しかもわかりやすく、楽しみに読んでいます
普段なんとなく感じているけれど、言語化できないことが、きちんと筋道立って説明されていて、なるほど?とすっきりします
とても勉強になります
今回のも、そうそう!と何度も心の中で叫びながら(笑)読みました
男性は非言語の部分に無意識の領域で反応している、というのは、本当にその通りだと思います
女性は(人間は?)無意識のメッセージをとてもたくさん出していて、男性はそれを受け取って判断している…
しかも男性自身はそれをきちんと言語化できないけれど、行動には表れる、という主張も、その通り?!と拍手しちゃいました
理屈を超えた直感的というか本能的な部分があり、だから、自分で気付かないような小さな部分に気付いて変えることが大切だったり、潜在意識に働きかけて、潜在意識を変えることが大切だったりするのだろうと思います
だから心理療法やカウンセリングを受けて人生が変わる人がいるのでしょうね
遅まきながら、私も、最近になってようやく自分が無意識に出していたメッセージに気付き始め、それを変えようと勉強したり行動したりしています
いやな相手や体験は、自分が引き寄せていたんだな
ほんとにその通りですね
確かに私はいつの間にか不満だらけで表情は暗く
主人になにかしてもらっても素直に喜べず
そのくせ主人のすることなすことにいちいち文句つけたり
辛いのは自分だけ、主人はなにもわかってくれないと思っていました。
そうではないですよね。
以前、主人は私の笑った顔が好きだと言ってくれていました。
ですが最近笑顔でいることが少なくなっていました。
主人が、他の笑顔の素敵な喜び上手の女性に気持ちが移ってしまっても当然なのですね。
主人を責めることはできませんね。
先生のコラムを読んで目から鱗でした。
今、目の前にあった濃い霧が
一気に晴れたようなすがすがしさでいます。
人の気持ちや表情や行動など無意識にしてしまっていることも、考え方一つで良くも悪くも変われるんですね。
そして自分が変わることで周りの人達をも幸せにする力があるのですね。
改めて気付き感心させられております。
最近、なにごともうまく行かず、
何をどのように直していったらいいのかがわからなくてモヤモヤしていましたが、
このページを読んで『これだ!』と思いました。
何度も読み返しました。
読めば読むほど自分のためにあるコラムでゎないのか!?と思わずにはいられません。
今からでも遅くないですよね!?
頑張ります!
そして夫婦の心の絆を少しずつ強くしていきたいと思います。
大切な事を教えていただき本当にありがとうございました。
気付かせていただいたことを心から感謝します。
さりささん
コメントありがとうございます。レスがすんごい遅くなってすみません。
記事の主旨に共感して下さってありがとうございます。嬉しいです。これからも分かりやすい記事を書いていきます!
ゆっこさん
コメントありがとうございます。
そうですね。
自分に、周りを巻き込んでいく力があると感じることが、
関係改善、問題解決の第一歩です。
解決すべき問題がたくさんあればあるほど、長い道のりを明るく乗り切っていく心の体力が必要ですから、肩の力を抜いて、明るくとり組んでいきましょう。
応援しています。
こんにちは。(セラピーでもお世話になりました)
思い返してみて、心が揺れ始めたのは、遠距離の彼の赴任先に訪ねていったときに「なんでこんなところに来たがるのかわからない」(彼のほうが一度来てくれたらと何度もいっていたのですが)と不機嫌そうにいわれて、着いたら、すごくウレシそうにしてくれる半面、時たま不安げに辛らつな態度を時たまとられたりしたことが、最初に私の心に何か変化を及ぼしたんだと思います。(私のほうで「チェックされてる」という気持ちにさせてしまう何かがあったのかとずいぶん悩みました)
そのときに冷静に「もし来てほしくないのであれば行かないよ・・・」といったら、「そんなことはないよ」だったのですが、おそらく彼のほうも無意識だったんでしょう。
その「辛らつな態度」で取り上げた話題が、悪意ないのかもしれないけど、反応する話題・反応しない話題でいえば、過去の心の傷を刺激するような反応の話題だったことも原因なのかもしれません。冷静に「その件をお友達と話すのはOKだし、人付き合いを制限するつもりはないけど私の前で話すのはやめてほしい。冷静さがなくなる」といったところぴたっとやめてくれました。
その後の対応からも、矛盾した意識を感じてしまって(近いてくるな、ずっとそばにいてほしい)
「彼は私の友達、家族に会いたいっていって入ってくるのに、彼の人生に私が入ることは許されない。」
と彼の態度や言葉から感じてしまって以来、(彼の家族にも友達にも会うことはありませんでした)
みっともない話ですが、不信感と恐怖で、一度本当に冷静さを失い、切れかけたことがありました。その後、冷静に話をしようとしましたが、途中で泣き出してしまったこともありました。
ある日、いつものように先方から「将来考えたら家族に会わせたい」という話から(遠いところに住んでいるので仕方ないかもしれませんが)、という話をした後、突然、別人かと思うような暴言をはかれ、終わりが来ましたが、本当に呆然としました。まだ気持ちの整理がつかず「こんな些細なことで」と思うようなときもありますが、感情の同調って一度切れると自分のほうも修復が難しい部分も感じています。むこうも私の中の感情を感じ取って「もうダメだ」っておもったのかもしれません。
その後「やっぱり・・・」というようなことを言われましたが、自分の言動や気持ちに責任を取れない彼を見ていると都合よく扱われているとしか思えなくなってしまい、本当に好きだったら連絡して、でなければもう何も言わないで、といってしまいました。
どうこの構図を話したらいいのかもわからないし、話したところで理解してくれるのか?という気持ちも持ち合わせていますが、一方で話をしたいという欲求もまだ感じます。(あきらめるって決めたのになぁ)
お互い、非言語の潜在意識が激しく反応してるのかな?と記事を読んで思いました。
時がたてばカイケツするのかな・・・?
スゴイ!ですね。非言語のメッセージというのは初めて聞きました。
ほんとにそうだと思います。
だから男の人は何を考えているのか分りにくいので女の人は不安になるんだろうなと思います。
私は感情を表現するのが苦手なので男の人とうまく付き合えなくて苦労しました。母が父に対してとても冷たい態度を取っていたので、私も男の人に冷たくしてしまうところがありまして…。無意識に傷つけていたんだと思います。最近ようやく喜んであげたりしたらいんだなということが分ってきました。
今付き合っている人は、私が疲れてテンションが下がったり様子が変わるといちいち大丈夫?って聞くタイプなので、最初は男らしくないなぁと思っていたんですが逆に強いのかなと思います。
分りやすいので、あっ気をつけようと思えるのでとても助かっています(^_^;)
男の人に対してだけじゃなく、普段から喜び上手、感謝上手になることも大事ですね。
ゆうこさん
コメントありがとうございます(セラピーのご利用もありがとうございました)。
その彼ですが…
彼自身の課題が大きいように感じます。
このコラムの主旨は、知らず知らずのうちに、男性に不快感を与えているか、それとも、好感を与えているか。それによって、カップルの関係を舵取りしていけるんですよ、というものですが、
大前提として、お互い、ある程度落ち着いた精神状態が必要です。
ちょっとした言動で暴言を吐く場合、それはもう、このコラムの範囲を完全に超えています。
彼以外の人にも目を向けて、ぜひ、いいパートナーシップを手に入れて下さいね。
ヨシコさん
コメントありがとうございます。
そうですね。
ぜひ、非言語のメッセージを上手に出して、幸せなパートナーシップを手に入れて下さいね。応援しています。
あづま先生のおっしゃることは全くなるほどと思うのですが、私は喜び上手、感謝上手になれません。非言語のメッセージを相手が受け取っていると思うと、悲しくなってきます。私はそんな風にしたくないのに、そうなってしまうんです。
だから、彼に愛されるはずもないし、誰からも愛されるはずがないって思ってしまう。それも非言語のメッセージとして相手に伝わっていると思うから、余計に落ち込むという悪循環です。
Tさん
コメントありがとうございます。
きっと、今のTさんにとっては、喜び上手になるのは、ちょっと上級編なのかもしれませんね。
ただちょっと気になるのは、「誰からも愛されるはずがない」というのは、論理的な帰結ではないですよね?飛躍しすぎていますし。
最初からそういう自己概念(セルフイメージ)を持っていらっしゃるのではないですか?
だとすると、きちんと子供時代を振り返り、セラピーを受けて、生育歴からきたマイナスのイメージをしっかり解消することが、最初に取り組むべきことです。
あまり詳しく書かれていないので、推測になりますが。
問題解決の基本は、本当の原因に【だけ】対処することです。
ぜひ、本当の原因と向き合う勇気を持ってほしいと、心から願っています。
では。
あづま先生、こんにちは。
私は半年ほど前に離婚しました。
結婚生活は9年、2人の子供がいます。原因は私の別居中の不貞です。
一昨年、別居中に職場の男性と相談をきっかけに親密になり、一旦はすぐに終わりました。私も夫とやり直すことにしたのですが、今度は相手の男性が離婚協議に入ったことで逆に私が相談を受け、また親密な関係になってしまいました。相手の男性も離婚し、私たちの関係は数ヶ月で終わったのですが、終わってからも友達として交際していました。
相手の男性の奥さんが離婚成立後、私たちの関係を知ったことがきっかけで、他、色々な事情があり、私から夫へ告白しました。
別居と繰り返しも仲よくしていたので夫は混乱し、私も一旦は自殺未遂をおこしました。
結果、夫の嘆願のまま、無条件で離婚届に判を押し、告白から1週間後に離婚しました。
当初、夫が一旦は別れて、1年ほどかけてまた私との関係を修復したいといっていたので、復縁を前提という話しだったので、財産分与も親権も争わず、合意書もつくりませんでした。
しかしその後、実家を巻き込み泥沼化し、結果、復縁はなし、子供との面会もできない状態となってしまいました。相手の男性は夫に慰謝料の誓約をし、夫も要求どおり退職しました。
当初、夫も私もまたやり直す意思はありましたが、夫は相手に抱かれている私が夢に出てきたり、夜中フラッシュバックで眠れず、辛くてやはり無理だといいます。私も子供には会いたいのですが、夫をこれ以上苦しめるのが辛く、しかも夫がもう私と係わりたくないと怒鳴られ拒否します。その際に夫には「お前は共依存症でアダルトチルドレンだ」直すのは無理だし、また浮気を繰り返すに違いない」と言われました。
この間は子供の顔がみたくて幼稚園に行ったら、夫が私の職場に怒鳴り込んできました。
あづま先生、どうしたら元夫を苦しめずに許してもらえるでしょうか?
復縁はやはり無理でしょうか?
私も依存症を克服したいのですが、あまりに幸せだった家族生活が忘れられません。
この依存症を克服することは、子供を忘れることになるのでしょか?
まいまいさん
コメントありがとうございます。
詳しい状況は分かりませんが、大変な状況ですね。心中お察しいたします。
お子さんと会えないのは辛いですよね。
このコラムの主旨は、比較的うまく行っている関係でも、非言語メッセージに注意しないと壊れていくよ、というものです。
まいまいさんのコメントが、コラムと主旨違いであることをまず、指摘しておきます。
さて、せっかくなので回答しますが、
泥沼化すると言うことは、自分の感情に責任を持ち、大人として振る舞う、ということのできない人が、複数からんでいる、ということだと推察いたします。
そのような状況において、このコラムの主旨のように非言語メッセージが、などということを考えても無理でしょう。
厳しい回答になってしまってすみませんが、その状況を無理やり変えることは、結局法的手段、つまり闘う、ということになってしまうんじゃないかな。
この過酷な状況を、なんとかバネにして、前に進んでほしいと願うばかりです。
(気持ちは応援しています。でも、コラムのコメント欄ではこれ以上何を書いていいのか分かりません)