先日、妻にやってほしくない節約、というテーマのアンケート結果(東京スター銀行実施)を見た。
その中で気になったものに、
「1円でも安いものを探してスーパーをはしごする」
「遠出をするときは、利便性よりも交通費の安さで交通手段を選ぶ」
「外食を控える」
がありました。
節約には、
お金の節約
時間の節約
があり、通常何らかの形でトレードオフ(一方を選ぶと他方が犠牲になる)が存在するものですが、妻にやってほしくない節約の中の上記の三項目は、お金の節約を時間の節約より上位に置いています。
仕事で「効率化」「効率化」と必死になっている夫と、自分の時間に(あからさまな形では)値段のつかない専業主婦の妻。時間感覚に差が出るのはある程度は仕方のないことです。
但し、「時間を大切にする」という感覚が欠如していると、お金の節約のために、自分の命の一部である貴重な時間をどんどんつぎ込んでしまいます。
そして、自分の時間が貴重であるという感覚が薄いと、他人の時間も大切に出来なくなります。たとえば、延々何時間も電話をしてくる友達を「うざい」と思うのは、自分の時間が(たとえ今は値段がついていなくても)本質的には人生の貴重な一部であり、価値のあるものだからです。
夫婦間でお金に関する話し合いがどうもまとまらないというとき、お互いの生活について意見が食い違うことが多いと思うとき、お互いの「時間感覚」について話し合ってみることは、何かの突破口を開くきっかけになるかもしれません。
小田原から東京の交通機関として、東海道線や小田急線を使えば、ちょっと安くなりますが、私は多少高くても必ず新幹線を使っています。時間をたくさん使うことの方が、結局高くつくと思っているからです。妻もそれを支持してくれています。
こうした、時間節約のためにどれだけお金を使ってもいいと思っているか、このあたりの感覚を夫婦ですりあわせられるかどうか、これはとても大事なことだと思っています。
あなたが既婚者なら、いきなり自分の感覚を押しつけるのではなく(大抵ケンカになるので)、まずは、相手の感覚を訊いてみることから始めてはいかがでしょうか。
なお、この記事は「時間節約優先の夫」と「お金節約優先の妻」という構図で書きましたが、時間とお金のどちらを選ぶかについては、私は根源的な男女差はないと考えています。それまで、あるいは現在の生活習慣によって決まっているものだと思います。つまり、「時間節約優先の妻」と「お金節約優先の夫」というパターンもあるということです。
自他の時間を大切にすることが、とても大事なことではありますが、まずは、お互いの時間感覚、金銭感覚を理解することから始めていきましょう。