問題にぶつかったとき、人は大きく分けて4つの態度で問題に関わります。
それが、
問題解決型
問題放置型
問題回避型
責任転嫁型
です。
夫の浮気が発覚したときの対応を例にとって、説明していきます。
問題解決型の関わり方
問題解決型の関わり方というのは、とにかく「未来の幸せ」を手に入れるための最善の手を考え、自らそれを手に入れるための行動を起こすということです。
夫の浮気なら、まず、どの程度の深刻さなのかをざっと見積もります。出来心でやっていそうなのか、それとも、離婚まで視野に入れている段階なのか。
感情的になることが問題解決にマイナスなら、夫に感情をぶつけることは避けます。これは、我慢のための我慢ではなく、一番良い結果を手に入れるための、節制の効いた行動です。
出来心なら、それとなく気づいていることを伝える方法が役立つこともありますし、もっと本質的には、夫と自分との心の絆を強くする(夫が浮気相手の女性を必要としなくなる)ことが役立ちます。
もはや夫婦間の溝は決定的で、夫は離婚したがっているところまで来ているとしたら(ふつうは、問題解決型の考え方、行動をしている人は、そこまで問題を放置しないものですが)、別れる方がふたりの幸せかもしれません。法律家に相談し、慰謝料や財産分与などで自分が不利にならないように段取りをつけたり、別れの後の自分や子供の心のケアのことまで考えて準備を進めます。
過去にとらわれたり、現状を見ないふりしたりせず、まっすぐに現実を見て、未来に向けて最善の手を尽くす。これが、問題解決型の関わり方です。
問題放置型の関わり方
問題放置型の関わり方というのは、「事なかれ主義」という言葉がぴったりです。気づいていても行動を起こさず、波風を立てず、表面的に平穏ならそれ以上何もしない、というやり方です。
夫の浮気の場合、放置しておくと悪化することがありますので、問題放置型の関わり方をすることは決してお勧めはしませんが、この関わり方がどんな時も常に悪いわけではありません。
問題放置型の関わり方が有効な局面として、たとえば、夫の母親が認知症になっている。介護は色々と大変で、本当はこの問題を解決したい。しかし、親戚関係や経済的な状況を考えると、有効な手だてがない。こういった「簡単には解決できない問題」に直面しているときには、無理に解決しようとするよりも、この問題が爆発しないようにそっとしておき、時間が解決するのを待つ(このケースでは義母が亡くなるのを待つ)という姿勢も、とても大切になります。
但し、問題放置をして、様子見をする場合は、精神的な支えになってくれる人が必要です。義母の介護なら、夫の理解が最低限必要でしょう。
繰り返しますが、夫の浮気は放置しない方がよいと思います。
問題回避型の関わり方
問題回避型の関わり方というのは、ある出来事が「もう二度と絶対に起こらないようにする」という姿勢のことです。
たとえば過去に夫の浮気が原因で離婚したとしたら「もう二度と結婚しない」というのが問題回避型の関わり方です。問題に上手に対応しよう、問題が起きても解決しようという考え方ではなく、生活や人生に不都合が起きようとも、ある問題が起きないことを優先する、というものです。たとえば「結婚しない」という選択はほとんどの人にとってワクワクしない選択肢ですが、浮気されるよりはマシ、ということでこちらを選んでしまうのが「問題回避型」の関わり方、ということになります。
浮気の問題でいえば、「二度と結婚しない」選択の他、「浮気できそうにない、さえない男と結婚する」「浮気をしないという念書をとる」などの行動が、問題回避型と言えるでしょう。
責任転嫁型の関わり方
責任転嫁型の関わり方というのは、問題を放置せず、回避もしないという意味で、問題解決型と共通しています。問題解決型と異なっている点は、相手のせいにする、ということです。
たとえば、浮気が起きたときに、感情的に相手を責める「浮気なんてしないでよ!すぐ別れて!」
これは、解決を目指してはいますが、「自分が解決に向けてどう行動するか」に意識が向いていなくて、「相手が悪いのだから、相手が行動すべき」という部分に意識が向いています。
もちろん、浮気はされた方ではなく、した方が悪いのですが、それは夫婦関係が決裂して、離婚にまで発展するときの、法律的な責任の話です。夫婦関係を修復しようと考えるときには、相手を責めてしまって、夫婦の心の絆を壊してしまったら、元も子もありません。
問題は解決したい。しかし、自分は悪くない、相手が100%悪いから、相手にぶつけてしまう。
これが、責任転嫁型の関わり方です。
もちろん、トラブルが起きたときには感情的になり、冷静に対処できなくなることも当然ありますが、それでも、感情に振り回された結果、事態をさらに悪化させてしまうと最終的に損をするのは自分です。
一旦クールダウンして、冷静に、かつ、将来を見据えて行動したいものです。
問題に関わる4つの態度 まとめ
まず大切なことは、この4つの関わり方のうち、あなたがよくとってしまう態度はどれなのか、自分で知っておくことです。問題に関わる態度の全体像を理解せず、自分がいつもとっている態度だけが全てだと思っていると、行き詰まったり、思わぬところで足元をすくわれたりしますので。
問題解決型の関わりをするのは、非常に頭を使いますし、知識も経験も、創意工夫も必要です。決して楽な関わり方ではありませんが、長い目で見ると問題解決型の関わり方が一番うまく行くと思います。
私たちは問題と関わるとき、ついついクセで、慣れ親しんだ方法を選んでしまいがちですが、常に効果的な方法を取れるように自分を成長させ続けていきたいものです。
こんにちは。
いつも記事を読み勉強させていただいてます。
私には何か月か前に出会って好きになった彼がいます。
彼から付き合おうといわれ、とても幸せな時間を持てたのですが
今日はしないといっていたのにその日に体の関係を求められ
私は断り、落ち込み、しばらく立ち直れませんでした。
彼もそんな私を見てかなり落ち込んだと思います。
次の日、彼に電話で「あれからずっとなんであんなことしたんだろうと考えてて
あなたのこと傷つけたし、これからも傷つけてしまうし、このことは忘れられない」
といわれ、振られてしまいました。
「あなたが真面目なのしっているし・・・」と。
この問題を私はこれから2人で考えていけばいいと思っていました。
でも彼は傷つき自分が許せずその結論に至ってしまったのでしょうか…
「やっぱり好きじゃなかった」ならあきらめもつくのですが、
私はこの問題の解決の仕方に納得できません。
私は彼が好きなのでもう一度自分から言おうと思っています。
彼は問題回避型なのでしょうか。
だとしたら私はどうしたらよいのだろう…と考えてしまいます。
こっこさん
コメントありがとうございます。
…正直何が問題なのか、よく分かりません。
好きなら、今日は気分が乗らない、という日には、にっこり笑って「今日はダメ」と言えばそれですむ話じゃないですか。
なんか、こっこさん自身の中に、性に関する嫌悪感があるみたいな感じがしますけど。だとすると、相手のことを考える前に、自分の状態を整える方が先だと思うんです。
あるいは、まだ全然そんな関係ができていない段階の話なら、そういう女性の気持ちを分からない彼を、好きって思っちゃう、恋愛感情そのものの問題かもしれません。
(短い文章の中からですから、十分に情報がない中での推測になります、あしからず。但し、世の中には、なぜかダメんずばかり好きになってしまう女性たちもいるのです。こっこさんにその傾向がないか、ちょっと心配しています。)
ということで、ご質問の答えですが、
相手の問題を考えるのではなく、今私が書いたように、自分の側の課題にきちんと意識を向けることが大切です。
心理学は即効性はないものです。自分の成長のためにこそ活かすもの。そう考えて下さいね。
応援しています。