人生を活き活きと、生きていくために必要な感情コントロールのスキル。
大事なスキルが全部で4つあります。
1.感じる
当たり前ですが、感情は感じるためにあるのです。しっかり感じることが大事です。
ところが、私たちは、ポジティブな感情は感じるけれど、ネガティブな感情にはフタをしていたり、ネガティブな感情の中でも「怒りだけは感じられない」「寂しさがよく分からない」など、特定の感情が鈍くなっていることがあります。どの感情も自然に感じられることが大事です。
また、寂しいときに怒りを感じてしまったり、怒るべき時に泣いてしまったりするのは「ラケット感情」といって、ニセモノの感情を感じる心のクセです。本物の感情を、ありのままに感じられることが大事です。
2.感情と距離を取る
「感情的になる」というのは「感情と距離が取れていない」ことを言います。
感情に呑み込まれてしまうのではなく、適切な距離を取って、一旦は冷静になるなどの対応が出来ることも、感情を扱うスキルとしてはとても大事なことです。
つまり、怒っているけれど、キレてはいない。寂しいけれど、パニックではない。不安は感じているけれど、恐怖に固まっているわけではない。そのように「感情と一定の距離を取ってつき合う」スキルを身につけることが大事です。
3.逃がす
感情と距離を取って、そのまま感情にフタをしてしまうと、いつか積もり積もって爆発してしまいます。ですから、アースをするように、感情を少しずつ逃がしてあげることが必要です。
瞑想の時間を取って、感情の整理をしたり、フォーカシングなどの心理スキルを身につけて感情をアースしたり、あるいは、嫌なことがあったら、日記に「感情」を書き綴って、自分でしっかり見つめるなどの方法で、感情を逃がすことが出来ます。
いつまでも負の感情が心の中にとどまって渦巻いているのではなく、上手に「逃がす」ことが大切です。
ここまでのスキルは、以下の記事に更に詳しく解説があります。
フォーカシングを使って、感情を整理しよう
フォーカシング:自分を痛めつけてきたことに気づく
4.切り替える
ネガティブな感情に浸り続けるのではなく、ポジティブな感情を呼び起こし、切り替えて行動することが出来るのは、大事なことです。
上の「感じる」「適切な距離を取る」「逃がす」は、どちらかというと感情をしっかり感じて、終了させるためのスキルです。そして本質的には上記の三つが大事だと考えています。
しかし、現実問題、仕事中に時間を取って感情を逃がすことは難しいですし、感情のケアの前に目の前のことにとり組む必要がある場合もあるでしょう。
胸に手を当てて「あとでちゃんとお話ししようね」と言って、深呼吸してみる。あるいは、感情的になっている自分から抜け出て、「客観的な自分になった」と意識しながら右に一歩動き、先ほど自分がいた場所に「感情的な自分がいる」とイメージして観察する。こうして自分を客観視することも役立ちます。
+1 .感情から学ぶ
感情から、本当はどうすべきなのか、大切なメッセージを学びます。
感情を収めるだけなら、上記の4つだけでOKなのですが、本当は、感情が出てくるときは、現状を何か変える必要があったり、生き方の舵を切るべき時が来ていたりと、大事なメッセージが潜んでいる場合も少なくないのです。
「感情が収まったらそれで終わり」と考えるのではなくて、「これほど感情があふれてくるということは、人生からのどんなメッセージなのだろう?」と捉えることが大事なのです。
参考
フォーカシングを使って、感情を整理しよう
フォーカシング:自分を痛めつけてきたことに気づく