恋愛がどうしても長続きせず、いや、もっと正確に言えば、女性のささやかな夢や望みを大切にしない、女性をモノ扱いするような男性との関係ばかり多い、そういう悩みを持っている女性の方の深層心理で、何が起きているのか、それを書いていきます。
このコラムでの「遊びの恋」とは、主に男性が、女性の人生を大切にしない、女性をモノ扱いするような、都合のいい関係を結ぶことを指しています。その対極は、結婚までの可能性が拓けている恋、です。
このコラムは、特定の誰かを断罪するためのものではありません。むしろ、ひとりで考えていても気づきにくい深層心理の問題に気づき、自ら解決の糸口とする、そのように活用することを意図して書いています。
遊び人を好きになってしまう女性を説明する、4+1個のキーワード
4+1個のキーワードで説明していきます。
深い孤独感
愛についての勘違い
自分の望みを言葉にして表現しているか?
見る人が見れば言葉・態度・表情に出ている「自信のなさ」
信頼し合えるパートナーのいない状態
深い孤独感
深い孤独感というのは、表面的に「いま寂しい」と感じる感覚とは、ちょっと違います。この世界に居場所がない感じ、とでも言うのでしょうか。私がここに生きていることに対しての、自信のなさ、何か、ここにいること自体に対する申し訳なさ、という形で感じることがあります。
あるいは、自分の周りからみんないなくなってしまうような、おいて行かれる恐怖、というような感じ。
友達と常に一緒にいて、こうした種類の深い孤独感を紛らわすことも、人間関係に恵まれていれば不可能ではありませんが、紛らわしていれば問題が解決するのかといえば、それはNo。決して解決はしないのです。
なぜなら、この種の深い孤独感は、「今ここ」で感じているものではないからです。多くの場合幼少期に心の深いところに封印したものです。
子供時代、寂しい・怖い気持ちにフタをすれば、その場は乗り切ることが出来ますが、その気持ちは決して消えたのではなく、「人一倍孤独感を感じやすい性格」として人生を通じて影響力を持ち続けます(もちろん、きちんと解消すれば影響力を減らすことが出来ます)。
そして、なぜこの深い孤独感が重要な意味を持つかというと、これは私の人間観察に基づく仮説ですが、孤独感には、恋愛感情のスイッチを入れやすくする働きがあるからです。
心の奥底に深い孤独感を持っていると、目の前の男性が、ちょっとこいつ危ないぞ、という人で、理性の部分は「やめておいたほうがいい」と警告を発していても、恋愛感情のスイッチが入って先走ってしまい、コントロールできなくなってしまうということがおきやすいのです。
愛についての勘違い
愛についての勘違いが、遊びの恋を招きやすくなるという話は少し説明が必要でしょう。
女性の人生を大切にしない男性と恋愛をしていると、当然ながら不満が蓄積してくるものです。しかし、「愛することは全てを許し受け入れること」という信念を強く持っていると、友達に「え?よく我慢してるね?。」と言われるような彼の行為すら、受け入れなければいけない、そんな考えになってしまうことがあります。
自分が我慢し過ぎかどうかを判定するには、こんな風に想像してみるといいでしょう。彼があなたにしていることを、あなたが彼にしたとします。たとえば、彼がデートのドタキャンをする人だったなら、あなたがデートをドタキャンしたと想像してみるわけです。
そのときに、彼が怒るなら、本当はあなただって怒りを感じていいはずなのです(だから怒りを直接ぶつければいい、という意味ではないので注意。相手への伝え方はさらに工夫が必要です)。
相手と自分の関係が対等でなく、自分だけ我慢する関係になっているとしたら、それは愛ではないのです。
彼はあなたを利用している、つまり、あなたに【依存】しているわけです。
あなたは自分だけ我慢している、つまり、【自己犠牲】をしているわけです。
彼が孤独でかわいそうに見えて、ついつい助けたくなってしまうという感情パターンの場合、【罪悪感】が根底にあると思われます。
一方、捨てられたら怖い、怒られるのが怖いという気持ちが強く、彼との関係に波風を立てないことが最優先事項になっている場合、行動は自己犠牲ですが、内面的には「捨てられたくない」という形で【依存】しているかもしれません。
さらに詳しくは、別コラム「愛と依存心と罪悪感」を参考にして下さい。
なお、男女には違いがあるので、どんな場合でもこの、立場を入れ替えて判定する方法が通用するわけではありません。あくまでご自身の責任で、目安としてご活用下さい。
自分の望みを言葉にして表現しているか?
これは、深層心理と言うよりも深層心理が表面に現れている「行動」といえるでしょう。
長続きする関係は、恋愛・結婚・友達・仕事etc.あらゆる関係において、本来、相手の幸せを願うこと抜きには成立しません。
一方が相手を利用し、他方が都合のいい存在になってしまうという関係は、対等な関係としてはありえないんですね。どちらか一方が、自己卑下していて、自分の望みを表現してはいけない、自分の望みを表現したら捨てられる、あるいは、自分の望みなんて、表現する価値がないと考えているからこそ、対等でない、不健全な関係が続いてしまうのです。
この項目は特に、自分から好きになってしまうというよりは、都合のいい関係を求めているような、遊び人の男性に言い寄られてしまうことが多い女性の持っている特質です。
なぜなら、遊び人の男性は、自分が都合よく扱っても去っていかない女性を求めているからです。
これは、恋愛とは関係ない、友達づきあいや仕事などの人間関係の中でも気をつけるべきポイントです。なぜなら、遊び人の男性は、自分が都合よく扱っても去っていかない女性を、日々探して、多くの場合は無意識に、観察しているからです。
思いやりのある「いい男」にとっての「いい女」は、自分の考えや望みがしっかりあって、必要なときはそれを表現することが出来、しかし一方的に自分都合を押しつけたりはしない、バランスの取れた女性のことなのですが、
自己中心的で遊び人の「ジコチュウ男」にとっての「いい女」とは、自分の勝手な要求に文句を言わずしたがってくれる女性のことです。
出会いの前からこうやって観察されていることを考慮に入れたら、日頃から自分の望みをきちんと言葉にして表現することが、いかに自分を守ることにつながるか、分かると思います。
自分の望みをなかなか言えない場合、何か「罪悪感=無邪気な愛+過酷な状況」でも解説しているような、幼少期の経験があるかもしれません。
見る人が見れば言葉・態度・表情に出ている「自信のなさ」
この項目も、深層心理というよりは、それが表面に現れた「行動」といえます。
ただし、自分では気づきにくい、無意識的行動に当たります。
自分の望みを表現しているかどうかは、振り返って思い出してみれば分かりますが、実は、自分の望みを言葉にして人に伝えていても、それでもなお、遊びの恋ばかり求められる、問題のある相手がよってくる、といった場合、無意識的な行動にも目を向けてみる必要があります。
簡単に言えば、本人は自分の要求を伝えているつもりなのに、
・声の調子が弱い
・表情がおどおどしている
・相手と目を合わせずに言っている
・語尾が「ごにょごにょ」とよく聞こえない
・文章が、文字にすると「。」ではなく「…」で終わっている
などの、自信なさげな言葉や態度のせいで、相手にしっかり伝わっていないのです。
この項目に当てはまる場合、自己主張のトレーニングである、アサーティブトレーニングなどに取り組み、多くはワークショップ形式ですから、自分の要求の仕方が相手から見てどう見えるのかフィードバックをもらいながら改善していくことが効果的です。
また、家族彫刻による分析や、ゆるしのワークなどへの取り組みによって、自己主張に対する無意識的抵抗感が外れていくと、こうした無意識的行動が自然に変化する可能性があります。
信頼し合えるパートナーのいない状態
最後の項目は、原因というよりは、現在の状態についての話です。
それは、問題のある相手に寄って来られない最高の方法は、信頼し会えるパートナーと精神的な絆を持ち、安心して安定している状態になっていることだ、ということです。やはり、相手がいない、シングルの状態ではどこか不安定さがあるものなのです。
これは卵が先か鶏が先か、というような話ではありますが、考慮しておくに値する考え方だと思います。
遊び人のような、問題のある相手から寄って来られてしまったり、そういう人との恋愛が始まってしまうような、長い目で見ると幸せにつながらない恋愛を避けたければ、逆説的ですが、ずっとひとりでいようと考えるよりも、よいパートナーと巡り会うように努力する方がよいのです。
参考記事:
・罪悪感を手放す方法
・遊びの恋と本気の恋の見分け方
・浮気男の心理