飲んではいけない飲みもの 飲んでもいい飲みもの

 

メンタル面に間接的にではあるけれど、少なからぬ影響を与えているのが、摂取している食物、そしてそこに含まれている栄養や毒です。
 
この本は、糖分を控えることが是、という風潮に疑問を投げかけています。
確かに、糖分の取りすぎは問題でしょう。しかし、その代案として合成甘味料を大量に摂取するということへの懸念を投げかけているのです。
 
合成甘味料は、最近はやりの言葉で言えば「ただちに問題はない」ということなのでしょうが、長期的な影響は未知数です。動物実験でも?摂取量にもよるわけですが?障害が出ている物質もあります。
 
アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、などの合成甘味料にはそれぞれ問題があるとのこと。「カロリーオフ=健康的」という短絡的なイメージは一旦リセットして、
「カロリーオフなのに甘い→合成甘味料使用では?」と冷静に考えることが大事ですね。
 
本来化学・生理学的な知識が必要な分野で、ともすれば難解になりがちな内容ですが、著者は、この化合物は、動物実験ではこういう障害が出ているという具体例を示しながら説明しているので分かりやすいです。
 
化学や生理学が分からなくても、食品の成分表示に書かれた添加物名が読めれば、本書と照合して「なるほど、そういうリスクがあるのか」と理解できます。
 
なにより、商品名を列挙して、これがあぶない、これは大丈夫と、堂々と評価しているその勇気に拍手、です。
 
そして、過度に危険性を煽り立てることもしていない、バランスの取れた言説も好感が持てます。
 
 
飲んではいけない飲みもの 飲んでもいい飲みもの
渡辺雄二 著 だいわ文庫