我が家では、私が風呂鏡ぴかぴか委員長なので、
風呂鏡について書きたいと思います。
(この「日記etc.」のカテゴリーは、恋愛と関係ない話を書きます)
お風呂の鏡に鱗状の白いものがつくのは、水垢と言って
ついた水滴が乾燥して、水道水中の金属イオン(ミネラル成分)などが結晶化したものです。
それを、どうやって落とすのか、という話で、
アルミホイルでこすると落ちるという、
本当か嘘か分からない話が、広まっていますので、
試してみました。
ちなみに、風呂鏡の汚れには、
・水垢(水道水中のミネラル成分)
・石けん垢(石けんの成分とカルシウム・マグネシウムイオンが結合したもの)
・油膜(何らかの有機物)
が、あるはずで、
どれが主体なのかによって、落とし方も違うはずなのですが…
で、アルミホイルでこすると、化学反応が起きて落ちるという話ですが、
こすると、だんだん黒いものが出てきました。
お、反応してる!
……いや、違うと思いますが。
私には、単にアルミが削れただけに思えるのですが。
大体、金属というのは細かい粒子になると、黒く見えるものなのです。
参考:1円玉こするとなんで手が黒くなるの? / 条痕 – Wikipedia
まあしかし、確かに、鏡の曇りが軽減されたようには感じました。
しかしそれは、本当にアルミが化学反応したのか、それは分かりません。
実は、シリコンウエハーやガラス基板の研磨においては、
酸化セリウムなどが使われたりするわけですが、これは単なる研磨剤を超えて、
これがあることで、ガラス表面に「水和膜」と呼ばれる柔らかい膜が生成して、
その水和膜が削れるので、研磨が効率的に進む、という理屈があるのです。
ある種の酸化物を使うと、ガラスの水和を促進するわけです。
これは確かに、メカニカルに削っていると言うより、化学反応もしているわけです。
それで、アルミニウムの表面には、酸化物の膜がありまして、
といって、酸化アルミニウム(アルミナ)にはなっていないと思われます。
結晶化させるのには高温が必要なので。
おそらく、酸化アルミニウムと水酸化アルミニウムの中間の物質である、
「ベーマイト」が生成していると思われるわけです。
これを積極的に生成させることを「アルマイト処理」と言うんですが、
シュウ酸を使って作ると、あの、金色の鍋ができます。
硫酸を使って作ると、銀色をしているアルミ鍋ができます。
まあそんな話はいいのですが、
では、酸化アルミニウムやベーマイトが、ガラス表面を水和膜化するのかどうか、
それは、軽く検索しただけでは、分かりませんでした。すいません。
ちなみに、ガラスを削るのじゃなくて、
ガラス表面の水垢を削るんだけど、と思ったあなた、鋭いですね。
それで、水垢の成分なのですが、
多くの場合、水道水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンの、
水酸化物や炭酸塩が結晶化したものと考えられているようですが、
それだと、今の話は、完全なる無駄話になるわけですが、
水道水中には、水溶性のケイ酸が含まれているようなのです。
ケイ酸(SiO2)はガラスの主成分です。
そうつまり、あの水垢は、もしかすると、ガラスと似た成分からできているかも
しれないわけです。ちなみにケイ酸は強アルカリには溶けますが、
酸にはほとんど溶けません。
ガラスのビーカーに塩酸を入れても溶けないのと同じです。
ちなみにガラスのビーカーに強アルカリである、水酸化ナトリウム溶液を入れて、
放置しておくと、ぼろぼろになります。ほんとマジで。
そうか、アルカリで落ちるんだ、と思って、重曹を試そうと思ったあなた。
重曹水のpHを測ったことありますか?
私はありますが、pH約8。ほぼ中性です。
これでどうしてアルカリとして働くのか、常々疑問に思っていました。
たぶん、重曹で汚れが落ちるというのは、半分ぐらいは気のせいじゃないかと。
水で洗ったり、ちょっと食塩を入れて洗ったりするのと大差ないのでは?
ちなみに、重曹を加熱すると、炭酸ガスが飛んで、一部、水酸化ナトリウムが生成して、
強アルカリになります。加熱した重曹なら、文句なしにアルカリなんですけどね。
それで、水源によって水垢の成分も違うと思われますが…
もし、水垢が水溶性ケイ酸の固まったものであった場合、
アルミで落ちる可能性も、あるんじゃないかと思います。
結局確証は得られませんでしたが。
逆に、水垢がカルシウムやマグネシウムがメインの場合、
酸性の洗剤や、酸性のクレンザーを使う方がきれいに落ちると思います。
クエン酸を浸したペーパータオルを貼り付けておくのも効果があるでしょう。
あと、曇るかどうかと言うのは、ガラス表面の油膜の話なので、
油膜って結構しつこくて、結局はクレンザーでこすって落とすのがベスト。
ただ、お風呂なんて、石けんもシャンプーも、油膜の原料になりそうなものが
たくさん使われていて、鏡を磨いても、あっという間に油膜がついて、ジ・エンド、
となるに決まってますから、
むしろ、昔伊東家の食卓でやっていたように、液体ノリ(ポリビニルアルコール)を
塗ってしまう、などの方法の方がメンテナンスが楽かもしれません。
まあ、液体ノリは、水で溶けて流れてしまいますから、
これをもう少し、持ちを良くするためには、
ポリビニルアルコールを架橋する物質であるホウ酸をわずかに入れて、
スライム状になる前に、鏡に塗ってしまう、という方法がいいかもしれません。
ホウ酸で溶けにくくした、液体ノリの膜で鏡を覆ってしまうわけです。
調合が難しそうですが。
だれかチャレンジしてみませんか?
そのうち自分で試すかもしれません。
ではまた!