心理セラピーでいちばん大事なのはリソース探し

 

あづまです。
 
世の中でよくあるカウンセリングは、
なにか、辛いことがあったら、それを話す、ひたすら話す、というもの。
そして、掘り下げと称して、幼少期の辛い体験などもどんどん話す。
 
まあそういう感じでしょうか。
 
私は正直、その流派じゃないので、よく分からないところもあるんですが。
 
私が大事にしているのは、
もちろん、問題の根っこも探すけれど、
一番探さなきゃいけないのは、プラスのエネルギー源、
という考え方です。
 
 
プラスのエネルギー源があるから、
マイナスの感情を癒やせる。
 
プラスのエネルギー源があるから、
役に立たなくなった、ネガティブな観念を手放せる。
 
プラスのエネルギー源があるから、
メンタルブロックを外せる。
 
プラスのエネルギー源があるから、
プラスのエネルギーが枯渇していた頃の、過去の記憶を癒やせる。
 
 
プラスのエネルギーって何?
 
 
そう、心の問題の解決における、プラスのエネルギー源というのは、
・他人からの承認やスキンシップ
が一番威力があるエネルギー源。
 
ほかにも、とくに人間不信がある人などは、
・自然、動物、芸術、子供の頃に楽しかったこと
などが、補助的(過渡的)なエネルギー源になることがあります。
 
そして、これも肝心な点ですが、
・セラピストが与える承認
も、大切なエネルギー源です。
 
 
過去の辛い出来事の話をしたり、
フォーカシングをして、過去の辛い感情を感じて癒すことを試みたり。
まあ心理セラピーでは、過去の辛い出来事や感情に「直面する」ということを大事にする人が多いわけですが(その要素は確かに必要ではありますが)、
 
一番大事なことは、そういう作業をやり遂げられるだけの、プラスのエネルギーがどこかにある、ってことです。
 
クライアント自身が持っていることもありますが、
人間不信系のクライアントさんなどは、他人を信用してないので、ずっと、誰からも受け取らず、承認のエネルギーが、そもそも、心の中に枯渇しています。
 
その状態だと、セラピストがワークをやろうとしても、過去の辛い感情に直面させようとしても、解決するためのプラスのエネルギーが本人の中に少なすぎるので、うまくいかないんですね。
 
そうなってくると、セラピストがクライアントをほめる、とか、笑顔で接する、とか、何でもいいから認める、みたいな、セラピストが与える承認が、当面唯一のエネルギー源、みたいなことにもなります。
 
来談者中心療法の、傾聴をするカウンセラーさんのところに通ったけれど良くならなかった、という経験を持つクライアントさんに、この、プラスのエネルギーの説明をしたことがあるんですが、
 
 
その方のコメントで、
「…なるほど、何でカウンセリングの効果が出なかったのか、いま分かりました。
 そのカウンセラーの先生、暗かったんです。」
 
というのがありました。
 
 
プラスのエネルギーを、どこかで確保できるか。
それこそが、解決のための最も大切なリソース(資源)です。
 
クライアントさんが、辛いながらも、人間関係をなんとか良好に維持して、助けてくれる人が今はたくさん周りにいるとか、
 
そうやって周りの人の助けを得られるようになっているので、いまは、幼少期の未解決の課題はあるものの、大人の心には、プラスのエネルギーがちゃんと入っているとか、
 
仕事では認められているので、条件付きの承認ではあるけれど、自分が認められる瞬間があり、プラスのエネルギーをもらえる機会が、ちゃんと持てているとか、
 
そういうのが、解決のための重要なリソースになるんですね。
 
私はよく、悩みの本題と直接関係なくても、その人がこれまでの人生で一番頑張ってきたことについて、聞いたりします。この人、仕事頑張ってきたみたいだな、って思ったら、仕事についての話をききます。そして、その中の、きらっと光る部分を見つけて、ほめる。
 
「ほめる」は、どことなく上から目線な感じの言葉ですが、それよりもむしろ、私も、「宝みーつけた♪」みたいな気持ちで、コメントする、と言った方がぴったりですかね。
 
話が脱線してでも、そういうエネルギー源を見つける。
(というか、それは解決につながるわけですから、脱線ではないのですが)
 
クライアントさんの周りに、そういうエネルギーが全然ない場合は、
当面は、セラピストがプラスのエネルギー源になるしかないですね。
 
 
そのぐらい、解決のためのプラスのエネルギー、まあ要するに、元気、ですが、
これは、重要なものなのです。
 
 
セラピーでは、とかく、問題点探しをやってしまいがちですが、
まあそれも、本当の課題をちゃんと発見できるなら、大いに意味のあることですが、
 
問題点探しよりも、もっと大事なことが、
プラスのエネルギー源探し、
もう少し広く捉えると、
リソース探しです。
 
 
マイナスのことばかりじゃなくて、プラスのエネルギーを意識してセラピーに臨みたいものです。
 
ではまた。