友達に「もう別れなよ」と言われる恋愛パターンの、交流分析的説明【禁止令と人生脚本】

 

こんにちは。あづまです。
 
友達に相談すると「もう別れなよ」と言われてしまうような、
そんな恋愛がやめられない、あるいは、繰り返している。
 
自分でも何となく、変だな〜、幸せに向かってないな〜、
と思いながらも、でも、続けてしまっている。
 
そんなときに、深層心理では何が起きているか、交流分析から、ある概念をひもといて、説明してみたいと思います。
 
 
まず、なぜ別れられないのか、
その理由を考えてみてください。
 
・別れたら(私が)寂しいから?
・別れたら(彼が)かわいそうだから?
 
・そもそも、バッサリ切るなんて、人間のすることじゃないでしょ?
 
あるいは、
 
・そういう選択肢は、そもそも私の中にはない、と思う。
 (だって、彼は「別れたくない」と言ってるから。
  大事な決断はいつだって、彼の言うことに従っているから)
 
 
さて。
 
全ての人が、このパターンに当てはまるわけではないと、思います。
ただ、知っておくと役に立つと思いますので、
 
【禁止令】

【人生脚本】
 
という概念をひもときながら、
こじれた恋愛なのに別れられない理由について、
考えていこうと思います。
 
 
 
禁止令というのは、
言葉を覚えるより前に、
潜在意識に入り込んでいる、
養育者からの(悪)影響のことです。
 
交流分析の創始者、エリック・バーンは12の禁止令を挙げていますが、
ここでは、一番強烈な「存在するな」があると仮定します。
 
存在してはいけない、つまり、生きている価値なし、
ということです。
 
赤ん坊の頃に、ずっと泣いていてもケアしてもらえないとか、
親が共感的でなくて、ぜんぜん関心を持ってもらえなかったとか、
 
そういう、潜在意識レベルで、存在を肯定しないような関わりを
受けることで、
 
「私はここにいてはいけない」という思い込みを持ってしまう、
そういうことがあるわけです。
 
 
ところが、この禁止令、
あまりに重たいために、意識に登らせながら生きるのは、
むずかしいわけです。
 
かといって、解除することも、本人の力では容易でない。
 
そこで、人は、
【複合指令】を作り出します。
 
 
複合指令の出来かたは、こうです。
 
・元々「禁止令」がある
・条件付きで、禁止令を解除しても良い、という条件をつける
 
上の恋愛の例で説明します。
 
 
もともと、自分はこの世界にいてはいけない、
そういう【禁止令】を持っていました。
 
でも、親の期待に応えたときだけ、
母親は喜んでくれました。
 
そこで、
「他人を喜ばせよ」という別の指令が潜在意識に入りました。
(これを【拮抗禁止令】や【ドライバー】と呼びます)
 
 
すると、心の中で、
 
・元々「私は存在してはいけない」という禁止令がある
・「他人を喜ばせよ」という指令を守っているときだけ、
 元々の禁止令を、一時的に解除して良い。
 
という複合指令が出来上がります。
 
 
他人を喜ばせて、
他人の期待に応えて、
他人の顔色をうかがって、
他人の気持ちだけを大事にして(自分の気持ちを無視して)
 
そうやっているときだけ、
 
「私は存在していい」
 
それができないなら、
 
「私は存在してはいけない」
 
 
という複合指令が、心に入り込んでしまっているとき、
 
 
友達の目から見たら、
 
「もうその恋愛、終わってるから、別れなよ〜」
 
って思うような状況であっても、
 
 
相手の気持ちを無視して、
自分の都合で、別れを選ぶことは、
 
そう、
 
いままで、他人の期待に応え続けることで、
ずっと、向き合わなくてすんでいた、
 
「私は存在してはいけない」
 
 
という禁止令が表面化してくることなのです。
 
 
だから、
 
やめられないんです。
 
 
だから、
 
別れられないんです。
 
 
大もとの、
私は存在してはいけない、
という、根っこの方の禁止令が解除できるまでは。
 
 
さて。
 
これまでの人生で、
あなたは、
 
相手の期待に応えられなかったこと、
相手に迷惑をかけたこと、
ダメな自分が出ちゃったこと、
 
絶対ありますよね?
 
そのとき、
周りの人の反応はどうでした?
 
「おまえなんか存在価値なし!」
 
って反応だった?
 
(そういう反応する人も中にはいますけどね)
 
 
意外と、ふつうに受け入れてくれたんじゃない?
 
 
つまりね。
 
 
他人を喜ばせることができないなら、
私は存在してはいけない、
 
というのは、
小さい頃にできた、非現実的な思い込み、てこと。
 
まずは、そこに気づくことが、
抜け出す第一歩です。
 
 
ただ、
こういう潜在意識レベルの話は、
感情と共に「がちっ」と固まってしまって、
頭で考えただけで解除できるわけじゃないから、
 
一人で取り組むなら、
出てくるたびに、繰り返し繰り返し、
「これは思い込み」
「『私は、存在していい』という方を、私は選択する」
 
と、自分に言い聞かせる、という、
地道な取り組みが必要です。
 
スピードアップしたい場合は、
そうですね。
 
 
・仲間を実際に作る(「存在して良い」というメッセージを実際にもらう)
・セラピーで過去の感情や思い込みを開く
 
こういう取り組みができると、
解決が加速すると思います。
 
 
物事はね、
根っこから取り組んだ方が、
結局は近道なので。
 
検討してみてね。
 
ではでは。
(次の記事に続く)
 
次の記事:
人生がパターン化するとき(禁止令と人生脚本、つづき)
 
参考記事:
人生脚本の書き換え方(提案)
人生脚本 【じんせいきゃくほん】