人生の中で何度も、何股もかけている。
おそらく、これは回避依存症者の症状です。
回避依存症者の問題は、自分の孤独感にフタをするために、何股もかける、などの行動で心をごまかしていることにあります。そのような「浮気症」的行動の結果、何が起こるかというと、心理学的に表現すると、
本人が内面に抱えている不安感、不信感、孤独感などが、行動を通じて、周りの人に伝播してしまう、ということです。
A君が回避依存症者だったとします。
B子さんは現在、A君の複数の彼女のうちのひとりです。
という設定で説明していきます。
B子さんも社会人ですから、A君が呼び出したからといって、いつでも24時間対応できるわけではありません。仕事も友だちづきあいもひとり活動も、色々持っています。大人ですから。
しかし、自分が寂しくなったとき、不安になってきたとき、B子さんを呼んだとして、すぐに来てくれないことが、A君は我慢できません。耐えられないのです。
そこで、A君は、二番手のC子さんとも関係を持っています。そしてD子さんとも。昔別れたE子さんとは、とりあえずメールをやりとりする程度の関係に戻しています。いざとなったらE子さんとも、また近づくかもしれませんから。
しかし、
この行動をA君が取ることは、
自分が不安をごまかせた代わりに、
相手(B子さん)を不安にさせた、ということです。
自分の感情を、自分で受け止める代わりに、
他人に押しつけたようなものです。
このように、回避依存症者の問題というのは、自分の内面に、本来あるはずの、負の感情を、浮気行動を通じて、相手に押しつけてしまう、というところにあります。
さてここで、
あなた(この記事ではB子さん的な立場だと想定して書いています)が、そこに巻き込まれているとして、アドバイスを書いていきたいと思います。
まずは、巻き込まれていることを自覚する、ということです。
心理的な問題解決の第一歩は、まず自覚することからです。
そして、心はすぐにはついてこないと思いますが、彼を失っても人生が終わるわけじゃないと考えて下さい。まずは、気持ちがついてこなくてもいいから、そう考えるのです。
その次に、彼から、どんなものをもらっているか、よくよく考えてみてください。
なぜ、彼と離れられないのでしょうか。彼と離れたら、あなたにとって大事な、何を失うのでしょうか?
この質問の答えは、彼との関係を整理する上で、とても重要です。
この質問の答えが、もしも、子供時代に親から欲しかったけれど足りないと感じてきたものであった場合、それをテーマにセラピーを受けてみて下さい。彼との関係で悩んでいるという表面的なテーマを相談するより、よっぽど、心理学・心理セラピーの効果が出るはずです。
そして、その質問の答えを、彼以外のところからも得られないか、考えてみてください。
一極集中になると、どうしても人間、しがみついてしまうので、彼以外のところからも得られるようになったら、ずいぶん、不安もやわらぐはずです。
たとえば、子供の頃、親はスキンシップが嫌いだった。くっつきたかったのに、いつも寂しかった。彼は、よくハグしてくれる人。あくまで一例ですが。
そういう場合、女性の友達でもいいので、ハグしてくれる人、寂しいときに手を握ってくれる人などを見つけてみましょう。彼に一極集中しなくていいような、人間関係を持ちましょう。
彼に求めているものは、言葉にすると人によって千差万別なので、ここで書き尽くすことはできませんが、ご自分で探ってみてください。そこに解決の糸口があります。
そして、ここまで対策ができるようになったら、
実は、あとは、時間をかけます。要するに待ちます。
なぜかというと、
恋愛ホルモンが出ていると、その相手に愛着しやすいし、依存しやすいからです。恋愛ホルモンは、PEAという物質なのですが、生物学的に、3年ぐらいしか分泌されないことが知られています。
そして、恋愛モードになると、セロトニンという、感情を落ち着かせるホルモンが「減る」ことも知られています。それだけアップダウンが激しくなるってことです。
恋愛ホルモンが出なくなるまで、少し冷却期間を持つ。こればかりは、時間ぐすりです。
まとめますと、
・自覚する
・彼に依存している心理的要素を知る
・幼少期のテーマならセラピーで癒す
・そうであってもなくても、彼以外からそれを受け取れる工夫をする
・で、あとは時間が解決するのを待つ。
ここでは、彼に依存してしまうところから、抜け出す方法を書きました。
彼を救いたい、彼を変えたいという場合は、さらにもっと大変なイバラの道が待っています(なぜなら、彼は自分のマイナス感情と向き合わないため、自分の感情を他人に押しつけるために何股もかけているからです)。ですので、それはまた、どこか別の機会に書きたいと思います。
参考記事
魔性の女とハマる男の心理
浮気症の治療法 改善方法
回避依存症と回避性人格障害の違い
回避依存症【かいひいぞんしょう】