彼と一緒にいるときは少し安心するけれど、いないと不安になる。
友達から「恋愛しているときの方が辛そう」と言われる。
恋愛が始まり、しばらくすると、辛さの方が大きくなり、なぜつきあっているのか、そもそも好きなのかどうかも分からなくなる。
そんな症状があるなら、恋愛依存症かもしれません。
恋愛依存症というのは、正式の病名ではないものの、薬物などに依存してしまう依存症と同様のことが、恋愛に対して起こる症状のことです。
具体的な症状としては、
・彼にべったり依存して、うざがられ、よく恋愛を壊してしまう
というパターンが、名称からは思い浮かびやすいですね。
それ以外にも、
・不倫ぐせがある
・浮気(二股)をかけてしまうくせがある
・風俗通いがやめられない(セックス依存)
・危険な性交や、危険なマスターベーションをしている
なども、広い意味での恋愛依存に入れることがあります。
依存のパターンとして、
・依存している(ないと落ち着いていられない)
・いっときの安心を手に入れるために、多くのものを犠牲にしてしまう
・冷静に考えると、不毛だと思うが、意志の力で断ち切ることが難しい
こういう共通点があります。
さらに、
・幼少期の愛情飢餓感など(※1)があると、依存症になりやすい
・現在の人間関係が希薄だったり、ストレスが多いと、依存症になりやすい
といった部分も、他の依存症と共通する部分があります。
ここで、※1の「愛情飢餓感など」について少し補足しておきます。
心理学的な区分けではないのですが、本人の感覚での分類をすると、ざっくり分けて、次の四通りの原因については考えてみた方が良いと思います。
感覚的に分かりやすいように、感情ごとに区分けしました。
(1)さびしかった
これは、単純明快で分かりやすいですね。
子供の頃に寂しかったけど、どうしようもないのでフタして我慢してきた。
その感情はまだ未解決のままで、大人になった今、特に恋愛が始まると感情のフタが開いて、当時の寂しさが上がってきてしまう(そもそも、人間の感情とはそういうものなのです)。それが恋愛に依存してしまう、大きな根っこの原因になっている。
(2)仲間はずれだった
これは(1)と近いのですが、自分だけ仲間はずれにされていたという感覚が強いので、単純に人がいなくて寂しかった、というパターンとは、感覚的には少し違います。
感情も、単に人がいなくて寂しいという感覚だけではなくて、自分だけ不当な扱いを受けているような、イライラする感じ、腹立たしい感じを伴うことも多いですね。
あるいは「そんな扱いを受けながら、仲間に入れてもらおうなんて屈辱、こっちから願い下げだ!」とばかりに、「あきれ」「あきらめ」の感情があるかもしれません。
(3)怖かった
これは実は、寂しいというのとは違う感情なのですが、ただ、怖いがあると色々な豊かなプラスの感情を感じることが難しくなって、結果的に寂しい人生になり、それで、恋愛に依存してしまうというパターンを作っていると考えられます。
怖かった系の過去の中で最も解決が難しいのは、出来事の記憶の残らない、4歳以前の環境でこの「怖かった」を体験していて、かなり根っこの部分で「この世界は怖いところだ」という思い込みを作ってしまった、というようなケースです。
人間不信系のテーマ、基本的信頼を失った人がどう回復していくかというテーマになりますので、専門的な心理セラピーなどの範疇になってきます。
(4)腹立たしかった
このパターンに当てはまるケースの多くは、子供時代に、不公平な扱いが家族の中で蔓延していて、自分だけ不当な扱いを受けていたケースです。
この典型的なパターンは(ア)本人が大人びていて、少しぐらい我慢できそう(に見える)、(イ)家族の決めごとを「その場の感情と妥協」で行う人が場を仕切っている、
という両条件が揃っているときに起きやすいです。お姉ちゃんだから(がまんできるだろうし、弟は「ぎゃーぎゃー」うるさいから(=その場の感情と妥協で))がまんしなさい、なんてのは典型例です。
根っこの原因の説明はこのぐらいにしておいて・・・
しかし、根っこにそういうものがあったにせよ、根っこを掘り下げて解決する人は、実は全体の半分以下だと思います(これは私の経験から来る感覚的割合ですので、心理学的な根拠があるわけではありませんが)。
では何が必要かというと、今現在の感情を上手に扱うスキルです。
「4+1個の感情スキルで、感情のコントロールを。」にも詳しく書いてありますが、
・自分がどんな感情を感じているか、ちゃんと感じる
↑そんなの分かる!という人へ。本当にそうでしょうか?感情が鈍くなっていて、いよいよ切羽詰まってこないと感じられない人、意外と多いと思います。
・感情に呑み込まれず、感情と適切な距離を取れる
日頃は冷静でも、一旦キレたら手が付けられず、周りはドン引きしている、なんてのは、この、感情と適切な距離を取ることが下手だと言うことです。
・感情を癒し、流す
しっかりと感情を感じて、癒し、受け流していく。マイナス感情を浄化していく。このスキルが十分ないと、すぐに仕事も人間関係も行き詰まってしまいます。
・切り替える
一旦冷静になり、あとでまたその感情の面倒を見てあげる、といったように、その場の感情を収めるスキルです。
今現在の感情を、うまく扱うことができないと、
結局うまくいかない経験を積み重ねてしまいます。
すると、負のスパイラルから抜け出せず、
感情の扱いが下手→恋愛・人間関係で問題が起きがち→長続きしない→別れて傷つく→自信がつかない→恋愛・人間関係で問題が起きがち(ループ)
と、なりやすいわけです。
感情の取り扱い方については、過去に何度も書いていますが、
「4+1個の感情スキルで、感情のコントロールを。」などをお読みになり、対処法のレベルを上げていきましょう。
専門家は、よくよく判断して、過去の痛みを掘り起こして癒した方が結果的に近道だと判断したら、そちらを選ぶこともあります。(その方針も間違いではないし、もちろん有力な方法の一つです)
ですが、自分で取り組む場合、子供時代の影響が大人になってどう出るか、みたいな知識を収集するよりも、感情の扱い方を学ぶ方がよほど、恋愛依存症の解決には役立ちます。
ぜひ、幸せなパートナーシップに向かって、取り組んでいってくださいね。
その他の参考記事:
共依存的恋愛?恋愛依存症の泥沼から抜け出すために
その恋、恋愛依存症かも!? 問題アリの彼から離れられない心理