あづまです。
恋愛するときに、もし万が一離婚になったら、というところまで想定して恋愛する人はまずいないと思うのですが。
しかし、離婚を考える段階の相談を受けていると、恋愛の時の相手選びの基準が祟って(たたって)、ここまでこじれることになったのだなぁ、と感じることは、よくあります。
この時点から、過去に戻ってやり直せるわけではないけれど。
典型的なパターンの一つが
離婚したいけれど、子供は夫になついていて、
だから、
私(妻)が親権を取って離婚すれば子どもたちにかわいそう
だし、逆に、
夫が親権を取って離婚すれば、私は子どもたちを失う
と、なってしまうので、離婚に躊躇してしまう。
という相談内容があります。
この悩みとセットになって語られることが多いのは、
夫は、子供にとっての「尊敬すべき父親像 ではない」という話。
あくまで、相談者である妻曰く、の話ですが、
「夫は、子供の機嫌取りをして、子供を甘やかしている」
ので、
「子供は、甘い顔をしている夫にばかり、くっついている」
という話。
離婚の時の交渉材料として「子供カード」を確保しておくために、私も子どもたちに好かれておくよう、努力しておこうかな。なるべく甘いものとか子どもたちに与えて・・・
というのは悪い冗談です。失礼しました。
(このパターンが醜悪であることに気づいてもらうためにあえて書いてみました。)
正直、親が、自分の身方を家族の中に増やすために、自分の陣営に子供を引き込もうとして、機嫌取り競争をする。
このパターンに陥っている段階で、問題が起きていることに気づくべきです。
まあ正直、このパターンが起きる、根本原因を言うならば、
妻が夫を認めていない(心の中で軽蔑している、見下している)ことでしょうね。
妻が夫を認めない(が、態度には出していないつもり)
なので、表立って問題は起きない(当てこすり的なイヤミの応酬ぐらいはあるだろうけど)
がしかし、夫は、妻から認められていないことは、一緒に暮らしていれば感じる
そこで、夫は、自分を認めてくれる、他の存在を探す
(1)それが浮気になることもあるし
(2)仕事に活路を見出す(妻から見たら「仕事に逃げた」と見える)こともあるし
(3)子供とくっつく(妻から見たら「子供に依存」「子供を甘やかす」)
ということも、あるわけです。
それで、今回は(3)の子供とくっつくパターンですよね。
というわけで、夫は、子供とくっつく方向を選んでしまいました。
すると、子供のことを、まず叱らない、甘い父親のできあがりです。
だって、叱ったら嫌われるかもしれないから、ね。
すると、妻(子供の母親)は、自分にほとんどの「叱り役」が回ってきます。
子供に注意する役は全部背負わなければならなくなります。
ますます、しんどいので、不機嫌になります。
ついでに、ますます、夫のことを軽蔑するようになります。
そして、一巡すると、このパターンが悪化して、
はじめにもどる、となりまして、
ますます、悪化しながら、悪いスパイラルに陥っていきます。
妻はますます不機嫌になり、夫を見下すようになり、
夫はますます妻を怖がるようになり、妻の代わりに自分を認めてくれる存在を求めて、子供と近い関係をキープするようになり、
以下ループは回り続ける・・・
となってしまう、というわけです。
さて。
どこで間違ったのでしょうか。
私は、根本的なことを言えば、
夫を尊敬できないという感覚を、ちゃんと解決しないまま、結婚したこと、だと思います。
では、「夫を尊敬できないという感覚を、ちゃんと解決する」とはどういうことでしょうか。
結婚前に夫に色々言うべきことを言って、しっかり教育する、という意味?
そういうことが、必要な男性もいるとは思います。
でも、夫に変わってもらうことから取り組み始めると、結局別れるしかなくなるのではないでしょうかね。(結婚前にやり始めたとすると、なおさらです。結婚後にやり始めたら、まあ、冷戦夫婦になるでしょう。)
最初に取り組み始めるべきことは、自分の内面の課題に取り組むことです。
この記事を、女性の側が読んでいると想定して、まず妻の側の課題を書きますが、夫への不満は、その多くが、自分(妻)が「親にしてもらえなかったこと」と関係が深いものです。
たとえば、父親が、子供同士のケンカが起きたときに、事情をしっかり聴いて、解決策を提示するような、尊敬できる対応をしてくれなかった。いつも「だまれ!」で事情も何もなく、ケンカをしたら「議論封殺」でおわりだった。私(妻)はそういう人を心から軽蔑している、とか。
あるいは、父親が、だらしない人で、子供に正しく「叱る」ことは全然出来ない人だった。でも、自分(父親)の都合で「怒る・キレる・当たる」はする人だった。そういうのが本当に嫌で、怒る人を軽蔑していた(ので、「怒らない」人である夫を選んだのだが、怒らない点以外は、あの、だらしない父親そっくりだと分かった)、とか。
ここで、大事なことは、
今書いたような、妻の側の課題があるからといって、
夫の側に何の課題もない、ということにはならない、ということです。
双方に課題があるわけです。
但し、このような、過去の未解決の課題を持ったまま、相手に働きかけると、
相手が変わってくれるどころか、地雷を踏む展開になりやすいのです。
相手に課題があるなら、自分は自分の課題を相手の10倍しっかり片付けてから、働きかけるのだ。そのぐらいの感覚でいないと、相手を導くことは出来ないのです。
というわけで、
相手に課題があることは、認めてもいいけれど、
そこに取り組むのは、本当に最後の段階。
自分の課題をしっかりと解決してからだ、と肝に銘じて下さい。
さて、
逆に、
夫の側が、この問題に気づいたとしますね。
(展開としては、あまり、ありえない気がしますが)
その場合、妻を助ける宣言をしてください。そして、叱り役を自分が引き受けることを妻に約束しましょう。「嫌われ役ばかりやらせてごめん。オレができるときは、叱る役を引き受けるから」と約束してください。そして、できるだけ実践すること。
ちなみに、夫の側が、同様の問題に気づくというパターンで、おそらく多いのは、
夫が叱ったり不機嫌になったりする役で、妻が、子供を甘やかしているという、上に書いたパターンの「男女逆バージョン」の場合ではないでしょうか。
その場合は、対応の仕方は、上に書いた、妻向けのアドバイスを、そのまま夫向けだと思って読んでいただければOKです。
でもね。
自分では気づきにくい問題もいっぱいあると思いますので、
できれば、一度ご相談にいらしてくださいね。
その方が、解決までの時間は短縮できると思います。
ではでは!