【ココヘル788】正しいだけでは解決しない(3)|恋愛ドクターの遺産第六話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 788号 2017.4.17
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
今後のセミナー予定
 
 
★あづまやすしの心理セラピー&人間関係コンサルティング講座
 パートA  4/22-23 | 5/20-21
 パートBS 6/10-11 | 7/1-2
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いよいよ、今週末になりました。
今期も熱い講座になること間違いなしです!
 
A1日目 心のエネルギー補給(1)
A2日目 心のエネルギー補給(2)
A3日目 エネルギー受け取りの「フタ」を外す
A4日目 エネルギー流出を防ぐ
 
BS1日目 引き寄せ 総論
BS2日目 運命の相手メソッド 上級
BS3日目 感情が引き寄せる出来事への対処法
BS4日目 症状と根っこの関係|実践
 
C1日目 問いを立てる・問いを整える(1)
C2日目 問いを立てる・問いを整える(1)
C3日目 二次プロセスとは? 二次プロセスに挑戦する
C4日目 問題分析
C5日目 継続力を高める
C6日目 実践編
 
 
 
あづまやすしの心理セラピー&人間関係コンサルティング講座
 
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では、メインコンテンツに行きたいと思います。
現在第6話を配信中です。
 
 
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、作品を書いています。
フィクションですが、症状、問題の原因、解決の指針などは、
実際に行われたセッションや、あづまの考えを元にし、
リアリティーを大切にして制作しております。
逆に悩みの内容などのディテールは全て入れ替えて創作し、
プライバシーに配慮しております。
作品ですので、ある程度の誇張・脚色がございます。
 
また、解説を「ココヘル+」の方で書いていますので、
そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
 
第五話 正しいだけでは解決しない
  こちらにもアップされています。
  https://556health.com/consultant/
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
(今回の登場人物)
 有紀(ゆき)社長と不倫している。でも苦しい、と相談に来た。
 
 
 
第一幕 不倫を肯定するなんてダメ!
 
「まあ、ここから、どうやったら、その欠けている経験を補って
いけるのか、それはかなり創意工夫が必要な作業になりますから、
一意にぱっと決まる、という訳ではないですけどね。」
「そうなんですね。」
「ええ、まあ、なつを君はなつを君のこだわりというか、自分なりの
クライアント観を持つようになるべきだと思いますが、今はまず、
私が考えていることを一旦受け取ってみて、真似をしてみるところ
から、始めてみることが良いと思います。」
「守破離の守ですね。」
「そういうことです。私は、一般的に『父親からの愛情が足りない』
 と言うときの『父親からの愛情』というのは、大きく分けて二つだと
 思っています。ひとつ目は、家族のために闘ってくれて、家族を
 守ってくれる、という行動と、そこから来る、守られている安心感。
 ふたつ目は、単純に男性から好かれているという喜び。」
「ああ、なるほど、そうやって分解して考えてみると、分かりやすいし、
 納得です。」
「先ほども言いましたが、なつを君は、単に私の真似をしてコピーに
 なるのではなく、自分なりのクライアント観、自分なりの治療観を
 持ってくださいね。」
「はい、分かってます。でも、今の先生の考え方は、私はまず、
 取り入れて、そこから考えていきたいと思います。」
「そうですか。」ドクターはちょっとはにかんだような、嬉しそうな
表情をして続けた。「まあ、そうやって受け取ってもらえるのは嬉しい
 ですけどね。」
「うふふ。」なつをはつい笑ってしまった。
 
「ええと・・・そうでした。だから、こうやって定義を丁寧にしてみると、
 解決の方針も具体的に見えてきます。ひとつは『父親が守ってくれた』
 経験が足りないわけですから、どこかで、自分が『守ってもらえた』と
 感じる経験をすることが大事です。その相手は、父親ではなくても、
 ほとんどの場合、大丈夫です。」
「そうなんですね!」なつをは嬉しそうな声で言った。
「そうですよ。人間の心は意外に柔軟にできているものなんです。
 だから、父親、父親、って追いかけなくても、解決の道は作れるのです。」
「なるほど!希望があります。」
「もうひとつは、『男性から好かれている』という経験ですね。
 彼女の場合、こちらの比率の方が大きそうだったのですが・・・」
「あっ!そうか!これも、父親から好かれなかったという経験を、
 父親本人から取り返すのではなくて、別の男性からでもいい、って
 ことなんですね!」
「そうです。そういうことなんです。」
 
「えっ?」なつをは急に何かに気づいて驚いたような表情になり、
黙り込んでしまった。そして、しばらくして口を開いた。
「ということは、有紀さんが社長と不倫をしていることはつまり、
 お父さんからもらえなかったものを、社長を父親代わりにして
 もらおうとしている、ということなんですね!」
「そういうことです。年上男性との不倫が多い女性の場合、
 その動機が、父親に愛されたかった、でも愛されなかった。
 だからそれを今の恋愛で取り戻したい、という動機になっている
 ことは、比較的よくあります。」
「なんか・・・切ないですね。」
「そうですね。本当は自分という個人を作る土台であるべき、
 親子の絆が希薄だった。それを取り戻したいと渇望する心をずっと
 抱えて生きている。取り戻せそうな相手が見つかった。但しこの
 ような場合大抵相手は年上の既婚者。その人と恋愛したら、
 人の道に反していると責められる、とこのような構図ですから、
 確かに、切ない、やるせないですよね。」ドクターはそう言って
なつをの方を見た。そして、何かに気づいたようだ。
 
「なつを君、何だか、自分事のように考えていますね?」
「えっ? あ、そ、そうなんです。」なつをは顔が赤くなった。
「じ、実は、有紀さんのセッションについて私がついムキになって
 しまったのは、私と同じだって思ったことが結構あったからなんだ、
 って気づきました。」
「そうなんですね。」
「それで、私の場合は、せ、先生のことが好きで、それが恋愛感情
 なのか尊敬なのか、よく分からない気持ちだったんですけど、いま、
 分かりました。」これを言いながら私は、顔が熱くなり(きっと
 真っ赤だろう)、体中に変な汗をかいた。
「そうですか。そう思ってくれているとは、光栄ですね。
 ありがとう。」先生はあくまで優しくそう答えてくれたので、
私はものすごく安心して、体中の力が抜けた気がした。
「この際ですから、よい受け取り方と、微妙な受け取り方の違いに
 ついて説明しておきましょう。」ドクターはいつもの理知的で鋭い
言い方と、先ほどの優しい調子の中間ぐらいの調子でそう言った。
「実は、父親からの愛情というのは、別に不倫しなくても補えるん
 ですよ。職場の尊敬できる上司のことを好きでいる、その上司も、
 一線は越えてこないけれど、親しみを込めて接してくれている、
 こんな関係をしっかり味わって過ごせば、子供時代に愛情が足り
 なかった経験も、ちゃんと埋まっていくんですよ。もちろん、
 本人が自覚して受け取れば、ですけどね。」
「そうなんですね!」
「ええ、そうです。そもそも、父親とはセックスしないでしょう。
 だから父親からの愛情不足を不倫で補おうとしてしまう、という
 のは、回路がちょっとズレてつながってしまっている状態なんです。」
「ああ、そう言われてみればそうですね。でも、私、なんとなく
 分かります。父親からの愛情不足を補う感覚が、なぜか恋愛感情と
 つながってしまい、不倫に至ってしまうという、その気持ちが。」
「なつを君、なんだかずいぶん、不倫してしまう人の肩を持つように
 なってきましたね。」
「え?あ、あの、決して自分もしたいとか、しているとか、容認派に
 なったとか、そういうわけではないんですけど。」なつをは焦りを
隠せず、しどろもどろになってしまった。
「何か、気づいたり、変化したことがあったんですか?」ドクターは
あくまで優しく、しかし鋭い質問を投げてきた。
「あの、さきほど先生が、私が先生のことを好き、ってつい口走って
 しまったときに、バカにすることもなく、真っ直ぐ受け止めてくだ
 さったことが嬉しくて・・・」そう言いながら涙がぽろぽろっと
こぼれた。「それで、なんだか力が抜けた気がします。」
 
 
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
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◆ココヘル主催のワークショップ・セミナー一覧はこちら
 https://www.556health.com/work.html
 
 
◆編集後記
 
NHKでチャリダーという番組があるんですが、
そこのメンバーが、ロードバイクでやたら坂を登るんですよ。
で、箱根の坂を登っていて、「えーあの急坂?」って思った
んですけど、みんな何とか登っているので、
どんなもんなのかと思って、今日ちょっと登ってみたんですね。
(箱根は近所ですから)
 
ホントにしんどかった。
 
よく登るなーマジで。
番組では小涌谷(標高535m)まで登ってましたが、
私は大平台(標高349m)までで帰ってきました。
もうちょっと鍛えたら行けるかな・・・
私、山中湖も行ったんですよねー以前(篭坂峠標高1100m)
箱根もやれば出来るかな・・・
山中湖行きと一番違うのは、箱根は坂がきついことですね。
休む場所がない・・・
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 ◆女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学
 祝!TBS・日テレ・フジテレビ出演(目指せNHK!)
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