2017.4.9あづまやすしのオープンカウンセリング&一問三答の会

 

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こんにちは、あづまです。
 
来る4/9(日)13:00より、
 
前回好評だった、
オープンカウンセリング&一問三答の会を開催します。
 
このミニワークショップは、
特にテーマを設定しません。
 
但し、私の得意分野を大きく外れると、対応できませんので、
テーマの範囲は、ざっと言うと、
 
・恋愛
・結婚生活
・生き方・あり方
・人間関係
・健康と栄養(新テーマ)
 
に限られると思います。
まあこれでも、人間の悩みの8割ぐらいはカバーしている
ように思うのですが・・・
 
 
今回は、
従来:第一部「お話」 第二部「ワーク」 第三部「オープンカウンセリング」
  でしたが、
今回:第一部「オープンカウンセリング」 第二部「一問三答(質疑応答)」
   第三部「オープンカウンセリング」
  という形式で行います。
 
 
第一部から、いきなりオープンカウンセリングです。
その後、質問タイムを長めに取ります。
従来は、セッションの内容についての質問をメインに受けつけて
いましたが、今回の質問タイムは、
 
ぜひ、
 
セッションと関係ないことも聞いてください。
 
たとえば、恋愛依存傾向があるという女性の悩みを、
第一部のオープンカウンセリングで扱って、
そのセッションを見ていたら、
 
 
実は自分は、いわゆる恋愛依存傾向ではないし、
恋愛していない時は、わりと、1人で行動することが多い。
でも、第一部のクライアントと、
恋愛が始まると彼に言いたいことが言えなくなってしまう、
という点や、言ってこじれたらどうしようと心配してしまう
ことなどが、とても似てる、と思った。
 
 
みたいなテーマの質問を、して頂いて結構です、
いや、むしろ、積極的にそのような質問をしてください、
という意味です。
 
こんな風に、
セッションを見ていたら自分の課題を思い出した、
みたいなことって、オープンカウンセリングでは、
よくあることなんですね。
 
 
折角の機会なので、そういう風に、思い起こしたことも、
ちゃんと扱ってみようじゃないの。
 
 
というのが、今回の、コンセプトです。
 
とは言え、
第二部の質疑応答タイムの時に、
全員にオープンカウンセリングレベルの、
長い時間を割くことは、現実的に出来ません。
 
そこで、ひとりmax15分のタイマーをセットさせて頂きます。
質問を話す時間も含めて、15分です。
質問するのに15分かかったら、そこで終わりです。
 
その時間の中で、
そう、なぜ一問三答なのかというと、
 
たとえば、彼のひと言に振り回されて、
どうしても、気持ちがぐらぐらしてしまう。
自分軸を持てずにいる。
自分の気持ちを、言えなくなってしまう。
どうしたら良いでしょうか?
 
 
という質問が出たとしますね。
 
 
それに対して、あづまが、
一答:内面的対策
二答:行動的対策
三答:栄養学的対策
 
の三答を基本にして、答えようと思います。
 
 
たとえば、上の例なら、
 
(少しこちらから質問をすることもあると思います。
 その結果として、あづまが三答するわけですが、ここでは、
 そういうプロセスが順調に進んだものとして、
 回答だけ示しますと)
 
 
一答(例) 【内面的課題の解決策=セラピー的方法】
彼に嫌われたら、この世界から、自分の生きる土台が消えてしまう。
自分の安全基地がなくなってしまう。そんな感覚が強いのでは
ないですか?
 
子供時代の自分をイメージして、その自分を毎日ハグしてあげましょう。
そうやって、自分自身に「安全の感覚」を育てていくことを日課に
しましょう。
 
 
二答(例) 【行動的課題の解決策=一般的方法・コミュニケーション】
原因の分析は、一答と同じです。今度は行動面での解決策を提示します。
 
信頼の置ける友人知人、上司、先輩、同僚など、恋愛以外の人間関係を
充実させる努力をしましょう。足場は多い方がよい。
彼に一極集中になっていると、ひとつ失ったら全ての足場を失って
しまうような怖さを感じてしまいます。
逆説的ですが、恋愛を充実させるためには恋愛以外の人間関係も、
ちゃんと充実させた方がよいのです。
 
 
三答(例) 【栄養的課題の解決策=食事の改善】
栄養学的に言うと、自分がぐらぐらしてしまうというのは、
・しっかり考える力
・感情を安定させる力
に、少し問題がある、ということかと思います。
 
思考力をしっかりさせるためには、
■脳細胞をしっかり作る
 ・タンパク質をしっかり摂る
 ・DHA・EPAなどの魚油をしっかり摂る
■脳細胞に燃料を安定供給する
 ・血糖値の安定(とくに低血糖を防ぐこと!)
 
感情を安定させるには、
■セロトニンが作られるようにする
 ・タンパク質を摂る
 ・ビタミンB6を摂る
 ・鉄分を摂る
 
 
これらの問題を解決する食材は、
・かつおなどの魚をしっかり食べる(タンパク質・魚油・ビタミンB6・鉄分)
・赤身の肉もオススメ(タンパク質・鉄)
・食物繊維を摂り、血糖値の不安定さを防ぐ(麦ご飯などがオススメ)
・砂糖や白米、精白小麦粉製品(パン・うどんetc)を避ける
 
と、なります。
 
(もしかすると、栄養面でのアドバイスは、わりと、
 全員に一緒のアドバイスになるかもしれませんけどね!
 まあそれだけ大事なことだ、ってことで。あしからず)
 
 
こんな感じでワークショップをやります。
がっちりカウンセリングを行うのがお二人。
質問は4人ぐらいは受けられるといいな、と考えています。
 
テキストや用意したテーマはありませんので、
あくまで、その場の学びを大切にして、
その体験を持って帰って下さいね♪
 
 
 
 

講師紹介

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心のコンサルタント|恋愛セラピスト あづまやすし
 
米国NLP協会(TM)認定 NLPマスタープラクティショナー。
日本交流分析協会会員 交流分析士
神奈川県横浜市生まれ。東京大学卒。工学博士。
 
自身の離婚経験より、これからの時代はもの作りよりも、男女の仲が社会を豊かにすると実感し、恋愛セラピストとして起業。セッション数のべ3千人以上。
 
潜在意識を変容させることで自然に行動が変わり、結果的に恋愛がうまく行くという解決方法を得意とする。
だめんずを好きになってしまう、付き合いが深まると相手に振られたり浮気されたりする、不倫が多い、なかなか彼氏ができないなどの、パターン化した恋愛の悩みには、潜在意識が関わっているため、このような問題の解決を最も得意としている。
 
また、アサーティブ、交流分析など、数多のコミュニケーション心理学を取り入れて問題解決に当たっている。
 
2008年に著書「あなたの恋愛がうまく行かない本当の理由」(毎日コミュニケーションズ)出版。2009年には雑誌ananや日テレ、2010年にはTBS、2012年にはフジテレビにも取材を受けるなど、その活動がメディアからも注目されている。
 
最近は趣味で、タンパク質を摂れる低糖質スイーツのレシピ開発に余念が無い。
 
 
 

日時・場所・料金等

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■日時 2017年4月9日(日) 13:00〜16:00
 ※終わったあとに説明会(16:30より)があります。(下記)
 
■場所 ウィズスクエア八重洲 studio asia
  http://www.womanscafe.com/access/index.html
    最寄り駅は東京駅(八重洲口)・東京メトロ京橋駅です。
 
■料金 5900円(消費税込み)
   ※お茶会参加は別途実費(カフェでの飲食代・カフェで精算します)
 
■申込方法・申込確定条件
  下のリンクの申込フォームから必要事項記入。その後案内に従って、
  銀行振込またはカードで決済。申込後一週間以内にお支払いください。
  入金を以て申込の確定となります。
 
■申込最終〆切
  3/16(木)15時(入金)を以て最終〆切とします。
  満席の場合、早く締め切ることがございます。
 
■定員 10名
 
■会場について
  会場は椅子席です。できるだけ快適な温度になるよう、
  心がけますが、空調の関係で肌寒いことや暑いことが
  あるかもしれません。
  調整できる服装、ご用意があるとよいと思います。
 
■キャンセル規定
 本講座は入金後のキャンセルにつきましてはご返金いたしません。
 
■無料説明会
 講座は大体16時頃終了しますが、終了後、
 「幸せな恋愛・結婚・人間関係の深い秘訣が分かる!
  あづまやすしの心理セラピー&人間関係コンサルティング講座」
 の、無料説明会を行います。
 
 説明会なのですが、軽くお茶でも飲みながらお話ししましょう。
 会場は同じお部屋です。
 
 
 

お申し込みフォームはこちらです。
スマートフォンからの場合こちらのフォームの方が使いやすいかもしれません。
 
 

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【ココヘル747】性癖を直す(終)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 747号 2017.1.17
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
いよいよ今年から、大人の心理学コミュニティー
【ココアミ!】を始めます。
毎月の講座と、会員の交流(たぶん、話の合う人が多いはず)
そんな、学びと仲間作りの場になればと願っています。
 
ココアミ!
https://www.556health.com/sp/cocoami/
無料期間中の動画も本気で語ったものです!
体験だけでもぜひぜひ!
 
 
 
 
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針などは、
実際に行われたセッションや、あづまの考えを元にし、
リアリティーを大切にして制作しております。
逆に悩みの内容などのディテールは全て入れ替えて
創作し、プライバシーに配慮しております。
作品ですので、ある程度の誇張・脚色がございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント 鎖骨にほくろの女性しか愛せない
 みきさん まいくんの奥さま
 
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、まいくんの、
初めての性的興奮の体験が原因と探り当て、それを癒してしまった。
その後、女に感じる性的な興奮と、妻に感じる安心感を、
統合するワークを行い、解決した。
まいくんの奥さまが相談に見えたのだが・・・問題点を指摘する
のではなく、ドクターは奥さまの愛を確認し、感動のセッション
となった。
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
 
第六幕
 
ゆり子はノートを閉じた。
(私は、みきさんのように「この人」と思い続けられるのだろうか。)
ゆり子は思った。自分はみきさんのように、浮気されても相手のことを
思い続けるなんてできないような気がした。
 
はぁ。ため息が漏れた。ゆり子は考えていた。私は本当に、主人のことを
愛しているのだろうか。それとも、私にとって利用価値があるから
一緒にいたいと思っていただけなのだろうか、と。
 
ここでゆり子はハッと我に返った。以前なら、このまま自分は本当に
愛しているだろうか、ちゃんとできているだろうか、本当に頑張って
いるだろうか、と自分を責めたり、自分を追い込むような考えが
ぐるぐるめぐって、どんどん暗くなることがあったが、このノート
「恋愛ドクターの遺産」を読むようになって、とくに前回ノートを
読んだ後に見た夢の中で「ゆるしのワーク」が起きたからなのか、
最近はこうして自分を責めるモードから我に返るのが早くなった。
 
ほんと、不思議な小説だなぁ。ゆり子は思った。未だに読まれている
古典的小説というと夏目漱石の「こころ」と太宰治の「人間失格」が
双璧だそうだ。でも、あのような典型的な文学を読むとゆり子は
苦しくなった。無理やり自分の内面の「汚いところ」と向き合わされて
いる気がするからだ。文学は「肩の荷を背負わされる小説」、
恋愛ドクターの遺産は、「荷物を下ろさせてくれる小説」
そんな気がした。
 
自分を責めすぎても暗くなるだけで、あまりプラスにならないな、
そう思い直したゆり子は、今度は、自分が今の夫を選んだ理由に
ついて考えをめぐらせていた。
 
(私はどうして、幸雄さんを選んだのだろう?)
 
そんな風に考えていて、心に浮かんできたのは、ゆり子もノートの
中のみきさんと同じように、年齢は中学校の頃だったが、学校で
いじめられたことだった。誰にも言えず、しばらく毎日耐えていた。
 
それに、いじめというのは、真綿で首を絞めるように、じわじわと
始まり、気づいたときにはずいぶんダメージを受けているものなのだ。
当時、親に相談して、担任も動いてくれて、それで問題は解決に
向かったのだが、我慢した期間と、解決まで少し時間がかかったのと
で、結局半年ぐらいは、ゆり子はいじめに苦しんだ計算になる。
 
(私、誰かに守ってほしかったんだ)ゆり子はふと気づいた。
そうだ、自分は誰かに守ってほしかった。幸雄さんとの出会いは、
大学時代のサークル活動で、だったが、ゆり子が周りのメンバーから、
誤解に基づく中傷を受けそうになっていたときに、
「証拠もないことで彼女を責めて、お前ら、後で間違いと分かった
とき、ちゃんと今言ったことの責任を取るんだろうな?オレは誰が
何を言ったか、今全部記憶したぞ。」と言って守ってくれた。
そして実際「後で間違いと分かった」のだった。
 
その一件があって、ゆり子は幸雄さんに心惹かれるようになったのだった。
 
そのことを思い出したら、両目に熱い涙があふれた。そうだ、
私は幸雄さんの強さに惹かれたんだ。守ってくれたから、
本当に感謝していたんだ。
 
ただ、そのことは事実だが、共感力のない夫のおかげで結婚生活が
苦しかったのもまた、事実だった。戦う場面ではとても頼りになる
けれど、平和な世界の中では、いい話相手になってはくれないのだ。
 
「やり直した方がいいのかなぁ。でも、続けていく自信、全然ないなぁ。」
 
ゆり子はつぶやいた。
 
 
(第二話 終わり。第三話へとつづく)
 
 
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
あづまやすしのサイコロジーな毎日
https://556health.com/consultant/
 
 
 
 
★自習型のセルフセラピー教材
 幸せな恋愛・結婚・人間関係のための
 心のデトックスマニュアル
 https://www.556health.com/selfcare/
 
★「阿妻式恋愛眼力トレーニングDVD」
 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
http://bit.ly/12X06ZC 
 
 
 
ご相談のご用命は、こちらから。
 
★恋愛・人間関係コンサルティング(旧名称:恋愛セラピー)はこちら。
 
 個別に丁寧に、問題を紐解き、解決策を提案しております。
 https://www.556health.com/consulting.html
 
 
 
◆ココヘル主催のワークショップ・セミナー一覧はこちら
 https://www.556health.com/work.html
 
 
◆編集後記
 
今日は阪神淡路大震災があった日ですね。
当時、被害に遭われた方のご冥福をお祈りいたします。
そして、今後も耐震等の対策が進んでいくことを祈ります。
 
┏━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━┓
 ◆女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学
 祝!TBS・日テレ・フジテレビ出演(目指せNHK!)
 ◆ご意見、ご感想お待ちしています。このまま返信!
 ・頂いたメールは、事前確認なく掲載することがあります。
 ・お名前はイニシャルにします。
 ・メール相談は行っていません。また、多数のメールを頂くた
  め、個別の返信はできないことがございます。
 もっと幸せな恋愛・結婚生活・人間関係を求める方に情報提供
 をするのが本誌の目的です。ご自身の責任にてご活用下さい。
 ◆制作:阿妻靖史(あづま やすし 恋愛セラピスト)
 ◆自己紹介はこちらです↓(声の自己紹介があります!)
  https://www.556health.com/archives/2005/07/post_5.html
 ◆登録・解除: http://www.mag2.com/m/0000164141.html
 (解除依頼は受けていません。ご自分でお願いします)
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【ココヘル746】性癖を直す(10)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 746号 2017.1.16
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
いよいよ今年から、大人の心理学コミュニティー
【ココアミ!】を始めます。
毎月の講座と、会員の交流(たぶん、話の合う人が多いはず)
そんな、学びと仲間作りの場になればと願っています。
 
ココアミ!
https://www.556health.com/sp/cocoami/
無料期間中の動画も本気で語ったものです!
体験だけでもぜひぜひ!
 
 
 
 
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針などは、
実際に行われたセッションや、あづまの考えを元にし、
リアリティーを大切にして制作しております。
逆に悩みの内容などのディテールは全て入れ替えて
創作し、プライバシーに配慮しております。
作品ですので、ある程度の誇張・脚色がございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント 鎖骨にほくろの女性しか愛せない
 みきさん まいくんの奥さま
 
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、まいくんの、
初めての性的興奮の体験が原因と探り当て、それを癒してしまった。
その後、女に感じる性的な興奮と、妻に感じる安心感を、
統合するワークを行い、解決した。
その後、なんとまいくんの奥さまが相談に見えたのだが・・・
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
 
第五幕 妻ー2
 
「早速ですが、みきさん、自分の言いたいことを
言えない傾向は、いつからですか?」
「小学生の頃は、わりと思ったことを口にする子でした。」
「そうなんですね。」
「はい。あぁ、思い出しました。中学校の頃に、父親が失業して、
色々ありまして、その頃から、言えなくなったような気がします。」
「なるほど。」
 
先生さすがだ、なつをは思った。
「(その症状・問題は)いつからですか」と問うのは、
原因を探る質問の中でも、基本中の基本だ。そして今回も、
もう問題の原因にたどり着いた。話し始めてまだ5分ほど
しか経っていない。それでもう原因の当たりがついている
のだから、今日も先生の質問の切れ味は最高だ。
 
「その頃に、お父様の失業で、家の中が大変なことに
なった、ということなのですか?」
「はい。というよりも、それまで住んでいた広い家を
引き払うことになって、引越をしたんです。」
 
「あぁなるほど。それで、失業をきっかけに、お父様が
不安定になって荒れたとか、家の中の空気が悪くなった
とか、そういうことはありましたか?」
「いえ、それは・・・両親がお金のことで心配そうに
話し合いをしているところを見たことはありましたけど、
何か、家の中の空気が悪くなったというようなことは、
なかったと思います。あ、休みに出かける行き先は、
それまではハワイとか海外もあったんですが、だいぶ
近場になりましたが。でも家族は仲良かったと思います。」
 
「お父様の失業前後で、家族の中で、みきさんが、
言いたいことを言いにくくなった、ということはありましたか?」
「それはなかったんですが、両親にはとても
言いにくかったことはありました。」
 
「なるほど。それは、いま、ここで言えることですか?」
「はい。もう昔のことですので。あの、実は、そういうことが
あって転校したんですね。引越をしましたので。その転校先の
学校で、いじめが・・・といっても暴力とかものを盗られたり
とかそういうことはなかったんですが、チクチク、ネチネチ、
イヤミ的な何かを言われるとか、微妙に仲間の輪の外側の方に
置かれるとか、そういう精神的ないじめがずっとつづいたんです。」
 
「そうですか。それは苦しかったですね。」
「はい・・・先生、これって私の今の性格と関係あるんでしょうか?」
「関係ある可能性はあります。でも、まだ断定は出来ないので、
もうちょっと色々質問させて下さい。より明確になっていくと
思いますので。」
「はい。先走ってしまって失礼しました。」
 
なつをは先ほど、もう原因にたどり着いた、と思ってしまった
ことを反省した。まだたどり着いてはいなかった。親の失業は
確かに大きいことだが、それがきっかけで家庭内の雰囲気が
悪くなったわけではないのだった。先生はさすがに、早とちりは
しない。しっかり質問を続けて、本当の原因に迫ろうとしている。
 
ドクターは続けて質問をしていった。
「では当時、転校を機に、言いたいことが言えなくなった、
ということはありましたか?」そこまで言うと、
 
「いや、質問の仕方が良くないな」とひとりごとを言って、
質問を言い直した。
 
「では当時、転校した直後は、まだ相手のことも知らないから、
色々自己主張はしにくいと思いますが、普通なら次第に打ち解けて
自分の言いたいことも言えるようになると思います。たとえばみき
さんが新学期で新しい友達になじむのと比べて、明らかに、転校後
には自己主張できなくなった、みたいなことは、ありましたか?」
 
しばらく当時のことを思い出しているのだろう。目線を上の方に
向けて考えているようだったが、やがてみきさんは言った。
「そうですね。転校した後は、私は自分を出せなくなったと思います。」
「なるほど・・・そうですか。」
 
「あの、先生。」みきさんは少しためらいながら言った。
「実は、いじめは学校の先生が公認していたというか・・・」
「公認!?」
「いえ、もちろん、本当に公認しているわけではないのですが、
先生も一緒になって私のことをからかったり、私をからかう生徒を
黙認したりしていたんです。」
「なんと。それはつらかったですね。」
「はい。学校に行くのが毎日苦痛でした。」
「そうですか。よく頑張りましたね。そのことはご両親には
話したのですか?」
「いえ・・・両親は、別に機能不全家族とか毒親、というわけでは
なかったのですが、わりと、自分のことは自分で解決しなさい、
的な教えの親で、今思うとそのぐらいの出来事であれば相談しても
良かったと思うんですが、ひとりで抱えていました。」
 
「当時の学校のことを思い出すと、どんな感じがしますか?」
「全体的に暗いです。」
「空気の温度とか、何か感じませんか?」
「あ、なんか寒いです。」
 
得意の質問だ。なつをは思った。先生が空気の温度を聞くのは、
当時の孤独感を探るためだ。寒い場合、孤独感があった、という
ことになる。さびしかったですか、と聞くよりも明確に分かるのだそうだ。
 
「空気の重さは、どうですか?」
「少しだけ、重いかな・・・?」
 
「ということは、学校では疎外感を感じていた、
という感じでいいのかな?」
「はい!『疎外感』まさにそうです。」
 
「疎外感の反対ってなんでしょうね?」
 
来た!なつをは思った。ここで並のカウンセラーなら、疎外感を
感じてつらかったですね、と共感しながら話を聞いていくところ
だが、先生は違う。いきなり「反対って何でしょう?」と訊く
ことが、かなり多い。
 
「えっ? 疎外感の反対・・・自分に関心を持ってもらえる、
ということでしょうか。あ、笑顔でこっちを見てもらえる、
ということかもしれません。」
 
「人生の中で、笑顔でみきさんを一番見てくれた人、
みきさんに一番関心を持ってくれた人は誰ですか?」
 
みきさんは、はっとした表情になって、そして答えた。
「主人です。」
 
「なるほど。そうですよね。そうおっしゃると思いました。
つまり、疎外感を感じて生きてきたみきさんを、その、寒い世界
から救い出してくれたのが、今のご主人さんってことですよね?」
 
「はい。そうです。」みきさんの目からぽろぽろっと涙がこぼれた。
 
「だから、色々あっても、ご主人さんのことが大切で、
何とか続けていきたい、と思ってきたんですよね?」
 
「あぁ・・・そうなのかもしれません。」
 
「素敵な話ですね。」
 
 
なつをは、ついもらい泣きをしてしまった。しかしこの結論は予想外
だった。みきさんの過去の問題を探っているのかと思ったら、先生は、
ご主人さんのまいくんのことを、なぜみきさんはそこまで大事に思って
いるのか、その理由を見つけるために過去を探っていたのだった。
 
すでに、みきさんは柔らかく、温かい表情に変わっていた。少し涙が
にじんでうるうるしている両目も、キラキラ輝いているように見える。
以前先生は言っていた。「過去のマイナスを発見することも、とても
大事ですが、過去のプラスを発見することは、それ以上に大事です。」と。
 
 
「いま、どんな感じですか?」ドクターは尋ねた。
「なんだか、体も心も温かいです。私、自分の言いたいことが言えない
から、主人の言いなりになっていたのではなくて・・・あ、少しは
そういうところ、あるかもしれないですけど、でもそれ以上に、主人が
本当に大切な人だから別れられなかったんだな、ということに気づいて
良かったです。」
 
「そうですね。素敵な話をありがとうございました。」
 
「いえ・・・あの先生、言いたいことが言えない問題は、
どうしたらいいのでしょうか?」
 
「どうします?」ドクターは笑いながら言った。
 
「いや、あの、一番気になっていた、キッパリと別れを言えなかった
ことについて、理由が分かったので・・・」
 
「そうですよね。そもそも、そこに『言いたいことが言えない問題』が
あったかどうかも、分からなくなった、ってことですよね? まあ、
もしまたいつか、言いたいことが言えない問題がある、って気づいて、
治したくなったら、改めていらっしゃったらどうでしょう?」
 
 
でた!今日何度目の感動だろう。なつをは感心するばかりだった。
先生は以前、こう言っていた「優れたカウンセリングのひとつの形ですが、
色々話しているうちに『そこに問題はなかった』と気づくパターン。
そういう結論になると、本当に素晴らしい。」いままさに、目の前で
「そもそもそこに問題はなかった」という結論が展開したのだった。
 
(いやー、いいもの見せてもらったー)毎度ながら、なつをはそう思った。
そして、忘れないように、頭の中でセッションを何度も反芻するのだった。
 
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
あづまやすしのサイコロジーな毎日
https://556health.com/consultant/
 
 
 
 
★自習型のセルフセラピー教材
 幸せな恋愛・結婚・人間関係のための
 心のデトックスマニュアル
 https://www.556health.com/selfcare/
 
★「阿妻式恋愛眼力トレーニングDVD」
 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
http://bit.ly/12X06ZC 
 
 
 
ご相談のご用命は、こちらから。
 
★恋愛・人間関係コンサルティング(旧名称:恋愛セラピー)はこちら。
 
 個別に丁寧に、問題を紐解き、解決策を提案しております。
 https://www.556health.com/consulting.html
 
 
 
◆ココヘル主催のワークショップ・セミナー一覧はこちら
 https://www.556health.com/work.html
 
 
◆編集後記
 
土日の講座 セラ☆コンで、自作の低糖質スイーツを食べました。
私がレシピ開発したヤツ。レモンタルトでした、今回は。
 
それでね、もちろん低糖質高タンパクなんですが、加えて、
食物繊維(特に水溶性食物繊維)が豊富なのが自慢です。
日本人に今、一番欠けている栄養素です。
 
でね、腸内細菌が活性化されて、おならが良く出ます(そこか)。
お腹の調子は良くなるので、まあ、いいことですけどね。
 
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【ココヘル745】性癖を直す(9)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 745号 2017.1.12
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
いよいよ今年から、大人の心理学コミュニティー
【ココアミ!】を始めます。
毎月の講座と、会員の交流(たぶん、話の合う人が多いはず)
そんな、学びと仲間作りの場になればと願っています。
 
ココアミ!
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無料期間中の動画も本気で語ったものです!
体験だけでもぜひぜひ!
 
 
 
 
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針などは、
実際に行われたセッションや、あづまの考えを元にし、
リアリティーを大切にして制作しております。
逆に悩みの内容などのディテールは全て入れ替えて
創作し、プライバシーに配慮しております。
作品ですので、ある程度の誇張・脚色がございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント 鎖骨にほくろの女性しか愛せない
 みきさん まいくんの奥さま
 
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、まいくんの、
初めての性的興奮の体験が原因と探り当て、それを癒してしまった。
その後、女に感じる性的な興奮と、妻に感じる安心感を、
統合するワークを行い、解決した。
その後、なんとまいくんの奥さまが相談に見えたのだが・・・
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
 
第五幕 妻
 
それから一週間ほど経って・・・
 
「先生、どうして解決したのに、まいくんの奥さまが
いらっしゃるんでしょうか?」
「さぁ。解決したというのは、こちらの勝手な思い込み
なのではないでしょうかね。」
「では、何かまだ問題があるということでしょうか。一体何が?」
「なつを君、それはご本人がいらっしゃったときに聞けば
済む話です。聞けば済む話を勝手に推測しない!」
 
また怒られた。なつをは思った。勝手に妄想して、勝手に
推測して、ついつい先生に色々質問してしまう。いつもの
悪いクセだ。先生のこの落ち着きを、1割でも自分にほしい、
そう思った。
 
「なつを君、そろそろみきさんがいらっしゃいますよ。」
「みきさん・・・えぇと・・・」
「まいくんの奥さまです。」
「あ、そうでした。」
 
ノックの音がして、みきさんが入ってきた。
本名は舞鶴美紀。ドクターは親しげに「みきさん」と呼んでいる。
 
「こんにちは。」みきさんは小柄で可愛らしい感じの女性だ。
服装は全体的に地味だ。ダウンの入ったコート、というか
ジャケットを着ているが、落ち着いた茶系の色なので、
街ですれ違っても、とくに記憶には残らないだろう。
 
コートを脱いで、壁のハンガーに掛けた瞬間、その印象は
大きく変わった。胸の大きく開いた服を着ているのだ。
冬でも鎖骨が見えるようにしているのだろうか。なつをは
ついそんなことを思ってしまった。
 
ドクターとみきさんが着席して、セッションが始まった。
 
「みきさん、本日はご相談ありがとうございます。」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
 
「今日こうして、ここにいらっしゃって、この時間を使って
頂いたことで、何がどうなったら、今日は相談に来た甲斐が
あったな、と思いますか?」
 
これはスターティングクエスチョンだ。なつをは思った。
セッションの始めに、今日の終わりにどうなっていたいのか
・・・これを「ゴール」と呼ぶのだが・・・、それを問うことで、
お互いに無駄な時間を使うことなく、有意義なセッションを行う
ことが出来る。これは、カウンセリング、とくに解決志向ブリーフ
セラピーという短期療法の教科書には必ず書いてある技法だ。
 
でも・・・なつをは以前、先生に質問したことがある「セッションの
方向性をきちんと決めるために、スターティングクエスチョンを
するんですよね?」と。先生の回答はこうだった。「まあ、教科書的
にはそうです。なつを君も、始めのうちはそういう目的でスターティング
クエスチョンを使って下さい。」と。
なつをが「では先生は今は違うんですか?」と尋ねたら、
「そうですね。今は少し違うかもしれません。なんと言うか、
儀式ですよ、儀式。白衣を着ると気持ちがシャキッとするでしょう?
そういうのと同じ。この質問をすると、さあ今からベストの
セッションをするぞ、というモードに入るんです。そう、
スポーツ選手でも毎回同じ動作をする人、いるでしょう?
そういうのと同じですよ。」ベテランは言うことが違う、
となつをは思ったものだった。
 
 なつをが過去の思い出に浸っている間に、みきさんは、
質問に答えていた。
「そうですね。実は、私にとって主人は大切な人で、
だから今は、こうして取り戻すことが出来て幸せだと感じている
のですけど、でも、ここに至るまでは、とてもつらかったです。
友達にも色々相談して「なんで別れられないの?」「なんで
『浮気はやめて』って言わないの?」と、色々言われました。
私の友達は、主人のほくろフェチのことを知らないので、十分状況が
分かった上でのアドバイスではないのですが、でも、キッパリ
言えない、自分の主張が出来ない、怖くて別れられない、
みたいな部分は、私自身の課題だと思います。」
 
「なるほど。結果的に別れずに夫婦がやり直せていることは、
良かったことだけれど、でも、ここに至った理由の中に
『ご主人さんが大切だから頑張った』以外の、『キッパリ
言えない』『自分の主張が出来ない』『怖くて別れられない』
といった、ネガティブな動機、というか・・・一般的な言い方
で言うと消去法的な感じ? があったことが、気になって
いらっしゃる、ということなのですね?」
 
「さすが先生。そうなんです。」
 
少し沈黙があったあと、ドクターは質問した。
 
「結果オーライ、ではありますよね?」
「はい。」
「ということは、今回の一連の『事件』というか、
夫婦問題に関して、何か後悔しているわけではなさそうですね。」
「・・・たぶん、そうだと思います。」
 
「では、このタイミングで、わざわざ、ご自分の心のクセに
取り組もうと思われたのは、どうしてですか? あ、いや、聴き方が
分かりにくかったですね。えぇと、ご自分の心のクセに取り組んで、
それが良くなったとしますね、そうしたら、生活や夫婦関係、
仕事など、実際の生活で、何が良くなると思いますか?」
 
来た!なつをは思った。多くのカウンセラーは、自分の内面に
向き合うのが好きだ。だから、内面に向き合って成長したい、
変わりたい、というクライアントが来ると喜んで食いついて
しまう。先生は少し違う。以前も、カウンセリングの技法を
教わっていたときに、先生からこう言われた。
 
「クライアントの中には、自分の内面的な問題をしっかり分析
して、これを治したい、というような相談の仕方をしてくる人が
います。でも、それを鵜呑みにしてはいけません。」
「えっ?間違っているからですか?」「いえ、大抵そういう人の
分析は、かなり合ってます。」「ではどうして・・・」「それは、
自己分析が趣味になってしまっている危険性があるからです。」
 
そう、心理分析が趣味の人につき合うと、ずっと、延々、あんな
問題もあった、こんな問題もあった、とやりつづけて行くことに
なるのだ。「まあ、そうやって趣味の人につき合うことで商売を
成り立たせているカウンセラーもいるので、彼らを批判するつもり
はないんですけどね。」と先生は言っていた。先生はあくまで、
実際の生活の中で、何かが良くなる、ということに責任を持ち
たいのだ。
 
みきさんは、しばらく考えて、こう答えた。「そうですね。
友達関係とか、あと、最近少しずつ仕事を始めているのですが、
職場の人間関係などで、ハッキリものを言えなくて、言いたい
放題言われて、あとで悔しくなることがあります。主人は・・・
色々ありましたけど、例のこと以外は、じっくり話を聞いてくれ
るし、とてもありがたいので・・・」
 
「なるほど。夫婦関係よりは、それ以外の人間関係で、
自己主張ができるようになりたい、そんな方向性ですね。」
 
「はい。そうです。」
 
「では、その方向で、一緒にとり組んでいきましょう。
よろしくお願いします。」
「よろしくお願いいたします。」
 
「早速ですが、みきさん、自分の言いたいことを言えない傾向は、
いつからですか?」
「小学生の頃は、わりと思ったことを口にする子でした。」
「そうなんですね。」
「はい。あぁ、思い出しました。中学校の頃に、父親が失業して、
色々ありまして、その頃から、言えなくなったような気がします。」
「なるほど。」
 
先生さすがだ、なつをは思った。
「(その症状・問題は)いつからですか」と問うのは、原因を探る
質問の中でも、基本中の基本だ。そして今回も、もう問題の原因に
たどり着いた。話し始めてまだ5分ほどしか経っていない。
それでもう原因の当たりがついているのだから、
今日も先生の質問の切れ味は最高だ。
 
 
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
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 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
http://bit.ly/12X06ZC 
 
 
 
ご相談のご用命は、こちらから。
 
★恋愛・人間関係コンサルティング(旧名称:恋愛セラピー)はこちら。
 
 個別に丁寧に、問題を紐解き、解決策を提案しております。
 https://www.556health.com/consulting.html
 
 
 
◆ココヘル主催のワークショップ・セミナー一覧はこちら
 https://www.556health.com/work.html
 
 
◆編集後記
 
今日は鎌倉で体操。健康のためにもう3年以上になるかな。
帰りの電車の中で書いているんですが、ちょっと眠い・・・
 
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【ココヘル744】性癖を直す(8)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 744号 2017.1.10
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
いよいよ今年から、大人の心理学コミュニティー
【ココアミ!】を始めます。
毎月の講座と、会員の交流(たぶん、話の合う人が多いはず)
そんな、学びと仲間作りの場になればと願っています。
 
ココアミ!
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無料期間中の動画も本気で語ったものです!
体験だけでもぜひぜひ!
 
 
 
 
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針などは、
実際に行われたセッションや、あづまの考えを元にし、
リアリティーを大切にして制作しております。
逆に悩みの内容などのディテールは全て入れ替えて
創作し、プライバシーに配慮しております。
作品ですので、ある程度の誇張・脚色がございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント 鎖骨にほくろの女性しか愛せない
 みきさん まいくんの奥さま
 
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、まいくんの、
初めての性的興奮の体験が原因と探り当て、それを癒してしまった。
その後、女に感じる性的な興奮と、妻に感じる安心感を、
統合するワークを行い、ひとまず解決を見たのだが・・・
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
 
第四幕 統合ー3
 
それから一週間後、ドクターがなつをを呼んだ。
「なつを君、まいくんの奥さまから手紙が来ているよ。」
「へぇ、そうなんですね。何ておっしゃっているんですか?」
「あれからすっかり、まいくんは奥さまを女として見ることが
できるようになったって。」
 
「えーっ、すごい・・・そんなことが起こるんですね。
でもなんで、そういう変化が起きたんですか?」
「そうだね、学説ではなく、カウンセリング現場の知恵的な
ものですが、奥さまに対して感じるエネルギーと、『女』に
感じるエネルギー、この場合は、鎖骨にほくろがあって性的に
興奮する感じという意味ですが、それが、バラバラに解離して
しまっていたのを、統合したわけです。これをすると、奥さまに
対して感じなかった『女』を感じられるように変化することが
あるんです。」
 
「そんなこと、あるんですか?」なつをはまだ信じられない
気持ちでそう訊いた。
「そうですね。あります。」ドクターは淡々と答えた。
「今までも、そうやって解決した問題って、あったんですか?」
「えぇ、時々ありますよ。性的な嗜好の問題に関しては、
よく使う技法です。」
 
なつをは、変えられるとはとても考えられなかった、
性的な嗜好が、こんなにも簡単に変えられてしまうことに
驚き、衝撃を受けた。
 
(人の生理的なもの、本能的なものまで、変えることが
出来てしまうんだ・・・)
スゴイと思う半面、本人の知らないところでこのスキルが
使われたらと思うと恐ろしくもあった。
 
「なつを君、たい焼き食べませんか?」
「へ?たい焼き?」
「たい焼き、美味しいですよ。」
ドクターはまだほんのり温かいたい焼きを出して、
自らひとつ取り、なつをにもひとつ勧めた。
 
「あぁ、じゃあ、いただきます。」
なつをはたい焼きを食べながら、先日のドクターのワークを
思い出していた。確か、右手と左手に、それぞれ別の女性から
感じるエネルギーを載せて、それを寄せていって合わせたの
だった。あんな単純なワークでこんな大きな変化を起こせる
なんて、未だに信じられなかった。
 
「そうそう。」たい焼きをかじりながらドクターは言った。
「まいくんの奥さまからの、丁寧なお礼の手紙、読んでみますか。」
「はい、読ませてください。」
 
 
前略 
恋愛ドクター A先生。
主人のカウンセリング、本当にありがとうございました。
私達夫婦ふたりでは、どうにも行き詰まって解決の糸口が
分からなくなっていた問題でしたので、本当に助かりました。
主人も、先生の、お噂通りの問題解決力に、感服しております。
お恥ずかしい話ですが、女として見られなくなったと感じて
から、本当につらく長い日々でした。それでも、主人は人間的に
尊敬できる部分も多いし、家族のために働いてくれていますから、
別れるという道は、考えたくなかったのです。
このような形で、みんなが幸せになる方向に解決できて、本当に
良かったと思います。私自身も、女として求められるという
体験を取り戻すことが出来て、日々、幸せを感じています。
主人も、自分の中の「得体の知れない」感覚が消えて、私に
気持ちが向かうようになったことで、「そんな自分が好きになった」
と申しております。
何とお礼を申し上げてよいか分かりません。
近々、私自身も、お話しさせて頂くかもしれません。
このたびは、本当に、ありがとうございました。
 
草々
 
きれいな字で、手書きで綴ってある手紙だった。
 
なつをは手紙を読んでいるうちに引き込まれて、たい焼きを
食べる手が止まっていたようだ。かじった端が、少し乾いて
固くなっていた。
 
 
第五幕 妻
 
それから一週間ほど経って・・・
 
「先生、どうして解決したのに、まいくんの奥さまが
いらっしゃるんでしょうか?」
「さぁ。解決したというのは、こちらの勝手な思い込みなのでは
ないでしょうかね。」
「では、何かまだ問題があるということでしょうか。一体何が?」
「なつを君、それはご本人がいらっしゃったときに聞けば済む
話です。聞けば済む話を勝手に推測しない!」
 
また怒られた。なつをは思った。勝手に妄想して、
勝手に推測して、ついつい先生に色々質問してしまう。
いつもの悪いクセだ。先生のこの落ち着きを、
1割でも自分にほしい、そう思った。
 
「なつを君、そろそろみきさんがいらっしゃいますよ。」
「みきさん・・・えぇと・・・」
「まいくんの奥さまです。」
 
 
 
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
あづまやすしのサイコロジーな毎日
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★自習型のセルフセラピー教材
 幸せな恋愛・結婚・人間関係のための
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 https://www.556health.com/selfcare/
 
★「阿妻式恋愛眼力トレーニングDVD」
 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
http://bit.ly/12X06ZC 
 
 
 
ご相談のご用命は、こちらから。
 
★恋愛・人間関係コンサルティング(旧名称:恋愛セラピー)はこちら。
 
 個別に丁寧に、問題を紐解き、解決策を提案しております。
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◆ココヘル主催のワークショップ・セミナー一覧はこちら
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◆編集後記
 
最近、小説としてセラピーの技法を表現するようになってから、
本当の小説を(勉強のために)よく読むようになりました。
といっても、今まであんまり読まない人だったので(^^ゞ
まあ、読書家ということばは、絶対当てはまらないな・・・
 
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【ココヘル743】性癖を直す(7)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 743号 2017.1.9
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
いよいよ今年から、大人の心理学コミュニティー
【ココアミ!】を始めます。
毎月の講座と、会員の交流(たぶん、話の合う人が多いはず)
そんな、学びと仲間作りの場になればと願っています。
 
ココアミ!
https://www.556health.com/sp/cocoami/
無料期間中の動画も本気で語ったものです!
体験だけでもぜひぜひ!
 
 
 
 
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針および、
セッション内のやりとりは、実際に行われたセッションを
元にし、ディテールは全て(プライバシーに配慮して)
入れ替えて制作しております。作品ですので、多少の
デフォルメはございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント ある性癖の持ち主
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、まいくんの、
初めての性的興奮の体験が原因と探り当て、それを癒してしまった。
その後、マイナスの体験だけでなく、プラスの感情も扱うべき、
というドクターの意向で、次のセッションが計画された。
いよいよそのセッションも佳境を迎え・・・
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
 
第四幕 統合 ー2
 
 
「温度や感触はありますか?」
「えぇと・・・生暖かい感じで、なんか、エロいというか、
独特の感じがします。」
「なるほど。では、右手の上のエネルギーは、
そのまま少し持っていてください。」
「はい。」
 
 
そう、鎖骨にほくろがある女性に感じる気持ちを、
エネルギー(光の玉、のようにイメージされることが多い)
としてイメージし、手のひらに載せるように指示されて、
まいくんは、そうイメージしている。
 
 
「では次に、今度は、奥様と一緒にいるときの感覚を
想像してみてください。」
「はい・・・えっと、今度は、落ち着いていて、
少し温かい感じですかね。」
「その時に感じる感情のエネルギーを、今度は左手の上に
載せたとイメージしてみてください。」
ドクターはそう言いながら、左手も、
手のひらを上にして目の前に出した。
 
「はい。」まいくんもそれに倣って、左手を出した。
そしてまた、その上にエネルギーを乗せたところを
イメージしているようだった。
 
「今度は、そのエネルギーに色や形があるとしたら、
どんな色や形をしていますか?」
「はい。白くて、丸くて、輝いています。あ、少しだけ
黄色っぽいというか、暖かい感じの色です。」
「温度や感触はありますか?」
「えぇと、暖かくて、柔らかくて、フワフワしています。」
 
ドクターはここで、ふぅ、と軽くため息をついた。
「では、両方の手の上のエネルギーをもう一度しっかりと
イメージして」そう言いながらドクターは自分の右手、
左手、と順番に視線を送った。
まいくんも、ドクターに倣って、順に、自分の両手を見た。
「こんな風に、二つのエネルギーを近づけて、ひとつに統合
してみてください。」そう言いながらドクターは、それまで
それぞれ別々に「エネルギーを持っていた」自分の両方の手を、
両手で水をすくうような形に寄り添わせた。
まいくんも、ドクターに倣って、両方の手を、次第に近づけて
いき、水をすくうような形に寄り添わせた。そのとき、
まいくんの顔に軽い驚きの表情が現れた。
 
「いま、何が起きていますか?」ドクターは尋ねた。
「えと、あの、うーん。」しばらく考えてから、まいくんは言った。
「うまく説明できないんですが、なにか、混ざったというか、
入っていった感じです。」
ドクターは、なるほど、というように、ゆっくりと三回うなずいた。
 
 
・・・
 
セッションは静かに終わり、まいくんは帰っていった。
(鎖骨にほくろのある女性に感じる「生暖かくてエロいエネルギー」
と、奥さんから感じる「落ち着いて温かいエネルギー」を統合して
しまうなんて・・・)なつをはセッションを振り返って考えていた。
衝撃だった。
 
何が衝撃だったのか、言葉に出来ない。ただ、まいくんの表情を
見れば、本人にとって喜ばしい変化が起きたことは明らかだった。
セッションの結果に疑念はない。ただ、そんなやり方アリなのか、
という驚きが大きすぎた。
 
その日、なつをは家に帰っても寝付けなかった。それほど、
衝撃的な体験だったのだ。夜になって、少しずつ自分の中で、
言葉にならない感覚が、意識化、言語化できてきた。
眠れないふとんの中で、なつをは今日のセッションを振り返っていた。
 
(そうか、私は「性」を神聖なものと考えるあまり、あんな風に
「軽く扱って」はいけないと思っていたのだ。先生がパッパッと
指示を出し、セッションがテンポ良く進んで、軽ーく解決した
ように見えたから、なんと言うか、簡単にキレイになるからと
いって仏像に掃除機を掛けるような安易さを感じたのだ。)
 
セッションからもう何時間も経っているのに、まだなつをは
体が熱かった。
考えるのに疲れて、いつの間にか眠りに落ちていった。
 
 
 
 
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
あづまやすしのサイコロジーな毎日
https://556health.com/consultant/
 
 
 
 
★自習型のセルフセラピー教材
 幸せな恋愛・結婚・人間関係のための
 心のデトックスマニュアル
 https://www.556health.com/selfcare/
 
★「阿妻式恋愛眼力トレーニングDVD」
 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
http://bit.ly/12X06ZC 
 
 
 
ご相談のご用命は、こちらから。
 
★恋愛・人間関係コンサルティング(旧名称:恋愛セラピー)はこちら。
 
 個別に丁寧に、問題を紐解き、解決策を提案しております。
 https://www.556health.com/consulting.html
 
 
 
◆ココヘル主催のワークショップ・セミナー一覧はこちら
 https://www.556health.com/work.html
 
 
◆編集後記
 
今日は成人式ですね。自分の時は式には出ませんでした。
実はあんまり思い入れもないんですが、娘が成人式だと、
違う感覚になるのでしょうかね・・・
わが家はまだまだ、成人の日に行事はありませんが、
街は、少しだけ華やかですね♪
 
新成人の皆さんには、これから大人として、色々あると
思いますが、たくましく生きていってほしいです。
 
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 ◆女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学
 祝!TBS・日テレ・フジテレビ出演(目指せNHK!)
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 ・お名前はイニシャルにします。
 ・メール相談は行っていません。また、多数のメールを頂くた
  め、個別の返信はできないことがございます。
 もっと幸せな恋愛・結婚生活・人間関係を求める方に情報提供
 をするのが本誌の目的です。ご自身の責任にてご活用下さい。
 ◆制作:阿妻靖史(あづま やすし 恋愛セラピスト)
 ◆自己紹介はこちらです↓(声の自己紹介があります!)
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【ココヘル742】性癖を直す(6)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 742号 2017.1.6
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
★あづまの個人セッション
 起きている現象をよく観察し、それにより問題を「見立て」、
 適切な解決の指針を立てる。個人セッションならではのメリット。
 プロの目が入ることの「キレ味」と「安心感」を体験して下さい。
 対面セッション
 https://www.556health.com/c_order.html
 電話セッション
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★自習型のセルフセラピー教材
 幸せな恋愛・結婚・人間関係のための
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★「阿妻式恋愛眼力トレーニングDVD」
 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
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現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針および、
セッション内のやりとりは、実際に行われたセッションを
元にし、ディテールは全て(プライバシーに配慮して)
入れ替えて制作しております。作品ですので、多少の
デフォルメはございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント ある性癖の持ち主
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、まいくんの、
初めての性的興奮の体験が原因と探り当て、それを癒してしまった。
その後、マイナスの体験だけでなく、プラスの感情も扱うべき、
というドクターの意向で、次のセッションが計画された。
いよいよそのセッションが始まる・・・
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
 
第四幕 統合
 
「先生、依存症は、マイナス感情を持っているのに、
それにフタをして、強い刺激を求めることで生じる。
これは、心理学の本にも書いてありましたし、
先生もおっしゃってましたよね?」なつをは例に
よってドクターを質問責めにしていた。
 
「まあ、一般的にはそうです。」
 
「でも、まいくんの場合、マイナス感情を解消する
だけではダメなんですか?」
「まあ、たぶん、放っておいても、ある程度は自然に
解消していくんじゃないかとは思うんですけどね。
念のため、です。ちゃんと取り扱ってあげた方が
解決も早いし、トラブルも少なくなります。」
 
「はぁ・・・」
 
「この際だから、依存症の出来る仕組みについて、
ちょっと覚えておいて下さい。依存症というのは、
喜びを感じる『正しい』感覚、というか正しい仕組みが
機能しなくなって、その代わりに、社会的、あるいは
健康的に問題のある方法で喜びを得ようとしてしまう
状態のことです。」ドクターは早口で説明をした。
 
「社会的に・・・なるほど・・・」なつをは先生の
考えについていくのがやっとだった。
「たとえば私たちは、美味しいお寿司のお店に入った
とします。食べて美味しかった、楽しかった。
そういう体験をすると、またそこに行きたいと思います。」
 
「そうですね。」
「これは、自然な反応です。」
「はい・・・」
「喜びがあると、またその方法で喜びを得ようとする、
というのが、我々人間の本能です。」
「そうですね。」
 
「確かに、依存症の背景には、たとえば幼少期の愛情飢餓や、
何らかの心理的ストレスなどがあって、そこに、強い喜び、
強い刺激が入ってくることで、その刺激に依存してしまう、
という構図があるのは事実です。ですが、シンプルに、
美味しいお寿司をもう一回食べたい、というのと同じような
『その喜びをもう一度得たい』という基本的な反応も、
そこにあるのです。」
 
「なるほど。では、まいくんの場合、過去のマイナス感情や
愛情飢餓とは別に、女性の鎖骨にほくろがあって、それで
・・・何か性行為というか、そういう喜びを得た経験がある
から、それをもう一度得たい、という欲求が生まれている、
ということなんですね?」
 
「そういうことです。そちらの、喜びをもう一度得たい、
という欲求の方も、ちゃんと取り扱ってあげることが
大事なのです。」
 
「でも先生、それって、どうやって消すんですか?」
 
「消しませんよ。」
 
「えっ? では、どうやって・・・」
 
「もうすぐまいくんがいらっしゃいますから、
まあ見ていてください。」
 
「はい!」
 
 
ドアをノックする音が聞こえた。まいくんが来たのだ。
「どうぞ」ドクターが答えると、まいくんが入ってきた。
前回のセッションの時よりも、ずいぶん表情が明るい。
 
「先生、こんにちは。よろしくお願いします。」
「こんにちは。まいくん。今日もよろしくお願いします。
元気そうですね。」
「はい。おかげさまで。ずいぶん気持ちが軽くなりました。」
 
まいくんが着席すると、ドクターは質問を始めた。
「奥さまとはどうですか?」
「一度、してみたのですが、まだなんとなく、
やっぱり・・・ほくろもないですし・・・」
「なるほど、やっぱりまだ、奥さまを女として見る感じには・・・」
「なっていないです。」
 
「今日は、そのあたりを解決していきたいと考えています。」
「はい。ぜひお願いします。」まいくんは、ぺこりと頭を下げた。
 
そのあと、いくつか状況の確認のための質問をしてから、
ドクターは本題に入った。
 
「では、これから、統合のワークをしたいと思います。」
「はい・・・?」
「まあ、分からなくても大丈夫です。順に誘導していきますので。」
「お願いします。」
「まず、鎖骨のあたりにほくろがある女性を目の前にしたときの
感覚を思い出してみてください。」
 
「えぇと・・・はい。」まいくんの頬や、首のあたりが
ほんのり赤くなった。
「右手をこのように出して、そのときに感じる感情の
エネルギーを、その手の上に載せてみたとイメージしてみて
ください。」ドクターは右手の手のひらを上にして、
自分の前に出して見せた。
まいくんも同じように右手を目の前に出した。そして
・・・手の上には何もないのだが・・・その手の上にある
エネルギーを想像しているようだった。しばらくして言った。
「はい。」
 
「そのエネルギーに色や形があるとしたら、どんな色や形ですか?」
「えぇと。明るい赤紫色、ですね。まるくて、でも少し
ドライアイスの煙みたいに、輪郭がモヤモヤしています。」
「なるほど、赤紫で、丸くて、輪郭がモヤモヤしている・・・」
「はい。」
「温度や感触はありますか?」
「えぇと・・・生暖かい感じで、なんか、エロいというか、
独特の感じがします。」
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
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◆編集後記
 
いよいよ今年から、大人の心理学コミュニティー
【ココアミ!】を始めます。
毎月の講座と、会員の交流(たぶん、話の合う人が多いはず)
そんな、学びと仲間作りの場になればと願っています。
 
ココアミ!
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【ココヘル741】性癖を直す(5)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 741号 2016.12.29
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
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 起きている現象をよく観察し、それにより問題を「見立て」、
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現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針および、
セッション内のやりとりは、実際に行われたセッションを
元にし、ディテールは全て(プライバシーに配慮して)
入れ替えて制作しております。作品ですので、多少の
デフォルメはございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント ある性癖の持ち主
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め、どうやら何か、
まいくんの重要な過去の体験を探り当てたらしいのだが・・・
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
第三幕 今ここ 2
 
「その体験は、今この場で話せますか?大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫だと思います。」
 
その後、まいくんが話した内容は、かなり生々しかった。
曰く、まいくんは小学生の頃、少し気が弱くて、クラスの
女子からもあれこれ命令されるような、そんな児童だった
のだそうだ。6年生ぐらいの頃、近所の、ちょっと不良っ
ぽい中学生の女子グループに、下校中によく話しかけられ
るようになって、始めのうちはからかわれたりするぐらい
だったのだが、あるとき、公園の裏の、ほとんど誰も来ない
工場跡地に呼び出されて、裸にされて観察されたのだそうだ。
 
 女子の方も、ひとり上半身裸になり、露わな胸でまいくん
を抱きしめた・・・もちろんこれは、まいくんの反応を見て
楽しむためだったのだが・・・という、当時小学生だった
まいくんは、衝撃的な体験をしたのだった。
 
「その先輩(まいくんはそう呼んでいた)の、私から見て
左側だから、右の鎖骨のところに、くっきりと大きなほくろ
があったんです。」
 
「なるほど。ところで、今思い出した、その過去の出来事の
中で、その『先輩』に対して感じた感覚と、最近不倫相手に
対して感じた感覚、あるいは奥さまと出会った頃に少し感じた
感覚・・・えぇと、「吸い込まれそう」とおっしゃってまし
たっけ・・・それは、似ていますか?」
 
「はい。全く同じです。」
「なるほどね・・・では、どうやら、まいくんのほくろフェチ
の『ほくろに吸い込まれるような感覚』の正体は、その、
小学生の時の出来事から来る、未解決の感情だったようですね。」
 
「なるほどですね。こうやって解明してもらえると、
納得です。確かに同じ感覚です。」
 
「その時のことを、誰かに話しましたか?」
「いえ、当時は恥ずかしくてとても言えませんでした。」
「じゃあ、ずっと、胸にしまって生きてきた?」
「いや、大学生ぐらいの時に、男子同士の飲み会で話した
ことがあったんですけど・・・」
「もしかして『お前うらやましいぞ』的な扱いだったとか?」
「そう!そうなんですよ先生!私としては、凄く恥ずかしかっ
たし、ちょっと怖くもあったし、それでもその・・・アソコが
勃ってしまった自分が情けなくてアホみたいで・・・そういう
ことは言えませんでした。」
「そうですよね。ずっと抱えていて、苦しかったですね。」
「今思うと、そうだったのかもしれません。」
「その苦しさを、フタして分からないようにした・・・
無意識にですが・・・そのストレスが、ほくろフェチという形で
表に現れてきたのだと思いますよ。逆に言えば、そこをちゃんと
治してあげると、ほくろフェチの問題も、収まっていくはずです。」
「先生、これで治るんですかね?」
 
「今日のセッションだけでも、随分軽くなるはずです。
でも、これだけだとまだ十分じゃないと思っています。」
「はい。」
「まず、あと、残りの時間で、『ゆるしのワーク」をやりましょう。」
「はい。」
 
ドクターは、なつをに椅子を持ってこさせると、
ゆるしのワークを始めた。
「悪くないんだよ」
「よく頑張ったね」
「優しい子だね」
の三つのゆるしの言葉を、過去の自分にかけてあげるワークだ。
まいくんは、あの、小学生の時の衝撃的な体験をした、
過去の自分に、何度も何度も、ゆるしの言葉をかけていた。
 
「先生、随分軽くなりました。こういう根っこを抱えていない
方って、こんな風に軽い気持ちで毎日生きているものなんで
しょうか?」
 
「私も、全ての人の感覚が分かるわけではないですし、
他の人の感覚って、知るのが難しいですから、何とも
言えませんが、たぶん、そうだと思います。」
 
「これで、治りますかね?」
 
「そうですね、これで、随分良くなると思いますが、次回、
もう少し仕上げをしたいと考えていますので、今日やった
『ゆるしのワーク』はご自宅で、何度か見よう見まねで
いいですから、やっておいて下さいね。」
 
「次回は、何をするんですか?」まいくんが尋ねた。
 
「そうですね。説明すると長くなりそうなんですが・・・
今回は、ほくろに向かっていくときのネガティブな感情を
癒すワークをしました。次回は、まいくん、ワークが終わった
今でも、ほくろを見ると、何か興奮というか快感というか、
プラスの感情を感じて、そこに向かっていきたくなる感じ、
持っていますよね?」
 
「あ、確かに持ってます。以前より『得体の知れない感じ』
はなくなりましたけど、でも、やっぱり、何かそこに向かって
いきたくなる、というか、そうですね、純粋に興奮するとか
求めたくなるとか、そういう感じはまだあります。これは、
家で先ほどのワークを繰り返したら消えて行くもんなんですか?」
 
「いえ、おそらくそれは、消えないと思います。プラスの
感情というか衝動・欲求、ですよね。人間は一度快感を
感じたものは、もう一度やりたくなるわけです。そこに負の
感情をフタしている、というような要素が加わると、
さきほどの『得体の知れない感じ』などが現れたり、
現実的には依存症になったりするわけです。」
 
「はい。」
 
「ネガティブな感情を癒す方は、ですから、大事なんですが、
それだけではなくて、どんな女性に『女』を感じて興奮するか、
みたいな性的嗜好の部分は、これまでに、どんな女性と楽しい
想いを共有してきたか、どんな女性といいセックスをしてきたか、
みたいな経験も含めた、プラスの経験が関係しています。」
 
「それを消すと。」
 
「まあ、それは次回のお楽しみ、ということで。
消したらもったいないでしょう?
 せっかく楽しい思い出があるのに。」
 
「なんだか、楽しみになってきました。」
 
「では次回。おたのしみに。」
 
「はい、では次回。おたのしみにしてます。」
まいくんは、わざと「お」を付けて言い、
ドクターと二人で笑って、そして部屋を出て行った。
 
 
(つづく)
 
 
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◆編集後記
 
今年も一年、ありがとうございました。
ココヘル(まぐまぐ版)の配信はこれでおしまいです。
また来年、よろしくお願いします。
 
ここまでの解説を、ココヘル+の方で配信しますので、
そちらの方も、どうぞお楽しみに。
 
よいお年をお迎えください。
 
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【ココヘル740】性癖を直す(4)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 740号 2016.12.29
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
★あづまの個人セッション
 起きている現象をよく観察し、それにより問題を「見立て」、
 適切な解決の指針を立てる。個人セッションならではのメリット。
 プロの目が入ることの「キレ味」と「安心感」を体験して下さい。
 対面セッション
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 電話セッション
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http://bit.ly/12X06ZC 
 
 
 
現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
本作品は、フィクションですが、
症状、問題の原因、解決の指針および、
セッション内のやりとりは、実際に行われたセッションを
元にし、ディテールは全て(プライバシーに配慮して)
入れ替えて制作しております。作品ですので、多少の
デフォルメはございます。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント ある性癖の持ち主
 
今回までのあらすじ
 
ゆり子は、祖父のノート「恋愛ドクターの遺産(レガシー)」を
読んで、心が軽くなったなど、効果を感じたので、父に送って
もらった残りのノート(箱入り)のうち、また一冊を開いた。
そこには、女性の鎖骨にほくろがある女性にしか興奮しない、
という性癖の男性のセッションが記録されていた・・・
そんなもの、治せるのか?といぶかるなつををよそに、
恋愛ドクターは、淡々とセッションを進め・・・
 
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
第三幕 今ここ
 
「まいくんが、鎖骨のほくろに興奮するときの感覚を、
できるだけ詳しく、言葉にしてみてほしいんです。」
ドクターは言った。
 
「えぇと・・・」五十代半ばのまいくんが、
少し恥ずかしそうにした。
ドクターはその変化を見逃さず、すかさずこう付け加えた。
「もし・・・不倫相手とか、そうですね、一般的には
不適切な関係のことをどうしても扱わなければならない
場合でも、この場では「何を言ってもいい」というルール
でやりますし、守秘義務は守りますので、ぜひ、心に一番
正直になって、話して下さい。」
 
「はい。実は、そうなんです。最近ほくろに興奮したのが、
その相手なので・・・」
「このセッションの中では、何さんとお呼びすればよい
ですか? イニシャルなどでも構いませんが。」
「みちこ・・・なのでMでお願いします。」
「では、Mさんですね。いままいくんは何を思い浮かべて
いましたか?Mさんの鎖骨のあたり?」
「はい。そうです。そこにほくろがあって・・・
手を触れて・・・」
「そう、そのときに、どんな感覚がありますか?
 今度はまいくん自身の感覚を探って下さい。」
 
まいくんは、目を閉じて、自分の感覚を探っている
ようだった。
「まず、意識がほくろのところに『ぎゅーっ』と
吸い込まれるような、引き込まれるような感じです。
そこに吸い付きたくて、食いつきたくて、居ても立っても
いられないような感じ・・・あ、この感じは、遠足の
前の日にそわそわしてしまうときの感じを100倍
ぐらいにしたみたいな感じです。」
「その、そわそわする感じは、
体のどの辺で一番強く感じますか?」
「ええと・・・胸のあたりかな・・・ですね。あっ、
それと、腰のあたりというか下腹というか、この骨盤の
中のあたりなんですけど、じわーっと、独特の気持ち
よさというか温かさを感じます。言うのはお恥ずかしい
ですが『勃ってくる』ときに感じる感覚と言いますか・・・」
 
「なるほど。結構頑張りましたね。なかなか、
上手に表現したと思いますよ。」
「ありがとうございます。」
 
(でも結局、ほくろに興奮する、という話じゃないの)
なつをは思った。ほくろに興奮するのが彼の性癖なの
だったら、もうそれは、変えられないものではないのか。
先生は細かく色々訊いているけれど、それを訊いたから
といって、何かが解決できるとは思えなかった。でも、
先生が考えている道筋は、今まで、大抵の場合正しかっ
た。つまり今も、先生は何か考えているはずなのだ。
それが何なのか、なつをには想像もつかなかった。
自分と先生の観察力、洞察力の差があまりに大きい
ことに、なつを愕然とした。
 
「ちょっと5分ぐらい休憩しましょう。」ドクターが
言った。
 
珍しいな。なつをは思った。セッション中に先生が休憩を
提案することは珍しい。先生は思考能力が高い人だし、
根性も持続力もある。先生自身が疲れて休憩する、
ということは見たことがない。(もしかすると、
クライアントの負担を考えたのかもしれない)
なつをはそう思った。
 
休憩時間は、皆、無言だった。なつをが持ってきた温かい
麦茶をすする音だけが聞こえていた。
休憩後、再びセッションが始まった。ここでなつをは、
なぜ休憩を挟んだのか、その意味がよく分かった。
やはり先生はクライアントの負担を考えたのだ。
 
「あの、先ほどのお話の中で思ったんですが、ほくろの
ある女性を『好き』というのとは、何か違うな・・・
と感じたんですよね・・・」
 
「えぇ、言われてみるとそうかもしれません。ステキだな、
好きだな、という感覚とは、確かに違っています。
なんと言うか・・・引き込まれる、吸い込まれる、
あ、そうそう、視界が狭くなる感じもあります。」
「へぇ、そこに引き込まれて、吸い込まれて、
視界が狭くなる・・・と。」
「はい。」
 
まいくんは、しばらく天井の方に目を向けていた。
そして、こう言った。
「カミサンと出会ったときも、少しだけそういう感覚が
ありました。今関係を持って・・・いや、今はもう別れて
いるんですが・・・その女性との時は、この感覚です。
かなり吸い込まれる感じでした。」
 
「何か気になりますね、その感覚。」
 
そう言いながらドクターは、ホワイトボードに一コママンガ
を描いた。マンガ、というには絵は下手だったが、
セッション用に使う分には十分分かりやすかった。
そして、説明と質問を始めた。
 
「ここに、先ほどの、まいくんが居ると思って下さい。」
てるてる坊主のような形の線画で「人」を描き、それを
指さしながらドクターは言った。
「そして、目の前には」と言いながら同様の「人」を描いた。
こちらの人は女性らしく、髪の毛が簡単に描かれた。
そして、肩のしたのあたりに、点も描かれた。ほくろらしい。
「鎖骨のあたりにほくろがある女性がいます。このとき、
まいくんは、どんな気持ちになるでしょうか。どんな心の声が
湧いてくるでしょうか。このほわっほわっほわっ、と広がる、
心の声の吹き出しの中に、ピッタリの言葉を入れるとしたら、
どんな言葉が入りますか?」
ドクターはそう言いながら、心の声を表す、丸い吹き出しを
図に書き加えた。
 
「えぇと・・・」まいくんは口ごもり、深刻なまなざしで
ドクターの描いた図をじっと見続けていた。
 
「『わぁ』でも『うぉー』でも、何でもいいので、
何か言葉にしてみましょう。」ドクターが促した。
 
「あぁ、そうですね。『うぉー』とか。」
ドクターは自分の描いたマンガの吹き出しの中に
「うぉー」と書き加えた。
「あ、ちょっと違いますね。『うぉー』というよりも、
『うわー』かもしれません。」まいくんが訂正した。
「なるほど、『うわー』ですね。」ドクターは先ほどの
言葉を消して、「うわー」と書き直し、
そして、続けて言った。
「『うわー』ですと、内なる衝動の言葉というよりは、
何だか、外敵がやってきてびっくりしているというか、
むしろ逃げたい感じに聞こえますね。では、ほくろを前に
しているところを想像しながら『うわー』と言ってみて
下さい。」
 
「うわー」
「もう一度、『うわー』」
「うわー」
 
その瞬間、まいくんの表情が急にゆがんだ。
「あぁ、逃げたい、逃げたい、うわー!」
 
ドクターは落ち着き払って、さらに続けて質問をしていく。
「何が思い浮かんだんですか? 何から逃げたい?」
 
まいくんは、ハッと我に返って、「あぁ、すみません」
とひと言謝った。そして続けた。
「実は、私の初めての女性体験というか、実際、性行為
までしたわけではないんですけど、その体験がよみがえって
きました。」
「そうですか。なにか、現在の悩みと、重要な関係が
ありそうですね。」
 
ついに先生が「食いついた」なつをは思った。どうやら
先生は、この瞬間にまいくんが思い出した過去の出来事が、
まいくんのほくろフェチと深く関係があるに違いないと
睨んでいるようだ。
(しかし、いったいどんな体験なのだろう?)なつをは興味を
持った。大体、先生はいつも、クライアントの過去の体験の
詳細を聞く前に、その体験が「重要である」ことを知っている。
これがいつも神がかっているように感じる理由だ。
いったいなぜ、先生は、体験の具体的な内容を聴く前に、
その体験が現在の悩みと深く関係していることを見抜くの
だろう・・・
しかも今まで、先生の直感は、ほぼ外していないのだ。
 
「その体験は、今この場で話せますか?大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫だと思います。」
 
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
まとめ読みには便利かも・・・
あづまやすしのサイコロジーな毎日
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◆編集後記
 
今年も一年、ありがとうございました。
あと1号くらい、配信しようかと考えています。
まあ、読みものですので、気楽にお付き合い下さいませ(*^_^*)
 
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【ココヘル739】性癖を直す(3)|恋愛ドクターの遺産第二話

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 739号 2016.12.27
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
★あづまの個人セッション
 起きている現象をよく観察し、それにより問題を「見立て」、
 適切な解決の指針を立てる。個人セッションならではのメリット。
 プロの目が入ることの「キレ味」と「安心感」を体験して下さい。
 対面セッション
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 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
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現在は、私の伝えたいセッションの理想を、
小説風にしてお伝えしようと、
作品を書いています。まあ、読みものとして
楽しんで頂ければと思います。
 
また、少しまとめて、解説を「ココヘル+」の方で書きたいと
考えていますので、物語だけではなく、心理学の学びがほしい、
という方は、そちらも合わせてご活用ください。
 
ココヘル+
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
【登場人物】
(現在の人物)
 ゆり子 父からノートをもらった。離婚するかどうか悩んでいる
 幸雄 ゆり子の夫。 仕事はできるが共感力のない人。
(ノートの中の人物)
 恋愛ドクターA ゆり子の祖父(故人) ノートを書いた本人
 なつを ドクターの助手
 まいくん 今回のクライアント ある性癖の持ち主
 
 
恋愛ドクターの遺産(レガシー)
第二話 性癖を直す
 
第二幕 2
 
 そろそろ今日も、まいくんが来る時間だ。
 
・・・
 
「こんにちは、先生。」
「まいくん、こんにちは。」
 
お互い穏やかに挨拶をして席に着いた。
 
「まいくん、今日はまいくんの『フェチ』・・・
つまり現在夫婦問題の中心課題になっているそれですが・・・
それについてお話をしたいと考えているんですが・・・」
「はい。私もそうして頂きたいと思います。」
「ですが、その前にひとつ、確認したいことがあるんです。」
「何でも聞いてください。」
 
「それは、もしまいくんが、女性の鎖骨にあるほくろに
興奮するのでしたら、奥さまの鎖骨にもほくろがある、
ということなんでしょうか? だとしたら、なぜ奥さまの
ほくろには反応しなくなったのか。逆に、ほくろがない、
ということでしたら、じゃあどうして、奥さまのことを
好きになったのか、という疑問が湧いてくるわけです。」
 
 なつをはちょっと赤面してしまった。いきなり生々しい
会話が始まった。ほくろに興奮するかどうかの話だ。
 
なんだか、自分の鎖骨も見られているような気がして
恥ずかしくなってしまった。もちろん白衣を来ているし、
その下にも色々着込んで隠れているので、実際には見ら
れるはずがないのだが。
 
「実は先生、妻の鎖骨には、結婚前にはほくろがあった
んです。でも、いつの間にか薄くなっていって、今では
ほとんど見えません。その頃からですね。他の女性を
求めたくなってしまったのは。」
「なるほど。まいくんが魅力を感じていた「ほくろ」を、
奥さまは、かつては持っていた。でも、次第に消えて
しまった。なかなか悩ましい展開ですね。」
 
「そうなんですよ。自分でも、こんな風になるなんて、
想像もしていませんでした。」
「奥さまは、まいくんがほくろフェチであることを
ご存知なのですか?」
「はい、知っています。知っているからこそ、自分の
ほくろが消えてしまったことに責任感を感じてもいる
ようで・・・でも、ほくろなんて頑張っても濃くできる
ものでもありませんし、責任を感じる必要はないの
ですが・・・」
「そうですね。でも、現実問題、ほくろがないと、
まいくんが自分に・・・この表現が適切か分かりませんが
・・・『女』を感じてくれない。その事実は、重く
のしかかっているわけですよね。」
「はい。お互い辛いけれど、
どう解決していいのか分からないんです。」
 
なつをがここで割って入った。
「つけぼくろをしてもダメなんですか?」
ドクターとまいくんが同時になつをの方を見た。
「あ、いや、なんとなく思いついたものですから・・・」
少し狼狽した様子で、なつをは言った。
 
「そうですね。それはやってみたんですよ。」
まいくんが答えた。
「ただ、最初のうちは、少しはよかったんですが、
次第に・・・なんと言いますか・・・ほくろと付けぼくろを
見分ける目が肥えてくると言うんでしょうか・・・
こんな「ほくろの目利き」みたいな能力、肥えなくて
全然結構なんですけど・・・」そういいながらまいくんは
苦笑した。
 
あ、これは、あとで先生に怒られるパターンだとなつをは
思った。以前も言われたことがある。「問題を聞いて、
パッと最初に思いつくような解決策は、クライアントは
大抵すでに試し済みなんです。だから、そのような浅い
アドバイスをするようでは、プロとして信用されないの
です。」あーあ、またこのことで怒られる・・・口に
チャックできないのが自分の欠点だ、となつをは思った。
 
「そうですか。やっぱりつけぼくろ、やってみますよね、まず。」
「はい。やってみました。」
「それで解決するなら、相談には来ないですよね?」
「はい。仰るとおりです。」
 
やっぱり、こんな問題解決不可能だ。なつをはそう思い
始めた。でも先生を見ると、全くそんなことは思って
いないようだった。
 
「ではようやく、今日の一番の本題に入りたいのですが。」
「はい、お願いします。」
「問題が、一見解決不可能に見えるときは、私はまず、
そもそも何が起きているのか、よくよく観察することに
しています。今日はそのプロセスに、少々お付き合い
頂きたいんです。」
「はい、お願いします。」
 
「まいくんが、鎖骨のほくろに興奮するときの感覚を、
できるだけ詳しく、言葉にしてみてほしいんです。」
 
 
 
(つづく)
 
 
こちらにもアップされています。
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★「阿妻式恋愛眼力トレーニングDVD」
 21日間のトレーニングで学ぶ 潜在意識レベルの変容を目指した、
 セラピースキル満載の恋愛パターンの改善プログラムです。
http://bit.ly/12X06ZC 
 
 
 
ご相談のご用命は、こちらから。
 
★恋愛・人間関係コンサルティング(旧名称:恋愛セラピー)はこちら。
 
 個別に丁寧に、問題を紐解き、解決策を提案しております。
 https://www.556health.com/consulting.html
 
 
 
◆ココヘル主催のワークショップ・セミナー一覧はこちら
 https://www.556health.com/work.html
 
 
◆編集後記
 
いま、低糖質のスイーツ、次のテーマとして、
タルトを研究しているのですが、タルト台はなんとか
できそうな気がしてきました。糖質80%オフぐらいで。
あとは、詰めるものですね。タルト意外と複雑だ・・・。
 
┏━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━┓
 ◆女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学
 祝!TBS・日テレ・フジテレビ出演(目指せNHK!)
 ◆ご意見、ご感想お待ちしています。このまま返信!
 ・頂いたメールは、事前確認なく掲載することがあります。
 ・お名前はイニシャルにします。
 ・メール相談は行っていません。また、多数のメールを頂くた
  め、個別の返信はできないことがございます。
 もっと幸せな恋愛・結婚生活・人間関係を求める方に情報提供
 をするのが本誌の目的です。ご自身の責任にてご活用下さい。
 ◆制作:阿妻靖史(あづま やすし 恋愛セラピスト)
 ◆自己紹介はこちらです↓(声の自己紹介があります!)
  https://www.556health.com/archives/2005/07/post_5.html
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