正しいことを「正しい」と言うのは正しいか?(浮気を問い詰めることを例として)

 

マイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室(DVD)」見ました?名作です。
それにものすごく影響を受けて、ブログ上ではありますが、議論をしてみたいと思っています。
 
浮気ななぜいけないのか?
では、多くの真剣なご意見ありがとうございました。
 
 
今度議論したいと考えているテーマは、
正しいこと(があるとして)を主張するのは正しいのか?
というテーマです。少し具体例を挙げて考えていきたいと思います。
 
 

今回のテーマです

 
結婚6年目の主婦A子。
旦那との間に2歳の男の子がひとり。
あるとき、置きっぱなしだった旦那の携帯をちらっと見たら、
mixiのメッセージが表示されていて、それがきっかけで、
浮気が発覚。
 
確かに、妊娠中とか、授乳中とか、自分のこと、子供のことに
かまけて、旦那さんの手綱を放してしまっていたなど、反省点は
あるけれど、頑張って良き妻、良き母をしてきたのに、旦那は
そんなことをしていた。
(つまり、旦那さんの方に、責任があると考えて下さい)
 
A子はそれとなく浮気を疑っている旨を伝えてみた。
しかし旦那はシラを切り続けている。
しかも、その後もmixiをみると、以前通りの関係を続けている!
反省して引き返すとか、一切考えていない!
 
 
ついにA子は、腹に据えかねて
「ちょっとアンタ、いつまでシラを切り通すつもり?
 怪しいと思ってから、事を荒立てないようにそれとなく伝えたけれど、
 全く反省の色もないし、相変わらず続けているでしょ○美さん(不倫相手)と。
 どういうつもりなの!!」
 
 
その日はさすがに、旦那もおとなしく聞いていましたが、
しかし、その相手との関係は切れることなく続いていたのです。
 
 
そしてついにA子は、意を決して、決定的な行動に出ます。
 
まず、これまでに集めたmixiメッセージなどの証拠を元に、興信所に依頼し、
(行動パターンが分かっていたので)彼女と会っている証拠写真を押さえました。
 
そして、彼の両親に写真を送り「やめるように言って下さい」
さらに、彼の職場の上司にも注意してくれるように依頼しました。
浮気相手の○美さんには、慰謝料請求する旨を内容証明つきの郵便で送りました。
 
 
さて。
 
この旦那さん、ちょっと浮気症っぽいんですね。
だから、普通に伝えただけでは解決しない可能性も高いし、
ましてや、良い妻を演じていれば戻ってくるという楽観論は通用しません。
…ということがほぼ分かっているとします。
 
 
それでも、A子さんの行動に対して、どことなく、やりすぎな感じを受ける人は
いると思うんですね。逆に、そのぐらい当然だというご意見も歓迎します。
 
 

今回、議論したいこと

 
ということで、今回の議題は、
正しいことをA子さんのように「正しい」と主張することは正しいのか?
正しいことを主張する、よい主張の仕方はあるのか?
 
といった、
 
正しいことの基準そのものではなく、
それを伝えるときの伝え方
 
について考えていきたいと思います。
 
 
 
ご意見大募集中です。
 
まずは、上のA子さんの対応について、どう感じるか。
あるいは、自分がA子さんの立場なら、どう行動すると思うか。
 
そのあたりのご意見を頂ければ嬉しく思います。
 
 
ちょっとだけ、論点を先取りして書いておくと、
A子さんの対応が「やり過ぎ」だとすると、それはなぜ、やり過ぎなのでしょうか?
 
A子さんが修復を考えていて、でも、あのやり方だと別れにつながる可能性が高い、つまり、A子さん自身の利益のため、もっと嫌な言い方をすると、「旦那さんに捨てられないために、直球はやめて、ソフトな言い方をすべき」というのが、やり過ぎない方が良い理由なのでしょうか?
 
それとも、もっと別の、本質的な理由があると考えますか?
 
(再度確認しておきますが、やり過ぎではないという意見も歓迎します)
 
 
正直、「浮気はなぜいけないのか」の議論よりもさらに、これを書いている時点で、どんな方向に進むのか、実は予測できていないので、ますます「正解のない議論」になりそうです。
 
ですので、まとまってなくても大歓迎です。
ぜひ、感じたこと、考えたことを書いてみて下さい!

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浮気の清算は、借金の清算に似ている

浮気の清算は、借金の清算と似ている。恋愛セラピストとして、日々、男女関係の悩みに向き合っていて、感じていることです。奇しくも同じ「清算」という字を書きます。浮気を始めたときは、そこまで大変なことになるとは思っていなかった。

浮気の清算は、借金の清算と似ている。
 
恋愛セラピストとして、日々、男女関係の悩みに向き合っていて、感じていることです。
 
奇しくも同じ「清算」という字を書きます。
 
 
浮気を始めたときは、そこまで大変なことになるとは思っていなかった。

楽しんだ(あるいは、苦しさから逃げた)

後戻りできなくなったり、修羅場を経験したりした。

別れなければならないが、別れたくないし、どうしようもない。
 
 
浮気(不倫)の結末として、こんな風になることが、確かにあるんですね。
 
 
こういう構図と似ていると思いませんか?
 
お金を借りたときは、そこまで大変なことになるとは思っていなかった。

楽しんだ(あるいは、苦しい生活の足しにした)

返済額がかさんで、どうにもならなくなってきた。

いつかバレルに決まっている、今は公表する勇気がない、どうしようもない。
 
 
 
借金の場合も、収入と支出の差で、もともと赤字だったり、問題があるのを放置してきた結果、積み上がってしまうわけですが(しかも経済状況など、必ずしも本人の責任に帰することができない「状況」の問題もあります)、
 
浮気の場合も、もともと親からもらった愛情に関して愛情不足、愛情飢餓を持っていたり、何か「感情の借金」「精神的成長の借金」と言えるものがあるように思います。そしてそれは、必ずしも本人の責任に帰することができない、生育環境などの影響も大きいものです。
 
 
しかし、問題を放置しておくことは、解決にはつながりません。
いつか、向き合わなければならない日が来ます。
 
 
苦しいかもしれないけれど、浮気・不倫の道に入ってしまい、こじれてしまった場合、それは、負債はいつか返さなければならないのと同じように、いつか向き合わなければいけない「人生の負債」になっているのです。
 
特に、相手との関係がこじれていて、バレずに全部清算しようと思っても難しいと感じる場合。もうそれは、つらいかもしれないけれど、現実を公表して恥をかき、あとは粛々と整理していくしかないでしょう。
 
向き合うための気持ちの整理に恋愛セラピーなどを利用していただくのは、良いことだと思います。但し、やはりその現実と向き合うことができるのは、自分自身だけ。
 
他人は、あなたの人生を代わりに生きることはできないのです。
借金と違い、誰かが肩代わりすることは、不可能なのです。
 
 
苦しくても、ぜひ、一歩前に踏み出すと決めて下さい。
そこから、解決が始まります。

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失恋した元カレが忘れられないときの解決方法

別れたけれど元カレが忘れられない。それが長く続くなら要対策です。失恋したあと、元カレが忘れられないと感じるのは自然なことですが、なかなか元カレへの執着が断ち切れない場合は、まだ本当の気持ちにたどり着いていなかったりと、メンタル面のテーマがそこに潜んでいます。

別れたけれど元カレが忘れられない。それが長く続くなら要対策です。失恋したあと、元カレが忘れられないと感じるのは自然なことですが、なかなか元カレへの執着が断ち切れない場合は、まだ本当の気持ちにたどり着いていなかったりと、メンタル面のテーマがそこに潜んでいます。
 
 
 
失恋したあと、元カレが忘れられないと感じるのは自然なことです。
人は、長く一緒にいた相手に愛着を感じ、その相手との喜びが続くことを前提にするようになります。それが急になくなってしまえば、今まで得られていた喜びや安心が得られなくて寂しく思ったり、それが高じて不安になったりするものです。
 
そのときに、寂しさをしっかり感じ、不安な気持ちに自分自身で寄り添い、また一人で抱えきれないときは誰かに寄り添ってもらい、そうやって感情を感じることで癒していけば、次第に解消していきます。
 
寂しさ、不安、そして、最後は喪失の悲しみをしっかり感じて、心の中でのお別れが終わるのです。
 
 
なかなか元カレへの執着が断ち切れない、なかなか元カレが忘れられないと感じる場合は、まずは上に挙げた寂しさ、不安、悲しみのうち、感じるのが苦手な感情がないか考えてみて下さい。ひとつでも残っていると癒しが進まないことがあります。
 
 
そして、寂しさ、不安、悲しみに問題がなさそうだ。でも、どうしても進まないという場合は、おそらく問題は怒りでしょう。
 
怒りはとても強い感情で、かつ制御しづらく、特に女性は押さえ込みがちな感情です。
女性はあまり怒らないように親からしつけられたり、社会から期待されているということも関係あるのではないかと私は考えています。
 
 
怒りと被害者意識は深い関係があります。
相手のせいで私は辛い目に遭っていると思う(被害者意識)から、怒りがわくのです。しかし、表面意識では「そんな子供みたいなこと、思ってはいけない」と考えるから、その感情を否定し、押さえつけます。
 
逆説的ですが、それでは癒しは起こらないですし、自分の感情に自分で責任を持つという、本当の意味での自己責任も果たせないのです。
 
相手にぶつけたり攻撃するのは間違っていますが、安全な形で怒りを表現して整理することが求められています。
 
恋愛セラピーなどを使うと解決は早いですが、一人で取り組むこともできます。
ノートに、元カレに言いたかったことを、汚い言葉でもいいからどんどん書いてみる。
そうやって、怒りを整理していきます。
 
 
ある程度怒りを整理したら、今度は、
 
実は怒りがわくというのは、相手に何かを期待している場合がほとんどですので、
 
私のどんな期待が裏切られたから怒っているのか、それを書いていきます。
 
 
たとえば、彼が「別に好きな人ができたから別れてくれ」と言ってきた。
私は「そんな勝手に!ずるいじゃない!」と怒りを感じた。
という状況があったとしますね、
 
私はどんな期待が裏切られたから怒っているのか、それを考えて書きます。
 
「そうだな…私が怒っているのは…彼に嫌われないように、自分の希望を抑えて、デートの行き先とか、食事とか、彼の思い通りにさせるようにしていたから、彼もそれに応えてくれると思ったのに…全然分かってくれてなかった!それが腹立つ!」
 
そんな風に。
不思議なもので、怒りの元になった、別の感情にたどり着くと、怒りはすっと穏やかになることが多いのです。
 
 
まあそんなわけで、
寂しさ、不安、悲しみを(多くの場合順に)感じていくことで、別れた元彼に対する気持ちを整理していくことができる、それが基本ですが、もしもそのプロセスが滞っていると感じる場合は、
 
上に書いたように、怒りがどこかで詰まっているのではないか、そう考えてみることが役に立ちます。
 
失恋は次の恋への第一歩です。
上手に水に流して、ぜひ、幸せに向かってほしいと思います。
 
 
 参考記事(こちらもぜひご覧になって下さい)
失恋した元彼との復縁方法を探しているあなたに辛口アドバイス
 
別れの辛さを癒す方法
 
執着 【しゅうちゃく】 ?別れた元彼が忘れられない心理?

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家族のうつ|介護されていたのは、僕だったのかもしれない

 

うつ病支援アドバイザーの川田泰輔さんの著書です。
 
介護されていたのは、僕だったのかもしれない
 
うつ病って、本人もしんどいけれど、周りの家族も、長期戦になりやすいので、大変なのです。
 
 
一説には、うつ病は母親を求める状態だとか。無条件に、わがままを言っても受け入れてくれる母親を。
でもね、家族はその人のお母さんじゃない。それぞれ、自分の人生があるのです。
だから、うつ病の患者さんのことを最優先にしすぎると、この本の中でも「もらいうつ」と書かれていますが、家族も共倒れになってしまう。
 
 
この本は、実際の体験を元に、教訓や、心の持ち方などを教えてくれます。
家族がうつになった! という方は、手に取ってみられてはいかがでしょうか。
なにかきっと、得るものがあると思います。
 
手を抜いて、心を込めようをモットーに。
 
介護されていたのは、僕だったのかもしれない

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カップルカウンセリングもお受けします

 

恋愛セラピーでは、カップルでのカウンセリングも歓迎いたします。
1枠単位の料金ですので、カップルでいらっしゃる場合も申込方法、料金共に通常の恋愛セラピーと変わりありません。
 

カップルカウンセリングのメリット

 
お二人がいらっしゃるわけですから、仲を改善するための行動課題などを、お二人納得の上で決めることができます。一人だけが頑張って、パートナーはやる気ナシ、という状況よりも、解決の可能性が格段に高くなることは、容易に想像できるかと思います。
 
また、アサーティブなコミュニケーションの練習など、二人がいなければできないテーマもあります。
 
こうしたメリットを十分に活かして頂ければ、カップルでいらっしゃるメリットが生きると考えます。
 
 

カップルカウンセリングのデメリット

 
一番のデメリットは、仲が険悪になっているときや、一方が支配的な場合など、本音で話しづらくなってしまう危険性がある、ということだと思います。特に、カップルの一方が相手の監視が動機でいらっしゃる場合は、むしろお一人ずつカウンセリングを受けて頂いた方が有意義だと考えています。
 
また、カップルの仲が険悪になったり、浮気などの問題行動が起きるケースの多くで、幼少期に親からもらえなかった愛情をパートナーに求めていて(たとえば子供時代に孤独だったので、絶対に私を孤独にしない人をパートナーに選ぶ、といったことです)、パートナーがそれに応えきれないので、様々な歪みが生じている、ということが根本の原因になっています。
 
こうした問題に対処するためには、心理セラピーの技法を使って、根本の原因が作られた時期の意識状態に戻って、解決のための取り組みをする必要があります。
 
そのために、心理セラピーの技法を色々工夫して解決に当たっています。1時間45分という枠は、お一人の方に対してセラピーを行うための、必要十分な時間として設定していますが、お二人がいらっしゃる場合、二人分のセラピーを行うには、時間が不十分です。これが二番目のデメリットです。
 
 

カップルカウンセリングの活かし方

 
以上のメリット、デメリットがあることをご理解の上、ご利用頂きたく存じます。
オススメは、カップルでのカウンセリングと、お一人でいらっしゃるカウンセリングと、柔軟に取り入れて取り組まれることです。
 
また、カップルカウンセリングを有効に活かすためには、ある考え方が重要になります。
 
それは、どちらか一方が、より難しい課題を抱えていることも、現実にはあるわけですが、その場合、相手方はサポートする側に回る、という考え方です。
 
たとえばあなた(男性)が、妻が感情的すぎると感じていて、それを直すためにセラピーを受けさせたいと考えたとすると、セラピーの時間はたったの2時間弱、対して、生活は1日24時間もあります。生活の中での出来事の方が影響力は大きいですから、カップルカウンセリングで「サポートのための課題」をお出ししますので、それをあなた(夫)が妻のために実行する、ということです。
 
逆にあなた(女性)が、夫が浪費癖があるので、それが原因でケンカになり、夫にセラピーを受けさせたいと考えたとします。セラピーの中で夫の幼少期からの課題が浮かび上がってくるかもしれません。相手を悪者にするのではなく、相手の問題解決、成長のためにあなた(妻)がサポートすることが必要です。
 
このように、どちらか一方が、相手方よりより大きな課題を抱えている場合は、相手方はサポートに回る気持ちでカウンセリングにいらっしゃってほしいのです。
 
 

注意:セラピストは”中立”を保ちます

 
カップルでいらっしゃる場合に、セラピストはあくまで中立の立場を取ります。中立というのはなかなか分かりづらい概念ですが、お二人の仲がよくなり、二人が成長し合える建設的な関係になるために、最適な働きかけをする、という意味だと思って下さい。
 
ですから、
男性の味方をするわけでもありませんし、
女性の味方をするわけでもありませんし、
妥協して真ん中に立つわけでもありません。
 
お二人の関係が建設的なものになることを目的として、場合によっては夫に苦言を呈することも、妻に苦言を呈することもあります。
 
また、まれに、セラピストに「私の味方になって!」と、カップルカウンセリングのあとにメールを送ってこられる方がいらっしゃいますが、これは中立を保つ上でマイナスに働きます。
 
ですので、私からカップルの相談者さんへのご返信は、お二人に同じ内容を送ることにしています。この点は厳密にやりますので、ご了解下さい。また、同様の理由で、予約受付は直接対応せず、事務局の山本が担当しています。
 
 
これらのポイントにご納得の上、カップルカウンセリングをお申し込み下さい。
お申し込みは、通常の恋愛セラピーのお申し込み画面からお願いします。
そしてぜひ、有効に活かして頂きたいと思います。

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引き寄せる相手を変える秘訣?内面を大事にしよう

 

今日は、人間関係のケミストリーについて書きたいと思います。
 
不本意ながら、なぜか困った人ばかり周りに増えて困る、というケースについてです。
 
潜在意識の立場から、説明していきたいと思います。
 
 
まず、下図をご覧下さい。
私は、人間関係を、化学反応の分子の衝突モデルと同じように考えています(前職の私を知っている人はきっと笑ってると思いますが)。
 
化学反応では、分子はランダムに衝突し、ある確率で結合が生まれます。分子の性質によっては結合が生まれず、そのまま去っていくこともあります。
 
人間関係も、同じようなものだと思います。
ある程度、どんなコミュニティーに属しているか(どんな成分の溶液の中にいるか)によって、出会う人の種類は違っていると思いますが、基本的に、困った人に出会っちゃうのも、たまたまです。
 
人と人がランダムに出会い、その後くっついたりくっつかなかったりする図
 
ところが、大事なことはそのあとです。
出会ったあと、くっついたままになるのか、離れるのか。
それは、たまたまじゃないんですね。
 
二人の人間性、心の状態、考え方などが影響します。
とりわけ大事なのが、潜在意識の中にある、
“世界に対するイメージ”です。
 
この概念をぴったり説明する心理学用語を知らないので、とりあえずここでは“世界に対するイメージ”と表現しておきます。
 
 
たとえば、こんな状況を考えてみます。
Aさんはいつも、Bさんから高圧的で上から目線の接し方で関わってこられて、困っている。
でも、考えてみると、Aさんはそういう人間関係がいつも多いんですね。なぜか、踏みにじられることが多い。
 
Bさんだけいつも高圧的な関係性を表した図
 
そんな時、潜在意識の中にある“世界に対するイメージ”を考えてみる意味があります。
 
下図をご覧下さい。
 
Aさんが「自分が責められる」イメージを持っている図
 
Aさんは、実は、世界に対するイメージとして、他人は自分より上で、強くて、自分は責められるものだというイメージを持っているのです。だから、Bさんから高圧的で上から目線の扱いを受けても、心のどこかでは「人生ってそういうもんだよね」とあきらめて受け入れているのです。
 
こうしたイメージは、多くの場合幼少期に作られ、潜在意識の中に眠ったまま、人によっては一生書き換わらずに過ごします。
 
 
では、潜在意識がどうなったら、Aさんは不当な扱いから抜け出せる心を手に入れられるのでしょうか。また、下図をご覧下さい。Aさんの“世界に対するイメージ”は、明るく、温かいものに変化しています。
 
Aさんが「周りは自分の味方」というイメージを持っている図
 
このような、潜在意識レベルでの“世界に対するイメージ”を変えることなしに、人間関係を変えるのは不可能です。これは、断言できます。
 
不当な扱いをいつも受けてしまい、どこか「いつもこうなっちゃうからしかたないよね」と思ってしまう。
その根っこには、潜在意識レベルでの、世界に対するネガティブイメージがあるものです。それを変化させることが、根本的な解決策なのです。
 
さらに詳しくは「恋愛セラピー」のページをご参照下さい。
手法の一覧は、このページもご覧下さい。

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「浮気はなぜいけないのか?」について議論しましょう。

 

行動の規範、善悪の基準を学ぶ機会は意外と少ない!

 
マイケル・サンデル教授「これからの正義の話をしよう」本の表紙画像
 
恋愛セラピーで相談を受けていると、
いくつか、典型的な解決の道があります。
 
・過去の心の傷(トラウマ)を癒す
・自己肯定感を高めるため、母親的な「包む愛情」を補う
・長所を知り自信をつけるため「ほめられる」「感謝される」経験を積む
・(行動の規範、善悪の基準を身につけ、ぐらつかない自分を作る)
・親と離れて、自分で責任を持って生きる
 
このうち、行動の規範や善悪の基準を身につける方法は、心理療法にはあまりないのです。むしろ、(実際の親からもらえなかった場合は)仕事の中で精神的に成熟した上司や取引先の人に出会い、時にほめられ、時に叱られて身につくものではないかと思います。
 
とは言え、それでは「運に頼ります」と言っているに等しいので、このコラムのコメント欄を使って、善悪の基準、行動の規範について考えてみたいと思います。
 

ぜひ、議論に参加して下さい!

 
このページでは、積極的に「私はこう思う」と発言して下さる方を歓迎いたします。
絶対的な正解というものもないですし、したがって間違いというものもないと思います。
 
全ての議論が、考えるきっかけになります。
 
考えが十分にまとまっていなくても、OKです。
たとえば、
「浮気は、家族を破壊して、子供が傷つくので絶対ダメ、と思います。
 でも、子供がいない夫婦だったらいいのかと言われると…
 そこは考えがうまくまとまりません。」
 
こんな風に、
・ここまでは自分なりに結論が出た
・ここからは、まとまっていない
そういう書き方で十分OKですし、むしろ議論の助けになります。
 
実は、ものごとを考える時に一番大事なことは「私はここが分かっていない」と自覚することなのです。そのことは、恥じるどころかむしろ誇るべきことです。ソクラテスが最高の知恵者であったのは、彼が自分の無知を自覚していたから、という話が伝わっています。だから、知らないことを隠したりせず、「自分はここまで考えた。でもここから先が分からない」と堂々と表明して下さい。
 
 

お題は「浮気はなぜいけないのか」です。

 
ではいよいよ、テーマですが。
「浮気は【なぜ】いけないのか」にしたいと思います。
 
準備編で、「どこからが浮気なのか、はっきり定義すべき」とのご意見を頂きましたので、具体的な状況を提示したいと思います。
 
結婚6年目の夫婦。
妻は専業主婦。夫は小さいながらも、会社を経営。
長女4歳。長男1歳。
妻が長男(第二子)を妊娠中から、約2年間、隠れて会っている女性がいた。
浮気以外は、家族との時間も大切にしていて、合格点の行動が多い夫。
 
夫が風呂に入っている時に携帯にメールが着信。
それを妻がふと見たら、女性の名前が表示されていた。
「えっ!?」
妻がつい携帯メールを見てみると…
という経緯で浮気が発覚。
その女性とは、体の関係もあり、紛れもない不貞行為。
月に3?4回、密会を重ねていた。
 
妻はショックを受け、一時期は食事もまともに取れない状態に。
夫婦共にカウンセリングに通い、現在は何とか回復した。
 
夫はその女性との男女関係は清算したが、自分の会社の社員なので、
社長と社員という関係は続いている。
そのこともあり、妻はまだ、ときどき不安に襲われる。
 
 
という状況だとします。
 
 
この夫の行動を「別に問題ないじゃん」と考える人はほとんどいないと思いますが、ここで考えてほしいことは、「【なぜ】いけないのか?」「正しいことの【原則は何か?】」ということです。
 
「浮気はなぜいけないのか」というテーマについて考えながら、善悪や正義の基準について考えていこうというのが、このページの主旨です。
 
法律に反するから、というご意見も、一応受け付けますが、むしろ道徳的に正しいのかどうかを考えていきたいというのが主旨です。
 
 

注意事項&考えるヒント

 
・中傷や攻撃のコメントは削除します。
・個別相談ではありません。個人的な事情を書かれても、それが議論に役立つもので
 ない限り回答はしませんし、議論の妨げになる場合はむしろ削除します。
 
準備編で出た意見の中には、
・他人(妻)に嫌な思いをさせることがダメ
というものや、
・結婚という「約束」を破ることがダメ
というものがありました。
 
浮気が道徳的に間違っているのは、なぜなのか?
それを一緒に考えていきましょう。
 
まずは「私はこう思う」と、意見を書いてみて下さい!
 
 
2012.8.8追記。
新たな記事、「浮気はなぜいけないのか」これが私の最終回答です。
をアップし、この議論は一旦終結とさせて頂きました。今後、書き込んで下さることは歓迎しますが、あづまは積極的には、議論に参加しませんのでご了承下さい。

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「浮気はなぜいけないのか?」について議論しましょう、準備編

マイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室(NHK教育テレビ)」にとても感動して、ミニ白熱教室をやってみたいと思いました。規範の意識や、正義の感覚を学ぶために「浮気はなぜいけないのか」を最初の題材として考えてみたいと思います。

マイケル・サンデル教授「これからの正義の話をしよう」本の表紙画像
 
最近、マイケル・サンデル教授の、
「ハーバード白熱教室(NHK教育テレビ)」にとても感動して、
自分でも、ミニ白熱教室をやってみたいと思いました。
 
とは言え、法律的な正義とは何かという議論をしても、恋愛セラピストという職業柄、少しずれた感じがするなぁ、恋愛に悩んでいる人の役に立ちにくいしなぁ…と思っていたのですが、
 
より善く生きるためには、何が必要か。
それを突き詰めて考えているうちに、
 
人の心の成長のためには、
(1)母親的な愛情 「よい子のあなたも、悪い子のあなたも、ここにいていいんだよ」
(2)父親的な愛情1 褒める、感謝する (長所を認められて自信をつける)
(3)父親的な愛情2 叱る、諭す (社会規範、ルール、正義を身につける)
(4)自主性を育てる 自分で考え、決め、行動し、責任を取る習慣を身につけさせる
 
という、四つの異なる愛情が必要だと考えるようになりました。
それぞれ(1)「包む」(2)「褒める」(3)「叱る」(4)「見守る」と覚えるとよいでしょう。
 
心理療法は、ありのままの自分を受け入れて、自己肯定感を育てる母親的な愛情を補う部分に効果を発揮することが多々あります。私が提供するワークの中では、傾聴、インナーチャイルドのワーク、ゆるしのワークなどがこのカテゴリーに入ります。
 
しかしそれだけでは、人は善い生き方をすることはできません。
たとえば、浮気を繰り返している人は、心の奥底に寂しさを抱えていて、救いを求めていることも少なくありませんので、ありのままの自分を肯定してもらう、母親的な愛情を補う必要は、確かにあるのです…ですが、だからといって、浮気を続けている状態を正当化していいと言うことにはなりません。
 
やはり、叱られて、諭されて、今の行動をやめていくよう、動機づけられる必要もあるわけです。
 
この、「何が正しくて、何が間違っているのか」という規範、基準の部分を身につけるのは、比較的難しいものです。親がそういった基準をしっかり持っている人であれば、親から受け継ぐことができますが、そうでない場合、心理療法を受けても、結局「癒されはしたけれど、善い生き方の基準は身につかなかった」ということになりやすいのです。
 
 
(1)?(4)までの愛情全てで心を満たしていく必要があります。
そう、適切な叱られ方をすることも、愛情なのです。
 
 
私は最近、セラピーの面談時には、(1)の包む愛を心に補うワークを行い、(2)の褒める愛は、日頃の生活の中で受け取るほめ言葉や「ありがとう」をしっかりと意識して受け取り、場合によっては簡単なワークで子供時代の「褒めて欲しかった自分」を呼び出して、その子にほめ言葉や「ありがとう」のエネルギーを注ぐような取り組みを指導しています。
 
今まで、一番難しいと感じていたのが、(3)叱る、諭す、の部分。
仕事などで、人間的に信頼できる上司が愛情を込めて叱ってくれたりすると、人は成長できるのですが、業務評価だけしていたり、あるいは上司本人の感情にまかせて怒るだけの人だったりすると、なかなか、人間としての「軸」を育ててもらえる機会にならないんですね。
 
 
そんな中、NHK教育で放送されていた、マイケル・サンデル教授のハーバード白熱教室を見て、「この道に、可能性があるかもしれない」と感じました。
 
よい親に育てられていても、やはり自分の中に正義の感覚を、よくよく考えて育てていく作業は、誰でも必要なものです。それならば、始めから、正義とは何か、正しいこととは何なのかを考えていく作業を通して自分を育ててもよいのではないか。そう思いました。
 
むかしの人は親から子育ての方法を学びましたが、今は子育て雑誌やママ友の情報交換なども重要な情報源になっています。親から学べなかったことも、あとから学べばよいわけです。
 
規範の意識や、正義の感覚についても、あとから学べるのではないか。
そんな期待を込めて、正しいこととは何か、それをウェブサイト上で考えていきたいと思います。
 
 
 
そして、最初のお題は、
 
「浮気はなぜいけないのか」
 
にしたいと思います。
 
 
浮気はなぜいけないのか?
 
浮気された側は傷つくから。
多くの人はそう答えるでしょうが、実はそれだけでは
答えとしては不十分です。
 
嬉しい、楽しい、幸せが善。
苦しい、傷つく、辛いことが悪。
なのだとしたら、
 
浮気相手の女性が、本妻よりも傷つきやすい人だったら、浮気関係を解消することは悪になるのか?
そこまで考える必要があるわけです。
 
そして、本妻か浮気相手か、少なくとも一方が関係の清算によって傷つくことが避けられないのであれば、通常本妻の意思が優先されますが、なぜ、本妻の利害の方が浮気相手の利害よりも大事に扱われる必要があるのか?
 
そこまで答えて初めて、
「浮気はなぜいけないのか?」
に答えたことになるわけです。
 
(あくまで【原理】【原則】を考えるための質問です)
 
 
あづまがガイド役、考えを整理する役をしますので、間違ってもいいですし、あとで「あ、ちがった」と意見を変えてもかまいませんので(というかむしろ歓迎します)ぜひ、「私はこう思う」という意見をコメント欄に書いて欲しいと思っています。
 
原理、原則を考えて、ものごとを考える時の「軸」をもつ助けにするのが主旨ですから、このサイトの他のページとは異なり、個人的事情を書いて下さっても、それが議論を深めるのに役立つのでない限り、回答はしません。むしろ議論の妨げになる場合は削除しますので、その点ご了解下さい【個人的な事情を相談する場ではありません】。
 
(2010/12/30追記)
本編を開始しました。コメントはそちらにお願いいたします。
「浮気はなぜいけないのか?」について議論しましょう。

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夫が妻に「口うるさい」と感じる本当の理由とは?

 

あなた(男性)の言動に対して、色々注文をつけてくる妻。
 
別に今すぐ困るわけじゃないのに、なんでいちいち細かいことに口出しするんだ。
そうお感じの夫君も多いようです。
 
 
・実際にあなたが奥様を不安にさせている可能性。
 (飲み会と言って外食が多く、居所が分からない、
  お金の管理が甘く、将来設計に問題がある、など)
・逆に妻が神経質で、自分の感情に責任を持てず、
 感情の解消を求めて、あなたに色々言っている。
 (その場合、気持ちを受け止めるコミュニケーションが
  必要で、状況説明は効果が薄いのです)
 
という、実際に妻が口出ししたくなる夫の側の行動があったり、
どうしても口出ししてしまう、妻の心の課題があったり、
そういう事情はあると思います。
 
 
ここでは、一旦それらを脇に置いておいて、
 
「口うるさいと感じる」ことに焦点を当てます。
 
 
実は、男性が妻が「口うるさいと感じる」のには、
「転移」と言われる心理学的なメカニズムが関係しています。
 
転移というのは、
Aさんに対して感じていた気持ちを、
Bさんに対して感じてしまう、
という現象のことです。
 
わかりやすい例を挙げると、
以前交際していて、とても好きな彼女がいた。
でも別れた。
あるとき、その彼女と雰囲気が「そっくりな別の女性」に出会った。
昔の彼女に感じていた気持ちが、湧き上がってきた。
 
こういうことです。
 
 
では、妻が口うるさいと感じるのは、誰に対する気持ちが転移したのでしょうか?
 
 
ヒントは、人生で最初に経験する女性です。
 
 
分かりましたね。
 
母親です。
 
 
私たちは母親から食事を与えられ、
母親に世話をしてもらい、
母親から見放されたら生きていけない状態で、
幼少期を過ごします。
 
その母親が、たいていの場合、叱り役をします。小言を言います。
場合によっては、不安をぶつけてきます。感情的に怒ることもあります。
 
母親にとっては、小学生になっても、子供は子供、なんですね。
2歳の子には説明しても分かりませんから、口調などの「感情表現」で教えます。
 
「よくできたね?(*^_^*)」
「ダメでしょ(`ヘ´) 」
 
あるところで切り替えて、親は子供に感情の負担をかけないようにした方がよいのですが、どうしても、惰性で、あるいは、本来妻の不安は夫が受け止めて解消するのがよいのですが、夫が過程に不在のために、子供を愚痴の吐き出し先にしてしまう母親もいます。
 
そうやって、母親のネガティブ感情に縛られた子供が育つ可能性があります。
 
 
多かれ少なかれ、だれでもそういう影響は受けています。
 
 
さあ、そうやって育った男児が成長し、大人になって、結婚しました。
 
 
で、妻が愚痴を言うわけです。小言を言うわけです。
 
 
「お前もか!」「女はこれだから!」
 
 
そう感じるわけです。
そう感じる本当の理由は、
 
あなた(男性)が、母親に対する感情を、しっかり解消していないから。
奥様に、母親を重ねてしまっているのです。無意識に。
この現象は、先ほど説明した「転移」です。
 
こういうことが起きるのが、潜在意識の世界です。
 
 
奥様に対して怒る前に、
まず、自分の心の中を見つめてみませんか?

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傷が深いときは、愛を補うだけでは解決できない

 

恋愛の問題や人間関係の問題といった、表面で起きている出来事と、心の内面の関係を考えるとき私は、4つの愛の形に沿って考えていきます。
 
1.母親的な「包む」愛
2.父親的な愛のうち「ほめる(長所を認める)」働きかけ
3.父親的な愛のうち「叱る・諭す(欠点を直す)」働きかけ
4.見守る(手出しをせず自立を促す)愛
 
それぞれ、
母親的な愛の必要性と、足りない場合の補い方
父親的な愛の必要性と、足りない場合の補い方(1)
父親的な愛の必要性と、足りない場合の補い方(2)
見守る愛が足りないケースとその対処法
 
に判定方法と、解決のためのアドバイスが書いてあります。
 
 
しかし、この四つの取り組みだけでは、解決が難しいケースがあります。
それは、身体的な暴力、性的な暴力、あるいは精神的な暴力(暴言など)がひどい場合などがこのケースに相当します。あるいは小さい頃に肉親を亡くしたケースが当てはまる場合もあります。
 
いずれにしても、心が深く傷ついた経験をしている場合です。
 
愛を補う取り組み自体は、心が深く傷ついている人にとってもむしろ必要なことです。但し、愛を補う取り組みばかりをいくら繰り返していても、傷を放置していては、根本的な解決にはなりません。
 
心理療法の助けが必要な場合がほとんどだと思います。
但し、心理療法というのは、何か魔法をかけるわけではなく、本人の中にあるプラスの要素(喜びの感情など)をマイナスの要素(恐怖など)とぶつけて中和する、というようなメカニズムで働くものです。
 
つまり、本人の中にプラス要素がたくさんあればあるほど、解決する力が生まれるということです。
 
だから、楽しいことをして、自分にポジティブな言葉がけをし、プラスのことに目を向ける意識的な努力をして、気分が上がってきた、元気が出てきた、そのときに心理療法を使って、心の根っこの部分まで一気に癒すことが、効果的な取り組みだと言えます。
 
心理療法とは、元気なときに受けるほど効果が上がるものなのです。
(落ち込んだときに受けると、それを少し戻すだけで精一杯。根本的な問題を解決できません)
 
 
心が深く傷ついた経験をお持ちの方へ。
ひとりで取り組むと恐怖に足がすくむような体験でも、有効な方法を使って、セラピストと一緒に取り組めば、解決することが出来ます。一度解決してしまえば、戻ることはありません。恋愛セラピーでは例えば、恐怖症治療の方法などの、心理療法の技法も活用して、問題の解決を図っていきます。
 
ぜひ、ちょっと勇気を出して、恋愛セラピーで解決してみませんか?

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