親の離婚ではなく、家族間の「心の距離」こそが傷になる

 

社会学系の要素の多い本には、
親が離婚すると、子供の精神に影響する、という話が書いてあります。
 
それは間違いではないのですが、
しかし、逆は真ではありません。
 
親が離婚しなければ、子供の精神への影響は小さい。
これは、まったく的外れです。
 
 
関係にそれほど執着しない人であれば、別れを選ぶほど、関係が悪化している。
この状態があったときに、別れずに、泥沼の夫婦関係を続けていたり、近づくとケンカになるからといって、コミュニケーションを取らないようにして、仮面夫婦、同居人夫婦を続けていたりすると、
 
その「心の距離」が子供に悪影響を及ぼします。
 
 
しかも、あからさまに離婚した場合は、子供も、自分の恋愛観や結婚観に親の離婚が影響しているのかもと冷静に振り返ることが出来ますが、親が問題にフタをする傾向が強い人だと、夫婦関係は深刻なほど冷え切り、壊れているのに、表面的には夫婦を続けていて、こどもはそれが普通の状態なのだと理解してしまいます。
 
つまり、世の中の人は不満なことや明らかに問題があることを解決しようとしないのだと。
問題を解決しないで、フタをして、そろりそろりと生きるのが人生のあり方なのだと。
 
しかも、そういった家庭では、親の言葉と本心が違っていますから、子供は、「人は本心を言わないもので、腹黒く怖い存在だ」ということを学びます。
 
 
親が子供に与える悪影響のうち、最大級のものをもうひとつ挙げます。
「問題を自力で解決しようとしない習慣」です。
 
離婚も、子供には大きな影響を与えるでしょう。離婚後の子供の心のケアも必要です。
しかし、問題にフタをして、その問題を自力で解決しないという習慣を、親が子供に身をもって教えるというのは、離婚以上に深刻な悪影響だと、私は思います。
それも、問題にフタをした結果、幸せな生活を得るのではなく「心の距離の遠い」家庭を形だけ維持しているとなったら、いったいどれだけの悪影響を子供に与えるのでしょうか。
 
この記事をお読みになっているあなたが、
・いま、親の立場で、離婚を考えている
 のであれば、まず真剣に、夫婦関係を徹底的に修復する努力をしてください。そして、どうしてもダメだと決めたときには、離婚を選んでください。期限を決めて。2年ぐらいが妥当です。相手が依存症の場合でも最大5年ぐらいではないでしょうか。
 
・これから自分が結婚しようという立場
 なのであれば、親が離婚しなかったからOK、みたいな、「事なかれ主義」で発想するのではなく、どうか、家族のメンバー間の心の距離がどうだったか、そこに意識を向けてください。子供の頃の家族間の心の距離は、そのまま、大人になったあなたの人間関係の距離感に関係してきます。
 他人との心の距離は、潜在意識に刻み込まれていますので、意志の力だけでは動かすのが難しいものです。心理療法の技法を活用して、潜在意識に働きかけて変化させるのが近道です。
 
 
親の離婚ではなく、家族間の心の距離こそが、子ども心に大きな影響を与える。
この点を、よく覚えておいて下さい。
 
なお、そういった家庭を作ってしまう親を責める意図はありません。
多くの場合、そのような親もまた、愛と絆の作り方をよく学ばずに育ったのです。
そうやって、親から子へと、うまく行かない習慣が受け継がれていきます。
 
もしあなたが、不幸の世代間連鎖の中にいると気づいたのなら、気づいたあなたが断ち切って下さい。
よく学び、自分の心を癒し、悪い習慣は修正し、そうやってとり組めば、解決は可能です。

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彼女の世界を、把握しておこう

 

女性は、話が通じない相手にウンザリするものです。
だから、特に攻撃したとか、無視したとか、そういうことがなくても、彼女に嫌がられていることがあるので、男性の皆様は、十分お気をつけ下さいませ。
 
 
先日の会話。
私がネットショップで、生活必需品を買っているときのこと。
 
妻「やっくん、洗剤買って。」
私「洗剤って? ボールド?」
妻「そう。あとレノアも。」
私「レノアの匂いは?」
妻「なんでもいい」
 
何気ない会話に感じますね。
でも、もしこれが・・・
 
 
ダメダメなケース
妻「やっくん、洗剤買って。」
私「はいよ?。」
・・・二日後、粉末洗剤が届いた。
妻「なんでこれなわけ?」
 
ダメダメなケース2
妻「あとレノアも。」
私「レノアって何?」
妻「柔軟剤。」
・・・かなり高い確率で、このケースでは、ネットショップで選びながら、
私「レノアって色々な匂いがあるけど・・・」
妻「なんでもいい(なんで一度で通じないかなぁ)」
 
ちょいダメなケース1
妻「やっくん、洗剤買って。」
私「はいよ?。」
・・・ネットショップで注文しながら
私「あれ、洗剤って、何買えばいいの?」
妻「ボールドだよ(いつも使ってるのに・・・)。」
 
ちょいダメなケース2
妻「あとレノアも。」
私「はいよ?。」
・・・ネットショップで注文しながら
私「レノアって色々な匂いがあるけど・・・」
妻「なんでもいい」
 
 
女性は、自分の生活に関連したことを、相手にも「把握しておいてほしい」と思うものです。
もちろん、把握すること自体、実は脳の容量を使っているわけで、ひとつの「知的作業」なので、一定の負担があることなんですね。
 
あなた(男性)が、仕事で脳の容量をいっぱい使っているのであれば、その旨をきちんと奥さんに伝えておいた方がいいし、あなたの代わりに奥さんが家のことを把握してくれているのであれば、作業だけでなくて、把握するという知的作業についても感謝の気持ちを伝えるべきです。
 
もちろん、できるのならば、あなた(男性)も、家庭内のことを把握しておいて、奥さんから「こいつ、話が通じない」と思われないようにした方がよいのは、言うまでもありません。
 
男性の皆様方。
奥さんから、気づかないうちに「めんどくさい」「うざい」と思われないよう、家庭内のことや、奥さんが興味を持っていること、つまり「彼女の世界」にも、意識を向けておいて下さいね。

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解決不能な問題に向き合い、「受容」に至る道

 

解決できない問題に向き合うとき、人は次のように反応するといわれています。
エリザベス・キューブラー・ロスの、死を迎える人のターミナルケアの経験によれば、
 
人は、解決不可能な問題に向き合ったときに、
【否認】【怒り】【取引】【抑うつ】【受容】の段階を経ます。
 
 
【否認】とは、そもそもそんな問題はなかったのではないか、何かの間違いではないかと考える段階です。
 
しかし、次第に幻想は消え、やはり自分は解決不可能な問題に直面していることが否定できない事実として迫ってきます。すると、なぜ自分がそんな目に遭わなくてはならないのか憤慨し、【怒り】ます。
 
その後、何とか逃れるすべはないか、【取引】をします。病気であればありとあらゆる治療法や、宗教に頼る(神様と取引する)道を探します。
 
しかし、やはり方法はないと悟ると【抑うつ】状態に陥ります。
 
そして最後に、100%幸せというわけではないけれど、現状を【受容】するにいたり、落ち着いた状態になります。
 
 
死は誰にも避けることの出来ない「解決できない問題」ですが、経済的な問題や夫婦関係においても、すぐには解決できない問題が立ちはだかったときに、私たちは同様の反応をすることがあります。
 
このプロセスを知っておくと、無駄なエネルギーを使わず、流れに任せて気持ちの整理をつけていくことも出来ます。その上で、ある程度落ち着いた気持ちで、そのとき出来る最善の道を選ぶことが出来ます。
 
解決できない問題を受け入れ、解決できる問題については、現実的にとり組む。
 
私自身も、いざ自分の手に負えない問題に直面したときに取り乱さずにいられるとは思えませんが、それでも、こうしたプロセスを頭の隅に置いておくことで、少しは無駄なエネルギーを使わずに、使うべきところに時間とエネルギーを使えるのではないかと考えています。

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心の距離を放置しない姿勢が大切

 

イギリスの神学者 トーマス・フラーの名言
 
結婚前には両目を大きく開いて見よ。
結婚してからは片目を閉じよ。
 
 
この格言のうち、あなたはどの部分が大事だと感じますか?
私はずっと、「結婚してからは片目を閉じよ」の部分だと思っていました。
殊更に相手の欠点ばかり見るのではなく、片目を閉じて、上手につき合うことが大事。
それを教えている格言だと思ってきました。
 
しかし、最近思うことは、
フラーが「両目を大きく開いて」とまで言っているということは、
結婚前によく見ることがいかに大切か
ということも、強く主張したかったのではないか、ということです。
 
Googleなどで検索すると、結婚前に何を見るのか、みたいなQ&Aがたくさんあります。それぞれに、大事なことを言っているようですので、それはそれで、見ていただくとして、
 
ここでは、あまり多くの人に理解されていない視点を、提示したいと思います。
 
 
結婚前に、よくよく見る必要があるものは、お互いの心の距離です。
No.1私たちの間には、本当に絆が出来ているのか?
No.2彼は、私を心から選んでくれているのか?
No.3私は、彼を心から選んでいるのか?
No.4彼も私も、お互いにとって、最高の「味方」「仲間」になっているか?
 
相手との距離が遠いと感じていたり、何か、心から通じ合っていない、お互いにつながっていない感じがある。そういう感覚があるときに、それを相手に伝えるのも難しいですし、具体的に暴力とか浮気のような問題が起きているわけでもないので、いま何がおかしいのか、言葉にするのも難しいところなのです。
 
それでも、相手とつながっていない感じ、心の距離が遠い感じがするときには、お互いに心の距離を近づける行動を起こすことが大切だと、私は考えています。
 
心の距離が遠い状態を放っておくことは、ふたりの間にすき間が出来ているのを放っておくことです。すき間を放っておくと、他の異性などが入って来やすいですし、夫婦間で何か問題が起きたときに、夫婦で一丸となって解決に当たるというチームとしての強さを発揮しにくくなります。
 
最強のチームを目指して、お互いの心の距離を、交際段階から放置しないことが、何より大切なのです。
 
 
なお、心の距離という問題に関わる、問題への関わり方として、問題解決型と、責任転嫁型があります。(問題に向き合う4つの態度参照)
「味方」については「味方=楽しいことを話せる+辛いことを話せる」を参照。

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過去に何を経験したかではなく、そこから何を学んだかが大事

 

ある程度長いこと生きていれば、人にはあまり言いにくい、輝かしいとは言えない過去の経験の一つや二つはあるものです。かく言う私も、離婚歴がありますし。
 
ある人から質問を受けました。
「不倫して妊娠して、中絶した過去があったら男性は引きますか?」
(細部は若干違いますが、質問の主旨はそういうことでした)
 
結婚相手に、自分の過去を打ち明けた方がいいかどうか、という話です。
 
 
私が答えた答えはこれです。
「その人の背景を理解しきれない男性は、引くかもしれない。それは彼の課題です。」
「私は、そういう過去があったというだけで引いたりはしない。」
「但し、その経験から、あなたが何を学んで、今はどうなっているのか言えることが大事。」
 
つまり、こういうことです。
言い方や、捉え方は色々あるので、あくまで一例ですが、
 
乗りこえていないので、引かれる可能性が高い言い方
 
・私は過去に、不倫して妊娠して、中絶したことがある。

このことに対する自分の気持ちも、解釈も、学びも、何もナシ。
 
 
乗りこえているので、成熟した男性なら受け入れてくれる可能性のある言い方
 
理解力のない人には引かれるかもしれないが、それは相手の問題。
骨子だけ示します。言い方は自分の言葉にすることが大事だと思います。
 
・私は過去に、不倫して妊娠して、中絶したことがある。
・そのことはとても辛かったし、後悔もしている。
・もちろん、不倫はいけないこと。でも当時の私はどうしても
 自分を抑えられずに、そこに踏み込んでしまった。
・不倫に至った遠因は、幼少時に家庭内から父親の影が薄くて、
 どこか、父親を求めるような気持ちが、大人になっても残っていたこと。
・当時の私は「好きになった人は大抵既婚者」「独身者には興味が持てない」
 という、「恋愛感情」「感じ方」に問題があり、感じ方を変えるなんて、
 普通にはなかなか出来ることではなく、解決がとても難しかった。
・しかし、求めていたのが「父親」だと分かってから、子供時代を再現する
 心理学的なワークや、身近な男性から、恋愛関係にならずに父親的な
 愛情を受け取る心がけなどを通じて、今はずいぶん心が癒された。
・だから、あなた(独身男性)を好きになれたし、私自身ずいぶん成長
 できたと思っている。
・時々まだ、中絶したことの罪悪感がよみがえってきたり、子供を見ると
 辛い気持ちになることが、最近はずいぶん減ったが、ある。
・そのことも、私の課題で、ここまで頑張ってきたが、まだ完全に
 乗りこえたとは言えない。
・今後もとり組んでいきたいと思っているけれど、ときどき、過去のことで、
 あなたとは関係ない理由で落ち込むことがあるかもしれない。
・そのときは、あまり問い詰めたりせずに、ただ抱きしめていてほしい。
 
 
話のポイントですが、
 
No.1過去の出来事を話し、
No.2そのことについて、自分がどう思っているか(後悔しているなど)を話し、
No.3なぜそうなったのか、原因を話し、
No.4その原因は、努力をしてほぼ取り除かれ、再発の可能性が低いことを話し、
No.5まだ未解決の部分があることを伝えて、
No.6その問題が出てきたときに、相手にどう協力してほしいかを伝える。
 
ということなのです。
 
 
こういうことは、必ず言うべきなのか?
解決済みなら、私は必ずしも言うべきだとは思いません。
墓場まで持っていくつもりで秘密にしてもいいと思います。
不動産取引の時には、自殺者が出た部屋を告知せずに貸してはいけないように、重要事項は告知すべし、というルールがありますが、そういうものと、自分の過去は違うと思います。
 
言うべきか、言わないでおくか。それは、相手の問題と言うより、あなた自身が、言った方が楽になるか、言わない方が楽か、によるのだと思います。
絆というのは、自分の良いところや楽しい話が出来て、なおかつ、自分の弱いところ、痛いところ、情けないところや辛い話もできるという安心感から生まれるものです。
 
自分が秘密を抱えていて、その結果として、「こんな自分じゃ、本当の自分を知られたら嫌われるに違いない」と怖れ続け、仮面をかぶり続けて、相手との真の絆が出来ない。そういう結果になるのなら、勇気を出して話した方がいい、ということです。
 
 
但し、再発する可能性があること、相手に影響があることについては、一生を共にするつもりの相手には、言っておく方が誠実な態度だと思います。
 
 
100%受け入れてもらえる言い方があるわけではないと思います。
相手側の理解度の問題もあるわけですから。そこはある程度達観するしかない。
でも、受け入れてもらえる可能性の高い言い方もあれば、受け入れてもらえる可能性が低い言い方もあるのです。そこは、自分の責任で、しっかりと考えておく方がよいと思います。
 
 
過去の経験を自己開示することが、大事な局面もあるわけですが(特に婚約者に、とか)、その際には、過去に何を経験したかではなく、そこから何を学んだか、それを伝えられることが大事なのです。

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問題に向き合う4つの態度「解決・放置・回避・責任転嫁」

 

問題にぶつかったとき、人は大きく分けて4つの態度で問題に関わります。
 
それが、
問題解決型
問題放置型
問題回避型
責任転嫁型
です。
 
夫の浮気が発覚したときの対応を例にとって、説明していきます。
 

問題解決型の関わり方

 
問題解決型の関わり方というのは、とにかく「未来の幸せ」を手に入れるための最善の手を考え、自らそれを手に入れるための行動を起こすということです。
 
夫の浮気なら、まず、どの程度の深刻さなのかをざっと見積もります。出来心でやっていそうなのか、それとも、離婚まで視野に入れている段階なのか。
感情的になることが問題解決にマイナスなら、夫に感情をぶつけることは避けます。これは、我慢のための我慢ではなく、一番良い結果を手に入れるための、節制の効いた行動です。
 
出来心なら、それとなく気づいていることを伝える方法が役立つこともありますし、もっと本質的には、夫と自分との心の絆を強くする(夫が浮気相手の女性を必要としなくなる)ことが役立ちます。
 
もはや夫婦間の溝は決定的で、夫は離婚したがっているところまで来ているとしたら(ふつうは、問題解決型の考え方、行動をしている人は、そこまで問題を放置しないものですが)、別れる方がふたりの幸せかもしれません。法律家に相談し、慰謝料や財産分与などで自分が不利にならないように段取りをつけたり、別れの後の自分や子供の心のケアのことまで考えて準備を進めます。
 
過去にとらわれたり、現状を見ないふりしたりせず、まっすぐに現実を見て、未来に向けて最善の手を尽くす。これが、問題解決型の関わり方です。
 
 

問題放置型の関わり方

 
問題放置型の関わり方というのは、「事なかれ主義」という言葉がぴったりです。気づいていても行動を起こさず、波風を立てず、表面的に平穏ならそれ以上何もしない、というやり方です。
 
夫の浮気の場合、放置しておくと悪化することがありますので、問題放置型の関わり方をすることは決してお勧めはしませんが、この関わり方がどんな時も常に悪いわけではありません。
 
問題放置型の関わり方が有効な局面として、たとえば、夫の母親が認知症になっている。介護は色々と大変で、本当はこの問題を解決したい。しかし、親戚関係や経済的な状況を考えると、有効な手だてがない。こういった「簡単には解決できない問題」に直面しているときには、無理に解決しようとするよりも、この問題が爆発しないようにそっとしておき、時間が解決するのを待つ(このケースでは義母が亡くなるのを待つ)という姿勢も、とても大切になります。
 
但し、問題放置をして、様子見をする場合は、精神的な支えになってくれる人が必要です。義母の介護なら、夫の理解が最低限必要でしょう。
 
繰り返しますが、夫の浮気は放置しない方がよいと思います。
 
 

問題回避型の関わり方

 
問題回避型の関わり方というのは、ある出来事が「もう二度と絶対に起こらないようにする」という姿勢のことです。
 
たとえば過去に夫の浮気が原因で離婚したとしたら「もう二度と結婚しない」というのが問題回避型の関わり方です。問題に上手に対応しよう、問題が起きても解決しようという考え方ではなく、生活や人生に不都合が起きようとも、ある問題が起きないことを優先する、というものです。たとえば「結婚しない」という選択はほとんどの人にとってワクワクしない選択肢ですが、浮気されるよりはマシ、ということでこちらを選んでしまうのが「問題回避型」の関わり方、ということになります。
 
浮気の問題でいえば、「二度と結婚しない」選択の他、「浮気できそうにない、さえない男と結婚する」「浮気をしないという念書をとる」などの行動が、問題回避型と言えるでしょう。
 
 

責任転嫁型の関わり方

 
責任転嫁型の関わり方というのは、問題を放置せず、回避もしないという意味で、問題解決型と共通しています。問題解決型と異なっている点は、相手のせいにする、ということです。
 
たとえば、浮気が起きたときに、感情的に相手を責める「浮気なんてしないでよ!すぐ別れて!」
これは、解決を目指してはいますが、「自分が解決に向けてどう行動するか」に意識が向いていなくて、「相手が悪いのだから、相手が行動すべき」という部分に意識が向いています。
 
もちろん、浮気はされた方ではなく、した方が悪いのですが、それは夫婦関係が決裂して、離婚にまで発展するときの、法律的な責任の話です。夫婦関係を修復しようと考えるときには、相手を責めてしまって、夫婦の心の絆を壊してしまったら、元も子もありません。
 
問題は解決したい。しかし、自分は悪くない、相手が100%悪いから、相手にぶつけてしまう。
これが、責任転嫁型の関わり方です。
もちろん、トラブルが起きたときには感情的になり、冷静に対処できなくなることも当然ありますが、それでも、感情に振り回された結果、事態をさらに悪化させてしまうと最終的に損をするのは自分です。
 
一旦クールダウンして、冷静に、かつ、将来を見据えて行動したいものです。
 
 

問題に関わる4つの態度 まとめ

 
まず大切なことは、この4つの関わり方のうち、あなたがよくとってしまう態度はどれなのか、自分で知っておくことです。問題に関わる態度の全体像を理解せず、自分がいつもとっている態度だけが全てだと思っていると、行き詰まったり、思わぬところで足元をすくわれたりしますので。
 
問題解決型の関わりをするのは、非常に頭を使いますし、知識も経験も、創意工夫も必要です。決して楽な関わり方ではありませんが、長い目で見ると問題解決型の関わり方が一番うまく行くと思います。
 
私たちは問題と関わるとき、ついついクセで、慣れ親しんだ方法を選んでしまいがちですが、常に効果的な方法を取れるように自分を成長させ続けていきたいものです。

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女性には、ごまかしが利かないと思って接するべし

 

女性に接する場合、あなたの言葉と、本心をきちんと一致させることがなにより大切です。
 
男性の場合、男性は、非言語のメッセージに無自覚に反応するにも書いたように、潜在意識で女性の非言語メッセージを受け取っていても、意識レベルではなかなか気づかないものです。
 
しかし逆に、女性は、男性からの非言語のメッセージを、きちんと受け取り、意識化できます。
非言語のメッセージとは「表情」「声の調子」「どの話題で言葉に詰まったか」「反応する話題・スルーする話題」「人生に対する姿勢」などの、言葉にはしていないけれど、心の内に持っているもののことです。
 
身近な例で言えば、あなた(男性)が「お前のことを一番大切にしている」と言いながら、会社の営業成績のことを心配しているとしたら、それは女性にはバレていると考えた方がいい。
 
男女ともに、自分の気持ちをきちんと言葉にすることが大事なのですが、
女性の場合、言わないと男性は分からないから、というのが理由です。
男性の場合、女性は分かっているのだけれど、やはり、責任のある男の態度として、言葉でも表す必要があるから、というのが理由です。
 
男性同士の付き合いであれば、お互い余計な腹の探り合いはしないのが美学です。
相手が言わないのであれば、訊かない。そうですよね?
 
でも、相手が女性の場合、男性に比べてはるかに多くの「非言語情報」を受け取っていますので、あなたが何も言わなくても、かなりのことをすでに女性は受け取っているんですね。
 
だから、どうせ怪しまれていたり、不安に思われているわけですから、むしろそこから先の話をしっかりと言葉で伝えることの方が大事なのです。
 
特に、あなたが、彼女から隠そうとしていることや、一人で全部背負い込もうとしていることなどは、女性は敏感に感じ取っているものです。そして、その「心の距離」自体を寂しく思い、辛いと感じるものなのです。
 
だから、どうせ何となく勘づかれているから、という消極的な理由からも、心の距離を近くしてより親密な関係を築き上げるという積極的な理由からも、悩み事や心配事は一人で抱え込まずに彼女にも打ち明けて味方でいてもらった方がよいのです。かえって彼女も安心します。
 
ということで、女性には「心の中のごまかしが利かない」と思って接しましょう。
口先だけでうまくごまかそうとしても、どっちみち、見破られていますからね。

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自他の時間を大切にすると、人間関係が良くなる

 

先日、妻にやってほしくない節約、というテーマのアンケート結果(東京スター銀行実施)を見た。
 
その中で気になったものに、
「1円でも安いものを探してスーパーをはしごする」
「遠出をするときは、利便性よりも交通費の安さで交通手段を選ぶ」
「外食を控える」
がありました。
 
節約には、
お金の節約
時間の節約
があり、通常何らかの形でトレードオフ(一方を選ぶと他方が犠牲になる)が存在するものですが、妻にやってほしくない節約の中の上記の三項目は、お金の節約を時間の節約より上位に置いています。
 
仕事で「効率化」「効率化」と必死になっている夫と、自分の時間に(あからさまな形では)値段のつかない専業主婦の妻。時間感覚に差が出るのはある程度は仕方のないことです。
 
但し、「時間を大切にする」という感覚が欠如していると、お金の節約のために、自分の命の一部である貴重な時間をどんどんつぎ込んでしまいます。
そして、自分の時間が貴重であるという感覚が薄いと、他人の時間も大切に出来なくなります。たとえば、延々何時間も電話をしてくる友達を「うざい」と思うのは、自分の時間が(たとえ今は値段がついていなくても)本質的には人生の貴重な一部であり、価値のあるものだからです。
 
夫婦間でお金に関する話し合いがどうもまとまらないというとき、お互いの生活について意見が食い違うことが多いと思うとき、お互いの「時間感覚」について話し合ってみることは、何かの突破口を開くきっかけになるかもしれません。
 
小田原から東京の交通機関として、東海道線や小田急線を使えば、ちょっと安くなりますが、私は多少高くても必ず新幹線を使っています。時間をたくさん使うことの方が、結局高くつくと思っているからです。妻もそれを支持してくれています。
こうした、時間節約のためにどれだけお金を使ってもいいと思っているか、このあたりの感覚を夫婦ですりあわせられるかどうか、これはとても大事なことだと思っています。
 
あなたが既婚者なら、いきなり自分の感覚を押しつけるのではなく(大抵ケンカになるので)、まずは、相手の感覚を訊いてみることから始めてはいかがでしょうか。
 
 
なお、この記事は「時間節約優先の夫」と「お金節約優先の妻」という構図で書きましたが、時間とお金のどちらを選ぶかについては、私は根源的な男女差はないと考えています。それまで、あるいは現在の生活習慣によって決まっているものだと思います。つまり、「時間節約優先の妻」と「お金節約優先の夫」というパターンもあるということです。
 
自他の時間を大切にすることが、とても大事なことではありますが、まずは、お互いの時間感覚、金銭感覚を理解することから始めていきましょう。

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信頼に足る行動をすること。妻との「距離」に要注意。

 

世の中には
「携帯チェックをする妻の行動はよくない」
「ありがとうもなく、不機嫌なオーラを出していることが浮気の原因」
など、妻の側の言動を戒める言い方が色々あります。
 
私はそうした考え方には、基本的に賛成です。
妻の側にも、やはり行動を律する心が必要なのです。
 
しかし、この記事は男性向きなので、
あえて男性に対して厳しいことを言いますが、
 
妻が携帯チェックをしたくなってしまうような、夫の秘密主義
妻の不機嫌を放置するような、夫の引きこもり的行動
 
など、夫の側にも、反省すべき点があることが多いのです。
多くは「妻と距離をとってしまう態度」が根本にあります。
 
私も同じ男ですから、妻が怒っていたら、距離をとりたくなる気持ちは良く分かります。それが男の基本的性質ですよね? それでもあえて言います。勇気を出して近づきましょう、と。
 
 
あなた(男性)が、妻から色々詮索されたり、妻が不機嫌になっていると感じるのであれば、妻のその気持ちをとても重要なものとして扱って下さい。
 
男性が考えている「行動」そのものよりも、そのときにどんなコミュニケーションを取っているのか、どんな気遣いをしているのかといった、(男性からみると)小さな事が、とても大事なのです。
 
たとえば、飲み会に対して不満や不信感を抱いている奥さんがいたとします。
奥さんの気持ちを無視して、飲み歩いてはいけません。
 
でも、飲みに出かけては行けないと言っているのではありません。
飲みに行くときに、誰とどこで飲むのか、ハッキリ言えないようでは「怪しい」わけで、そうした「不安にさせるような秘密主義」をやめて、正々堂々と飲みに行けばいいのです。
 
また、妻の不機嫌を、男性に接する場合のように「機嫌が直るまで放っておこう」と考えてはいけません。男性は比較的、感情が高ぶっても時間が経つと解消する場合が多いですが、女性は比較的、その感情を話して、誰かに受け止めてもらわないと解消しないことが多いのです。
 
だから、奥さんが不機嫌なときはちゃんと話を聞く必要があります。
 
つまり、不機嫌だから距離をとるという方法は、妻をますます不機嫌にする行動だということです。こうなると、普通の飲み会の話であっても、イヤミのひとつも言われるようになります。すると、面倒なので言わなくなる。言わなくなると、どこへ行っているのか妻が疑う。悪循環です。
 
最初の段階で、不機嫌そうな様子なら、ちゃんと向き合って話を聞くこと。これが大切です。
そして、秘密主義はご法度。公明正大、正々堂々と遊びに行きましょう。
 
 
但し、もしそれが、今の妻に対してどうしても出来ないと感じるのであれば、ひょっとすると、相手選びを間違えたかもしれませんね(残念ながら、そういうこともあります)。過去の経験から、疑り深い心の状態になっている女性もいます。
 
まだ交際中のあなた(男性)は、両目を大きく開いて、しっかり相手と自分を見つめ、自分たちが一緒にいることがふたりの幸せになるか、よくよく考えて結婚を決めて下さいね。
 
なお、この記事を読まれた女性の方へ。
「そうだそうだ!」と思われたかもしれません。確かに、不安になるのは男性側の言動にも問題があることが多いのです。但し、「相手の言動にも問題がある」ということと、「相手の言動の問題を指摘したら問題が解決する」ということは、全く別のことです。
 
関係がこじれる直球を投げるのではなく、もっとしたたかに行動して下さい。
女性側からのアプローチとしては「携帯を必要以上にのぞき見しない」「笑顔で接する」「感謝の言葉を口にする」などの、ふたりの関係を改善するやり方が、地味だけれど一番良いと思います。
 
さらに高度な対応もありますが、これ以上は個別対応がどうしても必要になりますので、その作戦会議をしたい方はぜひ、恋愛セラピーをご利用下さい。

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「成長するな」という禁止令に気づこう

 

目の前で起きている人間関係や人生に関わる問題は、多くの場合潜在意識の中にその問題の根っこがあります。
 
ジェームス・アレン著 「原因」と「結果」の法則によれば、私たちが手にしている人生という果実は、心を耕し、どれだけ栄養を与えたかによって決まるものです。
 
子供時代に受けた虐待や、親の不仲という問題は本人も嫌な気持ちが明確にするので覚えていることが多いですし、それが現在の恋愛や人間関係に影響しているというのは、想像しやすいのですが、
 
最も気づきにくい「生育歴の影響」のひとつが、親や周りから受けた「成長するな」という指令です。
 
たとえば、親が何でも先回りして、世話をしてしまう。
危険なことはやらせない。
失敗させないように、親が苦心して段取りをする。
 
一見優しくて、愛情もあり、虐待とは無縁ですが、
残念ながら子供に対して「あなたは成長しなくていい」という無意識のメッセージを送っていることになります。
 
確かに、こうした家庭で育った子どもは、嫌なことを経験せずに育つことが出来ます。
しかし、世の中に出たら、もはや、親に守ってもらうことが出来ません。そうなっても、自分で自分を守り、きちんと家族を運営して生きていくことができるのか。そこまで考えたときに、このような過保護な親の教育方針には疑問を抱かざるを得ません。
 
交流分析の用語で言うと、これは、「成長するな」という「禁止令」にあたります。
過保護にして、子供を成長させず、いつまでも親の庇護の元に置こうとすることは、子供の人生に大きなマイナスをもたらすものなのです。
 
昔の人は「かわいい子には旅をさせよ」と言いました。かわいい子だからこそ、自分一人で生きていけるように、旅(昔の旅なので、困難がつきものでした。つまり、頑張る経験)をさせよと言ったのです。
 
 
チャレンジ、
頑張る経験、
多少失敗しても、自力ではい上がる経験、
親は見守るだけで、あとは自分の責任で行動する経験、
この世の中で、自分一人でなんとかやっていく経験。
 
こういった経験を十分にさせてもらえなかったとしたら、それはどこかで「成長するな」という禁止令を受け取っていたのかもしれません。
 
今さら親を恨んでも仕方ないですから、自分でひとつひとつ、自分を成長させるためのチャレンジを積み重ねて頑張っていくしかないのです。
 
 
何の問題もない家庭で育ったのに、今の人生がうまく行っていない。恋愛や結婚がうまく行っていないと感じるあなたへ。あなたの中に「成長するな」という禁止令が入り込んでいないかどうか、一度よく考えてみてください。

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