失恋した元彼との復縁方法を探しているあなたに辛口アドバイス

 

 失恋した元彼と復縁したい。そういう相談を受けることがあります。でも、それはちょっと待って!あなたはその彼と復縁して本当に幸せになれるのでしょうか?
 
 
 復縁マニュアルを探したり、復縁できるかどうか占いをしたり、復縁のおまじないやパワーグッズを買ってみたり。神社に神頼みしてみたり。恋愛が長続きしたり、その後の結婚生活が安定するための原則から言うと、ちょっと疑問を感じます。
 
 まず、ひとつの関係が壊れたということは、お互いに心理的に未熟な部分があったということです。もちろんそれは、育った環境などの影響があり、あなたにはどうしようもなかった部分もあります。親が厳しくて十分に甘えられなかったり、あるいは生活苦で余裕がなく、やはり十分に甘えられなかったりした場合、依存心を強く持ったまま大人になってしまうことがあります。こういう場合、子供時代に満たされなかったものを恋人に強く求めることがあります。もちろん、それではうまく行きません。
 この状態で復縁だけ果たしても、やはりまたうまく行かなくなる可能性が高いと思います。同じことをしたら当然ながら同じ結論になるのです。
 
 このような状態で、たとえば探偵社などが提供している復縁工作を頼んでみたりしても、未来はあまり明るいとは言えません。確かに復縁工作などをすれば、その時は効果はあるのかもしれません。でも本当に大切なのは、あなたの心の中を変えることです。
 
解決方法として参考になる記事は「【ココヘル579】壮大なインナーチャイルドの癒し」から始まるメールマガジン「女と男の心のヘルス?癒しの心理学」のバックナンバーシリーズです。
 
 復縁してうまく行くために、考えなければいけないキーワードをひとつだけ挙げるとすれば「依存心」です。依存心が強い状態では、「好き」という気持ちが「私の寂しさを埋めて欲しい」「ひとりぼっちで怖い私の気持ちを満たして欲しい」など、「私のニーズを満たして欲しい」という気持ちからなっています。誤解を怖れず言えば、依存心が強い状態では「好き=欲求不満」になっているんです。
 つまり、別れて困る、別れて辛いのは誰かというと、「私」なんですね。自分の欲求不満を満たして欲しいという「依存心」で相手を求めている状態になってしまうんです。
 
 この状態では、相手は自分のエネルギーを吸血鬼にどんどん吸い取られるような感じを受けてしまいます。依存的な人は「ちょうだい、ちょうだい」と心で言っているんですね。だから、吸い取られるような感じや重い感じがします。これでは、相手の心は、たとえ復縁してもまた離れて行ってしまいます。
 
 うまく行く恋愛は、もちろん「依存心」があるから相手を求めるわけですが、それを自分でちゃんと分かっていて、相手が依存心を満たしてくれたことに対して心から喜び、感謝することができると共に、今度は逆に、相手の依存心を満たすことに喜びを感じることができる恋愛です。
 今度はもらう側だけではなく、あげる側にもなるということです。
 相手の幸せを願い、相手のために行動したいと思う心を「愛」といいます。ちょうど「依存心」と反対の心ですね。同じ「好き」でも、相手から「してもらいたい」という「依存心」と、相手の幸せのために何かしてあげたい「愛」は心のエネルギーの向きで言うと、正反対のものなんです。
 
 愛を向けてもらった人は、どんどん元気になっていきます。あなたが彼に愛を向けてあげれば、彼はどんどん元気になり、あなたを離したくないと思います。
 依存心を向けられてしまった人は、元気を吸い取られたような気がします。あなたが彼に向けている「好き」が「依存心」であるならば、彼は元気を吸い取られたように感じ、あるいは重く感じ、あなたから離れたくなります。
 
 あなたの「好き」が愛80%、依存心20%ぐらいになったとき、次の恋愛はきっとうまく行きます。でも、依存心ばかりのまま恋愛をするとしたら、復縁しても別の相手と恋愛しても、やっぱりうまく行かないと思いますよ。振られたり喧嘩になったり、都合よく扱われたり、という結果が待ってます。
 
 まずは、自分の心とちゃんと向き合って、依存心の存在をしっかり認めて、自分の依存心に自分で責任を持つと決めることが大切です。
 
 
 「依存心」のもうひとつの側面は、恋愛対象の相手に対してではなく、人生の大事な決断の時に現れます。占いやパワーグッズに依存してしまっている。カウンセラーに答を求める。友達に頼る。
 占いやパワーグッズ、カウンセラーや友達の力を借りることを否定しているのではありません。そういうものを活用してヒントを得て、最終的に自分で決めるのであれば、よいのです。
 でも、自分の判断を放棄してしまう姿勢があるとしたら、人生が停滞する理由はそこにあります。小さいことからでよいので、自分で決めて自分で行動する。そして結果を見て考えて、次の行動をする。この繰り返しをすることで、何をしたらどうなるか、という世界の仕組みを体で覚えてゆくことができるのです。
 
 他人の判断を鵜呑みにして行動するのは、自分で決めて行動するのとは大きく違います。たとえ結果的に同じ行動をしたとしても。たとえば、彼と別れることを自分で決めたのか、占い師の先生がそう言ったから(自分の頭では判断せずに)決めたのか。それは、大きな違いがあります。
 次にまた大きな問題がやってきたときに、自分で決める習慣をつけておけば、自分で決められますが、他人に決めてもらう習慣がついていると、常に他人を頼らなければ生きられない自分になってしまいます。そのような意味で、占いに頼りたいあなたは、少し注意した方がよいと思います。私自身もタロット占いをすることもあり、占い自体に対して否定的に考えているわけではありません。依存してしまうこと、それが問題だと言っているのです。
 
 不確定な未来に対して、自分で決断して前に進むためには、感情のシステムが健全に機能している必要があります。決断力というのは感情の力なのです。しかし、子供時代からの怒りや寂しさを抱え続けていると、感情が鈍くなり、決断力が落ちます。心理セラピーなどで感情の吐き出しが終了すると、非常に決断力が冴えてくる人がいます。それは、決断に必要な感情のシステムが生き返ってきたからだと私は考えています。
 
 失恋は、誰にとっても辛いものです。たとえ、ふった側であっても。まずは、しっかりと感情を吐き出して、癒しを進める必要があります。その際に、元彼にぶつけてもよい結果にはつながりませんので、ひたすらあなたの感情を受け止めて話を聞ける人に、話をすることがよいと思います。身近にいなければ、心理セラピスト(この分野ではプロです)を頼ることをお勧めします。
 
 そして、癒しが進み、特に女性の場合、今までいけないものだと思って抑え込んでいた怒りが表現できるようになると、不思議と元彼への執着が消えてなくなっていることもあります。その場合は、運命の相手ではなかったということです。もし執着が消えたとき、お互い再びまた引き合ったとしたら、一緒になることが運命なのかもしれませんね。
 
なお、関連記事として、
別れた彼が憎くて忘れられない(失恋後の心のケア)も参照してみてください。

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罪悪感を手放す方法

 

 罪悪感というのは、手放すのが難しく、なかなか厄介な感情です。
 もちろん、健全な罪悪感は必要なものです。自分のせいで誰かを転ばせてしまった、あ、悪かったな。じゃあ、あやまろう。これを感じられないようでは、社会で生きていくことはできません。健全な罪悪感は思いやりなんです。
 
 でも、「罪悪感を手放す方法」としてここで取り上げている罪悪感は、心の底に埋め込まれてしまって、簡単には外せない罪悪感です。多くの場合子供時代にセットされることが多いのです。
 自分が悪い人間だという意識があると、実際に悪い行動を取ることがあります。これは「スケープゴート」と言われる役割を担っている状態です。自分が実際に悪いことをして、人から非難されるんです。
 一方、悪い人間だからこそ、償いながら生きることが必要だという感覚を持っていると、自己犠牲をしながら生きることになる場合があります。自分の能力に自信がない場合、名実共に「自己犠牲」の生き方をする場合があります。人から都合のいい扱いを受けても反論しない、受け入れる、みたいな。この役割は「殉教者」と呼ばれています。
 自己犠牲的な感覚を持ちながらも、能力がある場合、ひたすら頑張って立派に生きることで償いを果たそうとすることがあります。この役割を「ヒーロー」といいます。仕事がひたすら忙しくて、なんだか苦行をしているように見える人はこのヒーローである可能性があります。周りの人からは「立派だね」と言われるのですが、本人はその「立派」をやめることができずに苦しんでいるのです。
 
 さて、このようにして、普通に生きているように見える人の中にも罪悪感があるもので、上手に罪悪感を手放すことができれば生きるのが楽になります。
 
 罪悪感を手放す方法の中で、私が効果があると思っているものを列挙します。
 
1.自己開示と受容
 自分の中に罪悪感があり、その罪悪感の元になった出来事はどんなことで、どのように後悔しているのか、それを口に出して話すことで、その記憶は次第に風化し始めます。カウンセリングではこのような効果を期待して、過去の後悔している出来事などをひたすら話すという治療法があります(来談者中心療法)。もちろん、その時に聞き手がしっかりと受け止めること(受容)が大切です。
 
2.過去のやり直し
 過去を想像の中でやり直す、あるいは、ロールプレイなどで人に協力してもらってやり直すことは、過去においてきた思い残しの気持ち(未完の仕事)を完了させる効果があります。手放すことの出来ない罪悪感は、おそらく何か強い感情と共に記憶されているのだと思います。それを、想像の中で過去をやり直しながらしっかり感じ切って、完了させるのです。
 
3.自他の幸せを願う
 人は、他人の不幸を願っている(呪っている)ときに自分も不幸になります。心の中で他人を攻撃しているだけで、罪悪感が大きくなります。逆に、他人の幸せを願う(=愛する)とき、罪悪感は癒されていきます。この原則を知っていれば、他人の幸せを願うことが、実は自分のためになっていることを理解できます。
 
4.「私を許します」とアファメーションする
 上の1?3に比べると、やや「わざとらしい」感じがしますので、素直に実践できる人向きです。自分を許すかどうかは、結局自分で決めるものなのです。ですので、罪悪感を一生抱えて生きるのか、それとも自分自身を許し、罪悪感を手放して前向きに生きるのか、それを選べるのもまた、自分自身なのです。アファメーションは、繰り返し行わないと効果がはっきりしませんので、最低三週間ぐらいは、毎日「私は、私を許します」と自分に向かって言うようにしましょう。
 
 
 
 あなたの抱えている罪悪感、手放すことが出来るといいですね。
 
 
(2011.5.19追記)
 ゆるしのワークが、罪悪感を手放すためには非常に効果的であることが分かり、最近はこの方法を採ることが非常に多くなっています。
 
 
参考記事:
  実空間と像空間?怒りと罪悪感
  ゆるしのワークの概念と手順
  ゆるしのワーク 【ゆるしのわーく】

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浮気性、浮気症 【うわきしょう】

 

浮気性、浮気症 【うわきしょう】
 
 浮気性とは、浮気を繰り返してしまう性格のこと。妻の妊娠、出産や、夫婦の感情的な行き詰まり(デッドゾーン)のときに、突破口が見いだせず逃げるように浮気してしまう一過性のものではなく、妻の側の努力にかかわらず、浮気を常にしてしまう傾向を持つ男性が、浮気性の典型である。浮気が一過性のものか、浮気性であるかの見分け方は、繰り返しているかどうかである。
 浮気性は一種の依存症である。恋愛依存症のカテゴリーのひとつ「回避依存症」と考えられる。その意味では「浮気症」という言葉もあながち間違いではない。
 
 本人の中では、自分がいつか捨てられるのではないかという不安が非常に強いため、意志の力で行動だけを直そうとするのは難しい。骨折している人にまっすぐ歩けと言うようなものである。周りにも多大な迷惑をかけるし、人を傷つける厄介な症状ではあるが、根本的には浮気性の人の心の中にある寂しさや見捨てられる不安を癒すことこそが本当の解決である。
 浮気性の人は子供時代に母親に十分受け入れられたという経験が足りないことが多い。母親の支配や虐待を受けた場合もあり、女性に対する怒りや復讐心、そしてその裏にある恐怖の感情を抱えていることもある。心理療法などを活用し、過去の満たされなかった想いや感情的なわだかまりを解消してゆくことが大切である。
 
 ここまで浮気性の人に共感的な解説の書き方をしてきたが、これは決して浮気を容認すべき、という意味ではない。責めても仕方がないし、怒ったり脅したりして行動を改めさせようとしてもまずうまく行かないということを理解して欲しい。そして、浮気夫の問題解決を浮気されて傷ついた妻が一人で行うことは、あまりに荷が重いということに気づいて欲しい。
 解決のためには、アルコール依存症の克服には断酒が必要なように、回避依存症という、恋愛関係に依存する依存症の克服には一度一人になることが必要である。実は、浮気された側にも「別れて一人になったら私も怖くて辛い」という心理があることが多く、これも問題解決の障害になる。浮気された側も、自分の心の中にある寂しさや見捨てられる不安に直面する勇気が必要である。
 このようにして解決に向かおうとする際に、友人やカウンセラーなど、恋愛ではない人間関係のサポートがあることは、本人が孤独に陥って絶望しないための助けになる。
 
 なお、読者を巻き込んで大議論に発展した「浮気男の心理」も合わせてご覧下さい。

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モラ夫 【モラオ】、モラハラ夫 【モラハラオット】

 

モラ夫 【モラオ】、モラハラ夫 【モラハラオット】 (Mr. moral harassment, moral harasser)
 
 モラ夫とは、モラルハラスメントつまり精神的暴力をふるう夫のこと。本人には加害している、精神的暴力をふるっているという自覚が乏しいこと(特に自己愛性人格障害を持っているようなケース)もあり、その場合、自分から反省することは期待できない。
 モラ夫対策としては、きちんと距離を取ること。必要であれば離婚も視野に入れて、口先だけの脅しではなく、離婚したら住む先を探しておくぐらいの決意を持って臨まないと、モラ夫の行動は変わらない。もちろん、モラ夫を責めたり、喧嘩したりすることはあまり得策ではない。北風と太陽の話のように、無理やり相手を変えようとしてもさらに頑固になるだけである。
 モラ夫になる人自身も精神的に不安定な部分を持っていて苦しんでいる。他人を傷つけたら自分の心も傷つくので、モラ夫のままでは幸せになれない。本当の解決は、モラ夫自身が自分を大切にする心を育てることである。歪んだ自己愛で他人を攻撃するのは自分を大切にすることにならない。その意味ではモラ夫自身を救うことが本当の解決である。ただ、心理療法やカウンセリングに熟達したカウンセラーが対応に当たるなどの対応が必要であり、妻がモラ夫の心理サポート役を担うことは難しい。
 被害者側も自己否定意識が強い場合も多く、自分が悪い、自分が我慢しなければいけないと思いずるずるとモラ夫の勝手な言動を容認し続けてしまうことがある。このような場合、被害者側が「いい人をやめる」ことが必要である。家の恥などと言うのではなく、現状が緊急事態であることを認識して、行政などの設置しているDV被害の相談窓口や弁護士などに相談することがモラルハラスメントの環境から脱出するためには必要である。
 脱出すること、距離を取ることがモラ夫への最良の対処法、モラルハラスメントに対抗する一番の方法であると気づくことが、解決への第一歩である。
 
 参考:共依存モラルハラスメント、モラハラ

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モラルハラスメント、モラハラ

 

モラルハラスメント、モラハラ (moral harassment)
 
 モラルハラスメント(モラハラ)とは、精神的暴力、精神的嫌がらせのことである。家庭内で起こればドメスティック・バイオレンス(DV)の一形態である。言葉や態度によって起こるモラルハラスメントは、身体的暴力に比べ問題が表面化しにくいため、長い間潜伏しやすい。モラハラと略す。

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解決志向の考え方?うまく行ったことに目を向ける

 

 解決志向の考え方の基本に、問題に目を向けるのではなく、「うまく行ったことに目を向ける」というものがあります。これは、世の中にはまだ浸透していないようです。
 先日、読売新聞のコラム「人生案内」で子供を叩いてしまう母親からの相談が取り上げられていました。そのお母さんは、叩かないようにカレンダーに子供を叩いてしまった回数を記録しているけれどうまく行かないという話でした。
 このアドバイスは、我々カウンセラーでも、つい油断するとしてしまいがちです。特に、「認知行動療法」では、自分の行動を観察することをしますから、問題行動をしてしまった回数を記録したりするんですね。すると、「私はこんなにダメな行動をしているんだ」という気分になり、ますますストレスが高じて問題行動が悪化することがあります。
 私が用いているセラピーの手法、解決志向ブリーフセラピーでも行動課題といって、こういう「自分の行動を観察する」課題を出すことがあります。でも、回数なんて記録したらますます気が滅入るだけじゃないかと、私は思っていますので、私が自己観察の課題を出すときには、
 
 「その行動をやってしまった日は×
  やりそうだったけど、やらなかった日は△
  やりそうにもなかった日は○
  と、日記につけてください。
 
  そして、○の日に何があったかをよく思い出して記録しましょう。
  もしかすると、○の日の前の日の行動に意味があるかもしれません。」
 
 というふうに課題を出します。
 まず、回数を記録すると、子供を叩いてしまう話なら、叩くことに意識が向いてしまいます。だから、なるべく記録をつけるところは単純化します。回数なんていらない(特に、問題行動を数えるのはナンセンスだと思っています)、ダメだった日は×。記録したらあまりそのことは考えない。これでいいでしょう。
 そして、○だった日に何があるのかをよく探します。ここが大事なんです。うまく行ったところに意識を向けて、うまく行ったときの自分の行動パターンをよく知ることが役立つのです。
 
 なぜダメだったかを探って、原因を取り除いたらうまく行くはず、という考え方はある意味完璧主義的な考え方です。問題が起きたということは、悪者がいる。
 でも実際には、原因を特定できない問題も多いですし、ほうっておいたらうまく行かないことも多いですから、むしろ、何をどう努力したらうまく行くのかを知ることが解決の役に立つのです。
 だから、「何をしたときにうまく行ったのかを探る」ことに徹底的に意識を向けます。
 
 自傷癖やアトピーが解決志向の行動課題(自分を観察して○×△をつける)によって大きく改善した事例があります。
 
 問題を見るより、問題が起きなかったときのこと、うまく行ったときのことを考えることが、解決の役に立つのです。

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恋愛コラムby恋愛セラピストあづまやすし

 

 恋愛セラピストあづまやすしによる恋愛コラム。浮気男の心理、別れた彼が忘れられない、不倫されたときの心の癒し方など、恋愛の悩みにズバリ切り込む恋愛コラムを、元理系で現在恋愛心理学をベースにした恋愛相談を受けている筆者が書き綴っています。
 
 この恋愛コラムの一覧は、恋愛の悩みに関するコラムをご覧下さい。

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ペルソナとシャドウ 【ぺるそな と しゃどう】

 

ペルソナとシャドウ 【ぺるそな と しゃどう】 (persona and shadow)
 
 ペルソナとは、ある人が社会的あるいは周りの人に対して適応するために作った「仮面」「外面」のこと。語源に舞台で使う「仮面」の意味があり、ユングが名付けた。社会に適応するためにはペルソナを作ることは必要なことであるが、ペルソナが強くなりすぎると、自分の欲求や感情が抑圧されるようになる。これがシャドウである。
 シャドウとは「影」という意味であるが、ペルソナを作る過程で、受け入れられない考え方や感情を心の底に押し込めて「なかったこと」にする。その切り離された自分の一部がシャドウである。
 分かりやすい例で言えば、「自分のことは自分でする」というのは大人の原則である。但し、「他人に頼りたい」という気持ちも、ゼロにはならない。「自分のことは自分でするのが原則だが、大変なときは、上手に頼ることも大切」というように、適度にバランスが取れていればよいのだが、「自分のことは自分でする。他人には頼らない」というペルソナが強くなりすぎると、「他人に頼りたい」というシャドウが強く抑圧される。
 抑圧されて、日頃気づかないからこそシャドウなのであって、自覚がない場合が多いのであるが、シャドウの存在は、他人を鏡にして気づくことができる。たとえば、上記のようなケースであれば、「すぐに人に頼る人」や、「他人のご機嫌取りをして、助けてもらう人」を見たときに「イライラ」したとすると、そこにシャドウの存在があることが分かる。なぜなら、そのイライラ、怒りは自分の自我が、自立した個性を好み、これを表面的な性格(ペルソナ)とし、依存的な部分を嫌って抑圧し、シャドウを造り出したからこそ起こるものだからである。
 上記のケースのように、直接自分に被害が及ばない(誰かが依存的に振る舞っていても、それを見た人が損をしたわけではない)のに、怒りやイライラが出てくる場合、シャドウの存在をまず疑ってみるべきである。シャドウは本来、自分の感情や欲求に寄り添った人格であるが、抑圧しなければならない理由が人生のどこかにあって、抑え込まれて出たがっているものである。
 原因は多岐にわたるため、個別に探る必要があるが、上記のケースではたとえば、親が厳しくて、子供時代に十分に依存できず、依存したい気持ちを無理やり心の底に押し込めて自立した、というパターンがよくある。また、逆に親が頼りなかったり、忙しかったり、家が貧乏だったりしてゆとりがなく、子供時代から何でも自分でやらなければならない状況にあり、やはり同じように十分に依存できずに、依存したい気持ちを無理やり心の底に押し込めて自立した、というパターンもある。
 シャドウが生まれるプロセスで大事なことは、環境をきっかけにして、自分で自分の欲求を抑圧することを決めたというところがポイントである。同じような環境で育っても、自立的な姉と依存的な妹が育ったりすることもある。兄弟姉妹間で、対極的なペルソナを持つことは珍しくない。
 
 ペルソナとシャドウという対立を心の中に持っていると問題になることは、これが、現実の対人関係の対立に反映することである。人間関係が対立を軸としたものになりがちになる。特に自分が嫌っている「シャドウ」の側に立っている人とは、敵対関係になる。
 また、シャドウが「分かってもらえない」ことは怒りの原因になり、その怒りすら抑圧してしまうと、周りの人に怒りが移り、「なぜか他人から怒りをぶつけられる」という現象として表面に出てくることもある。
 
 身近な他人の持っている考え方や感情を「自分のシャドウかもしれない」と見る習慣を持つことは、自分の心を探り、改善していくために有用である。

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彼氏ができない理由、自己診断チャート

 

 彼氏ができない理由を知りたい。これは中々彼氏ができないと感じている女性にとっては、とても興味がある疑問でしょう。私の経験から、彼氏ができない理由を以下のように分類しました。
 
 彼氏ができない理由には、幅広い原因があります。確定的なことを言うには個別対応が必要ですが、ここでは簡単に自己診断する方法をお伝えします。
 
 ◇自己診断ステップ1 ミラクルクエスチョン(奇跡の一日)
 まず、次の質問に答えてみてください。
 「もしあなたが朝起きたら、奇跡が起きていて、今の問題が全て
  解決して、理想の一日が実現していたとしたら、どんな一日に
  なっていると思いますか?」
 
 まず、どんな気分(安心とかワクワクとか)の一日になるか想像
 してみて、そのあとに、「どんな部屋で目覚めたか」から順に一
 日の行動を頭の中で想像してみて下さい。
 
 
 ★診断ポイント 「その一日の中に男っ気はありましたか?」
 
 手をつなぐ以上の親密な関係があったのならA1へ。
 体の接触なし(握手だけも含む)、男性が出てこない。A2へ。
※奇跡の一日の中でたとえあなたに彼氏がいたり結婚していても、
 その相手と手をつなぐ以上親密な、体の接触のシーンが出てこな
 ければA2に進んでください。すでに子供がいたから、セックスは
 他の日にしていたはずだ、という推論は意味がありません。あくま
 で、想像した一日がどうだったかに基づいて診断してください。
 
 
 A1 出会いの機会(職場・合コン・スポーツジム・資格の学校・
  スクールなど)はあるが、積極的にアプローチしても嫌われた
  り、相手にされないことが多い→AA 男友達や職場の男性の同
  僚などもいて嫌われてはいないが、女扱いされていなかったり、
  友達より先に進まない→AK 出会いの機会はあるが、理想の相
  手に出会えない→AB 出会いの機会がない→AC
 
 A2 目の前で他人が口論していたり、怒っている人を見ると不安・
  焦り・怖さ・罪悪感などを感じて落ち着かない。あるいは、
  ノーと言ったり怒るのが苦手→AD セックスに対して抵抗感
  や嫌悪感がある→AE 結婚生活は、つまらないか嫌な感じの
  ものだというイメージがある→AF 妊娠・出産・子育てに対
  してネガティブなイメージがある→AG 自分が幸せになるこ
  とに対して罪悪感がある→AH 父親不在(離別・死別・多忙・
  単身赴任等)の家庭で育ち、男性との心の距離が遠い→AI 
  どれにも当てはまらないような気がする・わからない→A3
 
 A3 以下の質問に直感でイメージで答えてみてください。
  あなたにとってセックスとは?これをモノ・動物・植物に例え
  て手のひらに載せてみてください。これがネガティブなイメー
  ジのものだったら→AE あなたにとって結婚生活とは? これが
  ネガティブな感じのイメージだったら→AF あなたにとって子
  どもとは? これがネガティブな感じのイメージだったら→AG 
  どれにもあてはまらない場合、本心で答えていないかもしれま
  せん。もう一度始めからやってみましょう。
 
 
 ここからは、分析結果です。
 
 AA 嫌われたり避けられることが多いパターン
  嫌われたり、避けられることが多いとしたら、男性はあなたか
  ら何か「嫌な感じ」を感じ取っているのだと思います。
  抱えているネガティブな感情をしっかりデトックスすることや、
  相手を否定しないコミュニケーション法を学ぶとよいでしょう。
 
 AB 理想だけを見てしまっている
  空想の世界と現実とが解離しているかもしれません。「欠点が
  あっても大丈夫だ」という感覚を持てれば、一歩前に出る勇気
  が出るはず。理想が高い(相手にたくさん期待している)こと
  は、依存的であると知ってください。ありのままの自分に自信
  がないと、相手にたくさん期待します。まずは、あなた自身の
  自信をつけることをする必要があるかもしれませんね。
  また、先ほどのミラクルクエスチョンで出てきた世界の中でやっ
  ていた小さな事を現在の生活に取り入れてみましょう。
 
 AC 出会いに向けた行動をしていない
  これはABと近いです。ABの項目も参照してください。出会
  いは積極的に作るものです。環境はあなたが(無意識に)選ん
  だ結果なのです。仕事が忙しくて出会いが作れないという場合、
  まずは時間的なゆとりを作ることを目標にしましょう。
  また、NOが言えなかったり、怒れないと、人間関係はとても
  息苦しく窮屈なものになりがちです。NOを言わなくて済む相
  手を探すのではなく、NOを言ったり怒ることのできる自分を
  育てることが大変重要です。
 
 AD 対人緊張・人間不信がある場合
  人間が苦手、ということはありませんか?今までよく頑張って
  きましたね。最も親密で、幸せも問題も近い距離で共有するの
  が恋人同士・夫婦間の関係です。人間関係の中では一番繊細で
  難しいかもしれません。
  まずは、対人緊張を克服することを考えましょう。
 
 AE セックスに対して抵抗感や嫌悪感がある
  セックスに対してネガティブイメージを持ってしまうのは現代
  に生きているとある程度仕方ないことなのかもしれません。幸
  せなセックスの話よりも、性にまつわる事件の話やAVのような
  刺激が強く依存させるような性の表現などに触れることの方が
  多いのではないでしょうか。
  本来セックスは命をつなぐ大切な行為。その動機付けのために
  私たちは強い快感を感じるようにできています。自分自身を大
  切にすることと、セックスを大切にすることは切っても切れま
  せん。まずは、セックスに対するポジティブなイメージを育て
  ることから始めませんか?セックスの描写もあるロマンス小説
  を読むなど、幸せなセックスというイメージを心の中で育てる
  ことを心がけてみてください。
  但し、初潮の時に親から汚いもの呼ばわりされたとか、性的な
  成長(胸が膨らんできたり、など)を親からけなされたり、逆
  にいやらしい目で見られたり、性的虐待などの被害経験がある
  というあなたは、単にポジティブなイメージを育てるだけでは
  乗り越えるのが難しいかもしれません。一人では難しそうなと
  きは、恋愛セラピー(個人カウンセリング)をご利用下さい。
 
 AF 結婚生活に対するネガティブイメージがある
  結婚生活に対するネガティブイメージは両親の結婚生活を見た
  ことにより来るものでしょう。人生には楽しいことも大変なこ
  ともあるものですが、それを上手に乗り切って幸せに生きてい
  る人を真似してみましょう。そういう人が身近にいないなら、
  探すところから始めることです。
  (ちなみに、ココヘルで結婚生活の楽しい話を書いているのは、
  「そういう結婚生活もアリかな」と思ってくれる人が出てくれ
  ばいいな、という想いからなのです)
 
 AG 妊娠・出産・子育てに対するネガティブイメージ
  自分の子ども時代が幸せでなかったと感じる場合、子育てに対
  してネガティブイメージを持ち、結果として結婚、恋愛を避け
  てしまう場合があります。自分の子供時代の何が嫌だったのか、
  ホントはどういう生活がよかったのか、きちんと心の整理をつ
  けることが大切です。
 
 AH 自分が幸せになることに罪悪感を感じる
  あなたは、身近に不幸を背負って生きている人を見て育ちませ
  んでしたか? 身を粉にして働いていた母親。苦行のように仕
  事中毒だった父親。他人のために頑張るのは尊いことですが、
  しかめっ面でやられると、受け取る方は罪悪感を植え付けられ
  てしまうことがあります。あなたの身近にいた「不幸な人生を
  演じている人」は、幸せに生きることは自分の責任、という原
  則を外していたのです。
  楽しそうに生きている人の輪の中に勇気を出して入りましょう。
 
 AI 父親との距離が遠く、男性との心の距離が遠い
  異性の親との距離感は、そのまま恋愛・結婚相手との距離感に
  反映します。単に「好きなお父さんが(仕事などで留守がちで)
  遠かった」というだけなら、行動して修正していくことをお勧
  めします。異性の「友達」をまず作り、なじんでいくことです。
  但しもしも、父親が厳しかったり、暴力的だったりして、「お
  父さんを思い浮かべると緊張する」のであれば、対人緊張の傾
  向を持っているかもしれません。
 
 AJ 前の相手との心のお別れが済んでいない。許していない。
  別れは振った方も振られた方も傷つくものです。傷ついていな
  い気がしたら、心にフタをしているか、傷つかないために心に
  フタをしたまま恋愛をしていた(心から相手とつながっていな
  かった)か、どちらかです。
  「お別れ」とは「未練がなくなる」ことではありません。感情
  の整理をしっかりつけること、許すことです。
  たとえば、前の彼がお金にだらしなかったので次の彼に以前以
  上にお金に厳しく接するとしたら、前の彼に対する「怒り」
  「不満」を次の彼にぶつけているのです。まだ許していないの
  です。
  また、前の彼と下手な別れ方をした自分自身を許していないこ
  ともありますので、注意が必要です。
 
 AK 「自立の罠」にはまっている。
  「自立の罠」というのは、典型的にはこんな感じの女性の陥っ
  ているパターンのことです。仕事ができて、容姿も性格も悪く
  ない。特に問題があるようには見えない。でも、彼氏がいない。
  時々、「おまえは男がいなくても大丈夫だよな」と言われる。
  本人の自覚症状としては「頼りない男が寄ってくる」「尊敬で
  きる男性がいない」というものがあります。また「自分は母性
  的ではなく、少し厳しいかも」という自覚があるかもしれません。
  「自立」には「依存していない」という良い意味と、「傷つく
  のが怖いから、誰にも期待しない。自分のことは自分でやりま
  す。そのかわり、あなたも私に期待しないで!」という気持ち
  で、人とのつながりを拒否している、「孤立」に近い意味があ
  ります。もちろん、ここで問題にしているのは後者の方です。
 
 
 どうでしたか?
 人は自分が心の底で望んでいることを、意外なほど力強く引き寄せているものです。彼氏がずっとできないとしたら、心の底に「彼氏がいない方が心地よい」と思っている部分が必ずあります。その部分に光を当てずに、頭で考えて行動しているだけでは、中々解決しないと思います。
 
 この「彼氏ができない理由」診断チャートの分類には、心理学と実際に悩み相談の経験の中から見いだしたパターンを使っていますので、役に立つものであると信じておりますが、100%どんな方にも当てはまることを保証するものではありません。
 また、自己診断の問題点として、自分の中に抱えている感情や考えには、自分では気づきにくいというものがあります。心理学を学んでいる私でさえ、20代前半に、背の高い女性ばかり好きになったのが、自分の背の低さに対する劣等感の裏返しだったと気づくまでに10年以上かかりました。心理療法などを活用して、自分の中にある様々な感情や観念に気づいてゆくと、診断チャートの結果も変わることがある、ということをご了解下さい(もちろん、自分自身の心についてよく分かるほど、結果も正確になります)。
 
 なお、経験上、彼氏がずっとできないケースでは、精神科では「正常です」と診断される程度の、軽い男性不信、対人緊張があると考えています。仕事では男性とある程度距離をとりながらつき合うことができるけれど、恋愛の距離になると難しいわけです。
 恋愛セラピーなどを活用し、心の中の課題をスッキリ解決した方が、長い目で見ると結局幸せへの近道のように思いますがいかがでしょうか。
 
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心理療法の効果が出る人、出ない人

 

 優れた心理療法といえども、魔法ではありません。すべての人に効果が出ることを保証できるわけではありません。とは言え、やってみなければ分かりません、というのでは、あまりに無責任な言い方ですから、ここでは、効果が出やすいケースと出にくいケースについて、私の考えを書きたいと思います。
 
 効果が出る人:粘り強く取り組める人
 効果が出ない人:すぐあきらめてしまう人
 
 まず、これは確実に言えます。心理療法は心のトレーニング法のようなものです。筋トレも継続しないと筋力が付かないのと同じで、心理療法もすぐにあきらめてしまうと効果がでません。
 
 但し、効果が出ない方法を延々繰り返してしまうのは意味がありません。効果の出る心理療法は、初回から何か手応えがあるものです。効果を少しでも感じたら、継続してみる。その姿勢が大切です。
 結局、心理療法であるかどうかにかかわらず、人生を変えてゆける人というのは、小さい効果が出る、単純なことをコツコツ積み重ねることができる人、ということが言えると思います。
 
 魔法を期待するのではなく、かといって、効果が全く出ないことを苦行のように延々繰り返すのではなく、効果を感じたものについて、コツコツ積み重ねるという姿勢が、何より大切なのです。
 
 また、しばらく同じことを繰り返していると、効果が感じられなくなってくることがあります。その時は違う方法にチャレンジするときかもしれないと考えてみるのも、よい習慣です。

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