失恋した元彼と復縁したい。そういう相談を受けることがあります。でも、それはちょっと待って!あなたはその彼と復縁して本当に幸せになれるのでしょうか?
復縁マニュアルを探したり、復縁できるかどうか占いをしたり、復縁のおまじないやパワーグッズを買ってみたり。神社に神頼みしてみたり。恋愛が長続きしたり、その後の結婚生活が安定するための原則から言うと、ちょっと疑問を感じます。
まず、ひとつの関係が壊れたということは、お互いに心理的に未熟な部分があったということです。もちろんそれは、育った環境などの影響があり、あなたにはどうしようもなかった部分もあります。親が厳しくて十分に甘えられなかったり、あるいは生活苦で余裕がなく、やはり十分に甘えられなかったりした場合、依存心を強く持ったまま大人になってしまうことがあります。こういう場合、子供時代に満たされなかったものを恋人に強く求めることがあります。もちろん、それではうまく行きません。
この状態で復縁だけ果たしても、やはりまたうまく行かなくなる可能性が高いと思います。同じことをしたら当然ながら同じ結論になるのです。
このような状態で、たとえば探偵社などが提供している復縁工作を頼んでみたりしても、未来はあまり明るいとは言えません。確かに復縁工作などをすれば、その時は効果はあるのかもしれません。でも本当に大切なのは、あなたの心の中を変えることです。
解決方法として参考になる記事は「【ココヘル579】壮大なインナーチャイルドの癒し」から始まるメールマガジン「女と男の心のヘルス?癒しの心理学」のバックナンバーシリーズです。
復縁してうまく行くために、考えなければいけないキーワードをひとつだけ挙げるとすれば「依存心」です。依存心が強い状態では、「好き」という気持ちが「私の寂しさを埋めて欲しい」「ひとりぼっちで怖い私の気持ちを満たして欲しい」など、「私のニーズを満たして欲しい」という気持ちからなっています。誤解を怖れず言えば、依存心が強い状態では「好き=欲求不満」になっているんです。
つまり、別れて困る、別れて辛いのは誰かというと、「私」なんですね。自分の欲求不満を満たして欲しいという「依存心」で相手を求めている状態になってしまうんです。
この状態では、相手は自分のエネルギーを吸血鬼にどんどん吸い取られるような感じを受けてしまいます。依存的な人は「ちょうだい、ちょうだい」と心で言っているんですね。だから、吸い取られるような感じや重い感じがします。これでは、相手の心は、たとえ復縁してもまた離れて行ってしまいます。
うまく行く恋愛は、もちろん「依存心」があるから相手を求めるわけですが、それを自分でちゃんと分かっていて、相手が依存心を満たしてくれたことに対して心から喜び、感謝することができると共に、今度は逆に、相手の依存心を満たすことに喜びを感じることができる恋愛です。
今度はもらう側だけではなく、あげる側にもなるということです。
相手の幸せを願い、相手のために行動したいと思う心を「愛」といいます。ちょうど「依存心」と反対の心ですね。同じ「好き」でも、相手から「してもらいたい」という「依存心」と、相手の幸せのために何かしてあげたい「愛」は心のエネルギーの向きで言うと、正反対のものなんです。
愛を向けてもらった人は、どんどん元気になっていきます。あなたが彼に愛を向けてあげれば、彼はどんどん元気になり、あなたを離したくないと思います。
依存心を向けられてしまった人は、元気を吸い取られたような気がします。あなたが彼に向けている「好き」が「依存心」であるならば、彼は元気を吸い取られたように感じ、あるいは重く感じ、あなたから離れたくなります。
あなたの「好き」が愛80%、依存心20%ぐらいになったとき、次の恋愛はきっとうまく行きます。でも、依存心ばかりのまま恋愛をするとしたら、復縁しても別の相手と恋愛しても、やっぱりうまく行かないと思いますよ。振られたり喧嘩になったり、都合よく扱われたり、という結果が待ってます。
まずは、自分の心とちゃんと向き合って、依存心の存在をしっかり認めて、自分の依存心に自分で責任を持つと決めることが大切です。
「依存心」のもうひとつの側面は、恋愛対象の相手に対してではなく、人生の大事な決断の時に現れます。占いやパワーグッズに依存してしまっている。カウンセラーに答を求める。友達に頼る。
占いやパワーグッズ、カウンセラーや友達の力を借りることを否定しているのではありません。そういうものを活用してヒントを得て、最終的に自分で決めるのであれば、よいのです。
でも、自分の判断を放棄してしまう姿勢があるとしたら、人生が停滞する理由はそこにあります。小さいことからでよいので、自分で決めて自分で行動する。そして結果を見て考えて、次の行動をする。この繰り返しをすることで、何をしたらどうなるか、という世界の仕組みを体で覚えてゆくことができるのです。
他人の判断を鵜呑みにして行動するのは、自分で決めて行動するのとは大きく違います。たとえ結果的に同じ行動をしたとしても。たとえば、彼と別れることを自分で決めたのか、占い師の先生がそう言ったから(自分の頭では判断せずに)決めたのか。それは、大きな違いがあります。
次にまた大きな問題がやってきたときに、自分で決める習慣をつけておけば、自分で決められますが、他人に決めてもらう習慣がついていると、常に他人を頼らなければ生きられない自分になってしまいます。そのような意味で、占いに頼りたいあなたは、少し注意した方がよいと思います。私自身もタロット占いをすることもあり、占い自体に対して否定的に考えているわけではありません。依存してしまうこと、それが問題だと言っているのです。
不確定な未来に対して、自分で決断して前に進むためには、感情のシステムが健全に機能している必要があります。決断力というのは感情の力なのです。しかし、子供時代からの怒りや寂しさを抱え続けていると、感情が鈍くなり、決断力が落ちます。心理セラピーなどで感情の吐き出しが終了すると、非常に決断力が冴えてくる人がいます。それは、決断に必要な感情のシステムが生き返ってきたからだと私は考えています。
失恋は、誰にとっても辛いものです。たとえ、ふった側であっても。まずは、しっかりと感情を吐き出して、癒しを進める必要があります。その際に、元彼にぶつけてもよい結果にはつながりませんので、ひたすらあなたの感情を受け止めて話を聞ける人に、話をすることがよいと思います。身近にいなければ、心理セラピスト(この分野ではプロです)を頼ることをお勧めします。
そして、癒しが進み、特に女性の場合、今までいけないものだと思って抑え込んでいた怒りが表現できるようになると、不思議と元彼への執着が消えてなくなっていることもあります。その場合は、運命の相手ではなかったということです。もし執着が消えたとき、お互い再びまた引き合ったとしたら、一緒になることが運命なのかもしれませんね。
なお、関連記事として、
別れた彼が憎くて忘れられない(失恋後の心のケア)も参照してみてください。
失恋した元彼との復縁方法を探しているあなたに辛口アドバイス