月別アーカイブ: 2015年8月

7月、8月のバジルは、土壌の酸性化に注意。

さて、自動灌水を無事生き延びたバジルですが、次なる試練がやってきました。
この時期はどうしても仕方ないことなんですが、土壌の酸性化です。

ほとんどの(有機も含め)肥料は、pHを酸性側に動かしてしまいます。

別にすぐに枯れそうとか、そういう深刻な状況では、全くないのですが、なんとなく、葉っぱの元気がなさそうに見えたので、土のpHを測定してみました。
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えー。見事にpH6.0まで酸性化していますね。
このpHメーターは、0.5刻みでしか表示してくれない、まあ少し測定が粗いものではあるんですが、何度測っても、大体同じ値になるので、安定はしています。

経験上、このpHメーターで測定して6.5や7.0の場合はOK、6.0だとちょっと調子が悪くなることが多い気がしています。そんな微妙な話なのに、測定が0.5刻みでしかできないというのはどうかと思いますが(研究者時代なら上司に怒られているパターンでしょう)、家庭用だと精度の高い装置を維持管理するのは現実的でないので・・・

それで、今回は苦土石灰をたっぷり撒きました。

そのあとのpHはどうなったかというと、6.5まで上がりました(*^_^*)

あ、そうそう、他のサイトを見ると「バジルはアルカリ土壌を好む」「アルカリ土壌で育てるべき」などと好き勝手なことが書いてありますが、それ書いた人、本当に土のpHを測定したことあるんですかね?

日本で土を買ったり、日本の畑の土を利用した場合、pHが7以上の本当の「アルカリ土壌」ってほとんどないと思います。基本的に日本は酸性土壌の国なんです。上のpH調整後だってpH6.5。つまり弱酸性です。

でも、経験上、弱酸性でもバジルは育ちます。pH6.5ぐらいまでは。pH6.0になるとちょっと微妙な感じがしてきますけど。
アルカリ土壌が好きな植物は、酸性に対する耐性がないことが多い。つまり弱アルカリ性・中性・非常に弱い弱酸性(バジルの場合pH6.5ぐらいまで)までは生きられるが、そこよりも酸性になるとダメージを受けてしまう、ということなのだと理解しています。
(ちなみに酸性で生きられなくなる理由は、土中のアルミニウムイオンが溶けて、それを吸収してしまうからのようです。で、アルミニウムイオンは植物にとって細胞毒、らしいです。酸性土壌に適応している植物は、この悪影響をブロックする何らかの機構を持っているのだそうです。)

ちなみにpHは数字が1減ると、水素イオン濃度(←酸の正体は「水素イオン」です)が10倍になります。pH7.0の中性から、pH6.0になると、水素イオンが10倍の濃度になっている、ということなので、数字は1しか変わりませんが、環境は結構変わっていると考えて良いのかもしれません。

参考記事:
植物はなぜ、土壌の「酸性」「アルカリ性」が大事なのか?
バジルの葉が黄色(黄土色)になる理由の診断チャート

ミニトマトにハモグリバエが!

長女が小学校で育てているミニトマトを、夏休みなので家に持って帰ってきて、育てているんですが、こいつに、どうやらハモグリバエと思しき食害のあとが見られました。

NEX-5R 001実もなっています(*^_^*)

ここになんと、ハモグリバエが。
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これは後述する作業の後の写真ですが、全体でこんなに葉っぱをとる羽目になってしまいました。長女と一緒に作業したんですが、ミニトマトかわいそう・・・
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かなり腹が立ったので、ハモグリバエには、このブログのネタになってもらうことにしました。葉っぱのすき間から引きずり出して写真を撮ってやる・・・イヒヒ。

そのまえに基本ですが、ハモグリバエという虫は、バジルに付くこともあるんですが、葉っぱという薄い器官の「中」に潜って生活している虫です。葉っぱの表にも出てこず、裏側にも出てこない。葉っぱの「中」にトンネルを掘って、そこを食べ進むという、器用なことをする虫なんです。食べた後が、下手くそな一筆書きで絵を描いたみたいになります。

というわけで、葉っぱの表側の表皮と、裏側の表皮を、うまく剥がして、その間から虫を引きずり出そうというチャレンジなんですが・・・

NEX-5R 003trim虫がいそうなところを、ハサミで切り取ってみました。

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しかし、葉っぱが小さくなってしまうと、結局うまく剥がせませんorz…
この方針はあきらめました。

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今度は、この↑葉っぱから(下の方に黄土色っぽい虫がいるように見えますが)、細かくしたりせず、一気に剥がしてハモグリバエを取り出してみようと思います。

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ピンセットで押さえつつ、デザインカッターで虫のすぐ脇を切開し、剥がして・・・成功しました。どうやらもう、さなぎになっているようです。いまちょっと調べてみたら、幼虫期間は気温25℃だとわずか4日で終了しさなぎになるらしいですので、大体そのぐらい前に卵が産み付けられたと考えて良いようです。

食害の大きさ(葉っぱの白いあと)などから、さなぎが多そうだったのですが、幼虫の姿を見てみたいと思い、食害あとがまだ短い葉を、切開してみました。

NEX-5R 010trimそれがこいつ。
まあ色は、同じような感じですが、さなぎよりも体表がでこぼこしています。この突起をうまくつかって葉っぱの中を移動しているのでしょうか・・・

大事なミニトマトを食い荒らした罰に、晒し者になってもらいました。

もちろん、取った葉っぱは全て袋に詰めてゴミに。焼却処分です。
今回は、薬を使いたくなかったので、手作業で全部取って対処しました。

 

 

 

自動灌水を生き延びたバジルの勇姿!

こんにちは。

帰宅してから少し間が開いてしまいましたが、一週間、自動灌水システム(手作り)で生き延びたバジルの勇姿を。
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右側に見えているのは、ベランダには水道がないので、1週間分の灌水用の水(なんと約30リットル)をためておいた漬け物用の桶です(笑)

もうひとつの鉢の方も、こんな感じ。
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勢いありすぎて、葉がボッサボサになってますね(^^ゞ
このあと刈り込みました(写真なし)

バジル育成で、7〜8月頃に注意しないといけないことは、土壌の酸性化です。
有機肥料でも、化成肥料でも、肥料をあげていると、割と日本の土は酸性化しやすいんですね。酸性化といっても、pH6.5がpH6.0になる程度で、ごく弱い、弱酸性が、少しだけ強い、弱酸性に変わる程度の話ではあるんです。

でも、バジルは酸性土壌に対する耐性がない植物なので、これで調子が悪くなっていくことがあります。

それを次の記事で書きます。

バジルの自動灌水システム2015(笑)試験開始。

今年も、バジルの自動灌水システムを稼働させる時期がやってきました。
少し家を空けるので、その間、枯れないように水やりを自動で・・・するわけです。

それで、どんな風になっているかというと、
こうです。

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夕方なので少し暗いですが、バケツに入った風呂ポンプです(洗濯機に風呂の残り湯をくみ上げるための、あれです。うちはその用途では使ってないですが)。

そして、そのポンプの先にはホースがつながっていて、こんな風に細いチューブに分岐しています。
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で、それが、土に刺さっている。
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あとは、プログラムタイマーで、風呂ポンプをON/OFFすれば、完成です。
1日何分ONにするかなど、最終的な条件出しを、現在進めているところです。

出かけている間に枯れてしまったら悲しいですからね。

「しばらく見ないうちにお前、大きくなったなー(笑)」
みたいな再会の方が、楽しいですからね。

今年のバジルは、こいつと、
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あと、こいつ。
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↑こうして見るとプランターの大きさから見て、あり得ないぐらい外側に広がってますよね。育ちが良すぎて困るほどで・・・

私が色々作業していたら、居心地が悪くなったようで、カエル君が、ぴょんっ!と跳ねて、逃げていきました。

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少しテストをしてから、本稼働です。

 

バジル、7月、8月の水やりのコツ

バジルの水やりのコツは、
梅雨時までと、梅雨明け以降で、全く変わります。

このギアチェンジがうまく行かないと、枯らしてしまったり、葉が固くなってしまったりします。

梅雨時までの水やりのコツは、とにかく、本当に水が切れてくるまであげないこと、です。
土の表面が乾いても、内部はまだ湿っているので、あげすぎると根腐れして一日二日で一気に、腐るように枯れてしまいます。参考:梅雨時のバジルの水やりのコツ

一方で、梅雨明けして、7月・8月ともなってくると、毎日暑いですし、バジル葉からの蒸散もかなりの量になります。土の中の水も、根がぐんぐん吸い上げて、あっという間にカラカラになります。

この時期の水やりのコツは、とにかくたっぷりと、です。

しかも、4月から5月頃、土を作った頃に比べて、保水力も落ちてきます。
腐葉土などは朽ちて、栄養分になり、その分土の体積が減るわけです。土が陥没しないのは、土の体積が減った分は、バジルが根を張っているからです。

つまり、見た目の、鉢やプランターの体積は変わらなくても、中身の「保水できる土」の量は減ってきます。(何リットル水をあげたら、下から水が出てくるかを毎日観察して、保水力が落ちていることを確認したことがあります)

暑くなり、水をどんどん必要とするようになる。
しかも、
土の保水量は落ちてくる。

と、くれば、水が切れてバジルがダメージを受ける危険性が高くなってきます。

そもそも、植物は、涼しくなってきた時間帯から、水をしっかり吸って、そして、昼間光合成したエネルギーを使って、成長するものです。要するに成長する時間に、水がないと、そこがうまく行かないわけ。

だから、水やりは朝じゃなくて、夕方がいいんです。

特に暑い日は、私はこんな風にしています。

昼間でも、すでに「てれっ」としていたら、水をやる。
夕方には、必ず水をやる。
夕方「てれっ」としている状態で水をあげた場合、バジルが吸い上げた水の分だけ、プランターの中の水が少なくなっているはずなので、朝、少しだけ(夕方の1/4ぐらい)水を足しておく。

この、3番目の、朝補充することをしておくと、水が切れて「てれっ」としてくるのが遅い、つまり、水の持ちが良くなります。

土の保水力が足りなくなってきて、かつ、毎日暑いときは、試してみてもいいと思います。
(くれぐれも、この方法は7月、8月の方法です。梅雨時には絶対にやらないで下さいね)

バジルの葉が黄色(黄土色)になる理由を診断するチャート

 

バジルの葉が黄色く(黄土色に)なったときの、原因を究明するための診断チャートを提供します。バジルを育てていると、他の方のブログなどは参考になるのですが、原因のワードぐらい分からないと検索のしようもない。ということで、症状から引けるチャートを作ってみました。

まずは、葉が黄色くなったときに、どう考えるか。
始めに、いい状態の色はどんな色なのか、参考記事:「バジルの健康チェックは葉の色で。」を見てからチャートをやりましょう。

バジルの葉が黄色くなる理由の診断チャート

最初に大事なのは、黄色いのが全体にわたっているのか、それとも一部の葉なのか、ということ。全体にわたっている場合は、肥料・水・土壌の酸性度など、植物全体に関係する原因が疑われます。逆に、まばらに存在する場合は、個々の葉っぱに固有の事情が(その葉だけに害虫がいるとか)原因であることを疑うべきでしょう。

チャートをたどって頂いて、それぞれの答えにたどり着いたあと見るべき、解決策を順に紹介しておきます。

同じ「葉が黄色い」と言っても、原因は様々です。他の状況証拠と合わせて判断し、正しく対応しましょう。

葉の老化: その葉は摘んで捨てましょう。
      今後は、こまめに葉を収穫し、若いうちに使いましょう。
日照不足: 程度問題ですが、緑が薄い程度なら日照を改善する。
      かなり黄色い場合は、摘んで捨てましょう。
      今後は、葉を間引くことが有効です。この記事が分かりやすいと思います。
ハダニ: その葉は摘んで捨てましょう。薬剤散布も考えた方がいいです。参考記事
アザミウマ: その葉は摘んで捨てましょう。薬剤散布も考えた方がいいです。
       参考記事1参考記事2
水やりが悪い: 既に黄色くなった葉は元へは戻らないと思います。
        今後は、水が涸れないよう、十分に水やりしましょう。
        参考記事「バジル、7月、8月の水やりのコツ」が分かりやすいと思います。
土の酸性化: 基本的に、苦土石灰を撒きます。
       参考(苦土石灰を追加しました苦土石灰の粗悪品に注意
       植物はなぜ、土壌の「酸性」「アルカリ性」が大事なのか?
肥料切れ: 窒素系の肥料や、液肥を与えます。参考:7月の課題は、肥料切れ。
Mg切れ: 苦土石灰を撒きます。(酸性化と対策は同じです)

という感じです。
ご参考になれば。