「苦土石灰」の粗悪品に注意されたし

バジルの育成にほぼ必須の「苦土石灰」。
土壌の酸性を弱め(アルカリ性にまでは、なかなかなりません)、
重要なミネラル分である「マグネシウム」を補う。

そんな大事な苦土石灰ですが。

先日、粗悪品を見かけてしまいました。

本来、苦土石灰というのは、
炭酸苦土石灰と言いまして、
炭酸カルシウム CaCO3 と、
炭酸マグネシウム MgCO3 との混合物。

一方、園芸用品のお店に売っている「石灰」と名のつく商品は色々あるんですが、その中で最もメジャーなものが、消石灰、です。これは、化学式でCa(OH)2 化学的に正式な名称は「水酸化カルシウム」です。

なお、ブログなので表現できていませんが、化学式内の数字は全部下付き文字で、本来は小さく、下の方に書くのが正式です。

それで、粗悪品を買っても、薬にもならないが、毒にもならないのなら、わざわざ記事にもしないんですが、

間違えて使うとまずいかもしれないので、
書いておくことにしました。

100円ショップにも、園芸用品のコーナーがありますよね?
そこをぶらぶら歩いていたとき、「苦土石灰」と書いてある袋を見つけました。
しかし、今までDIYショップ等で見かけた苦土石灰とは、見た目(粒状とか)がずいぶん違います。

変だなぁと思って、
これは、化学屋さんの習性ですね。
裏側の、成分のところを見てみました。

すると、袋の表には、堂々とデカイ字で「苦土石灰」と書いてあるにもかかわらず、袋の裏には「消石灰」と書いてあったんです。

おそらく、安い消石灰を主成分として、そこにマグネシウム分を含んだ何かを、ちょろっと混ぜて、苦土(=マグネシウム)を含んだ、石灰(この場合は消石灰)として売っていたんだと思います・・・・・が、

が・・・・!!!!!!!

これは許せない!

毒にも薬にもならないのなら、100円ショップだし、大目に見るんですが、

園芸上、消石灰と苦土石灰は、全然使い方が違うんですね。
消石灰は強アルカリ性。
苦土石灰は弱アルカリ性。
間違えて使うと、植物を枯らしてしまうことがあるんですね。

だから、混同するような「偽装」は、許されないと思うんです。

 

苦土石灰は、炭酸塩になっていますので、弱アルカリ性で、かつ、溶解度も低いので、少しずつ溶けて、効いていきます。
したがって、こいつを、バジルをもう育てている真っ最中に、鉢にパラパラとまいても、じんわりと効くので、安全です。

一方で、消石灰は、水酸化物(水酸化物イオン=アルカリそのもの)ですので、強アルカリ性で、かつ、溶解度も比較的高いので、即効性があります。強烈に効きます。
したがって、こいつを、植物の根っこの近くに撒いてしまうと、最悪植物を枯らしてしまうことになるんですね。だから普通は、土作りの段階で混ぜ込んで、混ぜてから二週間ぐらい置いて、それから目的の植物を植える、という段取りを踏みます。

このぐらい、使い方が違うものなんです。

ちなみに、プロの農家なら、劇的に効くが、値段も安い消石灰をうまく使いこなすのも、必要な技術だとは思いますが、趣味の園芸の場合、多少高くても(といっても大した値段じゃない)、酸性土壌の中和にも、マグネシウム補給にも、どっちも苦土石灰を使っておけば、間違いない、と思っています。
苦土石灰なら、間違えて、多少多めに入れてしまっても、弱アルカリ性なので、効果はマイルドで、それで植物が枯れることはまずないでしょうから。(消石灰はやりすぎるとやばい)。

 

で、このぐらい性質が違うものなので、
本来、取り違えのないように注意しなければいけないんですが、

こともあろうに、

弱アルカリの苦土石灰と、
強アルカリで使用に注意が必要な消石灰を、

わざわざ混同させるようなラベルをつけて販売するとは、

マジで、ひどい話です。

ちなみに、その100円ショップとは、
あの有名な、最大手の「ダ◎ソー」です。

安く上げようと思って、
100円ショップで苦土石灰を買おうとしている方は、
良くご注意くださいませ。
もちろん私は、そこでは買わずに、別の店に行って買いました。

ではでは!

「苦土石灰」の粗悪品に注意されたし」への2件のフィードバック

  1. おっちー

    初心者ですがたいへん参考になりました

    貴重な情報ありがとうございます!

    返信
  2. あづま 投稿作成者

    コメントありがとうございます。お役に立てて嬉しいです。
    公開・お返事が遅くてすみませんでした(バジルを育ててない時期は、ログインが極めて少ないので(^^ゞ

    返信

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