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教え方・学び方研究会(6/24)

 

こんにちは、あづまです。
(写真は鎌倉の明月院で撮ったあじさいです)

さて、「教え方・学び方研究会」という新たなテーマを、今後育てていこうと考えていまして、

「PCスキルを学ぶ」といった単一のスキルを学ぶのではなくて、
「何かを学ぶスキル一般を身につける」といった、上位のスキルを扱う講座です。

まあ、ちょっと、大げさに言えば、
学びのプロ、を目指す、といった感じでしょうか。

どんな新しいスキルも、どーんと来い!的な自分を育てる、ということ。
(いや、もちろん、得手不得手はありますよ、誰でも。でも、スキルの身につけ方を底上げする、という効果はあると思います)

今回、6/24(土)に研究会を初開催するのですが、
ご興味のある方はご検討いただければ幸いです。

詳細はこちらのページにあります。

http://bit.ly/2qEbNWS

ではでは!

霞の向こうの神セッション(6)|恋愛ドクターの遺産第7話

第三幕 夢判断

・・・そしてセッション当日・・・

「・・・と言うわけで、相談のお申し込み時点でお伝えした相談内容は、先生が私の夢の中に三日連続で出てきて下さって、セッションをやってくださったおかげで、かなりの部分が解決してしまいました。」
「おー、そうなんですか。それはそれは。私が夜中にそんなところに出張していたとは! でも最近、よく眠れているので、私の方は問題ないですけどね!」ドクターはいたずらっぽく言った。明らかに面白がっているようだった。

(あまりにリアリティーのある夢でびっくりした・・・)私なつをはそう思った。そう、連日のセッションは、実際に先生が行ったセッションではなくて、相談を申し込んでからの三日間、ユミコさんの夢の中に、先生が「出張」して、セッションを行ってくれた、という話なのだ。つまり全てはユミコさんの夢、ということだ。
但し、ユミコさんは先生の著作を読んだり、知人から先生の噂を聞いたりして、事前に先生のことをある程度知っていて、すでにイメージがあったようだ。だから、比較的リアリティーのある先生の姿が現れたのだった。
以前、脳科学の勉強を少しだけかじったとき、夢とは、その日に経験したできごとと、以前に経験したできごととを照らし合わせ、組み合わせてみて、その日の出来事を長期記憶に残すかどうかの検証作業だと聞いたことがある。その作業を脳の中の「海馬」という記憶を司る部分が中心となって行っている際に、色々な組合せを試してみるので、今日経験したことと、昔経験したことが重なって出てきたりするそうだ。昔行ったことのある場所に、最近会った人と居たりするのは、そのためだというのだ。
確かに、恋愛ドクターのイメージが、彼女の身近な人と混ざっていたのは、そういうことなのかもしれない。もちろん、彼女にとって、ドクターとのセッションは、まだ実際に経験したものではなかったはずだが、強く意識したことで、その日の夢に出てくるほど印象深い「体験」になったようだ。そしてまた、毎回、話の中心テーマになる人、例えば二日目なら職場の上司だったが、その人の似姿で、先生がカウンセリングをする、というのも、何かミステリアスな感じがするし、本人の潜在意識では、夢の中のストーリーの、先の先まで本当は始めから分かっているのでは?と思われて、興味深かった。

夢の中に出てくる存在は、ある意味、全て、自分の一部分だという説を聞いたことがある。本でも読んだし、先生もその説を信じているらしく、先生との議論の中でも、以前、その話は出てきた。この説に従えば、ユミコさんの夢の中に出てきている存在は、全てユミコさんの一部だということになる。カウンセリング形式で対話をしていたが、ドクター役もつまりは、ユミコさんの一部、ということだ。ユミコさんとユミコさんで対話していたわけで、そう考えると、夢の中のセッションで、ドクターが、まだユミコさんが言っていないことまで、完璧にくみ取っていたのは、別に驚くべき事でも何でもない。つまりは、自分の一部なので、自分の気持ちを知っているのは当然なのだ。

(でも、あのレベルのセッションができたらスゴイだろうなぁ・・・そして、ときどき、夢の中の話でもないのに、先生って、あんな感じのこと、あるよなぁ・・・)私なつをはそう思った。

私がまた、自分の中の世界に入り込んでいるうちに、セッションは少しずつ進んでいた。

「こういうのを『治療前変化』って言うんですけどね、申し込んだことで気持ちが楽になったり、『どんなことを訊かれるんだろう』って自問自答しているうちに悩みが解消していったり、多少なりとも、誰にでも起こることなんですが。」
「そうなんですね。」
「夢に出てきて、セッションまで、というのは、カウンセラー歴長いですけど、初めて聞きましたね。治療前変化の金字塔みたいなものですね。」ドクターは笑いながら言った。
「そうなんですね。私、思い込み激しいタイプだからですかね?」
「ははは。そうかもしれません。良く言えばイメージ力が豊か、とも言えますね。まあ今回は、それがいい方に働いたということですね。」
「そう考えておくことにします。」
そう言ったとき、すでにユミコさんは、ずいぶんほぐれている感じに見えた。それもそのはずだ。すでに三晩も先生と「会っていた」のだから。

「そう言えば。」ドクターは切り出した。
「はい。」
「彼との関係を切る方向に進もうと思いながらも、それを切り出して、なおかつ、しばらくはこの家に置いてくれ、と彼に頼むことに対して、良心の呵責を感じているような話が、夢の中に出てきた私のせりふとして、あったみたいですが。」
「そうなんです!夢の中で先生が、このポイントを明確にしてくださったんです。ありがとうございます。」
「いえいえ。私はいびきをかいて寝ていただけですから。」

(つづく)

この物語はまぐまぐから配信の無料メールマガジン「女と男の心のヘルスー癒しの心理学」で(少し)先行して配信しています。また独自配信(無料)の「ココヘル+」では物語の裏側、心理学的側面を解説しています。合わせて御覧頂くと、より理解が深まります。登録はいずれもこちらのページから行えます。(無料メルマガですので、すでにお支払いになっている、インターネット接続料金・通信料以外の料金は一切かかりません。)

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霞の向こうの神セッション(5)|恋愛ドクターの遺産第7話

・・・さらに次の日・・・

「恋愛を一旦休む、という話になりましたが、それでいいですか?」ドクターが訊いてきた。
「はい。それが今の私に必要なことかな、と思います。」
「彼・・・コウジさんとは別れるということですね?」
「・・・そうですね。」
「同棲を解消する、ということですね?」相変わらずドクターは、まだ私が答えていないことを「すでに知っていて」、それを前提として質問をしてくる。
「・・・そうですよね・・・でも・・・」
「でも、すぐに解消するのは、色々段取りがあって大変ですよね。」
「そう、そうなんですよ。」
「本当は、もうほとんど、気持ちは決まっていて、彼とは別れるし、同棲も解消したい、そう思っているんですよね?」
「・・・はい。」
「ただ、どうしても・・・・ということなのですよね?」
細部は音声としてはよく聞こえなかった。ただ、私には先生が何を言ったのか、明確に分かっていた。つまり、先生はこんなことを言ったのだ。「ただ、どうしても、引っ越したり、自分の側の段取りが色々あるので、それまで今の家に居させてほしい・・・大体、2、3か月ぐらいかな? その頃には完全に同棲を解消するけれど、一緒に住むのはしばらくお願いする、という形で、彼に甘えさせてほしい、ということなのですよね?」
もちろん私は、よく聞こえなかったが、先生が何を言ったのか、それは完璧に分かっていた。そう、完璧に、分かっていたのだ。分からないはずがない。当然、分かるのだ。
そして、流れのほとんど感じられない時間の中で、私も返答をした。
「そういうことです。」
「なるほど、すると、何か良心がとがめるということでしょうか。」また、私の気持ちを先取りして、ドクターは質問を投げてきた。
「はい。そういうことです。」
「彼にあなたの意図を伝えましたか?」
「いいえ。言いづらくて。」
「これから、伝えますか?」
「・・・あの。」
「伝えますか?」
「・・・ええと。」
「伝えますかっ!」最後は一昨日と同じような大音声で問い詰められた。

ここで暗転した。何も見えない。何も聞こえない。ただ、心臓の鼓動だけを感じている。ドクターの最後の詰問は厳しかった。まだドキドキしている。胸が押しつぶされるかと思った。

ふと見ると、また、先ほどのシーンに戻っている。
「ただ、どうしても・・・・ということなのですよね?」
よく聞こえなかったが、先生が何を言ったのか、それは完璧に分かっていた。そう、完璧に、分かっていたのだ。分からないはずがない。当然、分かるのだ。
そして、私も返答をした。
「そういうことです。」
「なるほど、すると、何か良心がとがめるということでしょうか。」また、私の気持ちを先取りして、ドクターは質問を投げてきた。
「はい。そういうことです。」
「彼にあなたの意図を伝えましたか?」
「いいえ。言いづらくて。」
「これから、伝えますか?」
「・・・あの。」
「伝えますか?」
「・・・ええと。」
「伝えますかっ!」また大音声で問い詰められた。

また同じ詰問を受けた。まだドキドキする。
ここでまた暗転して・・・このシーンは二度と戻ってこなかった。そしてここで、記憶が途切れている。

(つづく)

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