あづまです。こんにちは。
最近、冷やしごはんダイエットなるアホラシイダイエット法が静かなブームになっていることを知りました。このブームの賞味期限は1年以内でしょう。化けの皮がはがれるまで、とも言います。
曰く、
ごはんを炊いたあと、冷蔵庫で冷やすと、デンプンが「レジスタントスターチ」に変わるので、カロリーが低くなる。
というもの。
果たして真偽のほどは・・・
で、調べてみました。
まず、「レジスタントスターチ」という言葉は私も知っていました。
これは、実際にあります。
英語ですけどね resistant starch (resistant starch:wikipedia英語)です。難消化性デンプンのことです。正しくは、digestion-resistant starch なんだと思いますが、英語でもdigestionを略した形で通用している用語です。
但し、分子構造の関係で、本当に消化を受けない、ガチ本物の「難消化性デンプン」もあれば、単にごはんが冷えたらデンプンがプルプルからぼそぼそに変わる(これを老化といいます)、そのときに、デンプンの分子同士で集合するので、酵素による消化をやや受けにくくなる、というプチ難消化性デンプンと言うべきものもあり、
難消化性の度合いについては、玉石混淆のようです。
それで、ごはんを冷やすというのは、今でしょの人のテレビで紹介されたので、有名になった方法のようですが、
どうやら、アメリカ化学会で、実際に学会発表されて、アメリカの雑誌メディアなどにも色々取り上げられた話のようで、一応、出どころは、しっかりしてはいます。
但し、この記事。
きっかけは鮭茶漬け? 栄養疫学が自分のフィールドになったわけ
FOO.COMという、私はかなり信頼しているライターさんたちが揃っている、食と健康についての情報発信をしているサイトなのですが、上記記事によれば、
彼女の先輩が、お茶の成分が、がん細胞に直接添加した場合、癌を殺す効果があって、そこにビタミンAが存在すると効果が高まることを、基礎研究で見つけた発表をしたら、翌日には、ニュースで、
鮭茶漬けで癌が治る
的な報道がされた、という話が載っています(爆)。
基礎研究レベルで「そこに何らかの効果がある」と立証されることと、
一般の人が思うような「食べたらすごい効果がある」と思うことの間には、
ものすごいギャップがあるんです。
納豆がどうので、あるあるなんちゃらという番組が打ち切りになったこともありましたよね。きっと、レジスタントスターチ問題(冷やしごはんダイエット)も、どうせその手の話だろうと勘ぐりまして、
調べたわけなんですが、
元の論文そのものは読めてないですが、
なるべくその内容を忠実に書いただろう記事に当たりました。
Scientists discover a simple way to cook rice that could halve the calories
この記事によると、まず使った米が、インディカ米です。日本の米よりも炊いた食感が固いのはみなさんご存知の通り。糊化しにくいんですね(そもそも難消化性の度合いが高い)。
そして、amylose molecules outside the rice grains が変化して難消化性になる、という主旨のことを、筆者が言っている、という形で書かれていました。つまりね、米粒の外側のアミロース(でんぷん)が変化して難消化性になるために、米粒全体が消化しにくくなる、というような話なんです。
もうちょっと意訳すると、米粒が難消化性デンプンでコーティングされたような状態になる、という話。てことはさ、噛んで、米粒をつぶしたらダメなんじゃ?
要するに、報道されていることは、一応実験事実に基づいているが、
・そもそも米が、炊いても固いインディカ米(日本の米での効果は非常に疑問)
・ごはん粒の外側が変化するわけだから、ごはん粒を噛んではいけない(爆)
・未消化のごはん粒が、うんちから出てきたら成功(爆)
という話になるはず。
大体さあ、そもそも栄養価(エネルギー)があるものを食べておいて、それが未消化のまま出てくるって話自体、私ならキモチワルイって思いますけどね。消化不良のものを腸内にとどまらせておくって、それこそ病気の元じゃないの? その辺の研究も済んでないうちから、自分の体で人体実験する気にはならないなぁ。
温かいご飯を美味しく食べたいでしょ。やっぱり(そこかやっぱり)。
ではでは!