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脱オレサマを目指す女子(1)|恋愛ドクターの遺産第8話

第一幕 他人事とは思えない

結菜(ゆいな)はゆり子のママ友のひとりだ。娘のさくらの同級生なので最近少し親しくなった。他のママたちより少し若いこともあって、仲間うちでは「ゆいちゃん」と呼ばれている。以前から親しかった順子・香澄と、ゆいちゃんとゆり子の4人で今日はお茶会をしている。その席上、ゆいちゃんの口からダンナがオレサマで困っているという話が出た。

「この前はね、『今日は遅くなるから』と言って仕事に出かけて、それで、急に『今から帰るから』って言って帰ってきたのね。うち、職場から帰宅するのが15分ぐらいなので、ごはんの支度も間に合わなくて・・・『なんだ、メシも用意してないのか!』って怒られたの。」

「えーっ、ひどい・・・」順子が言った。

「私なら『アンタ何様だ』って怒鳴り返すけどね。」香澄は相変わらず強気だ。

「それは・・・つらいよね。」ゆり子は、自分の家の状況とついつい重ねて考えてしまい、なんだか他人事だとは思えなくなってきた。しかも、自分も解決できていないのだ。アドバイスしようにも、何も言うことがない。

ゆいちゃんは、さらに続けている。「この前は、休日に家族で出かけることになってて、その計画をパパに任せていたら、当日まで何も準備していなくて、『えーっどうするの?』って言ったら『うるさい!お前だって何もしてないくせに』って言われて・・・」

「わーひどい」と順子。

「うちだったら、そんなこと言わせないけどね。大体やるって言っておいてやらないってのは絶対許さないね。土下座ものだね。」香澄は武闘派なのだ。

「ゆいちゃんは、だんなさんとどうしたいの?」ゆり子は訊いた。

「うーん・・・色々つらいんだけど、子供はパパになついてるし、仕事はちゃんとしてくれてるし、別れたいわけじゃない・・・のかな・・・」結菜は答えた。

「まあ、ゆいちゃんの人生だから構わないけど、別れた方がスッキリするかもよ。私なら離婚かな。」香澄が言った。香澄はこういうところ、キッパリしている。

「あの・・・香澄さんは、どうして割り切って考えられるんですか・・・?」結菜が訊いた。

「そりゃあさ、別れるとなったら、私だって色々な想いはあるよ。一緒にいい時を過ごした思い出もあるから寂しかったり悲しかったりするし、別れたら文句ももう言えなくなるか、って考えると、もうちょっと言いたいことを言い切ってから別れるか、なんてことも考えるけど・・・大抵そう思うとうちの人、帰ってこなくなるんだよね。」

「えー、香澄、怖いよそれ・・・」順子が言った。

「あはは。冗談冗談、でも、うちは、だんなも、言いたいことは言ってくるから、お互い様。わだかまりは残さないようにしよう、って二人で言ってるの。それでも腹が立つこともあるし、言うべき事を言うのと、相手を罵倒したり侮辱するのは違うから、そこはわきまえて・・・るのかな・・・一応・・・」香澄は照れ笑いした。そして、続けた。

「それで、もしも、私が我慢して相手に合わせたとするでしょ?そうしたら、まあ分かりやすく言えば、不幸になるわけ。だんなさんは、私というひとりの人間を不幸にすることに、加担していることになるじゃない?それって、だんなさんを悪人にすることでしょ?我慢するってのは、そういうことだと思うんだよね。一見、その場を取り繕うことって、相手に合わせたように見えるかもしれないけど、少しよく考えてみたら、相手に『妻を不幸にするだんな』という役割を押しつけることでもある、そう思うんだよね。だから私は、言うべきことはちゃんと言って、その時ぶつかり合ったとしても、ちゃんと解決することが大事だと思ってる。その結果、もしかしたら離婚になるかもしれないし、壊れかけたときの別れの判断も早まるかもしれないけど、それはそれで仕方ないし、長引かせる方が恨みも増えるから、さっさと決まった方がいいんじゃないかなぁ。」

一瞬、全員が沈黙した。香澄は単に強気だからだんなさんに放言しているわけではなかったのだ。香澄の「我慢することは、相手に『妻を不幸にするだんな』という役割を押しつけること」という哲学には、一同、息を呑んだのだった。

「あー、柄にもない哲学語っちゃったよー。」香澄が沈黙を破って照れ笑いした。

この日のお茶会は、このあと、話題を変えて少し続いたあと、幼稚園のお迎え時間が近づいてきてお開きになった。

「はぁ・・・私、ゆいちゃんのこと、色々言う資格はないなぁ・・・だってうちも、オレサマっぽいだんなさんなのに、どうしていいか分からなくて、一歩が踏み出せずにいるんだから・・・」みんなと別れてから、ゆり子はひとりつぶやいた。

(つづく)

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今日の戦利品Lady Grey…さすが成城石井。

TWININGSのLady Gray。

私の講座に参加された方は、ご覧になったと思うのですが、講座でお出しするお茶は、わりとこれが定番になってます。


で、今日の出来事ですが。

いま持っている茶葉が少なくなったので、成城石井へ。
実は他の店で、缶が変わったっぽいのを見たことがあって、変わったのかな? 商品置いてあるかな? と一抹の不安を覚えながら、紅茶の棚へ。

ない(がーん)。

まじかー。

店員さんに、色々聞いてみることに。

そうしたら、曰く、取引がなくなったわけではないけれど、輸入のタイミングうんちゃらで、今の今、入荷しないそうで。

もう無くなりそうなんですけど。

で、なんでこの紅茶にこだわるのか。
実は、味が美味しいというのも、あるんですけど、熱湯で雑に淹れても、味が大崩れしない(しぶくならない)ところが、日常づかいに、とっても使いやすいんですね。

お店で美味しかったお茶(やコーヒー)を買って帰っても、家で淹れると、なんか味が違う、ってなったこと、ありません? 私は何度もあります。基本的に、お湯の温度とか、そういうところがお店と違っている、まあつまり、入れ方が下手くそ、というのが原因だと思うのですが。

でもでも、毎日忙しいし、いちいち温度を測ってお茶を淹れるとか、なかなかできないですよね。
淹れ方が上手になれば、味も安定するのかもしれないですけどね。

そんなわけで、てきとーにお湯を注いで、ちゃんと美味しく淹れられるお茶って、貴重だな、と。まあそんな話を、お店の人としていたんですね。接客No.1のアイドル(?)的な店員さんだったんですが(接客No1は表彰されたらしく、ホントに実話)。

そうしたら、しばらくして彼女、「あっ」とか何か思い出したみたいで。

商品切り替わりのため(来月復活するようですが、とりあえず今は無くなるということで)、値引き品のワゴンに入れられていた最後の1個を思い出してくれました!

というわけで、私としては、

値引きしてもらって、ちゃんと最後の1個をGETして、大満足。

店員さん曰く「ちゃんと必要な人のところに行くのかもしれないですねー」

はい、その通りです!

大満足のお買い物でした。