なつをの夏の物語(15)|恋愛ドクターの遺産第10話

「理論的には、あとで先生に解説してほしいんだけど、私の実体験をお話ししますね。私の場合、男性の話を色々聞いてあげることをしていたら、自分の話ばかりしたい男性が集まってしまったの。本当は私も、自分の話をしたいのに、男性との関係では、なぜか、聞き役ばかりになってしまって。それがとてもストレスで。でも何でそうなってしまうのか全然分からなかった。男って所詮そんなものかな、ってずっと思ってたんだけど、恋愛がうまく行っている友達の話とか聞くと、彼氏が話を聞いてくれるって言うし、なんで私だけこうなってしまうんだろうって。それで、私も以前、先生に相談したんだけど、そこで言われたのがさっきの話なのね。話を聞いてほしいのに、まず自分が相手の話を聞く、という関わり方をすると、こと男女関係においては、オレの話をしたい、という男性が寄ってきてしまうわけ。」
「えーっ」なつをは力なくそう言った。
「それで、私も、先生に教わって、やり方を変えたんだけど、話を聞いてほしいときは、まず、自分で自分の心の声をしっかり聴くんだよね。本当はどう考えているのか、本当はどんな気持ちなのか。そして、それを勇気を出して相手に伝える。そういうコミュニケーションを続けていると、段々に、私の話をちゃんと聞いてくれる人が周りに増えていったの。」
「そうなんだ・・・」
「なつをさん、今は急に受け入れられないかも知れないけど、きっと大丈夫。私も変われたから。結果的に、人間関係も良くなったし。」
「あの・・・」なつをが不安そうに言った。やはり、自分のこれまでのパターンを変えることは、勇気が必要なのだろう。「私が自分の気持ちを話すようになったら、いま、私の周りにいる人たちも、私の話を聞いてくれるように変わる・・・って、ちょっと信じられないのですが。」
「あのね・・・」湯水ちゃんが言いかけたとき、ドクターが割って入った。
「では、ここからは、私が説明したいと思います。」
「先生、お願いします。」湯水ちゃんは、お役御免で、ちょっとほっとした様子だ。
「実は、なつをさんが行動を変えても、相手が変わってくれるとは限りません。残念ながら。」
「えっ?そうなんですか?でもさっき・・・」
「ええ、さきほど、周りとの関係が変わっていくという話をしたばかりですよね。そこは、ちょっとからくりがあるんですよね。実は、相手が『変わる』場合ばかりではなくて、相手が『代わる』つまり、今までいた人たちが離れていって、新しい行動を身につけたなつをさんにふさわしい、別の人たちが、周りに集まってくる、ということが起こる場合も多いのです。」
なつをはちょっとびっくりして、言葉が出ない。
「これを、人間関係のデトックスと呼んでいます。」
「あの・・・一応、お話は分かりました。具体的には、何をしたら良いのでしょうか。」
「そうですね。具体的には、自分が『何を見て・体験して』、『何を考えて』、『何を感じた』のか、その三点セットを、まず自分で日頃から自覚するようにすることです。自分の内側をちゃんと見て、自分を理解する、ということですね。そして、できれば、その三点セットを、できる範囲で、他人にも話すようにすることですね。何を見て、どう考えて、どんな気持ちになったのか、の三点セットですよ。」
「なるほど・・・」なつをは急に言われて、まだ、完全にはのみ込めていないようだ。
「では、一度ここで、練習してみましょう。」
「あ、はい。お願いします。」
「今の話自体を、例にとってやってみましょうか。」
「・・・はい。」
「さきほど、私は、行動を変えても、相手が変わってくれるとは限らない、という話をしました。そして、相手が変わるかわりに、居なくなる、つまり『代わる』こともあり得るという話をしましたね。」
「はい。」
「それを聞いた、というのが、『体験』になります。」
「えっ? あ、はい。」
「その体験をして、何を考えましたか?」
「ええと・・・あ、今、まあまあ親しくしているA子とかB子とか、確かに自分の話ばかりする子なんですけど、私が自分の話をするようになったら、どんな反応をするんだろう、聞いてくれるのかな、それとも、去って行くのかな、とか・・・」
「なるほど、そんな風に、色々なことを考えたわけですね。」
「はい。」
「そして、その時に、どんな気持ちになりましたか?」
ドクターの質問から少し間があって、ゆっくりとなつをは口を開いた。「なんか、不安というか、落ち着かない感じです。」
「なるほど、不安というか落ち着かない感じ。」
「はい。」
「はい、よくできました。」ドクターはニコニコしている。
「・・・はい。」
「いまやってみたのが、その三点セットです。私から意外な方針を提示された。これが体験。そのあと、色々頭の中で考えた。そして感情が出てきた。今回の場合不安や落ち着かない感じでしたね。」
「はい。」

(つづく)

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