脱オレサマを目指す女子(9)|恋愛ドクターの遺産第8話

「では、淑恵さん、こんな感じで、淑恵さんの場合はどうだったか、振り返ってみて下さい。」
「ええと・・・あの・・・私の場合、どんな話をすればいいのか、どんな話をすれば先生やなつをさんのお眼鏡に適うのか、そんなことをすごく考えていました。先ほどのように表現するなら、気にしぃな部分が100%だったかもしれません。」

ドクターは黙って何度かうなずいた。
(これは、絶対、最初から予想してました、ってことだな)私なつをはそう思った。これまでも、先生は分かっていてもあえて本人に気づいてもらうために、こうやって軽くワークをやってみるようなことが何度かあった。今回もほぼ、当たりはついていたのだろう。

「淑恵さん。」椅子に深く座り直しながら、ドクターが言った。
「はい。」
「あなたの場合、目の前の人にとても意識を使っていますね。」
「そうですね。使いすぎですかね?」
「使いすぎかどうかは、時と場合によりますが、オレサマタイプの彼氏が寄ってきてしまう原因の一端は、この、相手に意識を使う、という意識の使い方にあると、私は考えています。」
「そうなんですか? 相手に気を遣うと、オレサマタイプが寄ってくる、ということですか?」
「まあ、単純化して言うとそういうことです。」

淑恵さんの顔を見ると、かなり意外だという顔をしている。それはそうだ。私なつをも、初めて先生からこの仮説を聞かされたときは、にわかには信じられなかった。ただ、その後、セッションの助手を務めるようになり、この原因推定が当てはまっているケースをたくさん見てきたので、今では、基本的なパターンの一つとして納得している。

「先生、おっしゃることは分かったんですが、まだちゃんとのみ込めていない気がするので、説明して頂けますか?」淑恵はそう言った。(やっぱりな)私なつをはそう思った。

「そうですね。説明が必要だと思います。まず、心地よい会話と、そうでない会話、ありますよね? 普通に会話しているときの話です。」
「はい。普通に話せる人もいますし、話しているとなんだか疲れる人もいます。」
「その違いって、何だか分かりますか?」
「えっ? 改めて言われると、考えたことなかったです。単に相性がいいとか悪いとか、そういうことかな、と思っていました。」
「そうですよね。普通はそんな風に解釈するものです。では、相性がいい・悪いは何で決まっていると思いますか?」
「えっ?そこまで考えたことは・・・」
「そうですよね。まあ今日は、淑恵さんをテストするわけではありませんから、これからお話ししますが、改めて考えてみると、心地よい会話が続く条件と、そうでない条件、意外と考えたことがないですよね?」
「そうですね。うまく相手に合わせて、相手が不快にならないように気をつけるぐらいで・・・」
「はい、そこです!実は今の中に、答えがあります!」ドクターは力強く言った。
「えっ?今の中に答えがある・・・相手に合わせる・・・ということですか?」
「そうです。但しそれは、相手にとって、心地よい条件です。」
淑恵はその言葉を聞いて、ぱあっと表情が明るくなった。「あ!先生!分かりました。相手も、私に合わせようとしてくれていると、心地よい会話になるのだと思います!」
「はい。かなりいい線行きました。それで90点ぐらいです。もうちょっと説明しましょうかね。」
「はい、お願いします。」

(つづく)

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