「というわけでの、今日の行動課題ですが、」
「お願いします。」
「まず、安全の感覚を育てるためには、誰かが『守ってくれる』という感覚を感じて味わうことが必要なのです。」
「そう感じることは、あまりありません。」
「そうですよね。小さい頃から『誰も私を守ってくれない』という思いの中で生きていると、自分の身は自分で、必死に守らなければならない、という感覚になるので、必死で守る→他人は頼らない→他人から守ってもらえた感覚はますます育たない、という風になりやすいのです。」
「まさにそんな感じです。」
「そこを、少しずつでも変えていく必要があります。」
「はい。」
「まず、職場の上司や同僚でも、友人知人のどなたかでもいいですから、人間を平等に見て、ズルをしたりだれかを踏みつけにしない人をピックアップしてください。」
「・・・・・」
「はじめは、そんな風に人を見ていないですから、なかなか見つからないように思うかもしれません。その場合は、じっくり探すところから始めましょう。」
「えぇと・・・女性でも良いんですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。但し、最終的には男性の中でもそのような人を見つけてくださいね。はじめは、女性でもOKです。」
「はい。」
「まずは、しばらくそのような人を観察するところから始めましょう。」
「観察・・・ですか。」
「はい。人間は、自分の意識が向いたものを体験して生きています。たとえば美味しい料理を食べていても、本を読みながらだったら、半分も体験していないことになるわけです。」
「はい、分かります。」
「身近に、人間を平等に見てくれる人・・・そのような人が場の安全を作り出せる人なのですが・・・そういう人がいたとしても、みさおさんが全く意識を向けず、むしろズルをする人とか声の大きい人にばかり意識を向けているとしたら、みさおさんの主観にとっては『この世界は安全ではない』という方の事実ばかりを体験していることになるわけです。」
「ああ、それ、やってますね、いつも。でも、やめられないんです。」
「そうですよね。だからまずは、『安全だ、という事実もある』という方にも意識を向ける努力をしてみましょう、という課題の方からやってみましょう。」
「ああなるほど、今までのように、大声を出す人などが気になってしまっても、それはそれでいいということなんですか?」
「そうそう。いつか気にするのをやめられたら、もちろん良いことだけれど、いま急に無理してやめようとしない。それが大事です。」
「分かりました。これなら、できそうな気がします。」
「はい。そして、もうひとつやってみてほしいことがあるのですが。」
「はい、それは何でしょう?」
「人間以外のものから、エネルギーを受け取るという取り組みですね。」
「・・・はい・・・?」
「具体的には、自然、動物、芸術、子供の頃に楽しかったこと、の4つのカテゴリーのうち、取り組みやすいものを見つけて、そこからエネルギーをもらう、ということをします。」
「ちょっとまだ分からないのですが。」
「たとえば自然なら、実は神社が好きです、みたいな。で、神社巡りをして、木々から感じる安心感、清浄な感じをしっかり味わう。こういうことも、安全の感覚が育っていない場合、とても大事なエネルギー源になります。」
「なるほど!神社巡りは好きです。いま先生がおっしゃったようなことも、やっている気がします。」
「そうですか。それなら話は早い。今までと同じように、ただ、少し意識したり、実際に神社に行く頻度を増やしたりして、心の中で体験する量を増やしてみて下さい。」
「はい、分かりました。」
「少し安全の感覚を『味わう』という課題をやってから、次のステップに進もうと思います。」
「はい。わかりました。」
「今日はありがとうございました。」
「先生、ありがとうございました。」
(つづく)
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