バジル育成のコツ」カテゴリーアーカイブ

ハダニの大発生!バジルの被害は比較的軽いけど・・・

さて、今年最大の害虫被害が起こりました。

ハダニの大発生です。

夏の暑さが少しひき、涼しくもなり、雨模様の天気が増えてきました。ちなみに今日は雨天です。

それで、気候の変化とも関係あると思うんですが、ハダニが大発生しました。
一番被害が大きかったのはシソでした。

シソの葉裏についたハダニ

この葉っぱにはハダニが相当数ついていますが、他の葉もかなりついていました。
妻の希望で育てていたシソでしたが、もういいらしいので、今年はこれで、切ってしまいまして、おしまいにしました。シソちゃんありがとう~~

バジルは、まだ本格的な被害ではないようでした。ただ、葉の「表側」をハダニらしき赤いダニが歩き回っていましたので、何らかの形でやってきて、居着く場所を探しているのかもしれません。

今回は、ダニ太郎を散布しました。

本当は、初夏から、順に、「ダニ太郎」「コロマイト」と使ってきたので、輪番使用して次は「バロック」を使う予定でいたのですが、(使わずに済めば一番いいとは思っていましたが、そうもいかなかった)、バロックは卵と幼虫にはよく効くが、成虫にはそれほど効かないため、すぐにハダニがいなくならない(卵は死んでいるので効果は出ているのだが、それが分かりにくく、効き目も遅効性)という特徴があるので、なかなか使いづらく、かつ、今すぐ成虫を駆除したいと思っていたので、適していないな、と。

バロック

ダニ太郎

で、結局ダニ太郎に。今年二回目なので、薬剤抵抗性のダニが現れるなどのリスクが確かにあるわけですが、うちは農家ではないし、土も毎年新しいのを買っているので、まあそこまで神経質にならなくてもいいか、と思って使いました。

来年からは、まだどんどん育てていてすぐに収穫はしない初夏には、遅効性のバロック。そして、収穫を行っている時期には即効性のあるダニ太郎とコロマイトを使うという方針で行こうかと考えています。

ではまた!

ついに来た!ベニフキノメイガがやってきました!

いやー、今年は来ないのかと思ったんですが。
お盆前後に登場するあいつが。

そう、バジルの新芽の部分を食い荒らす、
ベニフキノメイガ、です。

害虫なのに嬉しそうなのは、まあこうして、ネタになるからです。

ベニフキノメイガがバジルの新芽にいる

こちらは拡大写真ですが、実物は、体長3mm程度の小さいものでした(成長すると数cmになりますが)。

ベニフキノメイガの幼虫であることを見分けるポイントは、
・新芽を中心に食い荒らす
・糸を張って巣を作り、その中に潜んでいる
・拡大してみると、胴体に黒い斑点が(おそらく)二列に並んでいる

というところです。
多くの害虫がバジルの香気成分を嫌うのに対して、
ベニフキノメイガはむしろ、シソ科の植物を好んで食害します。
まあ、バジル好き、ってことですね。
害虫駆除の基本は、初期に発見し、迅速に対処することです。
食害が進んでしまうと、植物の勢いがなくなり、被害からの回復も遅れます。

今回、かなり初期に発見しましたので、
ベニフキノメイガによる初期の食害の状態がどんなものなのか、写真に撮って記録しておきます。

NEX-5R 043こんな感じです。

ぼうっと見ていると見逃しそうですが、先端の芽の周辺の葉に、写真のように穴が何個も開いているようになっていたら、ベニフキノメイガを疑ってみるべきです。あとは葉をめくってみて糸で巣が出来ていたら、確定です。

さて、今回の駆除方法ですが、
今回は、バジルが育ちすぎて困っていたぐらいだったので、食害が見られる芽を全部摘んで捨ててしまいました。

バジルに元気があれば、害虫の駆除もこんな風に思い切ってできますね。

これが、バジルの元気がいまいちで、発見も遅れたりすると、かなり被害が広がってしまって、対応も難しくなりますね。

元気が一番♪

※なお、被害がもっと広がっているときは、「ゼンターリ顆粒水和剤(BT剤)」などの、毒性の低い天然由来の薬剤を使うと効果的です。今回は出番がありませんでしたが。

 

バジルの自動灌水システム、始動!

明日からちょっと家族で沖縄旅行に行ってきますので、
で、心配なのがバジルの水やり。

この時期は、気温も高く、植物の蒸散も多く、したがって、すぐに鉢の水が涸れます。一泊二日なら、出がけに水をやって、帰宅時にたっぷりやる、でなんとでもなるんですが、二泊三日以上になると、そうもいきません。

数年前から実家に帰省するときとか、色々なことを試していたんですが、ここ2年ぐらいは、車で帰省だったので、バジルごと帰省するという技でしのいでいたんですが、それでも、実家じゃなくて長期間の旅行の時など、困ったわけです。

そこで、自動灌水システムを作ったら問題解決じゃないかということで、ホームセンターで安く買えるもので、仕組みを作りました。去年もやったんですが、今年のやつは、さらに完成度が上がった気がします。

まず、状況確認から、
今年は、以下の四つの鉢に水やりする必要があります。

1.学校から持って帰ってきたアサガオ
アサガオ

2.家で育てているアサガオ
アサガオ

3.バジル
バジル

4.シソ
シソ

しかも、通常、一回の灌水で、
それぞれ、0.5L、1L、2L、0.5Lと、合計4L程度の水をあげています。
まあ、バジルとシソは、1.5~2日に1回程度でも大丈夫なんですが。

まあとにかく、これだけの量の水をあげ続ける仕組みを作らないといけないんですね。
実は去年の旅行の時は、バジルしかなかったので、風呂場において、バスタブから風呂ポンプで水やりをする仕組みにしました。植物育成用の蛍光灯も使ったんですが、光が弱くて少し弱ってしまったので、今年は、なんとか、ベランダで、ひなたで、水やりが出来ないか、考えました。

しかも、4鉢もあったら風呂場に置くのもちょっと無理めなので。
(しかも去年は毛虫がいたので、風呂場に毛虫のフンがたくさん落ちている、という気持ち悪い展開に)

で、やっぱりベランダに。

結局、重要な課題はふたつです。
・水源をどうするか
・電源をどうするか

水源はこうして、バケツの中に風呂ポンプを沈めておくことで解決。
このバケツは13Lなので、がんばって3日しか水やりが出来ないですが(もっと大きいの買えば良かった!!!)
バケツに風呂ポンプが沈んでいる

ちなみに、このホースの先はどうなっているかというと、

自動灌水ノズル
こうなってます。
細いチューブが10本に分かれていて、その先に、土に刺すノズルがついています。
確か名称は、点滴型ノズルだった気がします。本来これは、水道に直結させて、間にプログラマブルなバルブ(早口言葉みたいですね、笑。時間が来たらバルブ開、になる装置)をつけて使うもののようですが、そのバルブは結構高価なのです。10万単位の値段だった気がします。
そこで風呂ポンプでやろうという発想になっているわけです。

あとは、電源の方ですが、
窓の桟をなめ回すようによく見たら、コード一本ぐらい通るすき間があることを発見。てことはここを虫さんが入ってくることもできるじゃないか、とか色々思ったんですが、とりあえずそこからカギを開けるみたいな犯罪には使えなさそうなので、まあよいかと。

で、そこを通せば、ベランダの風呂ポンプに電源を供給できることが分かりました。

あとは、自動で電源のON/OFFをするだけなんですが、それはもう、簡単です。
プログラムタイマー
この、プログラムタイマーは相当高機能なやつで、何曜日の何時何分何秒から、何曜日の何時何分何秒まで電源を入れる、みたいなプログラムが14個ぐらい設定できるようになっていて、極端なハナシ、曜日によって異なる時刻に水やりスタート(しかも一日二回)、みたいなことすらプログラムできるんですね(やらないけど)。

まあこいつに、夕方の6時から6時10分まで電源ON、と設定しておいて、あとは、風呂ポンプ側の電源はONにしておけば、毎日夕方6時から10分間水やりしてくれるわけです。
ノズルからの流量を測定してみたら、毎分約400mlだったので、これで大体4Lの水やりが出来る、ということですね。

あとはノズルが10本あるので、それをうまく振り分ければOK、て感じです。
必要な水の量にきれいに比例させて振り分けるのはちょっと難しいんですけどね。
まあ、適当に分けて、ノズルが少なめの鉢に合わせて、多めに灌水するという方針で行きます。少し水浸しっぽい鉢が出るのは仕方ないですね。梅雨も明けているんで、それで枯れることはあんまりないかな、と。

こんな風に、刺します。
バジルのプランターに自動灌水ノズル実際に、自動じゃないけど、今さっき手動で電源ONして灌水したみたんですが、
ノズルから離れた場所は大丈夫?とか色々思いましたが、
やってみると、毛細管現象で水が隅々まで浸透するので、全然問題なしでした。

これで動作確認は終了。
あとは、自動運転をセットしたときに、無事動いてくれることを祈るのみです。停電とか勘弁してほしいです。夕立来るなよ~!!! 来てもいいけど夜中とかにしてくれ~~~(笑)

マニアックなネタに最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
ではまた。

 

 

バジルを剪定しました-バジル剪定の仕方

いやー、7月も中旬過ぎとなると、
(東京は、ようやく梅雨明けですが)
バジルの生育も早くなってきます。勢いありますねー。

で、こんな感じに。

プランターのバジル概観

で、これを剪定しつつ、収穫しまして(今回は40gほど)、
剪定後の写真が、

プランターのバジル概観(剪定後)

多少涼しくなりましたかね?
でも、あんまりぱっと見の印象は変わらないかな(笑)

写真で見ても、あんまりよく分からないと思いますので、
刈り方のコツを、図解してみました。

バジル剪定図解1

まあこんな風に、上からお日様があたって、日の当たったところの葉が大きく育ちますから、熱帯雨林で言う「林冠」のように、一番上の部分だけが、お日様の恩恵を受けてますます育ち、込み入ってきます。
一方、日陰になった葉は、ちょっと育ちが悪くなるんですね。

そこで、葉っぱをある程度間引いて、日の当たらない葉をなるべく作らないようにするわけですが、昨年まではこんな風に切ってました。

basil_cutting002

そう、日陰の葉っぱを、切っていたんですね。この方法ですと、元気に光合成を行っている葉っぱを残していきますから、バジルの勢いはかなりのものです。お荷物になっている、日の当たりにくい葉っぱは、積極的に切って収穫し、使ってしまう。

ところがね、こうやって切っていると、バジルが「がらんどう」っていうか、一番外側だけ葉っぱがあって、中の方に葉っぱがない状態になっていくんですね。だんだん背が高くなっても行くし、夏の終わり頃には、ちょっと扱いにくくなってきます。

そこで今年は、こんな風に剪定してみました。
basil_cutting003

図は、模式的に書いたので、細かいところは省いていますが、摘心して脇芽を残す形で、上の方の葉を間引きます。(摘心については、こちらの記事を参照。但し記事よりも大きく、2段ぐらい下の脇芽を活かす形で、大きく切ります)

全体的なイメージを見てほしいのですが、上の方の葉っぱを適度に間引いて収穫することで、中の方まで日が入るようになり、下の方から、今から伸びようとしている芽が伸びてきます。こうすることで、どんどん輪郭だけが大きくなる、みたいな問題は起きにくくなり、常に下から新しい芽が育つ、という理想的な状態がキープできます。

去年までは、せっかく伸びた枝を芽ごと切ってしまうのはもったいない、とか思って、あのような切り方になっていたんですが、どうせじゃんじゃん伸びるのだから、思い切って先端の方を切ってしまえ、と思って、刈り方を変えてみたら、今年はぐっと、扱いやすくなりました。

参考になれば。

バジルにスリップス(アザミウマ)が散見されるので・・・

見づらいかもしれませんが、
バジルの葉に、スリップス(アザミウマ)の成虫らしき、黒いものがいます。

NEX-5R 009

数カ所で成虫を見つけたのと、葉っぱが新たに、白く抜けたようになっているのを何カ所か発見しました。経験的に、これはアザミウマの食害のあとだと思います。NEX-5R 018

今回は薬剤散布をすることにしました。

今回まいたのは、「スピノエース顆粒水和剤
アザミウマに効果のある薬剤は少ないようで、これは数少ない薬剤の一つです。
しかも、天然物由来で安全なので、有機農法にも使用が認められています。

カエルくんがいたので、ちょっとおどかしてどいてもらって、その隙に撒きました。
カエルのえさとなる虫が減るのか?それはそれでかわいそうかもしれない。そもそも、もっと虫の多い自然の中に帰ってほしいですね。バジルにいるのも、別にいいけどさ。

 

今回のシソのハダニ駆除方法は・・・?

ハダニの再来を受けて、駆除をしないといけなくなりました。

成虫の数がまだ少なかったので、水で洗い流すなどのマイルドな方法を採ろうかとも一瞬考えたのですが、前の記事の通り、写真で見たら卵がたくさん産み付けられているようでした。これでは、水で洗った程度では完全駆除は難しいでしょう。やはり、卵にも効く、薬剤散布しかないだろうと判断しました。

ところで、農薬は、同じものを何度も使っていると、耐性のある生物が出てきて、だんだん効かなくなる、みたいなことが起きるんですね。

それを放置して、どんどん使っていくと、どんどん耐性も強くなっていきます。それに合わせて「濃いやつを使ってやれ」では、作物に対する薬害、人体に対する毒性などの点で、問題ありすぎです。

そこで、違う種類の薬剤に切り替えて使います。
これを輪番使用(参考:農薬工業会のサイト)と言ったりします。

というわけで、今回は、前回の「ダニ太郎」から変えて、
「コロマイト乳剤」を使うことにしました。

一応、シソ類は、説明書によると、収穫の前日まで使って良い、ことになっているようですが、念のため数日から一週間ぐらいしてから収穫することにします。

バジルに付いたアザミウマの退治法

今年もバジルにアザミウマが付いた・・・ようです。

アザミウマのgoogle画像検索
http://bit.ly/thripsimage_google

アザミウマ(スリップス、thrips)は1mm程度の小さな虫ですが、れっきとした昆虫です。
5000種類ぐらいいるらしいですが、葉っぱをかじって、汁を吸う、みたいな種類が多いので、害虫であることが多いです。
成虫になると一応羽が付いていて、飛翔能力はあまり高くないものの、風に乗って移動してくるようです。

私の経験では、これまで、それほどアザミウマの大被害に遭ったことはないのですが、ネットで検索してみるとアザミウマによってバジルが壊滅した報告もあるようですので、油断ならない相手です。

アザミウマは、葉っぱの裏側にいますので、本体を見つけようと思ってもすぐには分かりませんが、葉っぱの色素が白く抜けたようになっているのを発見することが大事です。

アザミウマの食害にあったバジルの葉

昨年バジルについたアザミウマは、見た目が少し違っていたので、色々な種類がいるのでしょう。今年見た本体は、こんな感じです。アザミウマにしては大型でしたかね。1.5mm程度の体長でした。

バジルの葉裏のアザミウマの画像

それで、今回は、バジルが成長力旺盛で、葉っぱがたくさんあったことと、まだ被害を受けた葉が少なかったことから、食害を受けた葉っぱを摘み、要するに手作業で駆除しました。
被害が少ないうちに発見したら、手作業がオススメですね。
食害のあとを発見したら、葉の裏側をめくってみて、アザミウマがいたら葉っぱごと、取ってしまうのが楽です。意外とすばしこくて、ぴょんぴょん跳ね回る奴がいます。となりの葉に跳び移られてしまったら(食害のあとがないので)発見が困難になりますからね。

但し、大量にはびこってしまったり、バジル自体が弱ってきていて、葉を摘む方法が現実的でない場合は、やはり、薬剤を散布するしかないでしょうね。

バジルは葉っぱを食べる作物なので、表面積も大きく、薬剤の残留も気になるところですよね(その逆は厚い皮をむいて食べる果実など)。残留農薬などのコントロールが、素人だと難しいと思いますので、オススメの薬剤は、有機農法にも認められた、天然物由来の薬剤である、これです。
スピノエース顆粒水和剤
化学物質は、毒性の強さによって毒物>劇物>普通物、という指定になるのですが、こいつは、普通物、つまり毒性はあんまりないよ、というもので、安心して使えます。アザミウマにも効果的です。

以上、バジルに付いたアザミウマの駆除方法でした。

 

かつて私がバジルを枯らしてしまったときに、起きたこと。

痛恨の過去をここに書いておきます。
ま、「痛恨」って言っても、たかがバジルが枯れただけなんですが。

7月頃に枯れると、でも、ショックが結構大きいんですよね。
いまからたくさん収穫できる、ってときなので。

あのときは、まだ梅雨が明けきっていなくて、天候は雨が降ったりしてじめじめしていました。
そのときに、バジルの根本から10cmぐらい離れたところに穴を軽く掘って、化成肥料を埋めました。

で、その前日ぐらいに水をたっぷりあげていたので、埋めたあと水やりはしなかったんですね。
今思うと、たっぷり水をあげる、という方が良かったのかも、という気もしています。

で、その後、
中途半端に、雨が降ってきました。

埋めた化成肥料が水にひたるには、十分だけれど、
プランターの土の老廃物を、しっかり鉢底から洗い流すほどには、十分でない、
そんな量です。

実は、水やりには、ふたつの意味があると言うことを、当時私は知りませんでした。
ひとつは純粋に、水を供給する、という意味。
もうひとつは、鉢の中の老廃物を、洗い流す、という意味。

だから、水やりというのは、少し、鉢底から、水が流れ出てくるぐらいにあげるのがコツなんですね。当時は、それを知らなかったの。

それで、窒素系の化成肥料をあげて、そのあと、水は、中途半端な量の雨。

そうしたらね、
バジルが、3本植わっていたんだけど、そのうち2本が、一日ぐらいで、へなーってしおれて、枯れちゃったの。もう一本も、枝の一部は、そういう症状が出て、そこは切るしかなくて、かろうじて生き残ったけどちょっと元気が無くなった。

原因は、よく分からないんだけど、いわゆる根腐れだったのかな、と今では思ってます。

バジルは根でも呼吸するタイプの植物で、根が窒息するとダメみたいです。
その頃は、水やりのタイミングとか、洗い流す意識とか、なかったので、中途半端に水をあげたりして、「鉢の内部がびちょびちょ」状態を作ってしまい、すると、嫌気性菌(酸素がないところが好きな、腐敗を招くバクテリアの総称です)が繁殖してしまう。その辺が遠因で、で、肥料をあげたことで引き金を引いちゃった、みたいなことが起きたと解釈しています。

要するに、
・梅雨時は特に「表面カラカラ・内部はびちょびちょ」になりやすく、
・嫌気性菌がはびこる温床を作りやすい
ので、
・バジルの葉っぱが「てれっ」とするまでは、なるべく水をあげない
という工夫をして土中の空気を確保して、そして、
・水をあげるときには、たっぷりあげて、老廃物をしっかり洗い流す
ということも心がける

ということが必要なんだと思います。
水やりに、あげないときと、あげるときのメリハリが必要だって事ですね。

7月の課題は、肥料切れ。

さて、何月から育てているかにもよりますが、7月頃になって、バジルに起きる変調が、肥料切れによるもの、のことは多いと思います。チェックの仕方はこちらの記事を。

肥料切れ関連で、バジルに関して言うと、
・窒素肥料切れ
・ミネラル切れ(または土壌の酸性化)

の二種類があります。経験上。

基本から行きますが、植物の三大栄養素って言うと、
・窒素
・リン酸
・カリ(カリウム)
ですね。このうち、窒素は葉っぱ、リン酸は花、カリウムは根っこをよく育てる、と良く言われます。リン酸は生命体の中で、DNAに良く含まれていて、新しく種を作ったりするときには大量に必要になるから「リン酸は花」はうなずけます。葉緑素を作るときに「クロリン」という環状の化合物を作り、その中心にマグネシウムが入ります。で、そのクロリンは窒素を含む複素環化合物なんですね。なので、「窒素は葉っぱ」というのも、きっとそうなんだろう、とうなずけます。カリウムが根っこというのだけ、いまいち理屈ではよく分からないんですが。

さて、それで、では、三大栄養素(と、水・二酸化炭素・日光)だけで生きていけるのか、っていうと、それは違います。植物だって、様々な微量栄養素が必要なんです。鉄分とかマグネシウムとか。

で、バジルは結構、ミネラル切れして弱る、というパターンがあります。但し、私はミネラル切れだと考えていますが、土壌のマグネシウム分が本当になくなっているのか、それは、分かりません。地中海地方出身のバジルはアルカリ土壌を好む植物と言われています。

実際土を作ってpHを計測してみると6.5ぐらいの弱酸性だったりして、それでも普通に育つんですが、そこからさらに酸性に傾くと、酸性土壌の毒が回るのか、弱ってきます。(ちなみに毒の正体は酸性で溶解度が上がった土中のアルミニウムイオンではないかと考えています。植物生理学的には、酸性土壌に耐性のない植物はアルミニウムイオンの悪影響をブロックする機構を持っていない、と考えられているようですので)。

ミネラルが切れてくるのと、土壌が酸性になってくるのが、時期が一緒ぐらいな気がするので、本当はどちらが真の理由なのか、結論が出ていません。

但し、原因がどちらであるにせよ、対策は一種類で、苦土石灰をまくことです。苦土石灰というのは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの含まれた鉱物で、別名「ドロマイト」とも言います。サプリメントの「カルマグ」にもこれが使われていることがあるようです。ただ、園芸店では必ず「苦土石灰」と表記されているようですね。

それで、肥料切れ系の問題を、
・窒素肥料切れ
・ミネラル切れ(または土壌の酸性化)

の二種類に分類したのはなぜかというと、
ミネラル切れの方ですが、もしかすると、土壌が酸性に傾いたことが本当の原因かもしれないんですね。そのときに、窒素肥料切れと勘違いして、たとえば窒素肥料の多い液肥をあげたとしましょう。そうすると、窒素系の肥料は大抵、土壌を酸性化させるんですね。

つまり、前者だと勘違いして、窒素肥料をたっぷりあげてしまうと、
土壌の酸性化を促進してしまって、ますますバジルが弱る、ということが起きる危険性がある、ということなんです。

そこで、対策なんですが、
まず、苦土石灰からあげてみます。
効果があるときは、葉っぱがみるみる濃い緑色に変わっていきます。
あ、みるみる、といっても、一日から数日で、という意味ですが。
そうしたら、とりあえず、窒素肥料の方は様子見していてもいいと思います。

苦土石灰をまいてみて、あまり芳しくないときは、
今度は、液肥などで、窒素を供給してみます。
こちらも、効果があるときは、葉っぱが濃い緑になっていきますし、葉っぱの成長が良くなります。窒素もマグネシウム(苦土)も、葉緑素を作る上で必須の元素ですから。

順番として、苦土石灰が先。窒素肥料があと、がリスクが低いと思います。
私みたいに、土壌のpH計を持っている人は、測定してみて、6.5までだったら、窒素からあげてもいいと思います。6.0を示していたら、緊急苦土石灰です(笑)

ちなみに、苦土石灰は、多少あげすぎても、効きがマイルドなので、悪影響はあまり出ないです。同じ「石灰」と名前が付いているものでも、「消石灰」は強アルカリ性なので、使うときは慎重に。消石灰は土作りの段階で使い、まいて少し寝かしてから、植え付け、という順でやります。植物が生えているときにまくのは、原則まずいことになってます。

苦土石灰は、そういう心配がないので、ある意味楽です。私は適当にまいてます。

窒素肥料についてですが、油かすや「化成肥料」など、窒素分の多い、固形の肥料もありますね。私は、固形肥料の追肥は、舵取りを間違ってバジルを枯らしてしまったことがあるので(その体験談はこちらの記事に)、それ以来1シーズンに1回程度にしています。苦土石灰をまくのと液肥で窒素補給、だと、うわー枯れたー、とか、あまり起こらないと思いますので、安全です。

バジルの健康チェックは葉の色で。

さて、うちのバジルも、プランターで育てている割には、という限定付きですが、かなりの背丈に育ってきました(地植えだともっと大きくなるようですが)。

こうして、ある程度育ってきたときに、問題になってくるのは、肥料切れです(参考:「7月の課題は、肥料切れ。」)。

肥料切れしてくると、
・成長が遅くなる
・葉っぱが小さいまま
・葉っぱの色が黄色っぽく、生気がない
・葉っぱが固い

といった症状が現れやすくなります。
要するに、成長できないので、元気もなく、若々しさもなくなってくるわけです。

私は、バジルの健康チェックは、葉っぱの色で見ています。
バジルの葉。健康なときは中心が若い黄緑色。その1
もう一枚。
バジルの葉。健康なときは中心が若い黄緑色。その2
色合いがうまく出るように調整して写真を撮りましたが、
葉の周辺は緑色で、中心が若い黄緑色なのが分かりますでしょうか。
こんな感じの時は、バジルも調子がいいときです。

そのうち、元気がなくなった場合の色についても、写真に収めたいと思います。黄色っぽいんだけど、なんというか、もう少し土気色に近い、生気のない黄色なんですよね。

まあ今回は、元気がいい方の例を紹介しました。